17 / 51
1杯目~誤飲酒~
16 再出発②
しおりを挟む
俺の言葉に反応したアンドロイドは瞬時に魔力を練り上げた。
「満月龍の魔力ヲ起動」
「「……⁉⁉」」
凄まじい光と共に、練り上げられた強大な満月龍の魔力がアンドロイドを覆う。
圧倒的威圧感。
その異次元な存在を放つ魔力を前に、この場にいた者全員が言葉を失った。
見惚れる様な美しさと絶望を感じさせる恐怖感。その両極端な2つが入り混じる何とも言えない満月龍の魔力を前に、一瞬にして場の空気がリセットされた。
「――すいませんフリーデン様」
「ジンフリーよ。其方が悪い訳ではない」
そう――。
俺達がリューテンブルグ王国を出る直前、今回の情報漏洩について特別に調べていたフリーデン様の家来から一報が入った。
何でも、ユナダス王国は2年程前から隣国であるドーナ王国と揉めているとの事。原因はバレス国王の妻、シャリー王妃の死。その日、バレス国王と王妃は移動していた際に不慮の事故に遭った。バレス国王は全治3ヶ月の重傷を負いながらも何とか一命を取り留めたのだが、妻のシャリー王妃は即死だったらしい。
その数日後、事故だと思っていたその出来事は、実は何者かによって故意に起こされた事故であった事が分かった。犯人はドーナ王国に住む過激派組織の一員。事実を知ったドーナ王国の国王も全面的にバレス国王に協力の意を示していたが、この過激派組織にはドーナ王国自体も手に焼いており、下手に手を出すと関係の無い多くの国民にまで被害が及ぶと懸念しているのだ。
そして、そんなドーナ王国の対応を見かねたバレス国王は直接過激派組織と紛争を起こし、それが今でも続いているとの事。戦力はユナダス王国が上。過激派組織と言っても、僅か数百人の軍団が一国を相手にするのは不可能だ。一気にケリを着けられるのは簡単であるが、ユナダス王国側はわざと時間を掛けているのだ。
相手により苦しくより辛い地獄を見せ続ける為に。
噂では、1度過激派組織が降参の意を示したにも関わらず、バレス国王はそれを受け入れなかったらしい。
ユナダス王国にとって今回の満月龍の件はまさに寝耳に水であったが、この争いで更に力を誇示しようとしているユナダス王国としては、何が何でも満月龍の力を手に入れたいとの事。妻の死と紛争によって、バレス国王は何時からかとても残虐で攻撃的な対応になっていると、俺達はフリーデン様の家来から聞かされていたのだ――。
情報を聞いた直後、俺達は万が一“こうなった時”の為にと、予め作戦を立てていた。
勿論、フリーデン様もエドも俺も、他の誰だってこんな事望んでねぇ。満月龍にのみ向けようとしていたこの力を、“威嚇”として人に向けるなんて……誰も望んでねぇんだよッ……。
「――バレス国王よ。手荒な事をして申し訳ない。しかし、コレが其方達の答えであるのならば、一国の国王として到底その条件は受け入れられぬ」
満月龍の圧倒的な魔力にただただ茫然としているバレス国王に、フリーデン様の言葉が届いているかは定かではなかった。だがその表情は完全に戦意喪失。いつの間にかフリーデン様を拘束していた魔法も解かれ、他の誰1人として動こうとする気配が無かった。
その様子を見たフリーデン様が俺とエドに「行こう」と言って、俺達がこの場から立ち去ろうとした瞬間、バレス国王が困惑しながらも口を開いた。
「ぐッ……やはり結局は……この力の存在で、他国を脅かそうとするのが目的であったか……!」
「最早何を言っても理解出来ぬ様だなバレス国王。其方の身に起きた不幸は同情する。だがどんな理由であれ、命を奪う権利は誰にもないのじゃ」
「下らぬ綺麗事を……! 誰も逆らえない力を手にした余裕の表れかッ……フリーデン国王よ……!」
フリーデン様は何処か寂しそうな表情で小さく溜息をついた。
「長年に渡り、ユナダス王国と友好な関係を築けたのは其方のお陰じゃバレス国王。私の知っておる其方はもっと知的で寛大な人間であった。間違っても人を傷付ける様な人間でない。目を覚ますのじゃ」
「……うるさいうるさいうるさいッ……! 貴様に何が分かるフリーデンよ! 奴らは私の妻を殺した! 自分達の主張が正義だと現を抜かした勘違いな馬鹿共がなッ! 無能な人間を洗脳し作り上げた組織で、奴らはただ国の真似事をしている幼稚な連中だ!
この馬鹿共はな……自らが住むドーナ王国と真っ向から戦いを挑む為に兵力を集めていた……そしてその無知で浅はかで軽率な判断が導き出した答えがこれなのだッ! コイツ等はあろうことか、隣国である我がユナダス王国をそのまま兵力にしようと、国王である私を殺そうとした。馬鹿もここまでくると厄介なものだ……! いくら私を殺したとしても、ユナダス王国が奴らの物になる訳がない。
そんな下らぬ奴らのせいで、何故私の妻が命を落とさねばならぬのだッ……!」
憎悪、恨み、殺意、嘆き、悲しみ……。
色んなものがごちゃごちゃに混ざったどうしようもない負の感情。
バレス国王のそんな姿がいつの日かの自分と重なった。
ああ……そうか……。きっとこの人も、失った穴を埋めようと必死で藻搔いてる最中なんだな……。その気持ちは痛い程分かるぜ……。だけどよ……。
「――バレス国王」
気が付いたら俺はバレス国王に話し掛けていた。
「アンタ結局何がしたいんだよ」
「妻を殺した奴ら全員を同じ目に遭わせるのさ」
「もう十分だろ。奴らも降参したんじゃないのか?」
「貴様も馬鹿らしいな。奴らが白旗を揚げたからといって許す訳がなかろう! 何処の世界に旗振りで妻の死を帳消しにする奴がいると言うのだ!」
「俺も満月龍に妻と子供を殺された。これでもアンタの気持ちは痛い程分かる。確かに、大切な者達の命を奪った奴を殺したいと思うのは当然だ。だがこんなのは間違ってる」
「貴様も綺麗事かッ! それ以上下らぬ発言をするなら奴らと同じ様に殺してくれる」
「下らねぇ発言はお互い様だ。もしこれ以上ドーナ王国を攻撃するなら、俺が満月龍の力でアンタを攻撃するぜ?」
「チッ……。何故貴様が奴らを庇う」
「庇ってるのは奴らじゃねぇ、無意味に巻き込まれているドーナ王国の人達だ。正直、王妃の命を奪った過激派組織とやらの事はよく知らねぇし興味もねぇ。でもだからと言って、現状を知った以上アンタをこのままにも出来ない」
「ならばどうする? やはりリューテンブルグも我らと争うか?」
「そうじゃねぇ。アンタの目的はその連中だけだろ。だったら攻撃するのはソイツ等だけにするんだ。俺もそこまで止めるつもりはないからな。当事者達だけで好きに決着つければいいだろ」
過激派組織の連中にもどういう事情があるのか分からないが、所詮は自業自得。悪いがお前達とバレス国王で勝手に用件を済ませてくれ。
「成程。やはりリューテンブルグはその力を人に向けたな」
「何とでも言え。互いに揚げ足取るだけだ」
「フッ……。満月龍の力がまさかこれ程とはな……。あまりの強大さに恐怖すら感じなくなってきたわ……。仕方がない。そんな力を向けられたまま抵抗する程私も若くないのでな……。フリーデン国王よ、そこの“若者”が言う様に、妻を殺した奴らのみならば攻撃しても良いのだな?」
若者とは……俺だよな?
