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第四章 いざ!第二の故郷へ
第十五話 止まらない成長
しおりを挟む若い男性が食欲旺盛にむしゃむしゃと食べてる様を食堂でみんなでまじまじと見ていた。
サクラ:地球の頃の頼電と違ってなんか逞しいわね。
ギア:って事は息子は成人してるって事⁈
メガ:急に大人になられても気持ちが追いつかないな~。
セラ:本人が一番大変な気がするけど・・・。
越褌:それにしても良い食べっぷりだわ!わしも負けておられんな!
越褌が負けじと口の中にいっぱいに食べ物を一気に押し込んだせいで喉に詰まらせたのか徐々に顔が青くなった。
朱美:ここは私にお任せを。
隣の席にいた朱美がバーンと一発越褌の背中を叩くと喉から食べ物が出て来たのか「水、水‼︎」と騒ぎ出した。
ゆき:相変わらず人騒がせですね。
美奈子:ホント。
騒がしい朝食の風景を眺めていたエマが頼電を見てふと気がついた。
エマ:頼電様の右手に何か紋様が現れていませんか?
頼電:なんか昨日から徐々にこのマークが濃くなってるのだけど・・・。
頼電が右手の甲をみんなの方に向けて紋様を見せた。
それを見たタカールは青ざめた表情になり愕然としていた。
ギア:タカール様、何かご存知なんですか?
タカールは青ざめた表情のまま「そんなバカな・・・」と頼電の紋様を見つめた。
トーマ:その紋様はダンデリオンの紋章と同じですね。
リョウ:って事は、頼電は俺たちと同じ血が流れてるのだから別にその紋様が出てもおかしくないって事?
セラ:でも、私達の手にはないわよね。
ギア:確かに・・・。何故、頼電だけに。
ギア子は自分の手にもない事を確認すると首を傾げた。
タカ:とりあえず、これ以上は成長が進むのは危険だ。エマ頼めるか。
エマ:はい。やってみます。
メガ:成長は止められそうなら良かった。
エマ:ですが・・緊急の為なので頼電様にどんな反応が起きるかは不明です。
ギア:・・・頼電は元の年齢に戻れないって事ですか?
タカ:その可能性もある。
晴:こんな時にすみません。ちょっと気になる事があるんですが?
晴が申し訳なさそうに手を挙げた。
あれっくす:どうしたの?
晴:頼電くんの首元にルーチェのネックレスが見えるんですが見間違いですかね?
晴の言葉に一同が頼電の首元に視線を移した。
リョウ:え、何でルーチェのネックレスつけてんだ頼電⁈
頼電:なんか気がついたらネックレスしてたんだけど・・・これ誰かに返した方が良い?
頼電は怒られたのかと勘違いしてネックレスを外そうとした?
タカ:外してはダメだ‼︎
タカールが急に大声で言うと頼電は驚いで泣き出してしまった。
頼電:ご、ごめんなさい。
ギア:大丈夫よ。誰も怒ってないわよ。
頼電:ほ、ほんと?
メガ:本当だよ。
体は大きく成長したものの精神年齢は追いついていないようで、べそを泣く頼電を見てギア子は何とも複雑な思いだった。
ギア子とメガ男の不安そうな表情を見てダイナムが一つ提案をして来た。
ダイナム:ギア子様、一つ提案なのですが、もし良ければ私が今日から頼電様の面倒を見させて貰いたいのですが宜しいでしょうか?
頼電:僕、お母さん達と一緒じゃダメなの?
ダイナム:お母様とお父様とはいつでも会えますよ。ただ、頼電様もダンデリオン一族の者として教育を受けなければなりません。
頼電:いつでもお母さん達と会えるなら良いよ。
頼電はギア子とメガ男の方を見てにっこり笑った。
ギア:助かります。ダイナムさんお願いします。
ギア子は頼電に対して今後どうして行くべきか悩んでいたのもあり、ダイナムの申し出を快く承諾した。
メガ:なんか何から何まで本当ありがとうございます。こちらの流儀など知りませんから大変助かります。
セラ:家族なんですから当たり前ですよ。
リョウ:そうそう。もっと頼って貰って良いぞ。
トーマ:まあ、これで少し様子見って感じかな。ダイナムは信頼できる奴だから問題ないよ。
サクラ:でも、どうしてこんなに急に成長したのかしら?
タカ:・・・誰かの仕業には間違いないだろうな。
朱美:という事は誰か頼電くんを使って何かを企んでる可能性があるって事ですか?
エマ:頼電様のご様子だとルーチェの天体や門も操れる可能性もあります。
ギア:頼電が・・・。
タカ:ルーチェの間に頼電が近づかなければ問題ない、案ずるなギア子。
メガ:それを聞いてちょっと安心しました。
頼電:僕、どうなっちゃうの・・。
大人達の会話についていけない頼電は不安そうにギア子を見つめるのであった。
つづく
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