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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第十二話 昇進祝い
しおりを挟むサクラが勤め始めて数週間経った頃にダンデリオンコーポレーション専属の警備を担当して欲しいとメガ男の会社にオファーが舞い込んだ。
サクラ:社長のトーマさんから是非メガさんの会社でお願いしたいって。引き受けてくれますよね?
そう言いながらサクラが契約書をメガ男に渡して来たのである。
メガ:うちは大手じゃないけど社長に聞いてみるよ。契約書はとりあえず預かっておく。
ギア:サクラこんな大きな仕事をありがとう。
サクラ:いいのよ、いつもお世話になってるし。トーマさんにメガさんの話をしたらお願いしたいって。
翌日、部長に警備の契約について話すと大きな仕事過ぎて驚いていたがすぐさま社長に連絡をすると喜んで契約書にサインをしてくれた。
その甲斐あってかメガ男は昇進する事になり主任から係長へ精進したのであった。
メガ:サクラに感謝しないとな。いやセラさんのお兄さんにかな?
ギア:ほんとね~会ったらお礼を言わなくちゃ。
メガ:うん、よろしく。それと瑳呂紋さんのバンドの国内ライブでの警備もやる事になったしなあ。
ギア:もしかして太陽フレア直撃ライブ?
メガ:そうそう。世界五カ国で繋いでやるライブ。最近完成した代々木国立競技場で警備の予定だよ。
サクラ:かなり大きなプロジェクトなんですよ。
ギア:とりあえず。今日はメガたんが係長になった事だしお祝いしなくちゃ。
「朝まで飲もう」と三人で遅くまでメガ男の昇進祝いをするのであった。
ギア子達が喜んでる頃、着実に太陽が地球に接近する日が近づき始めていた。
ニュースやラジオなどはオカルト番組ではなくなり、各地での異常気象や熱波など毎日ニュースで取り上げられるようになって来ていた。
太陽が一番接近する時はいつどこなのかと話題になり、ピーク時は日本であると学者達が囁き始めた。
だが、太陽熱だけではなく電磁波の影響、またはその他の事象がどの場所にいても起こる事も示唆していた。
一年前に騒がれてた時は誰も信じていなかったが、危険が身に迫ってるとひしひしと感じていた。
メガギア夫婦は夜に自宅では「最後の日あなたはどうしますか?」という場組を見ていた。
メガ:しゃれにならんな・・・本当にこんな事が起きるなんて。
ギア:本当に起きるのかしら、まだ信じられない。
メガ:一番接近する日に瑳呂紋くん達はライブをするらしい。最近では太陽信者とか出て来て警備が大変そうだよ。
ギア:そんな日まで仕事になるなんて。
メガ:もし、太陽フレアの事が本当なら仕事を放ってギア子の元に駆けつける。
ギア:本当に?
メガ:当たり前だろ。
ギア:メガたん・・・愛してる。
メガ:ギア子・・・。
メガ男はギア子の肩を抱き寄せるとギア子の頬を撫で口づけを交わそうとしたその時にピンポーンと間抜けな音が玄関から聞こえて来た。
ギア:また良いとこで誰よ‼︎
玄関を開けるとそこには弁護士の立浪が立っていた。
立浪:こんばんわ、あれ何かお取り込み中でしたか?
ギア:いいえっ。立浪さんお久しぶりです。どうかしました?
立浪:実は昨日から旧月が出社していないのです。隣に住むメガギアご夫妻ならご存知かと。
話がなんだか長くなりそうなので玄関先で立ち話ではと思い、立浪を部屋に中に入って詳しく話して貰う事にしたのであった。
立浪が言うには旧月は立浪の弁護士事務所でアシスタントとして働いており、刑事事件なども扱っている中で眞香と知り合い付き合うようになったそうだ。
眞香から手紙を貰ってから旧月は独自で調査をしていたようで最近は残業代はいらないからと遅くまで残って調べ物をしていたようだった。
立浪:あまり根詰めると良くないとは言っていたんですが・・・。恋人の死に納得がいないよう様子でした。
ギア:眞香さんからのお手紙読んでる時の旧月さんは見ていられないほどショックを受けている感じでしたしね・・・。
メガ:何を調べてたかわかりますか?急にいなくなるような人ではないと思うのですが。
立浪:パソコンの最後の履歴はダンデリオンコーポレーションでした、メガギアさん何かご存知ではないですか?
二人は最近知り合った兄と妹、その会社での出来事などを立浪に話した。
立浪:こちらでも少し調べてみたのですが特に変なところもなく普通の企業のようでした。
ギア:でも眞香さんの事で何かを掴んだとしたら・・・。
メガ:一度ダンデリオンコーポレーションに行って旧月さんが来てないか確認してみるのもありですね。明日仕事の打ち合わせに社長のトーマさんに会うので聞いてみます。
立浪は「お願いします」と言ってその晩は帰っていったのであった。
つづく
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