満月に吼える狼

パピコ吉田

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第四章 いざ!第二の故郷へ

第六話 夢現のサクラ

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 各自それぞれ調合に必要な物を取りに行く為に準備を始めていた。

 マサはトーマとサクラの護衛として行く事になり、ミミはメガ男とギア子の護衛につく事になった。

マサ:ミミ姉さん王女様を頼んだぞ。

ミミ:もちろん。そっちも王子様たちを守るんだよ。

 ミミとマサはお互いの拳をカツンとぶつけ合うとそれぞれ準備にかかるのであった。

トーマ :よし、じゃ鎧を着るか。

ギア:私のは?

セラ:ギア子はトルキエの弓なんてどう? 装備はエマお願い。

 セラが振り返るとエマが呪文を唱えギア子の服装が黄金の鎧へと変わり矢筒も背中に現れた。

 その瞬間にトーマもお揃いの鎧に変わりスタッフを装備していた。
 
ギア:ちょっとギラギラし過ぎてない?

トーマ:私達は王族だから装備が決まっておるのだ。

あれっくす:便利だね。じゃ僕たちはのんびり釣りでもしますか。

エマ:一週間経つと越褌様は元に戻らなくなります。なかなか釣れない魚でも有名ですからみなさん頑張って釣って下さい。

 それを聞いた晴はあれっくすに呆れた目線を送ったのであった。

 朱美はというと腕まくりをして釣るというよりは手掴みする気なのか川からすくう練習をし始めた。

 それを見たリョウは心なしか不安になっているようだった。
 
 支度を終えるとギア子達は宮殿の入り口に来ていた。

トーマ:では出発しますか。サクラさん念の為にこのブレスレットを着けておいて下さい。お守りです。
 
 トーマはサクラの腕に幅が広く装飾品が綺麗なブレスレットをはめた。

サクラ:・・・ありがとうございます。

マサ:準備できました。トーマ様、サクラ様お供しますのでよろしくお願いします。
 
トーマ:サクラさん行きましょう。さぁ、馬に乗って。

 トーマの一字一句にドギマギしているサクラはおぼつかない様子でトーマの馬に跨りイノシシ狩りに出発して行った。

ミミ:こちらも準備整いました。ギア子様、メガ男様、行きましょう。

メガ:よろしくお願いしますミミさん。

 ギア子達もトーマ達から一足遅れで宮殿から出発した。

 それから一日かけてトーマ達はイノシシの群れが暮らす土地に到着した。

トーマ: サクラさんマサと2人でイノシシ探してきます。しばらくここで休憩でもしてて下さい。この辺りは安全ですし景色を楽しんでてください。

サクラ:分かりました。

 サクラは大きな木の根元に座りマサから貰ったポーションを飲み干し周りの景色を堪能していた。

 辺りを見回すと地球ではお目にかからないような綺麗な青い花草や小動物があちらこちらに点在していてカメラを持って来れば良かったと後悔していた。

サクラ:(こんなにのんびり出来る場所があるなんて、もしかしてトーマさんここに連れて来たかったのかしら)

 サクラは待ってる間に眠くなってきてしまい大きなあくびを一つすると横になったのであった。

 サクラは目を閉じるとここ数日の事を思い出していた。

 トーマは宮殿を出発してからここに到着するまで気のない返事をしているサクラに対し明らかに気を使っているようだった。

 サクラはアリュバス星に来てからトーマに対し冷たい態度を取っていた事に罪悪感を感じ始めていた。

サクラ:(今思えばトーマさんいつも優しかったわ。トーマさんが戻って来たら私から話しかけてみようそうしよう・・・)

サクラ:(ギア子には心配かけてばかりだし・・・いい加減この環境にも慣れないとだめよね・・・)

サクラ:(でも今は慣れない馬に乗っていたせいで疲れちゃった。少し眠りたい・・・それにこの木の根元はなんだか暖かくて気持ち良い・・・)

 サクラは疲れもあってかすぐさま寝てしまった。
 
 少しするとサクラが眠っていたところへ人影が近寄って来た。

 サクラはその気配を感じ取りトーマとマサが戻って来たと思い込んでいた。

 目を開けるとそこには人間よりも遥かに大きな巨人がサクラの顔を覗き込んでいた。

 サクラは初めて巨人を直視し、あまりの恐怖に思わず大きな声で悲鳴をあげたのであった。

サクラ:きゃーーーーーーーー‼︎

つづく
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