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選定編

他の候補者たち

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翌朝、用意されていた候補者の服に袖を通して迎えが来るのを待つ。
前世のイメージで言うならベタなシスター服の形で色が深緑なワンピースタイプの服で脱ぎ着が楽な造りになっている。

「それでは豊穣の女神の祝福に感謝を」
食堂で朝食の前に朝の礼拝からスタートらしく案内された礼拝堂には既に神官と乙女候補者が着席していて初日という事で最後の方の入室だったみたい。
聖書みたいなものを渡され今日はまだ分からなくても良いので神官長の話を聞いているよう言われたが分かる範囲で聖書を開く。
話と聖書を照らし合わせるのは早目にしておいた方が良さそうだ。
不真面目な候補者として参加するのは性格的に出来ないのもあるが、私が転生した事と、緑属性を持っている事に意味があるのかもしれないからこそ状況を把握しておきたい。

ありがたい説法の後はおのおの食堂に移動し朝食をとり役目に分かれてその日のお勤めをし、夕方に礼拝を行い夕食を取り一日が終わるという感じのざっくりしたイメージなのは昨夜ユージィン様から聞いていたが、朝食後部屋に戻り呼ばれるまで待機しているように言われたので少し聖書を読んでおこうかななんてぼんやり考えながら食事していると、
「ねぇ、ここ座っていいかしら?」
同じ候補者の少女が声をかけてきたのでどうぞと伝えると少女は自己紹介をしてくれた。
「私、ネマリィ13歳で今期で一番最初の候補者よ。」
「マリア・クリフォード10歳です。昨日からこちらに参りました。」
「貴女ともう1人が多分今期最後の候補者なのではと言われているのよ。」
確かに判定の儀で今期の乙女になれる可能性があるのはあと1回来月にあるのが最後だったハズ。
毎回候補者が出るわけでは無いので言われた通り最後の候補者になるのかもしれないわね。
「今私たちが来るまでに何人の候補者がいらっしゃるのですか?」
礼拝の時パッと見た感じ10人はいない感じだったけど。
「貴女たちを入れて9人ね。絶対では無いけれど毎回10人前後が候補者になるみたいだからまだ増える可能性も有るけれどもこのままの可能性もあるわ。」
「そうなのですね。」
「まぁ、人によっては絶対自分が乙女になる!って思っている方もいるようですが、コレばかりはどうなるかは分かりませんしね。」
ネマリィさんそれは言わないお約束では?なんて思いながから
「乙女として国に貢献しようという素晴らしい志の方が候補者である事はとても良い事だと思いますわ。」
私まで悪く言ってるように勘違いはされたくないわ。
「そうかもしれないね。私はそんな高望みはしないけど手の届く所くらいは豊かになってもらう手伝いはしたいな。」
ちょっと浅慮では有りそうだけれども真面目な人なのね。
「私と同じですわ。候補者として選ばれて今代の乙女と共に過ごしたと言うのは誇らしきことですものね。」
「そうだね、これからよろしくね。」
そういうとあっという間食べ終わった食器を持ってネマリィさんは行ってしまった。

悪い人ではないけれども他の候補者が聞き耳立ててるのに不用意なことばかりいってるので今後も巻き込まれないようにしなければあと2年もあるし、むしろ彼女は3年もよくこの中で生活してきたのだなと感心するわ。
それにしても他の候補者達は大半が俗物だなー
聞き耳立ててライバルか探りを入れているのだもんの。
前世のテンプレ的に言えば純粋な子が選ばれると思うのと、こんな俗物てきなのが乙女って呼ばないといけないのはちょっと嫌だと思ってしまったのは誰にも言えないよ。
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