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私、独身です!
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新しいお店をお兄様に案内してもらってから数日後、殿下がやってきてある誓約書を差し出してきたの。
よく読むと婚姻無効とし、今後は私に近づくな、話しかけるなって事が書いてあったの。
離婚ではなく婚姻無効、そうなると法律上再婚は可能になってしまうので誓約書を用意してくれたって事かしら?
後は公爵家の養女になるだけ……
そうしたらクリス兄様は戸籍上とはいえ、お兄様となってしまうのよね……
モヤモヤを抱えていると。
「それでだ、落ち着いたらリディア嬢に母上が会いたいそうなので養女の件が片付いたらお茶会に誘うそうだから。」
殿下はいつもそうなのよね。
決まってるからみたいな事ばかり。
でも無理強いはしないし、お母様の形見だって気を使ってくださったし。
「かしこまりました。その事は公爵家のお母様と相談させていただきますわ。」
最近お母様に公爵令嬢としてのマナーを教えていただいたり。
お兄様が家庭教師をしてくださって足りない知識を補うお手伝いをしてくれたりしているので、殿下のペースに簡単に飲まれたりしません。
「ああ、それで構わない。」
「かしこまりました。」
「それが終わったら社交界デビューもあるからな。」
そうなの、社交界デビューは私はまださせてもらって居ないのでちゃんとお披露目しないといけないそう。
「先日デビュー用のドレスをお母様と選びましたの。素敵なドレスになりそうで今から楽しみですわ。」
たくさんのレースや生地に囲まれて何色がいい?と言われて選んだのお父様やお兄様の瞳色の透き通った空の色を選んだの。
家族って感じがしていいわね!ってお母様も言ってくれたのでその色にしたわ。
「エスコートはクリスか?」
「はい。お兄様は婚約者がおりませんし。」
「私がリディア嬢の婚約者になってもいいぞ?」
「え?」
「もともと私は結婚に興味が無くてな、兄上に息子が産まれたら爵位をもらって臣下に下るつもりだ。恋愛では無いが穏やかな生活は約束できるからな。その頃になってもリディアが結婚していなければ考えといてくれ。」
「は、はい。」
相変わらず殿下の考えている事が分からなすぎるわ。
「王子妃になるのはリディアの負担が大きいから王子のうちは婚約者として過ごすだけでいいし、なかなか悪くない条件だぞ?」
たしかに、条件だけで言えば悪くわないわ。殿下と結婚しても今回のようにならないと思うし、その頃になってもまだ結婚していなければそれもいいのかしら。
「その時に殿下にお相手がいらっしゃらなければ考えますわ。」
「それでいい、何かあった時の逃げ道くらいに思っておいてくれ。」
薄々気付いてはいましたけど、殿下って私には結構甘い気がするの。
そういう意味ではシェーングレン家の男たちは身内に甘いのかしら?
「ありがとうございます。」
「ねぇタリア」
「なんでしょうか?」
「私、どうしたらいいのか分からなくなってきたわ。」
「無理に何かを決める必要は今は無いと思いますよ。」
ココ最近の環境の変化に戸惑い悩むが、タリアはあっさりと今決めなくていいと言う。
「そうなのかしら?」
「お嬢様は今まで苦労されたのです。だからこそしばらくは今までやってみたかったことをして自分の好きなように過ごして良いと思いますよ。」
「そう、ね。そうするわ。」
「ご結婚だってしなくてもいいと公爵家の皆様は仰ってるのでしょう?家族にして貰えたのだから恩返ししなければとか考える方が悲しまれると思いますよ。」
こう言うのを溺愛と言うのねと思うほど公爵家のお父様たちに大切にされているとは、思っているのよ。
「わかったわ。しばらくは色々なことをやってみようかしら。」
「私もお手伝いします。」
「ありがとう、頼りにしているわ。」
ちょっと感情が追いつかないけれども、今を楽しむことにするわ。
よく読むと婚姻無効とし、今後は私に近づくな、話しかけるなって事が書いてあったの。
離婚ではなく婚姻無効、そうなると法律上再婚は可能になってしまうので誓約書を用意してくれたって事かしら?
後は公爵家の養女になるだけ……
そうしたらクリス兄様は戸籍上とはいえ、お兄様となってしまうのよね……
モヤモヤを抱えていると。
「それでだ、落ち着いたらリディア嬢に母上が会いたいそうなので養女の件が片付いたらお茶会に誘うそうだから。」
殿下はいつもそうなのよね。
決まってるからみたいな事ばかり。
でも無理強いはしないし、お母様の形見だって気を使ってくださったし。
「かしこまりました。その事は公爵家のお母様と相談させていただきますわ。」
最近お母様に公爵令嬢としてのマナーを教えていただいたり。
お兄様が家庭教師をしてくださって足りない知識を補うお手伝いをしてくれたりしているので、殿下のペースに簡単に飲まれたりしません。
「ああ、それで構わない。」
「かしこまりました。」
「それが終わったら社交界デビューもあるからな。」
そうなの、社交界デビューは私はまださせてもらって居ないのでちゃんとお披露目しないといけないそう。
「先日デビュー用のドレスをお母様と選びましたの。素敵なドレスになりそうで今から楽しみですわ。」
たくさんのレースや生地に囲まれて何色がいい?と言われて選んだのお父様やお兄様の瞳色の透き通った空の色を選んだの。
家族って感じがしていいわね!ってお母様も言ってくれたのでその色にしたわ。
「エスコートはクリスか?」
「はい。お兄様は婚約者がおりませんし。」
「私がリディア嬢の婚約者になってもいいぞ?」
「え?」
「もともと私は結婚に興味が無くてな、兄上に息子が産まれたら爵位をもらって臣下に下るつもりだ。恋愛では無いが穏やかな生活は約束できるからな。その頃になってもリディアが結婚していなければ考えといてくれ。」
「は、はい。」
相変わらず殿下の考えている事が分からなすぎるわ。
「王子妃になるのはリディアの負担が大きいから王子のうちは婚約者として過ごすだけでいいし、なかなか悪くない条件だぞ?」
たしかに、条件だけで言えば悪くわないわ。殿下と結婚しても今回のようにならないと思うし、その頃になってもまだ結婚していなければそれもいいのかしら。
「その時に殿下にお相手がいらっしゃらなければ考えますわ。」
「それでいい、何かあった時の逃げ道くらいに思っておいてくれ。」
薄々気付いてはいましたけど、殿下って私には結構甘い気がするの。
そういう意味ではシェーングレン家の男たちは身内に甘いのかしら?
「ありがとうございます。」
「ねぇタリア」
「なんでしょうか?」
「私、どうしたらいいのか分からなくなってきたわ。」
「無理に何かを決める必要は今は無いと思いますよ。」
ココ最近の環境の変化に戸惑い悩むが、タリアはあっさりと今決めなくていいと言う。
「そうなのかしら?」
「お嬢様は今まで苦労されたのです。だからこそしばらくは今までやってみたかったことをして自分の好きなように過ごして良いと思いますよ。」
「そう、ね。そうするわ。」
「ご結婚だってしなくてもいいと公爵家の皆様は仰ってるのでしょう?家族にして貰えたのだから恩返ししなければとか考える方が悲しまれると思いますよ。」
こう言うのを溺愛と言うのねと思うほど公爵家のお父様たちに大切にされているとは、思っているのよ。
「わかったわ。しばらくは色々なことをやってみようかしら。」
「私もお手伝いします。」
「ありがとう、頼りにしているわ。」
ちょっと感情が追いつかないけれども、今を楽しむことにするわ。
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