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第三章 ~パーティ結成編~
54 イエティマンの群れ
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このクエストでも中級クラスに指定されているグリゴレ山脈のモンスター……“イエティマン”。
全身が白い体毛で覆われており、体長が約二メートル程。
二足歩行する大きな熊の様な見た目をしている。
イエティマンには二つの特徴があり……。
一つ目は、基本的にとても縄張り意識が強く、自身の縄張りに入った者や獲物を奪う際には躊躇いなく襲い掛かって来る事。
縄張りを荒らさなければ意外にも温厚な時もあると言う。
「――急いで!もうすぐ出口よ!(なんとか今の内に……!)」
ブラウンを見つけたレイ達は走って穴蔵の出入口へと向かっていた。
漠然と“モンスターの住処”だからヤバいと、急いで走るレイ、ランベル、リエンナに対し、“また違う”意味で急いでいるローラとブラウン―。
そう―。
ここがイエティマンの住処だとするならば、ブラウンの言った通り一刻も早く立ち去らなければマズい―。
何故ならば……縄張り意識が強いという特徴ともう一つ……。
イエティマンの最大の特徴と言ってもいい……
―“群れ”。
「――よし!穴蔵抜けたッ……⁉⁉」
「なッ……⁉⁉」
「しまったッ……遅かった……!!」
穴蔵を抜け、外に出たレイ達の目の前には大量のイエティマン達がいた―。
視界に広がるイエティマンの群れ。
真っ白な体毛に大きな体。
周りの雪と同化するような毛並みに、今見ているのがイエティマンの群れではなくただの雪であってくれと強く願う一行であったが、目の前の現実は受け入れなければならない―。
「これはヤベぇ……」
優に二十体は超えている群れの数。
ザクッ……ザクッ……と、その獣の足が積もった雪を踏み潰しながら穴蔵……レイ達の所へ歩み寄っていく―。
「――逃げるわよッ!」
ローラの掛け声で皆が一斉に動き出そうとした瞬間、数体のイエティマンが突撃してきた―。
普段は二足歩行であまり速さがないイエティマンだが、敵や獲物を襲う時は通常のそれとは異なり、獣が最も得意とする“四足歩行”で獲物を仕留めに掛かるのだ。
雪が積もり動きにくいにも関わらず、四足歩行時のイエティマンのトップスピードは四十km/hを超える―。
予想外の速さに逃げるタイミングを逃したレイ達。
突撃してきた数体を何とか逃げて躱した。
「あっぶねぇ……!!」
「―おい!次来るぞッ!!」
突撃を躱し、安心したのも束の間。
また数体のイエティマンがレイ目掛けて突撃を始めていた。
後ろにはさっき突っ込んできたイエティマンが数体。
この状況では躱してもどんどん挟み撃ちにあってしまう。
瞬時に判断したレイが皆に声を掛けた。
「―皆向こうだッ!最低限の奴だけ倒してあの林に逃げるぞ!」
レイが指差した方には木々が生い茂っていた。
岩場だけの開けた場所よりも、取り敢えずその林に逃げ込んだ方が良いと判断したレイ。
それに一早く反応したランベルが剣を抜き、続け様に皆に言った。
「俺が隙を作るから直ぐに走れ!」
ランベルのその言葉で皆が一斉に走り出す―。
レイ達が向かった林の方向には二体のイエティマンがいたが、走りながらレイが魔法を繰り出し攻撃した。
「……“エグドーラッ”!!」
二つの魔力弾がイエティマンに直撃。
食らった二体は爆炎と衝撃でそのまま雪に沈んだ。
この一撃で倒せる程の威力ではないが、足止めするには十分過ぎる攻撃であった。
レイ達はそのままスピードを緩めることなく林へと逃げ込む。
その直ぐ後を追うかのように別のイエティマン達が突っ込ん来ていたが、ランベルが有言実行―。
「“風魔一刀流……浚の風”!!」
――ボフゥゥンッ……!!!
振り抜かれたランベルの剣により、無限に積もっている辺りの雪が凄まじい風と共に舞い上がり、たちまち吹雪が吹き荒れた。
突然の猛吹雪に、雪山に慣れているイエティマン達も一瞬困惑する。
状況を上手く利用したランベルの技あり。
イエティマン達にダメージこそないもののその凄まじい猛吹雪が目隠しとなり、イエティマン達は完全にレイ達を見失った。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
~林の中~
「――ランベル大丈夫かしら?」
ランベルのお陰で林に逃げ込めたレイ達は、直ぐにいつもの翼とホウキを出して飛びながら逃げていた。
振り返ってもイエティマン達が追ってくる気配がない。
「まさかあの状況で逃げ切れるとは……もう一人の少年を助けに行かなくていいのかい?」
レイに優しく掴まれながら飛んでいたブラウンがそう声を掛けた。
様子を見に行こうと皆が戻ろうとした刹那、林の奥から“何か”がレイ達に向かってきた―。
凄いスピード。
何故か遠くから吹っ飛んできたのは“ランベル”だった―。
「……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
―――ドンッッ!!!
