満月に吼える狼

パピコ吉田

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第二章 迫る!ダンデリオンの影

第一話 最悪の幕開け

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 財団の一件は全て終わりメガギアはいつも通りの普通の生活を送っていた。

 そして月に一回ゆきや美奈子、ぺんちゃんとサクラで女子会をするまで仲良くなっていた。

メガ:良い友達が出来たようだな。

ギア:うん。片付けたらご飯にするね。

 ギア子が女子会の帰りに買ってきた物の整理をしていると誰かが来たようでインターホンが鳴った。

ギア:はいはい。どなたですか?

 ドアを開けるとスーツを着た恰幅の良い男性が立っていて、その後ろには晴の姿もあった。

 緒環一兄:こんばんわ、はじめまして。私は晴の兄で緒環一兄おだまきいっけいと言います。

 と言いながら名刺を渡してきた。
名刺には○×党 △△議員と肩書きが書かれていた。

一兄:その節は晴がお世話になりました。一度お礼をしたくて挨拶に参りました。

晴:洗脳解除して貰いありがとうございました。一人で来る予定だったのですが兄がどうしてもと。それとこれお口に合うと良いんですが。良かったら。
 
ギア:わざわざこんなご丁寧に。ちょっと待って下さいね。
 
 ギア子は居間にいるメガ男に晴とその兄が来た事を伝えた。
 
メガ:晴さん久しぶり。元気になった?
 
晴:はい。
 
一兄:こちらがメガ男さんですか。晴から色々と聞いてます。職場で大変お世話になったそうでありがとうございました。では私は先に失礼します。晴、俺は下で車の中で待ってるよ。
 
 一兄は軽く会釈すると階段を降りて行き、それを確認してから晴が話し始めた。
 
晴:実は財団に潜入する為に警備会社に入ったのですが、まさか自分が洗脳されるとは思っても見なかったです。本当お恥ずかしい。
 
ギア:潜入?晴さんはあの財団が怪しい事を知ってたんですね。
 
晴:はい。兄の命で動いてました。
 
メガ:議員さんのお仕事ってそんな事までするんだね。じゃ警備会社の仕事は辞めちゃうの?
 
晴:はい。今回の事で兄が大学卒業するまでは何もさせないって言い出して。申し訳ないですが課長に辞める旨を伝えて貰えないでしょうか?
 
メガ:分かった。じゃ後でまた書類を送るように伝えるよ。
 
晴:助かります。研修楽しかったです。ありがとうございました。
 
 晴は深々と頭を下げ、兄が待つ車へと小走りに階段を降りていった。

ギア:晴さんスパイだったって事?

メガ:まあそうなるのかな。

ギア:でも何であの財団に。
 
メガ:もう財団も無くなったし気にする事ないだろ。今日は帰りに美味しいデザート買って来たから晩飯の後に食べよう。
 
ギア:そうね。解決したんだし気にしない気にしない。

   『二人は事件が解決したと思っていた』
 
 数日後の夜、食後にニュースを見ていた時だった。

ニュースキャスター:本日、大蓮市にて男性の変死体が見つかったようです。

ニュースキャスター:男性の遺体は釈迦頭財団事件の関係者で、財団の幹部だった光人さんだそうです。現在は警察が調べている模様です。

 それを聞いたギア子とメガ男は目を合わせた。

ギア:光人さんって今言った?
 
メガ:光人さんに何があったんだろ。

 ニュースを見たギア子は不安になり眞香に翌日連絡する事にした。

 だが全く連絡がつかず旧月の元へと行こうと玄関に立った時だった。
 
 ピンポーンと鳴りドアを開けると黒いパンツスーツを着た二人の女性が立っていた。

女性:こんにちわ。はじめまして。ギア子さんですね?出根部でねぶ署の澄玲すみれ朱美あけみです。

 二人はギア子に見えるように警察手帳を出した。

澄玲:すみません、少し伺いたい事があるのですが。お時間ありますでしょうか?

ギア:はい、何でしょう?

澄玲:実は財団に関わっていた方に再度聞き込みをさせて貰っているところなのです。

ギア:それはもしかして光人さんが亡くなった件とも関係があるんですか?

澄玲:それについてはまだ調査中です。。朱美あれを見せてあげて。
 
 朱美が言われた通りバッグから一枚の写真を出した。

朱美:これをご存知でしょうか?

ギア:これは財団の御神体の弓だったような?コレクションルームになかったんですか?

澄玲:鑑識が入った時にはほぼ高価な品はなくなってまして。それと財団の資金が持ち出されたのもあって何かご存知ないかと思いまして。

ギア:財団については全て眞香さんにお話しましたが。

朱美:実は眞香はあの事件の一ヶ月後から行方不明なのです。

澄玲:施設にいた人間も行方不明だったり連絡がつかない方も多くて困り果てているのです。それで何かお気付きの点があれば教えて頂きたくて。

 それを聞いたギア子は耳を疑ったのであった。

つづく
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