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タリア編
恋をしてみようかな?
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ルイスさんとデートに行く話は即奥様に知られていた。
「ふふ、タリアがデートなんて初めてね。相手がルイスなら安心だわ。」
結婚されてもしっかりしているように見えないふわっとした奥様の雰囲気に癒される。
「ルイスさんが旦那様に話したのですか?」
「クリスがね、浮かれているルイスから聞き出したみたいなの。」
「まぁ、お付き合いするかどうかは分かりませんが1度くらいは一緒に出かけてみようと思いまして……」
「あら、タリアはあまり乗り気ではないの?」
「どうなんでしょう、正直恋ってよく分からないのです。いい人だとは思っているのですがなんというかよく分からないのです。」
私は奥様には嘘がつけない。
公爵家に保護されて直ぐにビジネスパートナーという今より気楽な立場から再び主と使用人という立場に戻ったので侍女として接していたら悲しませてしまったことがあった。
旦那様や公爵家の皆様から奥様が望むのならば今まで通り接して良いとお許しをいただけて2人だけの時はあの時2人でお店で生活していた時ように気軽に話をさせてもらっている。
奥様を悲しませることはしたくないのでそれからは嘘もそうだが隠し事もしずらい。
「そうね、私もあの時殿下に手を差し伸べてもらってクリスに大切にされていつの間にか好きになっていたのよ。だからタリアももしかしたらそうなるかもしれないわ。」
「そうなのでしょうか……」
「もちろん数回お出かけしたりしてもそういう気持ちになれないのならば無理しなくていいのよ。」
「そうですね、無理に恋をしないとって思ってしまっていたのかも知れません。でももずはルイスさんを知る事から始めてみようと思います。」
「困ったことがあれば何時でもいってね。」
やはり、奥様にお仕えできて私は幸せだ。
「すみません、おまたせしましたか?」
待ち合わせ場所の使用人門前に少し早めに来たのだけれどもルイスさんは既に待っていた。
「いいえ、楽しみで早く来すぎてしまっただけなので気にしないでください。」
「っ……」
ほんとうになんで私なのかな。
「さぁ行きましょう。」
街まで歩けない距離では無いのにわざわざ貸馬車を呼んでくれていてエスコートまでしてくれる。
お嬢様のような扱いにちょっと戸惑うがちょっと嬉しいのでつい黙って受け入れてしまった。
はっきりいって思った以上に楽しかった。
食べ物の好みとか、気になって足をとめるタイミングとかとにかくそういう些細なことかもしれないけど一緒にいて無理なく自然に街を歩けた。
途中でルイスさんが飲み物を買いに行ってくれた先で女の人に声をかけられていてとっさに
「私の彼に何か用?」
って言っちゃったのはその方が話が早いからであって深い意味は無いよ。
奥様に聞かれてついその話しちゃったのは失敗だったなー
意味ありげに微笑まれてしまっていたたまれなかった。
これが恋なのか分からないけどもう少しこうやって出かけてみてもいいかなって思う。
「ふふ、タリアがデートなんて初めてね。相手がルイスなら安心だわ。」
結婚されてもしっかりしているように見えないふわっとした奥様の雰囲気に癒される。
「ルイスさんが旦那様に話したのですか?」
「クリスがね、浮かれているルイスから聞き出したみたいなの。」
「まぁ、お付き合いするかどうかは分かりませんが1度くらいは一緒に出かけてみようと思いまして……」
「あら、タリアはあまり乗り気ではないの?」
「どうなんでしょう、正直恋ってよく分からないのです。いい人だとは思っているのですがなんというかよく分からないのです。」
私は奥様には嘘がつけない。
公爵家に保護されて直ぐにビジネスパートナーという今より気楽な立場から再び主と使用人という立場に戻ったので侍女として接していたら悲しませてしまったことがあった。
旦那様や公爵家の皆様から奥様が望むのならば今まで通り接して良いとお許しをいただけて2人だけの時はあの時2人でお店で生活していた時ように気軽に話をさせてもらっている。
奥様を悲しませることはしたくないのでそれからは嘘もそうだが隠し事もしずらい。
「そうね、私もあの時殿下に手を差し伸べてもらってクリスに大切にされていつの間にか好きになっていたのよ。だからタリアももしかしたらそうなるかもしれないわ。」
「そうなのでしょうか……」
「もちろん数回お出かけしたりしてもそういう気持ちになれないのならば無理しなくていいのよ。」
「そうですね、無理に恋をしないとって思ってしまっていたのかも知れません。でももずはルイスさんを知る事から始めてみようと思います。」
「困ったことがあれば何時でもいってね。」
やはり、奥様にお仕えできて私は幸せだ。
「すみません、おまたせしましたか?」
待ち合わせ場所の使用人門前に少し早めに来たのだけれどもルイスさんは既に待っていた。
「いいえ、楽しみで早く来すぎてしまっただけなので気にしないでください。」
「っ……」
ほんとうになんで私なのかな。
「さぁ行きましょう。」
街まで歩けない距離では無いのにわざわざ貸馬車を呼んでくれていてエスコートまでしてくれる。
お嬢様のような扱いにちょっと戸惑うがちょっと嬉しいのでつい黙って受け入れてしまった。
はっきりいって思った以上に楽しかった。
食べ物の好みとか、気になって足をとめるタイミングとかとにかくそういう些細なことかもしれないけど一緒にいて無理なく自然に街を歩けた。
途中でルイスさんが飲み物を買いに行ってくれた先で女の人に声をかけられていてとっさに
「私の彼に何か用?」
って言っちゃったのはその方が話が早いからであって深い意味は無いよ。
奥様に聞かれてついその話しちゃったのは失敗だったなー
意味ありげに微笑まれてしまっていたたまれなかった。
これが恋なのか分からないけどもう少しこうやって出かけてみてもいいかなって思う。
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