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第五章 衝撃!母との再会
第二話 迫り来るぺんちゃん
しおりを挟むメガ子は一歩出て場の空気も読まずにくるりと回ってお辞儀をしながら自己紹介し始めた。
メガ子:メガ男の妹のメガ子でーす。よろしくお願いします☆
一兄:こちらこそ。メガ男さんにこんな美人な妹さんがいたとは驚きですよ。
朱美:でも誰かに似てるような・・? あ、もしかして。
気がついた朱美に対してメガ子は「秘密よ」と言わんばかりに唇に人差し指を当てた。
朱美:すみません。他人の空似だったようです。では、私は報告は終わりましたのでこれで失礼致します。
一兄:ご苦労様でした。澄玲さんにもよろしく。
「了解しました」と敬礼すると朱美部屋から出て行った。
ギア:では、私達もこの辺で。あ、それと、これアリュバス星で晴さん達が釣ったお魚で出来たお菓子なんです。帰り際に貰ったので良かったら皆さんで食べて下さい。
メガ:もし晴さん達から連絡あったら教えて下さい。こちらもそうしますので。
一兄:分かりした。ほう、晴が釣った魚で出来たお菓子ですか。手土産までありがとうございます。
ギア子達が帰ろうと席を立つと廊下をバタバタと誰かが走ってくる音が聞こえて来た。
部屋の前でピタッと足音が止まるとバーンとドアが勢いよく開いた。
ぺん:晴とあれっくすが行方不明ってほんとなの⁈ ハァハァ・・・。
どうやらぺんちゃんは玄関から全力疾走して来たらしく激しく息切れを起こしていた。
一兄:ぺんちゃん久しぶりだなあ。てか、心配して来てくれたのか。
そこへ小夏を抱きながら苦笑いの瑳呂紋がのんびりと部屋の中へと入ってきた。
瑳呂紋:久しぶり。空港からタクシーですっ飛ばして来たよ、ぺんちゃんがね。お、ギア子さん達も来てたんですね。
ぺんちゃんがギア子達の方にくるっと向いたかと思うとギア子に抱きついた。
ぺん:ギアっち元気だっただすか! 生きてて良かっただすよ。
ギア:ぺんちゃん相変わらずだね、はは。
ぺん:ところでメガ男さんの後ろにいる女性は誰だすか?
一兄:まあまあ懐かしい顔ぶれが揃ったし座って落ち着いて話さないか? ギア子さん達もお時間まだ大丈夫ならば。
ギア:私達は大丈夫ですよ。ね、メガたん?
メガ:うん。
ぺん:分かっただす‼︎ おーし、ギアっち詳しく話すだすよ。
鼻息荒くしていたぺんちゃんは話を聞きたそうにソファに座りこんだ。
持って来たお菓子をつまみながらギア子とメガ男が順を追って改めて一から説明した。
ぺん:頼っちが大人になっただすか⁈
話を聞き終わると一番驚いていたのはぺんちゃんだった。
ぺん:って、なんで一兄は驚かないだすか?
一兄:俺は朱美さんから前以て話を聞いてたからな。というか、瑳呂紋達はなんで突然帰国したんだ?
瑳呂紋:ダンデリオンコーポレーションがなくなった後に吉田商事ってとこが会社を買い取ったんだけど、そこの社長が数週間以内に大事な事があるから戻って来いって言われてね。
ぺん:あの女社長はいけ好かないだす。
瑳呂紋:でも、その陰で俺たちのバンドが活動出来てるんだから文句は言えないよ。小夏を連れてツアーに行っても文句言われた事ないだろう?
ぺん:まあ、そうだす・・・。あ! ギアっち。急に日本に戻って暇だしギアっちの家に遊びに行っても良いだすか?
ギア:うちは全然構わないけど。ねえメガたん?
メガ:うん。むしろ久々だしツアーの話も聞きたいよな。
ギア:うんうん。
瑳呂紋:ありがとう。柚子ばあちゃんの家もなくなったのもあるけど、ホテルにすぐ戻るのも味気なくて。
ぺん:ホテル暮らし長いからギアっちの家でホッコリしたいだす!
一兄の家を後にし満月荘に移動するギア子達だった。
つづく
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