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第51召喚 ゆったりとした時間
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♢♦♢
~病院~
目を開けたアーサー。
彼の視界に最初に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
「ここは……。痛ッててて……!」
寝ている体を起こそうとしたアーサーは痛みで顔を歪める。
よく見ると自分の体は包帯だらけ。それに腕には針が刺さり、そこから細い管が伸びていた。
「そうだ、確かジャックさんと話している時に僕は――」
痛む横っ腹を押さえながら、アーサーは自分が負った傷やジャック達の事を徐々に思い出す。
「あ、目が覚めたんだねお兄ちゃん!」
「アーサー様!」
「ご気分はどうですかアーサー」
アーサーが起きたタイミングで丁度エレイン達が病室に入って来た。
どうやらはアーサーは倒れた後直ぐに病院に運ばれ処置を受け、そのまま丸1日眠っていたらしい。目を覚ました事でエレイン達にも安堵が生まれていた。
「一応大事には至らなかったみたいだから、検査して問題なければ退院出来るって。良かったねお兄ちゃん。もう心配掛けないでよね」
「そうなんだ。ハハハ、ごめんごめん」
「心配しないでアーサー様! 帰った後もモルナがお世話してあげるから☆」
「私も何でもさせていただきます」
(お世話……。何でも……)
そう言ったシェリルとモルナの言葉がいかがわしく聞こえたのは勿論アーサーだけであった。これが男の性か。怪我が感知していないこの状況でその発想になるのなら大丈夫だろう。
「アハハハ! これはこれは。少し見ない間に随分とまぁ立派な御身分になっているねぇ、アーサーや」
「え!? か、母さんッ!?」
アーサーの向かいから突如聞こえた母親の声。
なんと彼が寝ている部屋は母親と同じ病室だった。
ベッドの周りがカーテンで囲われていたせいでアーサーは全く気が付いていなかったのだ。
「何時からこんな可愛い女の子をたぶらかす男になったんだい、アンタは」
「い、いや、僕はそんな事してない……! ってそんな事より何でここにいるの!?」
「何言ってるのよ。病人が病院にいるのは当たり前でしょ。寧ろアンタが後からこの病室に来たんだよアーサー。先輩の私を敬いな」
アーサーとは違って強くパワフルな印象の母。恐らくこの性格はエレインに受け継がれたのだろう。母親の社交的な性格もあってか、既にシェリルもモルナもアーサーのお母さんととても仲良くなっていた。アーサーだけが現状に置いてけぼりだ。
「じゃあ私達は帰るね、お兄ちゃん。また明日来るから」
エレインはそう言って帰り支度をする。
アーサーも無事に目を覚まし、彼ほど怪我も負っていないシェリルとモルナも一緒に帰る様だ。
「シェリルとモルナは大丈夫なのか?」
「モルナは獣人族だからね。アーサー様とはフィジカルの強さが違うって☆」
「私は勇者なのでアーサーよりも防御力が上です。だからそんなにダメージではないです」
「あ……そうなんですね……」
勿論2人に悪気など一切ない。思った事を直接言っただけ。
だがそれは確かに手負いのアーサーに更なるダメージを与えていたのだった。
情けない気持ちになるアーサー。
そしてそんなアーサーを他所に、エレイン達は元気よく手を振りながら帰って行った。
「アッハッハッハッハッ!」
「笑うんじゃないよ。息子が情けなくなっているのに」
「あの子達が一緒ならもう心配ないね!」
「それはごもっともだ……」
久しぶりに母親とゆっくり会話をするアーサー。お見舞いには何度も来ていたが、生活の為いつも時間に追われていたアーサーは、こうして話をするのは久しぶりである。
~病院~
目を開けたアーサー。
彼の視界に最初に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
「ここは……。痛ッててて……!」
寝ている体を起こそうとしたアーサーは痛みで顔を歪める。
よく見ると自分の体は包帯だらけ。それに腕には針が刺さり、そこから細い管が伸びていた。
「そうだ、確かジャックさんと話している時に僕は――」
痛む横っ腹を押さえながら、アーサーは自分が負った傷やジャック達の事を徐々に思い出す。
「あ、目が覚めたんだねお兄ちゃん!」
「アーサー様!」
「ご気分はどうですかアーサー」
アーサーが起きたタイミングで丁度エレイン達が病室に入って来た。
どうやらはアーサーは倒れた後直ぐに病院に運ばれ処置を受け、そのまま丸1日眠っていたらしい。目を覚ました事でエレイン達にも安堵が生まれていた。
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「心配しないでアーサー様! 帰った後もモルナがお世話してあげるから☆」
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(お世話……。何でも……)
そう言ったシェリルとモルナの言葉がいかがわしく聞こえたのは勿論アーサーだけであった。これが男の性か。怪我が感知していないこの状況でその発想になるのなら大丈夫だろう。
「アハハハ! これはこれは。少し見ない間に随分とまぁ立派な御身分になっているねぇ、アーサーや」
「え!? か、母さんッ!?」
アーサーの向かいから突如聞こえた母親の声。
なんと彼が寝ている部屋は母親と同じ病室だった。
ベッドの周りがカーテンで囲われていたせいでアーサーは全く気が付いていなかったのだ。
「何時からこんな可愛い女の子をたぶらかす男になったんだい、アンタは」
「い、いや、僕はそんな事してない……! ってそんな事より何でここにいるの!?」
「何言ってるのよ。病人が病院にいるのは当たり前でしょ。寧ろアンタが後からこの病室に来たんだよアーサー。先輩の私を敬いな」
アーサーとは違って強くパワフルな印象の母。恐らくこの性格はエレインに受け継がれたのだろう。母親の社交的な性格もあってか、既にシェリルもモルナもアーサーのお母さんととても仲良くなっていた。アーサーだけが現状に置いてけぼりだ。
「じゃあ私達は帰るね、お兄ちゃん。また明日来るから」
エレインはそう言って帰り支度をする。
アーサーも無事に目を覚まし、彼ほど怪我も負っていないシェリルとモルナも一緒に帰る様だ。
「シェリルとモルナは大丈夫なのか?」
「モルナは獣人族だからね。アーサー様とはフィジカルの強さが違うって☆」
「私は勇者なのでアーサーよりも防御力が上です。だからそんなにダメージではないです」
「あ……そうなんですね……」
勿論2人に悪気など一切ない。思った事を直接言っただけ。
だがそれは確かに手負いのアーサーに更なるダメージを与えていたのだった。
情けない気持ちになるアーサー。
そしてそんなアーサーを他所に、エレイン達は元気よく手を振りながら帰って行った。
「アッハッハッハッハッ!」
「笑うんじゃないよ。息子が情けなくなっているのに」
「あの子達が一緒ならもう心配ないね!」
「それはごもっともだ……」
久しぶりに母親とゆっくり会話をするアーサー。お見舞いには何度も来ていたが、生活の為いつも時間に追われていたアーサーは、こうして話をするのは久しぶりである。
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