69 / 182
第四章 いざ!第二の故郷へ
第九話 藁のベッド
しおりを挟む追いかけてくる巨大蜘蛛からギア子達は死に物狂いで森の中を駆け抜けやっとの思いで村に辿り着いたであった。
メガ:はぁはぁ、ここまでくれば大丈夫だ。
ギア:はぁはぁ、あんなに大きな体なのに素早くて逃げ切れないかと思った。
慣れない土地に来たせいか村がどちらの方向にあるか分からず、長い時間二人は森の中で彷徨ってしまっていた。
そのせいでタブリンの元に戻った頃には日がどっぷりと暮れていた。
タブリン:おかえりなさい。随分と時間がかかったようですが蜘蛛の足は取れました?
ギア:それがあんなに大きな蜘蛛だと知らなくてびっくりして逃げて来たんです。
メガ:そこから森の中で彷徨ってしまって・・こんな時間になりました。
タブリン:おかしいわね・・・そんなに攻撃的じゃないからすぐに取れるはずだけど。明日は私も一緒に行きましょう。
メガ:お願いします。とりあえず疲れたので宿に行きたいのですが。
タブリン:あ、ミミ様なら急用で宮殿に戻られました。後は私に任せるという事でうちの家に泊まって頂く事になりましたよ。今店じまいするので少々お待ちくださいね。
タブリンが身支度をささっと済ませると馬車に荷物を運び入れた。
タブリン:すみません、今日は売れ行きが悪くて荷物が多くて座れる場所がここしかないですが大丈夫でしょうか。
タブリンに言われた場所を見ると二人が体育座りするくらいのスペースしかなかった。
だが、ギア子達は疲れていて文句を言う元気もなく荷台に乗り込むとすぐさま眠りについた。
タブリン:着きましたよ、ご飯の支度しますね。ここに座って待っててくださいね。
ギア子達は眠気まなこでタブリンの家の中に入るとやっと落ち着ける場所に辿り着きホッと一息つくのであった。
そして軽めの食事が終わりこじんまりとした小さな部屋に通された。
タブリン:この部屋しか空いてないんですよ、ごめんなさい。では今日はお疲れ様でしたおやすみなさいませ。
ギア:タブリンさんありがと。おやすみなさい・・。
メガ:ふう、今日は疲れたな。ギア子大丈夫か?
ギア:うん!って言いたいところだけど走り回って筋肉痛なの。
メガ:同じく。疲れたし寝るか~。
ギア:もう疲れてヘトヘト。
二人でベッドに寝転んだ時だった。
ギア:何これ⁈ ちくちくする‼︎
メガ男がシーツを剥がすとそこには藁がびっしり詰まっていた。
メガ:藁のベッドか。これも良い経験かもな。
ギア:そうね。
二人は最初は藁の感触が気になっていたが疲れていたせいか気がついたら眠っていた。
翌朝にカツカツ、カツカツという音でギア子は目を覚ました。
目を開けるとそこには呆れた顔をして杖でドアを叩くタカールが立っていた。
ギア:タカール様おはようございます。メガたん起きて・・・。
ギア子はメガ男を起こすように体を揺さぶった。
メガ:うーん、もうちょっと・・・ん?うぉおおお。タカール様どうしてここに。
メガ男は突然のタカールの来訪に一気に目が冴えてしまった。
タカ:用事があってポルテナ村に来てみたらまだマントラの森に出発してないと聞き見に来たのだ。ミミはどこだ。
メガ:ミミさんなら宮殿に急用で戻られたようですよ?
タカ:ふむ・・・分かった。邪魔したな。
タカールは何か思うところがあったのかそのまま部屋からいなくなった。
ギア:何かあったのかしら?
メガ:なんだろな。それにしてもまだ疲れが取れないのか体が痛いな。
ギア:もうちょっと寝よっか。
すると二人は二度寝を決め込むであった。
つづく
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる