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第一章 ~追放と出会い~
18 魔力を扱え
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――ガサガサガサッ……!!
「ウヒョー!!」
「腹ペコだぜ!」
「――おい!人間がいるじゃないか!」
雑木林を抜け現れたゴブリン達は目の前にいるレイとローラに気付きその場で動きを止めた。
三体共レイの腰ほどの高さの身長に緑色の肌と尖った耳。
布切れを頭に巻いている奴もいればゴーグルみたいな物を付けてる奴もいる。二体のゴブリンは手に太い木のこん棒を持っており、もう一体は斧を持っていた。
奇襲を掛けたつもりなのかレイとローラがいた事に一瞬驚いた表情を見せたが直ぐに何ともない態度に戻った。
「何だお前達は?邪魔だよ!」
「ヒッヒッヒッ!早く食おうぜ腹ペコだ!」
ゴブリン達はレイとローラを無視して行こうとしたがすぐさまローラが引き留める。
「邪魔なのはアンタ達でしょ!何で農作物荒らしてんのよ」
「うわぁー!マジでゴブリン!本物⁉」
ゴブリンを初めて見たレイはよりテンションが上がっている。一人だけずっと場違いなノリだ。
そんなレイを最早気にも留めていないローラはゴブリン達と会話を進めていた。
「腹ペコだから食うんだ!」
「そうだ!そうだ!」
「お前に関係ないだろ人間!どけッ!」
「態度悪いゴブリン達ね……。これなら遠慮なく攻撃できるわ」
聞く耳持たないゴブリン達の態度に見切りをつけたローラは魔力を練り上げ攻撃態勢に入った―。
集められた魔力が一気に形を変え、ユラユラと揺らめく複数の火の弾が生まれた。握りこぶし程の大きさの弾が火を纏いローラの周りに浮遊している。
それを見たゴブリン達も戦闘モードに入り持っていたこん棒や斧を振り上げながら二人目掛けて突進―。
「やべッ!」と魔力がまだ扱えないレイは焦るも、冷静なローラは魔法で出したその火の弾をゴブリン達に放った。
「……火の魔法……“F”・ショット!!」
――シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!
十数発あった火の弾が凄い速さで飛んでいき何発かがゴブリン達を見事に捉え爆撃した。
ローラの魔法攻撃、F・ショットを食らったゴブリン達は衝突音と爆破の煙と共に後方へ吹っ飛ばされていく。
真横で見ていたレイは「おー!」と歓声を上げて盛り上がっているが、モンスターの中でも下級クラスであるゴブリンとも戦えないのかとローラは引いた目でレイを見ている。
「レイ……。おー!じゃなくて早く魔力使える様になりなさいよ!そんなんじゃすぐ死ぬわよ」
「おっかない事言うなよ」
「緊張感なさ過ぎなのよ。その状態でよくゴブリンと対峙しようと思ったわね……」
「魔力の使い方教えてくれよドーラン」
<何とも情けない宿主……。いい機会だ。魔力コントロールなど理屈ではなく感覚で覚えろレイ。いくらゴブリン程度の雑魚でも、人間が魔力無しで挑むなど笑止千万。ホントに死ぬぞ>
「二人して脅すなよな。しょうがないだろ、魔力なんてまともに使った事ないんだから。ちょっと真面目にやるよ!」
「<もっと早よやれ>」
ローラとドーランにシンクロでツッコミされたレイは今までの浮かれた様子から一変、真剣な表情で飛ばされたゴブリン達を見た。明らかに変わった空気―。
落ち着いて一呼吸するや否や一気に集中力を高めたレイは、まだまだ不安定ながらもその十六年の人生の中で初めて“自身の感覚”で魔力をコントロールさせていた―。
運動神経がいいと公言していたのが関係しているのかどうかは定かではないが、初めて魔力を扱ったにしては上出来であろうと思うドーラン。レイの魔力が少しづつ練り上がっていく―。
ここでローラの魔法攻撃を食らい倒れていたゴブリン達がゆっくりと体を起こし始めた。
「……グッ……!クソ……!」
「あの女思った以上に魔力が高かった……!」
「油断したな…。だがあの程度なら倒せる……行くぞお前らッ!」
フラフラと立ち上がったゴブリン達は怒りの表情。思いがけない邪魔者に気分を害している様子だ。
一方のレイは不安定ながらもどんどん魔力を高め、その集まった魔力が腕に纏わりみるみるうちに鱗と鉤爪のある“ドラゴンの腕”に変化していく―。
アルカトラズでドーランが天井を破壊した時と同じ形であるが、今回はレイの力のみで練り上げている為サイズがまだ小さかった。しかしゴブリン達を倒すのには十分すぎる程の強い魔力―。
ドーランがレイの体を操作したとはいえ、一度使った魔力の感覚をレイは懸命に再現しようとしている。
ドラゴンの魔力を完璧に扱うのとは程遠いが、口先だけではないレイのポテンシャルに、ドーランも少しだけ関心を見せた。
それはまたローラも同様―。
(……安定していないのにこれだけの魔力……コレが古代黒龍の力……)
レイの右腕を纏うように揺らめきながら形成されたドラゴンの腕。
それが完成されたと同時に、先程までとは違う戦闘モードに入ったゴブリン達が目の色を変えて再び突っ込んできた。
静かに右腕を動かすレイ―。
後ろに振りかざしたドラゴンの腕を猪突猛進してくるゴブリン達目掛けて力強く振り放つ―。
――――シュバァァァンッ……!!!
