12 / 17
元旦那編
妻がいなくなった時
しおりを挟む
何故か噂が第二王子殿下にまで届いていたそうでカフェに一緒に行くことになった時には殿下には彼女が妻である事は知っていたのかもしれない。
普段とは違う感じでカフェで『リリー』に話しかけていた。
帰り際に
「うん、きっと近いうちにお邪魔させてもらうかな。」
殿下の帰り際のこのセリフにこの時は、殿下もリリーを気に入ってしまったのか?!不安になったのがさらに滑稽な事だっただろう。
家令に殿下が急に来たから客室と晩餐の準備を妻にしておくように指示してから街に来たのでそろそろ準備が出来ている頃だろうと屋敷に戻ると殿下に言うと、
「何を言っている?お前の妻は屋敷に居ないだろう?偽物妻には興味は無いぞ?」
「は?偽物とは?妻は病弱で今は別邸で療養しておりますが、この辺りの空気が合うのかだいぶ体調が良くなったと聞いていますが……」
「聞いている、ねえ……。」
「あっ……」
妻を放置しているのに気づかれてしまった。
「まぁよい、お前の偽物妻に会う気はないからな、街の宿屋を取らせているから私はそちらに泊まる。」
「っ……、はっ。宿屋までお送り致します。」
ヤバい、それなりに長い付き合いだから分かる。
殿下が怒っていると。
宿屋に送り届け急ぎ屋敷に戻る。
「ちなみにお前の名ばかりの妻は別邸ではなく敷地の端の小屋で生活していたそうだ、私の手の物が調べさせてもらったが彼女が隠しているものを読ませてもらったよ。」
「小屋?」
「貴族令嬢に小屋を与えたそうだ。」
「そ、そんな……」
「まぁ探してみろ、彼女がお前に読んでもらいたくて隠し残したものだからこちらは写し控えさせて私も読んだがお前も読んでみるといい。」
「……」
「俺がリンに言えるのはそれだけだ。」
「はい。」
送り届けた殿下は小屋て生活させられていたと言っていたので一緒に来ている護衛の騎士に我が家にある小屋について聞くと、おじぃさまの時に使わなくなった庭師小屋ではないかと言われそこに連れていってもらった。
少しほこりっぽさはあるが長年放置された小屋ではなく最近まで人が住んでいた形跡が残っているではないか。
部屋を見て回ると整理整頓されたすこしだけ広めの部屋のクローゼットにはボロボロのワンピースが2枚かかっているだけで下の引き出しは衣類は入っていなかったが、紙の束と手紙が残されていた。
手紙を読んで妻であるはずのリディアは私と結婚した翌日の朝からこちらで生活をしていた事などが書かれており、お手当て等は最低限の衣類や生活用品に使った以外はお返しします。と帳簿も残されていた。
お金は手紙のあった引き出しの下に入っておりざっと帳簿の残金との差は無さそうだった。
それらを持って本邸に急ぎ戻り同行していた騎士に家令と偽妻を捕獲するように指示をした。
この時は家令を信じていたのに裏切られたことしか頭になく、家出をした妻の存在にはそこまで気にしていなかったのだ。
普段とは違う感じでカフェで『リリー』に話しかけていた。
帰り際に
「うん、きっと近いうちにお邪魔させてもらうかな。」
殿下の帰り際のこのセリフにこの時は、殿下もリリーを気に入ってしまったのか?!不安になったのがさらに滑稽な事だっただろう。
家令に殿下が急に来たから客室と晩餐の準備を妻にしておくように指示してから街に来たのでそろそろ準備が出来ている頃だろうと屋敷に戻ると殿下に言うと、
「何を言っている?お前の妻は屋敷に居ないだろう?偽物妻には興味は無いぞ?」
「は?偽物とは?妻は病弱で今は別邸で療養しておりますが、この辺りの空気が合うのかだいぶ体調が良くなったと聞いていますが……」
「聞いている、ねえ……。」
「あっ……」
妻を放置しているのに気づかれてしまった。
「まぁよい、お前の偽物妻に会う気はないからな、街の宿屋を取らせているから私はそちらに泊まる。」
「っ……、はっ。宿屋までお送り致します。」
ヤバい、それなりに長い付き合いだから分かる。
殿下が怒っていると。
宿屋に送り届け急ぎ屋敷に戻る。
「ちなみにお前の名ばかりの妻は別邸ではなく敷地の端の小屋で生活していたそうだ、私の手の物が調べさせてもらったが彼女が隠しているものを読ませてもらったよ。」
「小屋?」
「貴族令嬢に小屋を与えたそうだ。」
「そ、そんな……」
「まぁ探してみろ、彼女がお前に読んでもらいたくて隠し残したものだからこちらは写し控えさせて私も読んだがお前も読んでみるといい。」
「……」
「俺がリンに言えるのはそれだけだ。」
「はい。」
送り届けた殿下は小屋て生活させられていたと言っていたので一緒に来ている護衛の騎士に我が家にある小屋について聞くと、おじぃさまの時に使わなくなった庭師小屋ではないかと言われそこに連れていってもらった。
少しほこりっぽさはあるが長年放置された小屋ではなく最近まで人が住んでいた形跡が残っているではないか。
部屋を見て回ると整理整頓されたすこしだけ広めの部屋のクローゼットにはボロボロのワンピースが2枚かかっているだけで下の引き出しは衣類は入っていなかったが、紙の束と手紙が残されていた。
手紙を読んで妻であるはずのリディアは私と結婚した翌日の朝からこちらで生活をしていた事などが書かれており、お手当て等は最低限の衣類や生活用品に使った以外はお返しします。と帳簿も残されていた。
お金は手紙のあった引き出しの下に入っておりざっと帳簿の残金との差は無さそうだった。
それらを持って本邸に急ぎ戻り同行していた騎士に家令と偽妻を捕獲するように指示をした。
この時は家令を信じていたのに裏切られたことしか頭になく、家出をした妻の存在にはそこまで気にしていなかったのだ。
65
お気に入りに追加
884
あなたにおすすめの小説
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