「うむ……。一国王として軽はずみな事は言えぬが、ジンフリーが申した通り、シャリー王妃の不幸に“関わった者以外”を無差別に攻撃するつもりならばそこは絶対に見過ごせぬ。“それ以外”に対しての発言は私からは一切無い。どうこう言う立場でもあらぬからの」
フリーデン様のこの言葉により、今までのいざこざが一気に終息へと向かった――。
バレス国王も幾らか冷静になったのかフリーデン様と話し終えた後、ひとまずは納得の様子を浮かべているのであった。
やはり残る問題はこの1つ……。
「フリーデン様。……そしてバレス国王。両国にとって解決の糸口となるかは分かりませんが、私から1つ提案があります――」
「満月龍の魔力ヲ起動」
「「……⁉⁉」」
凄まじい光と共に、練り上げられた強大な満月龍の魔力がアンドロイドを覆う。
圧倒的威圧感。
その異次元な存在を放つ魔力を前に、この場にいた者全員が言葉を失った。
見惚れる様な美しさと絶望を感じさせる恐怖感。その両極端な2つが入り混じる何とも言えない満月龍の魔力を前に、一瞬にして場の空気がリセットされた。
「――すいませんフリーデン様」
「ジンフリーよ。其方が悪い訳ではない」
そう――。
俺達がリューテンブルグ王国を出る直前、今回の情報漏洩について特別に調べていたフリーデン様の家来から一報が入った。
何でも、ユナダス王国は2年程前から隣国であるドーナ王国と揉めているとの事。原因はバレス国王の妻、シャリー王妃の死。その日、バレス国王と王妃は移動していた際に不慮の事故に遭った。バレス国王は全治3ヶ月の重傷を負いながらも何とか一命を取り留めたのだが、妻のシャリー王妃は即死だったらしい。
その数日後、事故だと思っていたその出来事は、実は何者かによって故意に起こされた事故であった事が分かった。犯人はドーナ王国に住む過激派組織の一員。事実を知ったドーナ王国の国王も全面的にバレス国王に協力の意を示していたが、この過激派組織にはドーナ王国自体も手に焼いており、下手に手を出すと関係の無い多くの国民にまで被害が及ぶと懸念しているのだ。
そして、そんなドーナ王国の対応を見かねたバレス国王は直接過激派組織と紛争を起こし、それが今でも続いているとの事。戦力はユナダス王国が上。過激派組織と言っても、僅か数百人の軍団が一国を相手にするのは不可能だ。一気にケリを着けられるのは簡単であるが、ユナダス王国側はわざと時間を掛けているのだ。
相手により苦しくより辛い地獄を見せ続ける為に。
噂では、1度過激派組織が降参の意を示したにも関わらず、バレス国王はそれを受け入れなかったらしい。
ユナダス王国にとって今回の満月龍の件はまさに寝耳に水であったが、この争いで更に力を誇示しようとしているユナダス王国としては、何が何でも満月龍の力を手に入れたいとの事。妻の死と紛争によって、バレス国王は何時からかとても残虐で攻撃的な対応になっていると、俺達はフリーデン様の家来から聞かされていたのだ――。
情報を聞いた直後、俺達は万が一“こうなった時”の為にと、予め作戦を立てていた。
勿論、フリーデン様もエドも俺も、他の誰だってこんな事望んでねぇ。満月龍にのみ向けようとしていたこの力を、“威嚇”として人に向けるなんて……誰も望んでねぇんだよッ……。
「――バレス国王よ。手荒な事をして申し訳ない。しかし、コレが其方達の答えであるのならば、一国の国王として到底その条件は受け入れられぬ」
満月龍の圧倒的な魔力にただただ茫然としているバレス国王に、フリーデン様の言葉が届いているかは定かではなかった。だがその表情は完全に戦意喪失。いつの間にかフリーデン様を拘束していた魔法も解かれ、他の誰1人として動こうとする気配が無かった。
その様子を見たフリーデン様が俺とエドに「行こう」と言って、俺達がこの場から立ち去ろうとした瞬間、バレス国王が困惑しながらも口を開いた。
「ぐッ……やはり結局は……この力の存在で、他国を脅かそうとするのが目的であったか……!」
「最早何を言っても理解出来ぬ様だなバレス国王。其方の身に起きた不幸は同情する。だがどんな理由であれ、命を奪う権利は誰にもないのじゃ」
「下らぬ綺麗事を……! 誰も逆らえない力を手にした余裕の表れかッ……フリーデン国王よ……!」
フリーデン様は何処か寂しそうな表情で小さく溜息をついた。
「長年に渡り、ユナダス王国と友好な関係を築けたのは其方のお陰じゃバレス国王。私の知っておる其方はもっと知的で寛大な人間であった。間違っても人を傷付ける様な人間でない。目を覚ますのじゃ」
「……うるさいうるさいうるさいッ……! 貴様に何が分かるフリーデンよ! 奴らは私の妻を殺した! 自分達の主張が正義だと現を抜かした勘違いな馬鹿共がなッ! 無能な人間を洗脳し作り上げた組織で、奴らはただ国の真似事をしている幼稚な連中だ!