レイが振り放ったドラゴンの腕の攻撃は、周囲を巻き込む程凄まじい突風を巻き起こしながらゴブリン三体を簡単に吹き飛ばし、更に目の前の雑木林数十メートルに及ぶ距離まで木々をなぎ倒していった。
やられたゴブリン達は遠くまで飛ばされ木に衝突し地面へとずり落ちた。気を失って完全にノびている状態。
思った以上の威力に一番近くにいたローラもあわや突風で飛ばされるのを防ぎ、驚きの表情で雑木林を眺めていた。
そして誰よりも驚いていたのは攻撃を放った張本人であった。
「やっぱとんでもない魔力の強さね……」
「おいおい……危ねぇじゃねーかよドーラン……。雑木林じゃなかったら町破壊してるぞコレ」
<自分でやった事であろう。レイが自在に魔力を扱えればいいだけの話。それに我の魔力はまだまだこんなものではない>
レイとローラは薙ぎ倒された雑木林を見て暫く動くことが出来なかった。
そして「…あ!」とすっかり忘れていたゴブリンの存在を思い出したローラは吹っ飛んで気絶しているゴブリン達の元へと向かった。
「ウヒョー!!」
「腹ペコだぜ!」
「――おい!人間がいるじゃないか!」
雑木林を抜け現れたゴブリン達は目の前にいるレイとローラに気付きその場で動きを止めた。
三体共レイの腰ほどの高さの身長に緑色の肌と尖った耳。
布切れを頭に巻いている奴もいればゴーグルみたいな物を付けてる奴もいる。二体のゴブリンは手に太い木のこん棒を持っており、もう一体は斧を持っていた。
奇襲を掛けたつもりなのかレイとローラがいた事に一瞬驚いた表情を見せたが直ぐに何ともない態度に戻った。
「何だお前達は?邪魔だよ!」
「ヒッヒッヒッ!早く食おうぜ腹ペコだ!」
ゴブリン達はレイとローラを無視して行こうとしたがすぐさまローラが引き留める。
「邪魔なのはアンタ達でしょ!何で農作物荒らしてんのよ」
「うわぁー!マジでゴブリン!本物⁉」
ゴブリンを初めて見たレイはよりテンションが上がっている。一人だけずっと場違いなノリだ。
そんなレイを最早気にも留めていないローラはゴブリン達と会話を進めていた。
「腹ペコだから食うんだ!」
「そうだ!そうだ!」
「お前に関係ないだろ人間!どけッ!」
「態度悪いゴブリン達ね……。これなら遠慮なく攻撃できるわ」
聞く耳持たないゴブリン達の態度に見切りをつけたローラは魔力を練り上げ攻撃態勢に入った―。
集められた魔力が一気に形を変え、ユラユラと揺らめく複数の火の弾が生まれた。握りこぶし程の大きさの弾が火を纏いローラの周りに浮遊している。
それを見たゴブリン達も戦闘モードに入り持っていたこん棒や斧を振り上げながら二人目掛けて突進―。
「やべッ!」と魔力がまだ扱えないレイは焦るも、冷静なローラは魔法で出したその火の弾をゴブリン達に放った。
「……火の魔法……“F”・ショット!!」
――シュンッ!シュンッ!シュンッ!シュンッ!