王妃の鑑
ごろごろみかん。
恋愛
王妃ネアモネは婚姻した夜に夫からお前のことは愛していないと告げられ、失意のうちに命を失った。そして気づけば時間は巻きもどる。
これはネアモネが幸せをつかもうと必死に生きる話
わたしは不要だと、仰いましたね
ごろごろみかん。
恋愛
十七年、全てを擲って国民のため、国のために尽くしてきた。何ができるか、何が出来ないか。出来ないものを実現させるためにはどうすればいいのか。
試行錯誤しながらも政治に生きた彼女に突きつけられたのは「王太子妃に相応しくない」という婚約破棄の宣言だった。わたしに足りないものは何だったのだろう?
国のために全てを差し出した彼女に残されたものは何も無い。それなら、生きている意味も──
生きるよすがを失った彼女に声をかけたのは、悪名高い公爵子息。
「きみ、このままでいいの?このまま捨てられて終わりなんて、悔しくない?」
もちろん悔しい。
だけどそれ以上に、裏切られたショックの方が大きい。愛がなくても、信頼はあると思っていた。
「きみに足りないものを教えてあげようか」
男は笑った。
☆
国を変えたい、という気持ちは変わらない。
王太子妃の椅子が使えないのであれば、実力行使するしか──ありませんよね。
*以前掲載していたもののリメイク

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

夫の母親に会いたくない私と子供。夫は母親を大切にして何が悪いと反論する。
window
恋愛
エマ夫人はため息をつき目を閉じて思い詰めた表情をしていた。誰もが羨む魅力的な男性の幼馴染アイザックと付き合い恋愛結婚したがとんでもない落とし穴が待っていたのです。
原因となっているのは夫のアイザックとその母親のマリアンヌ。何かと理由をつけて母親に会いに行きたがる夫にほとほと困り果てている。
夫の母親が人間的に思いやりがあり優しい性格なら問題ないのだが正反対で無神経で非常識な性格で聞くに堪えない暴言を平気で浴びせてくるのです。
それはエマだけでなく子供達も標的でした。ただマリアンヌは自分の息子アイザックとエマの長男レオだけは何をしてもいいほどの異常な溺愛ぶりで可愛がって、逆にエマ夫人と長女ミアと次女ルナには雑な対応をとって限りなく冷酷な視線を向けてくる。
元カノが復縁したそうにこちらを見ているので、彼の幸せのために身を引こうとしたら意外と溺愛されていました
おりの まるる
恋愛
カーネリアは、大好きな魔法師団の副師団長であるリオンへ告白すること2回、元カノが忘れられないと振られること2回、玉砕覚悟で3回目の告白をした。
3回目の告白の返事は「友達としてなら付き合ってもいい」と言われ3年の月日を過ごした。
もう付き合うとかできないかもと諦めかけた時、ついに付き合うことがてきるように。
喜んだのもつかの間、初めてのデートで、彼を以前捨てた恋人アイオラが再びリオンの前に訪れて……。
大好きな彼の幸せを願って、身を引こうとするのだが。

【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件
よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます
「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」
旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。
彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。
しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。
フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。
だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。
私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。
さて……誰に相談したら良いだろうか。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる