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第三章 現る!過去の亡霊
第十六話 終わりの始まり
しおりを挟むそれから数週間後にギア子達は新婚旅行も兼ねてギア子の故郷で過ごす為に準備をし始めていた。
そこへインターホンが鳴った。
出てみるとそこには退院した旧月と眞香が並んでいた。
眞香:色々お世話になりました。今日は旧月が無事に退院しましてご挨拶に。
旧月:大変お世話になりました。
メガ:旧月さん元気になったかい?
ギア:本当無事で何よりだわ。
旧月:ありがとうございます。お二方のお陰です。それと突然かと思いますが彼が住んでる部屋に引っ越す事にしたんです。
メガ:そっか。寂しくなるなぁ、たまには遊びに来てくれよ?
眞香と旧月は「はい」と微笑むと手を繋いで帰って行った。
ギア:そういえば、ぺんちゃんってば瑳呂紋さんのバンドのマネージャーになってワールドツアーについて行ったんだって。てっきりあれっくすさんと夫婦だと思ってたのに。
メガ:天体を守る為に形だけの夫婦になってたのは凄いよな。でも、そのお陰もあって俺たちはこうしていられるしな。
ギア:うん。じゃ荷物詰めようかな。あっ。これも必要かな。これもこれも。うーんでもこれも必要かな?
メガ:え、そんなに持って行くつもり?
ギア子がスーツケースに色々詰め込むせいでメガ男が寝る前に整理する羽目になるのかとため息をつくのであった。
一週間後にギア子達が新婚旅行から帰ってくるとアパートの前は引越し業者のトラックが並んでいた。
ギア:また誰か引っ越してきたのかしら?
メガ:とりあえずお土産とか色々片付けるか。
二人が重くなったスーツケースを持って階段を上るとそこには晴が段ボールを持って立っていた。
晴:ギア子さんメガ男さんこんにち。今度お隣に引っ越す事になったんでよろしくお願いします。
メガ:実家で暮らしながらお兄さんの秘書していたのでは?
晴:あー、あれは学生だったのでバイトみたいなもんなんです。大学も卒業したしそろそろ自分で何かやりたい事を探そうかと思ってこちらに。
メガ:そうかそうか。何分からない事があったらいつでも言ってください。
ギア:色々大変だったものね。ゆっくりと自分探しも良いかもね。
晴:はい、後それと・・・。
晴が言いかけた時にあれっくすが段ボールを持って階段を駆け上がって来た。
あれっくす:もう挨拶したの? 今度下の階に引っ越して来たからよろしく。
晴:実はあれさもんも一緒に引っ越して来たんです・・・・。
あれっくす:住んでた家は取り壊す事になったんでね。
ニッコリ笑うあれっくすに対し晴はちょっとげんなりした顔をしていた。
晴:実は一人暮らししたいって言ったら兄があれっくすと同じアパートなら良いよって条件を出して来て・・。
あれっくす:妹の事は心配でしょ普通に。行くあてもなかったしちょうど良かった満月荘の部屋が空いてて。
メガ:なるほど。
ギア:賑やかになって良いわね。サクラも喜ぶんじゃないかしら?
晴:荷物の整理が終わったらサクラさんにも挨拶いきますね。
あれっくす:じゃ後の荷物運ぶね。ギア子さんメガ男さんまた。
二人は残りの荷物がまだあるようで階下のトラックに荷物を取りに行ってしまった。
ギア子とメガ男は部屋に戻るとスーツケースはそのままお茶を入れのんびりとしていた。
その後に二人で少し横になるつもりが気がついたら夜になっていた。
ギア:旅疲れかしら、ぐっすり寝ちゃった。でもやっとひと段落ついた感じね。
メガ:そうだな。これで静かにのんびり二人で暮らせそうだな。
メガ男はそう言ってギア子を抱き寄せた。
ギア:メガたん・・・。
二人は顔を近づけ良い雰囲気になったところでインターホンが鳴り響いた。
ギア:もう。また良いところで。誰よ‼︎
玄関を開けると慌てた様子の晴が立っていた。
晴:大変です!二人とも出てきてください!
それを聞いたギア子とメガ男がまた何やらひと騒動起きそうな予感がした。
まだまた平穏な生活とは縁遠いようでお互い顔を見合わせると、そんな人生も悪くないかと二人で微笑んだのであった。
第三章 完
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