十数発あった火の弾が凄い速さで飛んでいき何発かがゴブリン達を見事に捉え爆撃した。
ローラの魔法攻撃、F・ショットを食らったゴブリン達は衝突音と爆破の煙と共に後方へ吹っ飛ばされていく。
真横で見ていたレイは「おー!」と歓声を上げて盛り上がっているが、モンスターの中でも下級クラスであるゴブリンとも戦えないのかとローラは引いた目でレイを見ている。
「レイ……。おー!じゃなくて早く魔力使える様になりなさいよ!そんなんじゃすぐ死ぬわよ」
「おっかない事言うなよ」
「緊張感なさ過ぎなのよ。その状態でよくゴブリンと対峙しようと思ったわね……」
「魔力の使い方教えてくれよドーラン」
<何とも情けない宿主……。いい機会だ。魔力コントロールなど理屈ではなく感覚で覚えろレイ。いくらゴブリン程度の雑魚でも、人間が魔力無しで挑むなど笑止千万。ホントに死ぬぞ>
「二人して脅すなよな。しょうがないだろ、魔力なんてまともに使った事ないんだから。ちょっと真面目にやるよ!」
「<もっと早よやれ>」
ローラとドーランにシンクロでツッコミされたレイは今までの浮かれた様子から一変、真剣な表情で飛ばされたゴブリン達を見た。明らかに変わった空気―。
落ち着いて一呼吸するや否や一気に集中力を高めたレイは、まだまだ不安定ながらもその十六年の人生の中で初めて“自身の感覚”で魔力をコントロールさせていた―。
運動神経がいいと公言していたのが関係しているのかどうかは定かではないが、初めて魔力を扱ったにしては上出来であろうと思うドーラン。レイの魔力が少しづつ練り上がっていく―。
ここでローラの魔法攻撃を食らい倒れていたゴブリン達がゆっくりと体を起こし始めた。
「……グッ……!クソ……!」
「あの女思った以上に魔力が高かった……!」
「油断したな…。だがあの程度なら倒せる……行くぞお前らッ!」
フラフラと立ち上がったゴブリン達は怒りの表情。思いがけない邪魔者に気分を害している様子だ。
一方のレイは不安定ながらもどんどん魔力を高め、その集まった魔力が腕に纏わりみるみるうちに鱗と鉤爪のある“ドラゴンの腕”に変化していく―。
アルカトラズでドーランが天井を破壊した時と同じ形であるが、今回はレイの力のみで練り上げている為サイズがまだ小さかった。しかしゴブリン達を倒すのには十分すぎる程の強い魔力―。
ドーランがレイの体を操作したとはいえ、一度使った魔力の感覚をレイは懸命に再現しようとしている。
ドラゴンの魔力を完璧に扱うのとは程遠いが、口先だけではないレイのポテンシャルに、ドーランも少しだけ関心を見せた。
それはまたローラも同様―。
(……安定していないのにこれだけの魔力……コレが古代黒龍の力……)
レイの右腕を纏うように揺らめきながら形成されたドラゴンの腕。
それが完成されたと同時に、先程までとは違う戦闘モードに入ったゴブリン達が目の色を変えて再び突っ込んできた。
静かに右腕を動かすレイ―。
後ろに振りかざしたドラゴンの腕を猪突猛進してくるゴブリン達目掛けて力強く振り放つ―。
――――シュバァァァンッ……!!!
レイが振り放ったドラゴンの腕の攻撃は、周囲を巻き込む程凄まじい突風を巻き起こしながらゴブリン三体を簡単に吹き飛ばし、更に目の前の雑木林数十メートルに及ぶ距離まで木々をなぎ倒していった。
やられたゴブリン達は遠くまで飛ばされ木に衝突し地面へとずり落ちた。気を失って完全にノびている状態。
思った以上の威力に一番近くにいたローラもあわや突風で飛ばされるのを防ぎ、驚きの表情で雑木林を眺めていた。
そして誰よりも驚いていたのは攻撃を放った張本人であった。
「やっぱとんでもない魔力の強さね……」
「おいおい……危ねぇじゃねーかよドーラン……。雑木林じゃなかったら町破壊してるぞコレ」
<自分でやった事であろう。レイが自在に魔力を扱えればいいだけの話。それに我の魔力はまだまだこんなものではない>
レイとローラは薙ぎ倒された雑木林を見て暫く動くことが出来なかった。
そして「…あ!」とすっかり忘れていたゴブリンの存在を思い出したローラは吹っ飛んで気絶しているゴブリン達の元へと向かった。
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