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第1章~呪いの勇者降臨~
1-3 クラフト村でトラブル引寄せ
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「え、倒した……のかな?」
「ジーク様ッ!」
「わッ⁉」
倒した事に実感がなく戸惑っていた僕の所へ、レベッカが駆け寄って来た。しかも何故か抱きつかれている。
「ジーク様ぁぁ」
抱きついて来たレベッカは声を震わせ泣いている。
そっか、そりゃ怖かったよな。
僕は一先ず何も言わずにそっとレベッカの頭を撫でた。
♢♦♢
「私にとっての勇者はやはりジーク様です」
ギガントゴブリンを倒し終え、気持ちが落ち着いた様子のレベッカが不意にそう言った。
「そんな大層な存在じゃないよ僕は。兎も角無事で良かった」
僕は恥ずかしさを誤魔化しながら、レベッカの空間魔法に入れておいてもらった回復薬をグッと飲み干した。
取り敢えず一段落してやっと考えをまとまられる。
先ず今のギガントゴブリンとの戦闘で気になったのがこの“魔鉱石”だ。
魔鉱石は言わずもがな倒したモンスターから取れる特別な石。魔鉱石は売ってお金に換金したり武器や装備の素材として扱われるけど、僕が気になったのは魔鉱石じゃなくてそれと一緒に取れたこっちの“赤い結晶”――。
魔鉱石とは明らかに違うし、こんなの見た事も無い。
ギガントゴブリンが異常な動きを見せたのと何か関係でもあるのかな? 考えても分からなそうだ。
それに気になる事はまだある。
それは勿論、奴を倒したこの『引寄せ』のスキルの事だ。
そもそもギガントゴブリンを引寄せてしまったのはこのスキルのせいなのかもしれないとも思ったけど、それ以上にやっぱり気になるのが最後に奴を倒した瞬間の事。
何時からかは分からない。でも今の僕のブロンズの腕輪には“新たなスキル”が刻まれていた。
『必中』――。
これが僕の思う通りなら、このスキルは攻撃が必ず命中すという効果のスキルだろう。しかも更に驚くのは、習得したスキルがこれ1つじゃなくてもう1つ……。
『無効』――。
本来であればブロンズの腕輪は僕やレベッカの様にスキルが1つというのが基本中の基本。1番下のランクのブロンズであっても、ごく稀にレアなスキルを授かる事もある。レベッカもどちらかと言えば珍しいレアな部類だ。
そしてそれと同様に、ブロンズで3つのスキルを授かるのもかなりの
レアだと思う。シルバーやゴールドになると『勇者』や『魔法使い』と言った特殊なスキルを授かるし、当然スキルの数も多く習得出来ればその1つ1つの威力も強い。
だけど僕のこの力は結局なんなんだろう。
赤い結晶といい引寄せのスキルといい、最早僕が頭を悩ませたところで到底解決もしない為、諦めてゆっくり休む事にした。
♢♦♢
~クラフト村~
それから早くも2日後――。
ギガントゴブリンとの一件から特に問題なく歩みを進めた僕達は、遂に目的にクラフト村に辿り着いた。
村に着いた僕達は早速冒険者登録をする為にギルドへと足を運ぶ。
「こんにちは」
王都の冒険者ギルドとは違い、小さな村や町のギルドはそこまでサイズが大きい訳ではない。扉を開けて中に入ると直ぐ受付の人が気付いてくれた。
「こんにちは! ようこそクラフト村へ。私はこの冒険者ギルドの受付をしているサラと言います。今日はどういった御用ですか?」
優しくそう言ってくれたのは、暗い茶色の髪を束ねた落ち着いた雰囲気のお姉さん。
「えっと、今日は冒険者の登録をしたくて」
「冒険者登録ですね。分かりました。それでは先ずお名前をお伺いしても宜しいですか」
「名前は……ジーク・レオハルトです」
若干レオハルトの名を出すのに躊躇したけど、流石に避けては通れないよね。
「レオハルトだと?」
僕がそんな事を思っていると、受付のサラさんとは全く違う声が横から聞こえてきた。
振り向く先には1人の男。
細身のスラっとした体格と線目が印象的。シルバーの腕輪を付け槍を手にしているという事は恐らく冒険者なのだろう。
彼の態度と口調から察するに、あんまりいい雰囲気ではない。
「レオハルトって、まさか王都でも有名なあのレオハルトか? そんな有名人がこの小さな村に何の用なんよ」
「……別に。ただ冒険者の登録に来ただけですよ」
関わったら面倒そうだな。ただでさえ目立ちたくないんだよ僕は。
「冒険者の登録? ヒャハハハ、勇者一族のレオハルト家の人間が追い出されたって噂は本当だったのか! そりゃ笑える。ざまぁないんよ」
「ちょっと“ルルカ”さん! いくらなんでも失礼ですよ!」
見かねたサラさんが止めようとしてくれた。だけどルルカと呼ばれた男はまだ絡んでくる。
「何で止めるんよサラさん。だって本当の事でしょ。コイツらみたいに名が通った貴族や王家の連中なんて、自分が良ければそれでいい自己中の集まりなんよ結局」
「訂正して下さい。ジーク様は他の方達とは違います」
「ヒャハハ、流石はレオハルト家のお坊ちゃん。こんな可愛い女の子連れてるなんて言い御身分だね。あ、もう追い出されたから今は違うのか。まぁそんな事はどうでもいいや、それより俺可愛い女の子に弱いんよ、よかったら俺と一緒にパーティ組まない?」
ルルカはまるでナンパするかの如くレベッカに声を掛けた。それを見た僕は反射的に剣を抜いてルルカに突きつける。
僕なら構わないがレベッカに手を出す事は許さない。
「へぇ、急にムキになっちゃって。もしかして召使いとかじゃなくて恋人? いいよ。退屈してたし、そっちがその気なら相手してやるんよ。噂の呪いがどれ程のもんか気になるし」
そう言ってルルカは「表出ろよ」と僕を促してきた。
「ねぇ、ちょっとダメだって! ジークさんも落ち着いて下さい! ルルカさんはあれでもシルバーの腕輪を持つ“Bランク”の冒険者ですよ。まだ登録もしてない貴方じゃ……「僕なら大丈夫です。ありがとうございます、サラさん」
僕はサラさんにそう言って表に出た。
「もし俺が勝ったらお茶でも付き合ってもらうよお嬢ちゃん」
「レベッカにちょっかい出すな」
「ヒャハハ、名前レベッカって言うんだ。見た目同様に可愛いね」
終始ヘラヘラした態度のルルカであったが、刹那シルバーの腕輪を輝かせると、強力な魔力と共に激しい風が吹き荒れた。
「凄い魔力だ……」
確か冒険者は上がSランクから下はEランクまでの階級に分かれている。勿論ランクが上になる程実力も高い。ふざけた態度だけど、Bランク冒険者であるルルカはそれ相応の実力者という事。
「さて、始めるか」
そう静かに呟いた瞬間、風を身に纏ったルルカは疾風の如き速さで僕に突っ込んできた。
「うらッ!」
風に乗った速さのまま槍を繰り出すルルカ。
僕はそれを何とか躱し、空いた体に剣の柄で一撃を入れた。
――ドガッ!
「くッ!」
今の攻撃でルルカを突き飛ばしたが、奴は直ぐに体勢を立て直し再び突っ込んで来る。
「俺の『風魔法』に付いてくるなんて中々やるね。温室育ちのお坊ちゃんじゃないのか」
そう言いいながら槍を突いてきたルルカだが、僕はその攻撃をまた躱した。
ルルカのスピードは確かに速い。でもこの間のギガントゴブリンの方がもっと早かった。
どうしよう……。
新しく習得したっぽい『必中』のスキル、これ使ったらギガントゴブリンの時みたいになっちゃうのかな? 万が一の事を考えるととても人相手には使えない。
となると後はもう1つの『無効』だけど、そもそもまだどっちもスキルの効果をちゃんと把握出来ていなんだよな僕は。
「どうしたんよ。ボケっとしてるなら一気にケリ着けるぜ」
ルルカは本気。
奴は更に風の威力を高めると、“決め”の一撃を放ってきた。
くそッ、こうなったらこっちも――。
一か八か。
僕はまだ自分でもよく分からないスキル『無効』を発動させながら、ルルカの持つ槍目掛けて剣を振り下ろした。
「ジーク様ッ!」
「わッ⁉」
倒した事に実感がなく戸惑っていた僕の所へ、レベッカが駆け寄って来た。しかも何故か抱きつかれている。
「ジーク様ぁぁ」
抱きついて来たレベッカは声を震わせ泣いている。
そっか、そりゃ怖かったよな。
僕は一先ず何も言わずにそっとレベッカの頭を撫でた。
♢♦♢
「私にとっての勇者はやはりジーク様です」
ギガントゴブリンを倒し終え、気持ちが落ち着いた様子のレベッカが不意にそう言った。
「そんな大層な存在じゃないよ僕は。兎も角無事で良かった」
僕は恥ずかしさを誤魔化しながら、レベッカの空間魔法に入れておいてもらった回復薬をグッと飲み干した。
取り敢えず一段落してやっと考えをまとまられる。
先ず今のギガントゴブリンとの戦闘で気になったのがこの“魔鉱石”だ。
魔鉱石は言わずもがな倒したモンスターから取れる特別な石。魔鉱石は売ってお金に換金したり武器や装備の素材として扱われるけど、僕が気になったのは魔鉱石じゃなくてそれと一緒に取れたこっちの“赤い結晶”――。
魔鉱石とは明らかに違うし、こんなの見た事も無い。
ギガントゴブリンが異常な動きを見せたのと何か関係でもあるのかな? 考えても分からなそうだ。
それに気になる事はまだある。
それは勿論、奴を倒したこの『引寄せ』のスキルの事だ。
そもそもギガントゴブリンを引寄せてしまったのはこのスキルのせいなのかもしれないとも思ったけど、それ以上にやっぱり気になるのが最後に奴を倒した瞬間の事。
何時からかは分からない。でも今の僕のブロンズの腕輪には“新たなスキル”が刻まれていた。
『必中』――。
これが僕の思う通りなら、このスキルは攻撃が必ず命中すという効果のスキルだろう。しかも更に驚くのは、習得したスキルがこれ1つじゃなくてもう1つ……。
『無効』――。
本来であればブロンズの腕輪は僕やレベッカの様にスキルが1つというのが基本中の基本。1番下のランクのブロンズであっても、ごく稀にレアなスキルを授かる事もある。レベッカもどちらかと言えば珍しいレアな部類だ。
そしてそれと同様に、ブロンズで3つのスキルを授かるのもかなりの
レアだと思う。シルバーやゴールドになると『勇者』や『魔法使い』と言った特殊なスキルを授かるし、当然スキルの数も多く習得出来ればその1つ1つの威力も強い。
だけど僕のこの力は結局なんなんだろう。
赤い結晶といい引寄せのスキルといい、最早僕が頭を悩ませたところで到底解決もしない為、諦めてゆっくり休む事にした。
♢♦♢
~クラフト村~
それから早くも2日後――。
ギガントゴブリンとの一件から特に問題なく歩みを進めた僕達は、遂に目的にクラフト村に辿り着いた。
村に着いた僕達は早速冒険者登録をする為にギルドへと足を運ぶ。
「こんにちは」
王都の冒険者ギルドとは違い、小さな村や町のギルドはそこまでサイズが大きい訳ではない。扉を開けて中に入ると直ぐ受付の人が気付いてくれた。
「こんにちは! ようこそクラフト村へ。私はこの冒険者ギルドの受付をしているサラと言います。今日はどういった御用ですか?」
優しくそう言ってくれたのは、暗い茶色の髪を束ねた落ち着いた雰囲気のお姉さん。
「えっと、今日は冒険者の登録をしたくて」
「冒険者登録ですね。分かりました。それでは先ずお名前をお伺いしても宜しいですか」
