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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第十話 幼馴染
しおりを挟む瑳呂紋と目が合った女子会メンバーは一瞬顔が凍りついた。
瑳呂紋はというとぺんちゃんがぶつかった事自体が無かったかのように平然と挨拶をして来た。
瑳呂紋:皆さんお久しぶりです。日本でまたライブやるんでその時には見に来てください。
一方、ギア子達は営業スマイルとばかりに取り繕った顔で『是非』としか答えようがなかった。
瑳呂紋:じゃ僕たちは社長に用があるので。サクラさんトーマさんはどちらに?
サクラ:社長室にいらっしゃると思います。
瑳呂紋:わかりました。みんな行こう。
瑳呂紋達が立ち去ろうとした時にぺんちゃんが「さろっち」とボソッと言った。
ぺんちゃんの言葉に瑳呂紋が一瞬立ち止まったが、何事もなかったかのようにそのままメンバー達と立ち去ったしまった。
ギア子:ぺんちゃん瑳呂紋さんと知り合いだったの?
ぺん:実は幼馴染だす。
ゆき:でも、あの事件の時には何も言ってなかったような。
ぺん:作戦会議の時に何度も声かけたけど無視されてただす・・・。そして今回も。
美奈子:それは辛いですね。
さっきまではしゃいでいたぺんちゃんが地獄に突き落とされたような表情になっていた。
ギア:ぺんちゃんらしくないぞ。きっとお腹空き過ぎなのかもね。
サクラ:ぺんちゃん元気出して。ランチの後のデザートは種類が豊富ですからきっと楽しめると思います。
ぺん:まじ? よーし。元気充電するだす。
元気を取り戻したぺんちゃんは最上階のボタンを押したのであった。
ギア子は瑳呂紋がトーマと繋がっていると知り、どうも腑に落ちないと思い翌日に澄玲に連絡する事にした。
ギア子は翌日に澄玲に連絡したものの忙しいのかなかなか電話に出る事もなかった。
数日後にやっと澄玲から連絡が来たが今は多忙なので今度ゆっくり話を聞けるように時間を作ると言われた。
少し経った頃に澄玲から再度連絡が来ると指定された日時にとある喫茶店に来て欲しいと言われた。
指定された日にギア子が喫茶店に行くと澄玲は既にテーブルについていた。
店はこじんまりしていてボックス席が幾つかあり、話し声が他の客に漏れない作りのような感じだった。
ギア:こんにちわ。お待たせしました。
ギア子がテーブルにつくと澄玲は立って深くお辞儀した。
澄玲:お久しぶりです。本日はわざわざありがとうございます。先に何か飲み物でも注文しますか。
二人はコーヒーを頼み一口飲んでから話を始めた。
澄玲:まず私からですが。何度も連絡を頂いなのに直ぐにお返事が出来なくて申し訳ありませんでした。実はあれから御神体の行方、孝の所在などと捜査を行っていまして。
ギア:それで何か分かったのですか?
澄玲:いいえ、まったく。ただ、眞香警部補と光人さんの現場に白い羽が落ちてたいたんですが心当たりはありますか?
ギア:白い羽ですか・・・分からないです。
澄玲:そうですか・・。それでギア子さんの方は何かわかりました?
ギア子は澄玲に連絡取ってみたものの自分の思い過ごしかもしれないと思って口籠った。
それを見兼ねた澄玲がぐいとテーブル越しに顔を近づけてきた。
澄玲:手がかりがまったくない今、ギア子さんの話で何か糸口が見つかるかもしれません。なんでも良いので話してください。
ギア子はどこから話せば良いのか悩んだが思い切って話す事に決めたのであった。
ギア:あの日、リョウが海に身を投じた時に皆さんには聞こえなかったとは思うのですがあるやり取りがあったんです。
澄玲は捜査の取っ掛かりが欲しくてギア子の話に興味深そうに耳を傾けた。
つづく
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