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第三章 現る!過去の亡霊
第十二話 あの日へ
しおりを挟むトーマの話が終わるとギア子は父親の事を何も知らなかったせいか死んでいた事さえも全く実感がわかなかった。
タカ:これで全ての誤解が解けたな。
トーマ:・・・地球人には本当に申し訳ない事をしてしまった。ダマールの末裔の件は私は知らなかったし・・。
ギア:知らなかったじゃ済まされない・・。
ぺん:ほんと何してくれただすか。
サクラ:ぺんちゃん・・・。
セラ:タカール様、私たちに何か出来る事はないのですか。
タカ:お前達を一先ずアリュバス星に送り届けなければな。ルーチェの天体はここでは不安定過ぎる。惑星の配列まで変わってしまうとは思わなかったしな。
メガ:その天体のせいで太陽が・・?
タカ:うむ。地球に太陽が近づいたのもこの天体がここにあったせいだ。
トーマ:私達はどうやって帰れば。
タカ:今、門を作ろう。
タカールが地下室の扉に首につけているルーチェの証を押しつけると形に変わり始め門が現れた。
リョウ:アリュバスにある門と同じだ‼︎
タカ:後の処理は私がする。先に戻りエマに伝えるが良い。
トーマ:分かりました。行くぞ。
門に向かう前にセラがギア子達のところへ来た。
セラ:ギア子、私達は酷い過ちをしたわ。だからせめて妹としてギア子を皆に紹介したいの。今度アリュバス星に来てくれる?
ギア:・・・まだ、混乱しててそこまで考えられない。
セラ:そうよね。またこちらに私も足を運ぶからその時に話しましょ。
リョウ:ギア子、こっちの星も悪くないぞ。
トーマ:まあ、気が向いたら遊びに来て欲しい。じゃタカール様、後はよろしくお願いします。
タカ:うむ。
するとトーマとリョウはすんなり門の中へと入って行ったが、セラは名残惜しそうに後ろを振り返りつつ門の中へと入って行った。
三人がいなくなると門は元の鉄の扉に戻ってしまった。
タカ:さて、ここからが問題だな。先にサクラの年齢を元に戻そう。
タカールが杖から羽根を飛ばすと、サクラの体に羽根が触れると少しずつ皺がなくなりギア子達と変わらない年齢へと変わっていった。
サクラ:なんだか力が漲って来た。私ってもしかして若返ってる?
ギア:うんうん。いつものサクラに戻ったよ。
サクラは信じられなくて自分の顔や体をあちこち触って確かめた。
サクラ:ほ、本当だ。
メガ:サクラ良かったな。と言いたいけど、俺はまだ生き返った実感はないよ。
タカ:確かにそうだな、とりあえず順番に元に戻してるところだから待ってくれないか。
ギア:元に戻すとは?
タカ:次はトーマ達に関わって死んだ者達も元に戻そう。
ぺん:本当だすか⁈ さろっちもあれっくすも一兄も生き返るんだすね。
タカ:一兄とあれっくすはトーマ達とは関係ない。
ぺん:な、な、なんでだすか。
メガ:もしかして太陽のせいで?
タカ:うむ。
ギア:そ、そんな・・。
タカ:という訳であの日に時間を戻そうと思う。
ぺん:そ、そんな事が出来るだすか⁈
タカ:出来るよ、ぺんちゃん。
ぺん:むむむむ。
ぺんちゃんは自分の名前を呼ばれるとタカールの顔に自分の顔を近づけじっくりと眺めだした。
サクラ:ぺ、ぺんちゃんどうしたのタカールさんの顔をまじまじと見て。
するとぺんちゃんが「あああああ‼︎」と大きな声を出した。
ぺん:ま、ま、まさか孝だすか⁈
タカ:気がつくの遅いよぺんちゃん。久しぶりだね。
ぺん:やっと、やっと見つけただす。会いたかっただす。
ぺんちゃんはタカールに抱きつきながら号泣していた。
タカ:僕も会いたかったよ。さあ、あの日に戻ろう。
ギア:なんだかよく分かんないけど良かったねぺんちゃん。
サクラ:うん、なんだか涙が止まらない。
メガ:あの日ってところでいつ?
タカ:太陽フレアが一番近づいた日だよ。
ぺん:早く戻すだす。
さっきまで泣いていたぺんちゃんがタカールに命令するように明後日の方向に人差し指を差した。
タカ:分かった。じゃみんな目を閉じて。
ギア子達はタカールに言われた通りぎゅっと目を閉じたのであった。
つづく
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