この馬鹿共はな……自らが住むドーナ王国と真っ向から戦いを挑む為に兵力を集めていた……そしてその無知で浅はかで軽率な判断が導き出した答えがこれなのだッ! コイツ等はあろうことか、隣国である我がユナダス王国をそのまま兵力にしようと、国王である私を殺そうとした。馬鹿もここまでくると厄介なものだ……! いくら私を殺したとしても、ユナダス王国が奴らの物になる訳がない。
そんな下らぬ奴らのせいで、何故私の妻が命を落とさねばならぬのだッ……!」
憎悪、恨み、殺意、嘆き、悲しみ……。
色んなものがごちゃごちゃに混ざったどうしようもない負の感情。
バレス国王のそんな姿がいつの日かの自分と重なった。
ああ……そうか……。きっとこの人も、失った穴を埋めようと必死で藻搔いてる最中なんだな……。その気持ちは痛い程分かるぜ……。だけどよ……。
「――バレス国王」
気が付いたら俺はバレス国王に話し掛けていた。
「アンタ結局何がしたいんだよ」
「妻を殺した奴ら全員を同じ目に遭わせるのさ」
「もう十分だろ。奴らも降参したんじゃないのか?」
「貴様も馬鹿らしいな。奴らが白旗を揚げたからといって許す訳がなかろう! 何処の世界に旗振りで妻の死を帳消しにする奴がいると言うのだ!」
「俺も満月龍に妻と子供を殺された。これでもアンタの気持ちは痛い程分かる。確かに、大切な者達の命を奪った奴を殺したいと思うのは当然だ。だがこんなのは間違ってる」
「貴様も綺麗事かッ! それ以上下らぬ発言をするなら奴らと同じ様に殺してくれる」
「下らねぇ発言はお互い様だ。もしこれ以上ドーナ王国を攻撃するなら、俺が満月龍の力でアンタを攻撃するぜ?」
「チッ……。何故貴様が奴らを庇う」
「庇ってるのは奴らじゃねぇ、無意味に巻き込まれているドーナ王国の人達だ。正直、王妃の命を奪った過激派組織とやらの事はよく知らねぇし興味もねぇ。でもだからと言って、現状を知った以上アンタをこのままにも出来ない」
「ならばどうする? やはりリューテンブルグも我らと争うか?」
「そうじゃねぇ。アンタの目的はその連中だけだろ。だったら攻撃するのはソイツ等だけにするんだ。俺もそこまで止めるつもりはないからな。当事者達だけで好きに決着つければいいだろ」
過激派組織の連中にもどういう事情があるのか分からないが、所詮は自業自得。悪いがお前達とバレス国王で勝手に用件を済ませてくれ。
「成程。やはりリューテンブルグはその力を人に向けたな」
「何とでも言え。互いに揚げ足取るだけだ」
「フッ……。満月龍の力がまさかこれ程とはな……。あまりの強大さに恐怖すら感じなくなってきたわ……。仕方がない。そんな力を向けられたまま抵抗する程私も若くないのでな……。フリーデン国王よ、そこの“若者”が言う様に、妻を殺した奴らのみならば攻撃しても良いのだな?」
若者とは……俺だよな?
「うむ……。一国王として軽はずみな事は言えぬが、ジンフリーが申した通り、シャリー王妃の不幸に“関わった者以外”を無差別に攻撃するつもりならばそこは絶対に見過ごせぬ。“それ以外”に対しての発言は私からは一切無い。どうこう言う立場でもあらぬからの」
フリーデン様のこの言葉により、今までのいざこざが一気に終息へと向かった――。
バレス国王も幾らか冷静になったのかフリーデン様と話し終えた後、ひとまずは納得の様子を浮かべているのであった。
やはり残る問題はこの1つ……。
「フリーデン様。……そしてバレス国王。両国にとって解決の糸口となるかは分かりませんが、私から1つ提案があります――」
0
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
黒き叛竜の輪廻戦乱《リベンジマッチ》
Siranui
ファンタジー
そこは現代であり、剣や魔法が存在する――歪みきった世界。
遥か昔、恋人のエレイナ諸共神々が住む天界を焼き尽くし、厄災竜と呼ばれたヤマタノオロチは死後天罰として記憶を持ったまま現代の人間に転生した。そこで英雄と称えられるものの、ある日突如現れた少女二人によってその命の灯火を消された。
二度の死と英雄としての屈辱を味わい、宿命に弄ばれている事の絶望を悟ったオロチは、死後の世界で謎の少女アカネとの出会いをきっかけに再び人間として生まれ変わる事を決意する。
しかしそこは本来存在しないはずの未来……英雄と呼ばれた時代に誰もオロチに殺されていない世界線、即ち『歪みきった世界』であった。
そんな嘘偽りの世界で、オロチは今度こそエレイナを……大切な存在が生き続ける未来を取り戻すため、『死の宿命』との戦いに足を踏み入れる。
全ては過去の現実を変えるために――
Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~
神城弥生
ファンタジー
なろう小説サイトにて「HJ文庫2018」一次審査突破しました!!
皆様のおかげでなろうサイトで120万pv達成しました!
ありがとうございます!
VRMMOを造った山下グループの最高傑作「Another Of Life Game」。
山下哲二が、死ぬ間際に完成させたこのゲームに込めた思いとは・・・?
それでは皆様、AOLの世界をお楽しみ下さい!
毎週土曜日更新(偶に休み)
南洋王国冒険綺譚・ジャスミンの島の物語
猫村まぬる
ファンタジー
海外出張からの帰りに事故に遭い、気づいた時にはどことも知れない南の島で幽閉されていた南洋海(ミナミ ヒロミ)は、年上の少年たち相手にも決してひるまない、誇り高き少女剣士と出会う。現代文明の及ばないこの島は、いったい何なのか。たった一人の肉親である妹・茉莉のいる日本へ帰るため、道筋の見えない冒険の旅が始まる。
(全32章です)
おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした
あおアンドあお
ファンタジー
ギガン城と呼ばれる城の第一王女であるリコット王女が、他の世界に住む四人の男女を
自分の世界へと召喚した。
召喚された四人の事をリコット王女は勇者と呼び、この世界を魔王の手から救ってくれと
願いを託す。
しかしよく見ると、皆の希望の目線は、この俺...城川練矢(しろかわれんや)には、
全く向けられていなかった。
何故ならば、他の三人は若くてハリもある、十代半ばの少年と少女達であり、
将来性も期待性もバッチリであったが...
この城川練矢はどう見ても、しがないただの『おっさん』だったからである。
でもさ、いくらおっさんだからっていって、これはひどくないか?
だって、俺を召喚したリコット王女様、全く俺に目線を合わせてこないし...
周りの兵士や神官達も蔑視の目線は勿論のこと、隠しもしない罵詈雑言な言葉を
俺に投げてくる始末。
そして挙げ句の果てには、ニヤニヤと下卑た顔をして俺の事を『ニセ勇者』と
罵って蔑ろにしてきやがる...。
元の世界に帰りたくても、ある一定の魔力が必要らしく、その魔力が貯まるまで
最低、一年はかかるとの事だ。
こんな城に一年間も居たくない俺は、町の方でのんびり待とうと決め、この城から
出ようとした瞬間...
「ぐふふふ...残念だが、そういう訳にはいかないんだよ、おっさんっ!」
...と、蔑視し嘲笑ってくる兵士達から止められてしまうのだった。
※小説家になろう様でも掲載しています。
♪イキイキさん ~インフィニットコメディー! ミラクルワールド!~ 〈初日 巳ふたつの刻(10時00分頃)〉
神棚 望良(かみだな もちよし)
ファンタジー
「♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~
♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~
♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~」
「みんな、みんな~~~!今日(こお~~~~~~んにち~~~~~~わあ~~~~~~!」
「もしくは~~~、もしくは~~~、今晩(こお~~~~~~んばん~~~~~~わあ~~~~~~!」
「吾輩の名前は~~~~~~、モッチ~~~~~~!さすらいの~~~、駆け出しの~~~、一丁前の~~~、ネコさんだよ~~~~~~!」
「これから~~~、吾輩の物語が始まるよ~~~~~~!みんな、みんな~~~、仲良くしてね~~~~~~!」
「♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~
♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~
♪吾輩(わあがはあい~)は~~~~~~ ♪一丁前(いっちょおうまええ)の~~~~~~ ♪ネコさんなんだもの~~~~~~」
くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる