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第一章 叩け!釈迦頭金貨財団
第七話 探偵ギア子
しおりを挟むコース一回目のエステを受けるべくお店の前にやって来たギア子。
わくわくしながらお店のドアを開けようとすると押しても引いても動かず、もしかして予約してる時間を間違えたのかと今一度確認したが時間は合っているようだった。
よく見るとドアのところには本日休業中の札がかかっていた。
おかしいと思いお店に電話をかけてみるも『本日は休業日です』と機械音しか流れて来ず、電話はすぐプツンと切れてしまった。
納得いかないギア子は裏手にある従業員通用口に行ってみる事にした。
するとそこには複数の女性達がいて通用口にあるインターホーンを何度も押しているようだった。
その様子を見たギア子は何かあったに違いないと思い近くにいた女性に声をかけてみた。
ギア:あの、今日はお店はお休みなんですか?予約したはずなんですが。
女性:私も予約したんですがお店が閉まってるし電話も出ないんですよ。
他の女性達も同様で予約をしたが中に入れないのだと言うのだ。
「急にお休みとかあるのかなエステって・・・。お金も払ったのに一回もまだ受けれないなんて困ったな・・」
ギア子が途方に暮れていると通用口のドアが開き店長と名札をつけた女性が出てきた。
店長:お客様お待たせして申し訳ございません。ただ今社長と連絡が取れない状態でして今日はお休みとさせて頂く事になりました。また追って各自にご連絡させて貰います。大変申し訳ございません。
店長は常連のお客様など一人一人に深く頭を下げた。
連絡など待ってられないとばかりにギア子と女性達は次の予約はいつ出来るのか、美奈子に何かあったのかと店長に詰め寄った。
すると他の従業員が後ろから女性達に聞こえないように店長に耳打ちをした。
それを聞いた店長は驚いた様子で慌てて店内に入って行った。
動揺している従業員に女性達は何が起きてるのか問い正した。
従業員:言って良いのかな・・。どうやら社長がお店の金庫から現金と通帳など全て持って行ってしまったようで。
それを聞いてギア子は愕然とした。
半年コース契約の金額を振り込んだにも関わらず一回もエステを受けていないからだ。
他の女性達も全額を振り込んだばかりらしく、返金出来るのか、またエステはこのまま受けられるのかと困り果ててる従業員に追い打ちをかけていた。
なんと!ギア子は綺麗になりたいが為に詐欺に合ってしまったようだ!
社長がお金を持ち逃げしたその晩にギア子はメガ男に事情を包み隠さず話した。
メガ男は最初は驚いたが隠さずに話してくれた事や、自分の為に頑張ってる話を聞き逆にギア子の事が心配でならなかった。
数日経った頃にはいつの間にかエステの話が大家の耳に入り、知り合いの弁護士を紹介するからここに来るようにとメモを渡された。
メモを見たギア子は大家の越褌から紹介された弁護士に会う事にした。
そして弁護士とはある○×ホテルのカフェで待ち合わせる事になった。
時間通りカフェに行くと弁護士らしき人が入口に来ていて、ギア子に気がつくと挨拶をしてきた。
立浪:越褌から紹介された弁護士の立浪と申します。本日はよろしくお願いします。
丁寧に頭を下げながら名刺を渡してきた。
ギア:急な対応ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
立浪:越褌とは同郷でして是非相談に乗って欲しいと連絡が来まして。ざっくりとは聞いてますが、最初から詳しくご説明して貰えると助かります。
ギア子は事のあらましを全て立浪に話した後に何故か悔し涙が込み上げて来た。
立浪:大変でしたね、普通はローンやクレジットカードなどでの支払いが多くクーリングオフで返金出来るのですが、ギア子さんの場合は直接全額振り込んだので・・・。
それを聞き現金で振りこんでしまったギア子は悔やんでも悔やみきれなかった。
立浪:お話を聞く限り被害者の方が多数いらっしゃるようなので集団訴訟を起こすのも一つの手だと思います。
立浪が書類が揃い次第またご連絡しますと言いその日の打ち合わせは終わった。
カフェの会計をを済ませてお店の外に一歩出て道路の反対側を見るとメガ男と晴が二人で楽しそうに歩いているところを見つけてしまった。
ギア子は弁護士の立浪にカフェの前で挨拶を手早く済ませるとバレないようにメガ男達を尾行し始めたのであった。
つづく
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