急に飛んできたランベルはレイ達の近くに無数にある木の一本にぶつかりそのまま雪に沈んだ。
そしてぶつかった衝撃で木の上に積もっていた雪が落下し、完全にランベルの姿が雪の中へと消えたのだった……。
全身が白い体毛で覆われており、体長が約二メートル程。
二足歩行する大きな熊の様な見た目をしている。
イエティマンには二つの特徴があり……。
一つ目は、基本的にとても縄張り意識が強く、自身の縄張りに入った者や獲物を奪う際には躊躇いなく襲い掛かって来る事。
縄張りを荒らさなければ意外にも温厚な時もあると言う。
「――急いで!もうすぐ出口よ!(なんとか今の内に……!)」
ブラウンを見つけたレイ達は走って穴蔵の出入口へと向かっていた。
漠然と“モンスターの住処”だからヤバいと、急いで走るレイ、ランベル、リエンナに対し、“また違う”意味で急いでいるローラとブラウン―。
そう―。
ここがイエティマンの住処だとするならば、ブラウンの言った通り一刻も早く立ち去らなければマズい―。
何故ならば……縄張り意識が強いという特徴ともう一つ……。
イエティマンの最大の特徴と言ってもいい……
―“群れ”。
「――よし!穴蔵抜けたッ……⁉⁉」
「なッ……⁉⁉」
「しまったッ……遅かった……!!」
穴蔵を抜け、外に出たレイ達の目の前には大量のイエティマン達がいた―。
視界に広がるイエティマンの群れ。
真っ白な体毛に大きな体。
周りの雪と同化するような毛並みに、今見ているのがイエティマンの群れではなくただの雪であってくれと強く願う一行であったが、目の前の現実は受け入れなければならない―。
「これはヤベぇ……」
優に二十体は超えている群れの数。
ザクッ……ザクッ……と、その獣の足が積もった雪を踏み潰しながら穴蔵……レイ達の所へ歩み寄っていく―。
「――逃げるわよッ!」
ローラの掛け声で皆が一斉に動き出そうとした瞬間、数体のイエティマンが突撃してきた―。
普段は二足歩行であまり速さがないイエティマンだが、敵や獲物を襲う時は通常のそれとは異なり、獣が最も得意とする“四足歩行”で獲物を仕留めに掛かるのだ。
雪が積もり動きにくいにも関わらず、四足歩行時のイエティマンのトップスピードは四十km/hを超える―。
予想外の速さに逃げるタイミングを逃したレイ達。
突撃してきた数体を何とか逃げて躱した。
「あっぶねぇ……!!」
「―おい!次来るぞッ!!」
突撃を躱し、安心したのも束の間。
また数体のイエティマンがレイ目掛けて突撃を始めていた。
後ろにはさっき突っ込んできたイエティマンが数体。
この状況では躱してもどんどん挟み撃ちにあってしまう。
瞬時に判断したレイが皆に声を掛けた。
「―皆向こうだッ!最低限の奴だけ倒してあの林に逃げるぞ!」
レイが指差した方には木々が生い茂っていた。
岩場だけの開けた場所よりも、取り敢えずその林に逃げ込んだ方が良いと判断したレイ。
それに一早く反応したランベルが剣を抜き、続け様に皆に言った。
「俺が隙を作るから直ぐに走れ!」
ランベルのその言葉で皆が一斉に走り出す―。
レイ達が向かった林の方向には二体のイエティマンがいたが、走りながらレイが魔法を繰り出し攻撃した。
「……“エグドーラッ”!!」
二つの魔力弾がイエティマンに直撃。
食らった二体は爆炎と衝撃でそのまま雪に沈んだ。
この一撃で倒せる程の威力ではないが、足止めするには十分過ぎる攻撃であった。
レイ達はそのままスピードを緩めることなく林へと逃げ込む。
その直ぐ後を追うかのように別のイエティマン達が突っ込ん来ていたが、ランベルが有言実行―。
「“風魔一刀流……浚の風”!!」
――ボフゥゥンッ……!!!
振り抜かれたランベルの剣により、無限に積もっている辺りの雪が凄まじい風と共に舞い上がり、たちまち吹雪が吹き荒れた。
突然の猛吹雪に、雪山に慣れているイエティマン達も一瞬困惑する。
状況を上手く利用したランベルの技あり。
イエティマン達にダメージこそないもののその凄まじい猛吹雪が目隠しとなり、イエティマン達は完全にレイ達を見失った。
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~林の中~
「――ランベル大丈夫かしら?」
ランベルのお陰で林に逃げ込めたレイ達は、直ぐにいつもの翼とホウキを出して飛びながら逃げていた。
振り返ってもイエティマン達が追ってくる気配がない。
「まさかあの状況で逃げ切れるとは……もう一人の少年を助けに行かなくていいのかい?」
レイに優しく掴まれながら飛んでいたブラウンがそう声を掛けた。
様子を見に行こうと皆が戻ろうとした刹那、林の奥から“何か”がレイ達に向かってきた―。
凄いスピード。
何故か遠くから吹っ飛んできたのは“ランベル”だった―。
「……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
―――ドンッッ!!!
急に飛んできたランベルはレイ達の近くに無数にある木の一本にぶつかりそのまま雪に沈んだ。
そしてぶつかった衝撃で木の上に積もっていた雪が落下し、完全にランベルの姿が雪の中へと消えたのだった……。
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