「名前は……ジーク・レオハルトです」
若干レオハルトの名を出すのに躊躇したけど、流石に避けては通れないよね。
「レオハルトだと?」
僕がそんな事を思っていると、受付のサラさんとは全く違う声が横から聞こえてきた。
振り向く先には1人の男。
細身のスラっとした体格と線目が印象的。シルバーの腕輪を付け槍を手にしているという事は恐らく冒険者なのだろう。
彼の態度と口調から察するに、あんまりいい雰囲気ではない。
「レオハルトって、まさか王都でも有名なあのレオハルトか? そんな有名人がこの小さな村に何の用なんよ」
「……別に。ただ冒険者の登録に来ただけですよ」
関わったら面倒そうだな。ただでさえ目立ちたくないんだよ僕は。
「冒険者の登録? ヒャハハハ、勇者一族のレオハルト家の人間が追い出されたって噂は本当だったのか! そりゃ笑える。ざまぁないんよ」
「ちょっと“ルルカ”さん! いくらなんでも失礼ですよ!」
見かねたサラさんが止めようとしてくれた。だけどルルカと呼ばれた男はまだ絡んでくる。
「何で止めるんよサラさん。だって本当の事でしょ。コイツらみたいに名が通った貴族や王家の連中なんて、自分が良ければそれでいい自己中の集まりなんよ結局」
「訂正して下さい。ジーク様は他の方達とは違います」
「ヒャハハ、流石はレオハルト家のお坊ちゃん。こんな可愛い女の子連れてるなんて言い御身分だね。あ、もう追い出されたから今は違うのか。まぁそんな事はどうでもいいや、それより俺可愛い女の子に弱いんよ、よかったら俺と一緒にパーティ組まない?」
ルルカはまるでナンパするかの如くレベッカに声を掛けた。それを見た僕は反射的に剣を抜いてルルカに突きつける。
僕なら構わないがレベッカに手を出す事は許さない。
「へぇ、急にムキになっちゃって。もしかして召使いとかじゃなくて恋人? いいよ。退屈してたし、そっちがその気なら相手してやるんよ。噂の呪いがどれ程のもんか気になるし」
そう言ってルルカは「表出ろよ」と僕を促してきた。
「ねぇ、ちょっとダメだって! ジークさんも落ち着いて下さい! ルルカさんはあれでもシルバーの腕輪を持つ“Bランク”の冒険者ですよ。まだ登録もしてない貴方じゃ……「僕なら大丈夫です。ありがとうございます、サラさん」
僕はサラさんにそう言って表に出た。
「もし俺が勝ったらお茶でも付き合ってもらうよお嬢ちゃん」
「レベッカにちょっかい出すな」
「ヒャハハ、名前レベッカって言うんだ。見た目同様に可愛いね」
終始ヘラヘラした態度のルルカであったが、刹那シルバーの腕輪を輝かせると、強力な魔力と共に激しい風が吹き荒れた。
「凄い魔力だ……」
確か冒険者は上がSランクから下はEランクまでの階級に分かれている。勿論ランクが上になる程実力も高い。ふざけた態度だけど、Bランク冒険者であるルルカはそれ相応の実力者という事。
「さて、始めるか」
そう静かに呟いた瞬間、風を身に纏ったルルカは疾風の如き速さで僕に突っ込んできた。
「うらッ!」
風に乗った速さのまま槍を繰り出すルルカ。
僕はそれを何とか躱し、空いた体に剣の柄で一撃を入れた。
――ドガッ!
「くッ!」
今の攻撃でルルカを突き飛ばしたが、奴は直ぐに体勢を立て直し再び突っ込んで来る。
「俺の『風魔法』に付いてくるなんて中々やるね。温室育ちのお坊ちゃんじゃないのか」
そう言いいながら槍を突いてきたルルカだが、僕はその攻撃をまた躱した。
ルルカのスピードは確かに速い。でもこの間のギガントゴブリンの方がもっと早かった。
どうしよう……。
新しく習得したっぽい『必中』のスキル、これ使ったらギガントゴブリンの時みたいになっちゃうのかな? 万が一の事を考えるととても人相手には使えない。
となると後はもう1つの『無効』だけど、そもそもまだどっちもスキルの効果をちゃんと把握出来ていなんだよな僕は。
「どうしたんよ。ボケっとしてるなら一気にケリ着けるぜ」
ルルカは本気。
奴は更に風の威力を高めると、“決め”の一撃を放ってきた。
くそッ、こうなったらこっちも――。
一か八か。
僕はまだ自分でもよく分からないスキル『無効』を発動させながら、ルルカの持つ槍目掛けて剣を振り下ろした。
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