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第三章 現る!過去の亡霊
第十四話 満月に吼える夜
しおりを挟む出口へ向かう際にゆきと美奈子の姿が見えるとギア子達は駆け寄り再会できた事をお互い喜び合った。
全員で会場の外に出るとそこには朱美が黒塗りのセダンの車の前に立っていた。
朱美:みなさんこっちです。それと防衛大臣からの伝言も預かってます。
ギア:伝言って何ですか?
朱美:明日ぺんちゃんの家に皆さん来るようにだそうです。
ギア:分かりました。ゆきさんと美奈子さんもですよね?
朱美:そうです。その際にサクラさんには詳しい話をして貰いたいとも言ってました。
サクラ:なるほど。分かりました。
ゆき:生き返った事と関係あるんですね?
朱美:そうだと思います。私も澄玲先輩も呼ばれてます。
美奈子:私も知りたいです。是非明日伺います。
朱美:場所は後でみなさんに地図をお渡しします。では、車にお乗りください。
一兄が用意した車に込みそれぞれが乗り込むと帰路の最中では明日の話で持ちきりだった。
そうするうちに美奈子の家に着くと旦那の五郎が赤ちゃんを抱いて待っていた。
美奈子は車から降りるとみんなに大きく手を振りながら家の中へと入っていった。
次はゆきの家に行くと待っていたゆきの旦那さんと息子達に出迎えられるとゆきはみんなと仲良く家の中へと入っていった。
そしてしばらくすると満月荘の前に車が駐車した。
朱美:着きました。みなさんお疲れ様でした。
ギア:朱美さんもお疲れ様でした。送ってくださってありがとうございました。
サクラ:朱美さんまた明日。
朱美:はい、また明日よろしくお願いします。では私はこのまま署に戻ります。
メガ:ふう。朱美さんも行ってしまったな。中に入るか。
ギア子達は朱美が乗った車を見送るとアパートの中へと入って行った。
アパートの階段の途中の踊り場でふと空を見上げると眩しいほどの満月が出ていて階段の手すりに寄りかかりながら三人並んで月を見上げた。
ギア:ねね、綺麗な満月。
サクラ:うん、凄く綺麗。特に太陽光が激しいせいで月が真っ白に光ってるわね。
メガ:でもパネルも上手く機能してるようで良かったな。
ギア:うん。なーんかこんな満月の日は吼えたくなっちゃう。わおーん。
するとサクラとメガ男も満月に向かって吼えると何だか可笑しくなってきて三人はお互いの顔を見ながら笑い転げていた。
ギア:明日そういえばぺんちゃんの家に集合って言ってたわね。
サクラ:うん、実はみんなに話したい事がいっぱいあるんだ。
ギア:私達がいない間に何があったのか知りたい。
メガ:俺も聞きたいよ。俺なんて血まみれになりながら変な星に連れて行かれたと思ったら、いきなり生き返ってまたこの日に戻って来てるし。
ギア:ほんとそれ。私なんて赤ちゃん産んですぐ死んだんだから。
メガ:え、赤ちゃん⁇
ギア:おっと。えっと今話すとわちゃわちゃしそうだから明日詳しく話すね。
サクラ:メガ男さん楽しみにしてて。
メガ:わ、分かった。でも、嬉しいなあ、俺とギア子の赤ちゃんか。
サクラ:他にも色々驚いた事あったよね。ギア子のお父さんとお母さんの事とか。
ギア:うん。私のお父さんとお母さんの事が少しでも分かったのはちょっと嬉しかったな。
サクラ:それにしてもギア子がアリュバス星と地球の間に出来た子どもだったとはねえ。
メガ:俺もそれは一番驚いたよ。
サクラ:でも特に私達と違いがあるように見えないんだけどなあ。
メガ男とサクラは何か違うところがあるのではないかと再度ギア子の事をじろじろと眺めて見たが、何度見返しても自分達と同じようにしか見えなかったのであった。
つづく
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