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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第十八話 トーマの力
しおりを挟むトーマ:父は最後に言ったんだ。「仇を・・取れ。地球に・・いる」と。それを聞いた俺達は地球人に復讐する事を誓った。
セラ:それに父が死んだ後に気がついたの。ダンデリオン一族が代々受け継いで来た神器が無くなってる事を。
ギア:この弓がそうだったのね。
セラ:そうなの。神器を取り戻す為に地球に行く事を決意したわ。弟のリョウも一緒に連れて。
ギア:え、リョウって財団の?
トーマ:そうだ。リョウは俺たちの隠れ蓑になる為に財団を作ったんだ。
セラ:リョウが自分の力をギア子に託したのは妹だと知ってたからよ。
ギア:最後に言おうとしてたのは「妹よ」だったのね・・。今やっと分かった。
一兄:それで結局は誰が殺したのか分かったのか。
トーマ:分からなかった。だが、この星でまだ見つかってない物がある。ルーチェの天体だ。
天体という言葉を聞いて一兄とぺんちゃんとあれっくすが動揺を見せた。
ぺん:天体ってまさか柚子ばあちゃんの家にあるあれ?
トーマ:ほう。やはり地球にあったか。それはどこにある言え‼︎
トーマが持っていた杖をぺんちゃんに向けた。
ぺん:言ったらどうなるだすか。
トーマ:お前達には無用な物だ。教えろ。
するとトーマの横にいた瑳呂紋がステージから降りぺんちゃんのところに駆け寄った。
トーマ:恩を仇で返す気か瑳呂紋よ。
瑳呂紋:うるさい。もうお前に従う意味もない。それにあの天体の事は知ってたし、ぺんちゃんには関係ない。
トーマ:ふん。虫ケラが。お前にもう用はないわ。
するとトーマが持っている杖がメキメキと大きくなり、トルキエの弓のように赤く光出した。
ギア:ちょっと何をする気よ。
トーマがギア子の方を見てニヤリと笑った。
トーマ:逆らうやつはこうだ。
杖を大きく振り翳し瑳呂紋の方に向けると白い羽が杖から物凄い速さで幾つも飛び出して来た。
瑳呂紋はぺんちゃんを庇うように両手を広げると体中に羽がいくつも刺さり続けた。
ぺん:さ、さろっち⁉︎やめて死んじゃう。お願い言うからもうやめて。
瑳呂紋:だめだ・・・言うな。
トーマ:もう立ってはいられまい。
セラ:兄さんやめて。
セラの静止を受けトーマは舌打ちをすると攻撃するのをやめた。
瑳呂紋:ぺんちゃ・・ん。
瑳呂紋の体が真っ白な羽で覆われ、最後にぺんちゃんの名前を言うと地面に倒れ込んだ。
息絶えた瑳呂紋の姿を見てぺんちゃんはその場に座り込み涙で顔がぐしゃぐしゃになった。
あれっくす:瑳呂紋・・。
トーマ:後はじっくりその女から聞くだけだ。ギア子、妹よ弓と一緒にこちらに来るんだ。
メガ:ギア子は渡さない。
ゆき:そうです。ギア子さんは貴方たちのような人達には渡しませんよ。
美奈子:私達はギア子さんに助けられた。今度は私達が助ける番です。
ゆきと美奈子がギア子の前に立った。
トーマ:瑳呂紋の二の舞になりたいわけか。良いだろう。
トーマがまた杖を大きく振りかぶるとゆきと美奈子の心臓めがけて羽を飛ばして来た。
羽はゆきと美奈子の心臓に命中し二人はガックリと力のない人形のように地面に膝から落ちていった。
澄玲:何人殺せば気が済むんですか。
澄玲と朱美は所持していた拳銃を出すとトーマへ銃口を向けた。
ギア:澄玲さん朱美さん拳銃をしまって下さい。私がトーマのところへ行きます。
メガ:だめだ。行くな。お前の好きにさせるものか。
メガ男がギア子の腕を掴み走り出した瞬間、トーマの杖から羽が飛び出してメガ男の右肩と左足を貫いた。
ギア:メガたん⁈
サクラ:メガ男さん‼︎
激しく出血してるメガ男のところへギア子とサクラはすぐさま駆け寄り地面に横たわらせた。
そして自分達が着ていた服をちぎって出血した場所にあてがった。
メガ:実はあの日以来・・・何度かギア子の腕に球体が光っているのを見たんだ・・はぁはぁ。
ギア子は自分では気がつかなったがメガ男は知らないふりをしていてくれたようだった。
サクラ:メガ男さん喋らないでこのままだと血が止まらなくなる。
ギア:どうしよう出血が止まらない。メガたん死なないで。
トーマ:そろそろ太陽フレアが地球に届く頃だ。このまま全員ここで死を待つか、それとも俺に殺されるかどちらか選ぶが良い。
ギア:私がそちら側に行けば助けてくれるの?
トーマ:勿論だとも。
ギア子は涙を手でぐいっと拭い「メガたん愛してるごめんなさい」と言うとトーマの方へと歩き出した。
サクラ:ギア子・・・ダメよ。あなたまでいなくなったら私。
トーマ:お前も邪魔する気なのか。
セラ:もうやめて‼︎ この人達に罪はないわ。
トーマ:何を言ってるんだ。あの日の事を忘れたのか。それに父は地球人に殺されだんだぞ。
セラ:忘れはしないわ。父が亡くなったあの日の事を。でも兄さんはリョウを見殺しにしたじゃない。
トーマ:仕方ない。リョウはやりすぎた。それに俺たちの復讐の為に犠牲になったのだ。
ぺん:さっきから何を言ってるのだすか。さろっちは何の為に・・・返してよみんなを。
ギア子は号泣しているぺんちゃんを見てやるせない思いだった。
つづく
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