上 下
16 / 31

私、どうしましょう。

しおりを挟む
感想欄の旦那様への当たりがキツいwww
王子も何気に嫌われ役になりつつあるのなぜ!( ̄▽ ̄;)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

殿下の来訪から数日後、

『明日の営業終了後またうかがう。』
たったこれだけのメッセージを隠密みたいな方が届けたのだろうか。自室の扉の下にメモ書きが挟んであったのに初めは驚いたけれども、名前のないメッセージに王家を示す鷹のマークが添えてあれば誰からかなんて事はすぐにわかる。
昨夜殿下が帰られてかタリアと話したのだけれどもとりあえず新人2人には戦力になるって貰うために詰め込んで教えていかなければならない。
そのためタリアに任せ、私はタリアの実家の紹介で料理人を雇ったわ。
厨房を任せられる護衛もできる人をね。

元傭兵ででも心が乙女で料理が好きなサリィ(ザック)をね。
もともと料理が好きで器用なサリィはスグに看板メニューは作れるようになってくれたので助かるわ!
もしも私が殿下とともに離婚に向けて行動を共にすることになった際はこのお店の管理をタリアの兄のダニエルさんに任せるように手配も済んでいるわ。
手配はほぼタリアがしてくれて私には本当勿体ないくらいの良い侍女から、ビジネスパートナーになったのにまだ侍女ぽいのよねタリアは。

あとの問題はドレス……
実は1枚しか無いのよ。少し良いドレスは必要無いと思って別邸?に居る時に買ったドレスは嵩張るので1枚を残して売ってしまったの。
その1枚ももしかしたら離婚の時の話し合いで着るかもって残しておいたのだもの。
明日の夜ならば、なんとかなるかしら。
「ねぇタリア。」
「どうかされました?」
「明日の夜にまた殿下がいらっしゃるそうよ……」
「ではまたご準備が必要ですね。」
「そうなの、それでね。お出迎えの時に同じドレスを着るわけに行かないので買いたいのだけれども手配を任せていいかしら?」
「何色になさいますか?」
「そうね。落ち着いた色の方がいいわ。あまり派手な色はなんとなく場違いだと思うの。」
「そうですね、でしたら少し暗めの落ち着いた色で見繕っておきます。」
「ええ、サイズの手直しするから今日の営業中に時間を作って行ってきてくれるかしら?」
過保護のタリアは私がひとりで街を出歩くのをとても嫌がるから申し訳無いがこうして使いっ走りのような事も頼んでしまっている。

「いえ、実家宛の手紙を書いてサリィに取りに行ってもらいます。」
「サリィに任せて分かるのかしら?」
「奥様のドレスは全て離婚が終わるまで商会で倉庫に仕舞っておいてもらっています。なので色と形を伝えたら向こうで用意してくれてますので問題ありません。」
どうやら買い取ってもらったドレスをタリアが頼んで私の離婚が終わるまで倉庫保管しておいてくれていたらしいの。
「そんな、申し訳ないわ。ドレスを買い戻して保管費もお支払いするわね。」
「気になさらないでください。流行に左右されないデザインのものばかりなのと私の個人財産として貰っている倉庫に保管してもらって居るので問題ありません。」
大商会はやはりスケールが違うわね。
投資や先物取引用に使える倉庫を個人資産として持たせる親はそうそういないと思うわ。
「元々ドレス部門は私が担当していたので、侍女になったのも社交界での流行を学びたくてなっただけなので。」
そこまでの考えで侍女をしてたのに私のせいで辞めさせてしまったなんて……

「奥様が落ち込むことはありませんから。元々平民という事でせっかく侍女になれても得るものがなかったですし、今奥様と一緒にお店をやっていけてるのはとても楽しいです。」
「そう、ならありがとう。でもやりたくない事を無理にしないでね。それだけは約束して欲しいの。」
「もちろんですよ、私は商人の娘ですよ?不利益になることは嫌いですから。」
「ふふ、確かに商人ってそういうイメージがあるわ。」
「ですので、気にせず奥様ではなくお嬢様とお呼び出来る日が早く来て欲しいですね。」
「もうお嬢様って歳でもないわよ。それに離婚したら実家には帰らず平民になるからその時こそはリリーって呼んでくれるかしら?」
「諦めない方ですね。平民になったのならばそうします。」
ん? まるで私が貴族のままのような言い方?気の所為ね。

さっ今日も1日張り切ってお店を開きましょう。


ある程度人の波が落ち着いてからサリィにドレスを取りに行ってもらったり、お出迎え用の軽食の用意をしたりと色々やる事は多かったけれども、ずっと視線を感じていたのよね。
それも客席からで色んな人からなので気にしすぎなのかもしれないけれどもなんとなく疲れてしまったわ。
これから殿下をお迎えするのに。
ミーナとカリンがだいぶ動きもよくなってきて軽食の配膳は任せられるけれども紅茶の入れ方はコツが掴めるまで難しいのでまだもう少し時間がかかりそうなのよね。
そこは焦っても仕方がないけれども殿下のお話次第ではいつお店をあけないと行けないかわからないんですもの。
本来ならそっとして頂きたいのですが、離婚はいつかしなければならないので強力な後ろ盾がいるうちに終わらせてしまいましょう。
しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

【完結】婚約者が好きなのです

maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。 でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。 冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。 彼の幼馴染だ。 そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。 私はどうすればいいのだろうか。 全34話(番外編含む) ※他サイトにも投稿しております ※1話〜4話までは文字数多めです 注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)

私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください

迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。 アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。 断るに断れない状況での婚姻の申し込み。 仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。 優しい人。 貞節と名高い人。 一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。 細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。 私も愛しております。 そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。 「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」 そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。 優しかったアナタは幻ですか? どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。

【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥
恋愛
 デザイナーのシェリル=アルブライデと、婚約相手のガルカ=デーギスの結婚式が無事に終わった。  予め購入していた新居に向かうと、そこにはガルカの幼馴染レムが待っていた。 「シェリル、レムと仲良くしてやってくれ。今日からこの家に一緒に住むんだから」 「え!? どういうことです!? 使用人としてレムさんを雇うということですか?」  シェリルは何も事情を聞かされていなかった。 「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」  どちらにしても、新居に使用人を雇う予定でいた。シェリルは旦那の知り合いなら仕方ないかと諦めるしかなかった。 「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」 「はーい」  同居生活が始まって割とすぐに、ガルカとレムの関係はただの幼馴染というわけではないことに気がつく。  シェリルは離婚も視野に入れたいが、できない理由があった。  だが、周りの協力があって状況が大きく変わっていくのだった。

私は私を大切にしてくれる人と一緒にいたいのです。

火野村志紀
恋愛
花の女神の神官アンリエッタは嵐の神の神官であるセレスタンと結婚するが、三年経っても子宝に恵まれなかった。 そのせいで義母にいびられていたが、セレスタンへの愛を貫こうとしていた。だがセレスタンの不在中についに逃げ出す。 式典のために神殿に泊まり込んでいたセレスタンが全てを知ったのは、家に帰って来てから。 愛らしい笑顔で出迎えてくれるはずの妻がいないと落ち込むセレスタンに、彼の両親は雨の女神の神官を新たな嫁にと薦めるが……

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました

あおくん
恋愛
父が決めた結婚。 顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。 これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。 だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。 政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。 どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。 ※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。 最後はハッピーエンドで終えます。

【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです

果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。 幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。 ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。 月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。 パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。 これでは、結婚した後は別居かしら。 お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。 だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。

処理中です...