上 下
2 / 17
タリア編

身近にいました?

しおりを挟む
タリア編5話くらいの予定です。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

奥様がご結婚されてから穏やかな日常と今までの商会のお仕事をされている。

私も侍女としてお仕えしつつ、今も商会の仕事もお手伝いしているのでどうしても公爵家での侍女の仕事がほかの方よりは隅から隅まで出来ていないのよね。
もちろん奥様たってのご希望で私も関わらせて頂いているからそこは大丈夫では有るのだけれども、旦那様の執事のルイスさんと1番奥様と旦那様の予定のすり合わせで毎日仕事終わりにする打ち合わせが当たり前になっている。

「タリアさんお疲れ様。」
「ルイスさん、お待たせしてしまいすみません。」
「お茶をどうぞ」
「ありがとうございます。」
「いやー今日のお2人はいつにも増して甘々な感じでしたね。」
「仲良くされているのが1番ですよ。」
「そうなんですけどね、独り身には羨ましい限りで。」
ルイスさんは人当たりもいいし、屋敷で働いている女性からアプローチされているのも何度か目撃したことが有るが全て断っているの見たことがある。
「おモテになるのに誰ともお付き合いしないのはどうしてですか?」
私ったらこんなこと聞くつもりはなかったのに。
「んー、始めは旦那様がね結婚してないのにするのは気まずいし良いなと思える女性がいなかったからって感じかな。」
「そうなんですね。変なこと聞いてすみません。」
「全然、タリアさんにならなんでも聞いてもらって構わないよ。もちろん答えられない時はそれを伝えるしさ。」
「え?」
「それよりタリアさんはお付き合いしている人がいるとは聞かないけど。」
「そうですね、恋愛小説のような恋に憧れた時期もありましたけど、仕事が楽しくなってそんな時に奥様に出会ってそのままいまに至ってる感じですね。」
「へータリアさんも白馬の王子様とかに憧れてた時期があるんだ。」
「さすがにそういうのは5歳くらいまでは憧れていましたけど、成人してからはせいぜいいつの間にか目で彼を追っちゃうとか、困った時にいつも手を差し伸べてくれる人にときめくとかそういうお話には憧れましたよ?」
「なるほど、でもタリアさんの方が仕事も、出来るし現実そんな男性そうそういないって悟っちゃったてきな?」
「まぁそんなところですね。」
ルイスさんとこんな話をするの初めてだわ。
「じゃあさ、君と一緒に仕事が出来るくらいの男はどうですか?」
「へ?」
「ドキドキするようなお誘いの仕方ではないけどここにそこそこ優秀な独り身の男がいるんだけどどうでしょう。」
いま、私の顔どうなってるのかな。
「え?あ、う……」
「うーん、脈ナシって訳ではなさそうだね。」
ルイスさんは困ったような顔して私の顔を覗き込んでくるけど、男性にそんなに近づかれることなんて無かったからどうしよう。

「え、あの嫌とかではなくて、その。」
「奥様の完璧侍女のタリアさんのそんな顔、他の男に見せたくないと思うくらいには君のこと好きなんだよ。」
ちょっと、こんなグイグイ来る人だっけルイスさん。
というか私って押しに弱いのかも知れない。
「あっ、」
ワタワタしているといつの間にか手を握ってるし。
「まぁ意識して貰えたから今日はこの辺にしておくよ、明日は旦那様と奥様は休暇で俺らもおやすみもらってるからね。今日はおやすみ。」
握られている手にキスを!?
「部屋まで送る」
そう言って茶器をさっと片付け部屋に送ってもらったけど、扉の内側でへたりこんでしばらく動けなかった。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

貴方の事を愛していました

ハルン
恋愛
幼い頃から側に居る少し年上の彼が大好きだった。 家の繋がりの為だとしても、婚約した時は部屋に戻ってから一人で泣いてしまう程に嬉しかった。 彼は、婚約者として私を大切にしてくれた。 毎週のお茶会も 誕生日以外のプレゼントも 成人してからのパーティーのエスコートも 私をとても大切にしてくれている。 ーーけれど。 大切だからといって、愛しているとは限らない。 いつからだろう。 彼の視線の先に、一人の綺麗な女性の姿がある事に気が付いたのは。 誠実な彼は、この家同士の婚約の意味をきちんと理解している。だから、その女性と二人きりになる事も噂になる様な事は絶対にしなかった。 このままいけば、数ヶ月後には私達は結婚する。 ーーけれど、本当にそれでいいの? だから私は決めたのだ。 「貴方の事を愛してました」 貴方を忘れる事を。

いつまでも変わらない愛情を与えてもらえるのだと思っていた

奏千歌
恋愛
 [ディエム家の双子姉妹]  どうして、こんな事になってしまったのか。  妻から向けられる愛情を、どうして疎ましいと思ってしまっていたのか。

生まれ変わっても一緒にはならない

小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。 十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。 カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。 輪廻転生。 私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件

よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます 「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」 旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。 彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。 しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。 フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。 だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。 私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。 さて……誰に相談したら良いだろうか。

その瞳は囚われて

豆狸
恋愛
やめて。 あの子を見ないで、私を見て! そう叫びたいけれど、言えなかった。気づかなかった振りをすれば、ローレン様はこのまま私と結婚してくださるのだもの。

跳ね返り令嬢、腹黒殿下に捕まります!?

さくらもち
恋愛
辺境伯と呼ばれるカロナリア伯爵家の末子で唯一の娘であるナタリアは兄たちに囲まれて育ったせいでかなりのお転婆。 社交界デビューで王都に向かう道中で山賊に襲われ撃退した後に駆けつけたこの国フォロバ王国の王弟殿下アルフォード・フォロバ様。 腹黒な王弟殿下に振り回されつつ、窮屈な王都生活を過ごすナタリアのお話です。 【旦那様、わたくし家出します!】の第2王子が10年後王弟殿下になったお話です。

処理中です...