77 / 112
64 エネルギーの流れ
しおりを挟む
**
~閻魔闘技場~
「うおぉぉッ!」
「くたばれコラァ!」
『ギィィィ!』
「そこだ! いけッ!」
数万はいるだろうという人の視線が全て闘技場のど真ん中に集まる。
人々の視線の先には戦士と呼ばれる人間と、見るからに気性が荒そうな野獣。更にそんな野獣と同じぐらい危なそうなモンスターの数々。
戦士と戦士が、野獣とモンスターが、戦士と野獣が。組み合わせもルールも無用と言わんばかりにただひたすら闘技場では激戦が繰り広げられていた。
何時かのフィンスターでラグナレク討伐の説明を聞かされた時よりも何十倍も凄まじい熱気と歓喜。歓声で闘技場が揺れている。イヴに促された俺達は早速この閻魔闘技場とやらに入り、多くの見物客達に紛れて戦士の戦いを観戦している。
「凄い空気」
「外でも熱気が伝わっていたけど、中はもっと異常だな……!」
「これは面白い。俺も早く手合わせさせてくれ」
俺とエミリアがまだ戸惑う中、フーリンは既にこのデタラメな展開を受け入れている。それどころか寧ろやる気満々だ。ここは確かにフーリンに合っているのかもしれない。
「いいかいアンタ達。ここには遊びに来たんじゃない。他の有象無象とここにいる戦士達の“違い”が分かるかい?」
これまでとは少し纏う雰囲気が変わり、イヴは真剣な目で俺達に訴えかけてきた。
「急に違いって言われてもな」
目の前で激戦を繰り広げる戦士達はごく普通の人間だ。俺達と変わらない。イヴやハクの言う特殊さなんて全然分からないぞ。特別魔力や波動が高い訳でもなさそうだし、一体何だ?
俺もエミリアも答えが分からない。フーリンは戦いに夢中で話すら聞いていない。
「やっぱり分からないみたいだねぇ。よく理解しておきな。“それ”が今のアンタ達の実力さ」
イヴから突如放たれた意味深な言葉。その言葉が意味する事が、当然俺達には分からなかった。
「何だそれ。一体どういう事だよイヴ」
「馬鹿者。もうアンタ達の“特訓”は始まってるのさ。下らん事を考えてる暇があるなら早く違いを見極めな――」
「「……⁉」」
気が付けばずっとイヴのペース。俺達は疑問を抱く暇もなく、どんどんとイヴのペースで事態が進んでいっている。今この瞬間もそうだ。ずっと訳が分からないまま今に至り、挙句にもう特訓は始まってるとか言い出した次第。
俺がそんな事を思っていると、またハクがイヴのフォローをするかの如く俺達を促した。
「グリム、エミリア、フーリン。兎に角今からは戦士達の戦いを見よう。イヴは考えるより行動派だから説明不足だけど、この“違い”が分かればグリム達はもっと強くなれるわ。
ほら、また戦士の戦いが始まるわよ。いい? 戦士達の力は確かに特殊だけど、反対に誰にでも扱えるものでもあるの。イヴの言う違いって言うのは“エネルギー”の事。そのエネルギーを意識して戦士の戦いを見ればきっと分かる筈よ」
エネルギー……?
俺もエミリアも同じ言葉に疑問符を浮かべていたが、戦士達の戦いは待ったなしで次々と繰り広げられていく。俺達は一戦一戦集中して見るが、どれだけ見ようとまるで意味不明。一戦終わるごとにイヴとハクに尋ねるが、2人共答えを返す気がさらさらない。「兎に角見ろ」の一点張りだ。
「うおぉぉッ!」
「くたばれコラァ!」
『ギィィィ!』
「そこだ! いけッ!」
俺が悶々とするのは裏腹に、どれだけ時間が経っても闘技場の熱気は収まる事を知らない。いや、逆に盛り上がりが増してきている。もうこれで何十戦目だろう? この闘技場で戦っている戦士やモンスター達は皆好戦的で気性が荒いせいか、どの戦いも攻防が激しいんだよな。それこそ一撃で決まってしまった戦いも幾つかあったし。
それにしても……何度戦士の戦いを見ても一切“違い”とやらが分からない。
結局、答えが見出せないまま戦いを見ていると、これまで盛り上がっていた闘技場内が更にもう一段階ボルテージを上げて異様に盛り上がり出した。
「「おおぉぉぉぉぉぉぉッ!!」」
「な、何だ⁉」
余りに凄まじい歓喜に俺は驚き、エミリアは耳まで塞いでしまっていた。突如見物客は一堂に立ち上がり物凄い歓声を上げ始める。事態を把握出来ない俺達が何事かと周りを見渡すと、見物客達全員の視線と歓声が闘技場に姿を現した“1人の男”に注がれていた。
「来た来た来たぁ! 待ってました!」
「かっこいい~!」
「今日も豪快に倒してくれよ“ヘラクレス”!」
闘技場中の視線を全て奪ったヘラクレスと呼ばれた男。
颯爽と姿を現したその男は、今までの戦士達の中で明らかに1番強いと直ぐに分かった。ただ歩いているだけでも隙を感じさせない彼は、皆の歓声に優しく手を上げて応えるのだった。
「ヒッヒッヒッ。流石に奴の強さは感じ取れた様だねぇ」
「ああ。あの人は強そうだな」
「アレは確実に強者だ。もう俺は我慢出来ない。今すぐあそこであの男と手合わせしてくる」
「いやいやいや、ちょっと待てフーリン! 何本当に行こうとしてるんだよ、アホか!」
真面目な顔をして観客席から飛び出そうとするフーリンを俺は必死で止めた。マジで何を考えているんだコイツは。
俺とフーリンのそんなバタバタを他所に、闘技場内はヘラクレスの入場で熱気が増している。これから始まるのは勿論彼の戦いであり、皆の次なる視線は“対戦相手”へと注がれていた。
「期待してるぜヘラクレスさん!」
「今回は誰が相手だ!?」
見物客達はヘラクレスが入場してきた闘技場の門とは反対の側の門を見ている。もう何度も戦いを見たから俺達も分かっていた。彼が入場してきたという事は、今度は反対側から相手が入場してくるという事を。既に無意識のうちに俺もそこを見ていた。すると、ゆっくりと大きな門が開き始め、暗い通路の奥から並々ならぬ気配が伝わってきた。
「おいおい、なんだよそれ!?」
「見た事無いぞあんな生き物!」
「何のモンスターだ?」
「気持ち悪いな~」
俺は一瞬目を疑った。それはエミリアもフーリンもまた然り。
見物客達は皆ヘラクレスの対戦相手入場に更なる盛り上がりを見せているが、俺達は“その姿”を見て、まるで時が止まったかの様ようにこの闘技場の大歓声が一瞬無音になった気がした。
「ラグナレク――」
そう。
ヘラクレスの対戦相手。それは3つ頭の頭部を持つ、ケルベロスのような姿をしたラグナレクであった。
~閻魔闘技場~
「うおぉぉッ!」
「くたばれコラァ!」
『ギィィィ!』
「そこだ! いけッ!」
数万はいるだろうという人の視線が全て闘技場のど真ん中に集まる。
人々の視線の先には戦士と呼ばれる人間と、見るからに気性が荒そうな野獣。更にそんな野獣と同じぐらい危なそうなモンスターの数々。
戦士と戦士が、野獣とモンスターが、戦士と野獣が。組み合わせもルールも無用と言わんばかりにただひたすら闘技場では激戦が繰り広げられていた。
何時かのフィンスターでラグナレク討伐の説明を聞かされた時よりも何十倍も凄まじい熱気と歓喜。歓声で闘技場が揺れている。イヴに促された俺達は早速この閻魔闘技場とやらに入り、多くの見物客達に紛れて戦士の戦いを観戦している。
「凄い空気」
「外でも熱気が伝わっていたけど、中はもっと異常だな……!」
「これは面白い。俺も早く手合わせさせてくれ」
俺とエミリアがまだ戸惑う中、フーリンは既にこのデタラメな展開を受け入れている。それどころか寧ろやる気満々だ。ここは確かにフーリンに合っているのかもしれない。
「いいかいアンタ達。ここには遊びに来たんじゃない。他の有象無象とここにいる戦士達の“違い”が分かるかい?」
これまでとは少し纏う雰囲気が変わり、イヴは真剣な目で俺達に訴えかけてきた。
「急に違いって言われてもな」
目の前で激戦を繰り広げる戦士達はごく普通の人間だ。俺達と変わらない。イヴやハクの言う特殊さなんて全然分からないぞ。特別魔力や波動が高い訳でもなさそうだし、一体何だ?
俺もエミリアも答えが分からない。フーリンは戦いに夢中で話すら聞いていない。
「やっぱり分からないみたいだねぇ。よく理解しておきな。“それ”が今のアンタ達の実力さ」
イヴから突如放たれた意味深な言葉。その言葉が意味する事が、当然俺達には分からなかった。
「何だそれ。一体どういう事だよイヴ」
「馬鹿者。もうアンタ達の“特訓”は始まってるのさ。下らん事を考えてる暇があるなら早く違いを見極めな――」
「「……⁉」」
気が付けばずっとイヴのペース。俺達は疑問を抱く暇もなく、どんどんとイヴのペースで事態が進んでいっている。今この瞬間もそうだ。ずっと訳が分からないまま今に至り、挙句にもう特訓は始まってるとか言い出した次第。
俺がそんな事を思っていると、またハクがイヴのフォローをするかの如く俺達を促した。
「グリム、エミリア、フーリン。兎に角今からは戦士達の戦いを見よう。イヴは考えるより行動派だから説明不足だけど、この“違い”が分かればグリム達はもっと強くなれるわ。
ほら、また戦士の戦いが始まるわよ。いい? 戦士達の力は確かに特殊だけど、反対に誰にでも扱えるものでもあるの。イヴの言う違いって言うのは“エネルギー”の事。そのエネルギーを意識して戦士の戦いを見ればきっと分かる筈よ」
エネルギー……?
俺もエミリアも同じ言葉に疑問符を浮かべていたが、戦士達の戦いは待ったなしで次々と繰り広げられていく。俺達は一戦一戦集中して見るが、どれだけ見ようとまるで意味不明。一戦終わるごとにイヴとハクに尋ねるが、2人共答えを返す気がさらさらない。「兎に角見ろ」の一点張りだ。
「うおぉぉッ!」
「くたばれコラァ!」
『ギィィィ!』
「そこだ! いけッ!」
俺が悶々とするのは裏腹に、どれだけ時間が経っても闘技場の熱気は収まる事を知らない。いや、逆に盛り上がりが増してきている。もうこれで何十戦目だろう? この闘技場で戦っている戦士やモンスター達は皆好戦的で気性が荒いせいか、どの戦いも攻防が激しいんだよな。それこそ一撃で決まってしまった戦いも幾つかあったし。
それにしても……何度戦士の戦いを見ても一切“違い”とやらが分からない。
結局、答えが見出せないまま戦いを見ていると、これまで盛り上がっていた闘技場内が更にもう一段階ボルテージを上げて異様に盛り上がり出した。
「「おおぉぉぉぉぉぉぉッ!!」」
「な、何だ⁉」
余りに凄まじい歓喜に俺は驚き、エミリアは耳まで塞いでしまっていた。突如見物客は一堂に立ち上がり物凄い歓声を上げ始める。事態を把握出来ない俺達が何事かと周りを見渡すと、見物客達全員の視線と歓声が闘技場に姿を現した“1人の男”に注がれていた。
「来た来た来たぁ! 待ってました!」
「かっこいい~!」
「今日も豪快に倒してくれよ“ヘラクレス”!」
闘技場中の視線を全て奪ったヘラクレスと呼ばれた男。
颯爽と姿を現したその男は、今までの戦士達の中で明らかに1番強いと直ぐに分かった。ただ歩いているだけでも隙を感じさせない彼は、皆の歓声に優しく手を上げて応えるのだった。
「ヒッヒッヒッ。流石に奴の強さは感じ取れた様だねぇ」
「ああ。あの人は強そうだな」
「アレは確実に強者だ。もう俺は我慢出来ない。今すぐあそこであの男と手合わせしてくる」
「いやいやいや、ちょっと待てフーリン! 何本当に行こうとしてるんだよ、アホか!」
真面目な顔をして観客席から飛び出そうとするフーリンを俺は必死で止めた。マジで何を考えているんだコイツは。
俺とフーリンのそんなバタバタを他所に、闘技場内はヘラクレスの入場で熱気が増している。これから始まるのは勿論彼の戦いであり、皆の次なる視線は“対戦相手”へと注がれていた。
「期待してるぜヘラクレスさん!」
「今回は誰が相手だ!?」
見物客達はヘラクレスが入場してきた闘技場の門とは反対の側の門を見ている。もう何度も戦いを見たから俺達も分かっていた。彼が入場してきたという事は、今度は反対側から相手が入場してくるという事を。既に無意識のうちに俺もそこを見ていた。すると、ゆっくりと大きな門が開き始め、暗い通路の奥から並々ならぬ気配が伝わってきた。
「おいおい、なんだよそれ!?」
「見た事無いぞあんな生き物!」
「何のモンスターだ?」
「気持ち悪いな~」
俺は一瞬目を疑った。それはエミリアもフーリンもまた然り。
見物客達は皆ヘラクレスの対戦相手入場に更なる盛り上がりを見せているが、俺達は“その姿”を見て、まるで時が止まったかの様ようにこの闘技場の大歓声が一瞬無音になった気がした。
「ラグナレク――」
そう。
ヘラクレスの対戦相手。それは3つ頭の頭部を持つ、ケルベロスのような姿をしたラグナレクであった。
2
お気に入りに追加
1,913
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。
だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。
一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる