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スピンオフ 騎士団への道
第十六話 試練の里
しおりを挟むロンジの後ろを一列になって進む一向だったが、遠くから何やら叫び声なのか悲鳴のような声が聞こえて来ていた。
テル:なあ・・さっきから変な声が聞こえてこねえか?
晴:やめてよ‼︎ あえて言わなかったのにいぃ。
あれっくす:この修道院は誰か住んでるんですか?
メル:一応は住んでるはずだが。
テル:誰も見かけないぜさっきから。
ロンジ:この修道院の地下に魔女が幽閉されとるからの。魔女を見張る為に地下におるはずだ。
晴:って事は、この声は地下から響いてるって事?
テル:こわっ。
メル:こんな事で怖がってたら試練に耐えれんぞ。
あれっくす:メルさん試練ってそんなに怖いんですか?
テル:ところで嫌になったら途中でやめれんの?
ロンジ:やめれんわい。そろそろ出口だ。
ロンジが松明の火を消すと出口が見えて来た。
修道院の建物から出ると目の前には大きな雲が目の前にいくつも現れゆっくりと渦を巻きながら動いてるようだった。
メル:この雲の渦の真ん中に試練の里がある行こう。
テル:なんだここ⁉︎
ミミ:ここだけ時間軸が違うせいか雲の動きも目に見えてゆっくりに見えるんです。
あれっくす:ここで二年間か・・。
晴:頑張るっきゃないよね。
雲の渦の中心まで来ると水晶玉が乗った台座が現れた。
ロンジ:着いたぞ。
メルに:ここに手を当てると試練の里に転送される。
ミミ:御三方、心の準備はよろしいですか?
テル:俺はいつでも大丈夫だぜ‼︎ お先‼︎
テルはサッと水晶に手を乗せたかと思うと目の前からいなくなった。
晴:はやっ⁈ 私は心の準備は出来てると言いたいですが少し不安です。
メル:お前なら必ず修行に耐えれる。精神的にもこの旅で鍛えられたはずだ。
あれっくす:お互い頑張ろ。
晴:うん、あれさんもね‼︎ ・・・では行きます。えい‼︎
晴は勢い任せに水晶の上に手を置くと景色が一気に変わり森が目の前に現れポツンと一人になった。
目の前には細い道があり奥の方に灯りが見えた。
「ここまで来たら行くしかないよね」
晴は自分の気持ちを奮い立たせ細い道を進むと広場に出た。
広場の中央には女性と大きな白狼が隣にまんじりと座っていた。
女性:ようこそいらっしゃいました。ここはサマナーの試練の里となります。
晴:サマナー・・それが私の適性なんですね。これからよろしくお願いします。
晴は女性に深々と一礼した。
女性:えっと、私は案内人なのであなたの師匠となるのは隣いるドルア様です。
案内人の女性は苦笑しながら隣の白狼の方へと視線を注いだ。
白狼はやっと気がついたかと体を起こし晴に話しかけてきた。
白狼:私がお前の師匠となるドルアだ。
晴:しゃ、喋った⁈
隣にいる案内人の女性が晴の反応に苦笑いするのであった。
つづく
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