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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第十五話 犯人からの連絡
しおりを挟むギア子の部屋の前には捜査員が見張りがつき物々しい雰囲気になって来ていた。
仕事が終わり帰宅したメガ男は部屋の前に警察官がいる事に驚いていた。
部屋の中に入ると朱美がギア子に事情聴取を行なっていた。
朱美:ギア子さん犯人に心当たりは?
ギア:分からないです、それに何故私に連絡が来たのかも分からないです。あ、メガたんおかえり。
メガ:一体何があったんだ。ギア子に何か?
帰宅したばかりのメガ男にギア子は旧月の話を説明した。
メガ:誘拐されてたって事?
朱美:それでこの部屋の玄関に捜査員を配置させて頂きました。
メガ:そうだったんですね。犯人から連絡はまだ?
ギア:うん。
朱美:では、何かありましたらすぐ声かけて下さい。
朱美は一礼すると部屋から出て行った。
メガ:なんで弓にそんなに拘るんだろうな。
ギア:見た時はそんなに特別な感じしなかったけど・・・。
それから数日は連絡は来ず、「いたずらだったではないか」「旧月とセラは実は一緒にどこかに監禁されてるのではないか」と頭の中によぎったギア子だった。
その頃、太陽フレアの活動が最高潮に近づきつつあり、人々は安全な場所に行く準備を始めたりと周辺はざわつき始めていた。
そんな時に澄玲から連絡が入った。
澄玲からの話の内容だとトーマと妹のセラが一緒にいるという情報が入り、ダンデリオンコーポレーションのビルは閉鎖されてるとの事だった。
サクラも出社したものの他の社員と同様建物に入れず、怒りをぶつける為にギア子の部屋に来ていた。
サクラ:全くなんでよ‼︎ 前日まで普通に業務をしていたのに。トーマさんも特に何も言ってなかったよの? こんな事ありえる?
ギア:サクラは本当に男運ないわね・・・。
サクラ:ふん。こうなったら地球最後の日はメガさんとギア子といるわ。
それを聞いたギア子は「最後の日まで二人きりになれないの?」と落胆していた。
そこへ玄関先にいた警察官が郵便配達員が来たとギア子達に声をかけた。
それを聞きつけた朱美もやって来て郵便配達員からギア子は書留を受け取った。
朱美:開けてみてください。
言われた通り開けると代々木国立競技場で行われるライブチケットが入っていた。
サクラ:これって瑳呂紋さん達がやる五大陸同時ライブってやつ?
朱美:そうですね。
サクラ:ギア子どうしたの急に黙って。
黙り込んでいるギア子の手元を見るとチケットの裏にやつれた旧月の写真が貼ってあり、写真にはマジックで弓を持って来いと書いてあった。
サクラ:旧月さん⁉︎
朱美:どうしても弓が必要みたいですね。その前に指紋採取をさせて頂きたいのですが。
ギア:・・・分かりました。
届けられた写真など全て調べて見たものの指紋も出ず、誰から送られて来たのかも分からなかった。
そしてギア子達は指定された通りにライブに行かざるおえなくなり警察と共にライブ会場に来ていた。
メガ男は警備にあたり朱美は会場の外で不審者がいないかチェックをする事になった。
メガ:ギア子何かあったらすぐに言うんだぞ、俺は朱美さんと会場周辺を見回るからな。でも何だって今日なんだ・・・サクラも気をつけろよ。
ギア:うん、わかった。
サクラ:メガ男さん、私は大丈夫よ。ギア子の事は任せて。
澄玲:私も近くにいますから安心して下さい。
メガ:よろしくお願いします。朱美さん行きますか。
朱美:はい。あ、そうだ澄玲先輩、準備は出来てると先程連絡が入りました。
澄玲:分かった。
メガ男は心配な顔をしていたが朱美と会場周辺に怪しい人がいないかチェックに向かった。
そしてギア子とサクラは犯人から指定された席につき、澄玲と捜査員は犯人がいないか観覧席をチェックし始めた。
澄玲:とりあえず、問題無さそうです。このまま犯人からの連絡を待ちましょう。
ギア:分かりました。
ライブが始まったものの犯人からの接触はなく、ギア子達の気持ちを他所に会場は熱気に包まれていた。
ライブ中は周りに不審人物がいないかピリピリとした雰囲気が漂っていた。
だがライブが終わるまでギア子に接触して来る人はいなかった。
ギア:結局連絡来ず・・か。
澄玲:とりあえず、もう少し待って見ますか。
ギア:分かりました。
三十分もすると観客席はほほ誰もいなくなりギア子達しかいなくなった。
サクラ:いたずらだったのかも? 犯人から連絡もないし。
ギア:そうなのかなあ。もう帰りますか?
澄玲:そうですね。入り口に朱美とメガ男さんが待機してます。ご案内します。
諦めて帰ろうとギア子とサクラが席を立ったその時、ステージにパッとスポットライトが点いた。
よく見るとそこには一人の男性が立っていたのであった。
つづく
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