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私、家族が出来ました

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お父様達とお夕食を食べようとしていた時こっそりやってきた殿下。
すっかり馴染んでいるのを見て
「これで信じたか?」
ニヤニヤしながら聞かないでください。
シェーングレンの血が私にも流れているって話の時に言ってらした事よね。
不本意ながらサロンでの事で理解しましたわ。

食後にサロンに移り
「それでリディア嬢は今後どうするかな?」
殿下の思惑通りなのなんだか腑に落ちないのだけれども、ここまで来たら養女になるべきなのかもしれない。いいえ、この方達と家族になりたいと思っているの。

お母様が亡くなられてからずっと1人でタリアが居てくれたけれどもやっぱり家族ではなくて、気付かないふりをしていたのね。
淋しかったのわたくし…
「養女の件、よろしくお願い致します。」
「よし!任せておけ。」
なんだか初めて殿下が頼もしく見えたわ。
「ん?なんか失礼なこと考えていないか?」
すぐバレましたわ。
「いいえ、環境の変化にまだ戸惑っているだけです。」

「リディも疲れているわよね。さっきの客室ではなく、実は専用の部屋を用意してあるの。もう娘になってくれるのならば案内してもいいですよね?」
「ああ、俺が案内する。」
何故か殿下が案内してくれるそう。

「リディア嬢、ここだ。」
部屋に入るとなんだか懐かく感じるわ。

えっ……
待って、嘘でしょ?
似た何かでは無くて?

素敵なお部屋に置かれている家具達に見覚えのあるものがいくつもあるの。
フラフラ猫足のソファに近寄り右前の脚に手を伸ばす……

「あった……」
幼い頃おもちゃをぶつけてつけてしまった傷があったの。
「お母様の……」
義母に取られ二度と取り返せないと諦めようと自分に言い聞かせていた形見の家具たち。
ハッとして振り返ると
「宝飾品もあるぞ?」
今日ばかりは殿下のドヤ顔に感謝しかないです。
「お嬢様……」
そこに居たのはお母様付きの侍女だったユリカ。
手に持っていたのは1番取り返したいと思っていたお母様とお祖母様が使ったというブルーサファイアのネックレスセット。
「あっ……」
涙を堪えきれず殿下の前なのに泣いてしまったわ。
すかさずタリアがハンカチを差し出してくれたとはいえバレてますわ。

「ユリカは今この屋敷で働いているからゆっくりほかの品は確認するといい。」
気持ちが落ち着くのを待ってくれるなど、なんだかんだ殿下は優しいのよね。
「何故この品々を手に入れられましたの?」
「マールブルク家を潰すときに家財を売り払って工面しようとしているから知り合いの商会に買取させて、ユリカに覚えている限りの物を仕分けして回収しておいただけだ。」
ユリカの従兄弟が公爵家で働いている関係で我が家を追い出された時に(義母が母関係の使用人は全て追い出された)紹介状も持たせて貰えなく途方に暮れ従兄弟を頼ったそう。
そのままこちらで雇って頂いたいた。
「最初は目録を調べて用意するつもりだったが、宝飾品も管理していたユリカの事を知ったので手伝ってもらった。」

「殿下、ありがとうございます。」
「いいってことさ、従妹どの。」
公爵家の養女になったらそうなるのよね。

「さて、あまりレディの部屋にいるもんでは無いのでそろそろ失礼する。」

久しぶりに母の家具に囲まれユリカのお茶を飲んで幸せな思い出に浸ったから。

━━━━━━━━━━━━━━━
2人が部屋に向かったあと。
母「ねぇ、あの2人お似合いじゃない?」
父「うーんそうか?」
兄「むしろ俺が奥さんに欲しい。」
母「あら!やっと結婚する気になったの!?」
兄「結婚に興味は無かったけど可愛い妹を他に渡したくない。」
父「それはそうだな、せっかくできた娘を他所に取られるのは確かに嫌だな。」
母「あなた達、リディがそれで幸せになれるならいいけど、無理強いはしたらダメよ!」
父・兄「「もちろん!」」


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親子会議でクリスが婚約者候補になりそうな予感?
形見は取り返せました!
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