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61 イヴの“口撃”
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数秒前まで殺気立っていたデイアナが空を見上げながら呆然と立ち尽くす。それはまた、デイアナのみならず俺、エミリア、フーリンも同じだった。
無理もない。
見上げていた先にあったデイアナの巨大な風の矢。あろう事か大地丸ごと貫こうとしていたその矢が撃たれたと同時に、突如忽然と矢の姿が消えてしまったのだから。
予想外過ぎる状況に、デイアナもただた呆然と矢のあった空を見つめる事しか出来ていない。場が静寂に包まれた中、またもこの静寂を破ったのはイヴの特徴ある笑い声だった。
「ヒッヒッヒッヒッ。私に何度そのマヌケ面を拝ませるんだい、弓の小娘よ」
静寂なラドット渓谷にイヴの声が響いた次の瞬間、遂に『精霊王イヴ』がその姿を露にした。
――ボワン!
「「……!?」」
「ヒッヒッヒッ。もうこの勝負は終わりだよ。勿論アンタの負けでねぇ」
突如現れた精霊王イヴ。
イヴは笑いながらデイアナに話し掛けたが、デイアナも俺達も目の前に現れたイヴにただただ驚いていた。
「やっと出てこれたみたいね。久しぶりイヴ」
「情けないわい。ここまで魔力が弱っているとは」
「お前がイヴ……。“妖精”だったのか」
俺達の前に突如姿を現した精霊王イヴ。その見た目は一般的に皆が知っているであろう妖精そのものだった。緑の髪を靡かせ、背中からは透き通った神秘的な羽を生やして宙を飛んでいる老女の妖精。大きさは幼児程。大体80~90㎝といったところだろうか。
神にこんな言い方をしていいのか定かじゃないが、シンプルに言うなら空飛ぶ小さな妖精お婆さんと言ったところか。俺達から見れば確かに幼児程のサイズであるが、一般的な手のひらサイズ妖精と比べると遥かにイヴは大きい。
ハクの様にコレが本当の姿なのかはまだ分からないが、目の前にいるイヴの存在感は神秘的で圧倒的。ハクの獣天シシガミの姿を見た時と同じ様な雰囲気を纏っている。
「あれが邪神……イヴの姿」
呆然と立ち尽くす中、イヴを見たデイアナは誰にも聞こえない程小さな声でそう呟いていた。
「確かに見た目は妖精族に最も近いが、私はあくまで3神柱の神。正確に言えばアンタ達が思う妖精っぽい見た目に近いだけの偉い老人だねぇ。ヒッヒッヒッ。まぁ見た目なんてどうでも良いわ」
イヴは俺達にそう言うと、今度は再びデイアナの方を向いて口を開いた。
「弓の小娘、もう勝負は着いた。さっさと倒れてる連中拾って家に帰りな。さもなくば――」
「……!?」
次の瞬間、イヴはとてつもない神の魔力でデイアナを威圧した。ハクとはまた違う魔力の圧力だが、その強大さはやはり人間とは桁違い。イヴのこの威圧によって完全にデイアナは意気消沈。彼女はそのまま地面にへたり込んでしまった。
「さて、これで一先ず落ち着いた様だねぇ」
「ここ来ると何時も騎士魔法団に狙われるよな」
「ハハハ、確かに。でも何はともあれ、イヴが目覚めてくれて良かったわ」
「本当だよ。霊玉割っても何も起きないから心配になっちゃった」
七聖天と騎士魔法団に狙われるというハプニングはあったものの、無事にイヴを見つけて呼び起こせた俺達は安堵の声を漏らしていた。だが、ここで急にイヴが俺達に一喝入れるのだった。
「何を呑気に話しているんだい! アンタ達もアンタ達だよ!」
突然の事に驚くしかない俺達。
「全く。これからアビスとやり合って世界を救う者達がこんな弱くちゃ世界は本当に終焉だねぇ。やる気あるのかいアンタ達」
「ちょっとイヴ。そんな言い方しなくてもグリム達はちゃんとやってくれるわ」
「どうかねぇ。私ら3神柱が力を託した者達とは言え、まさかこんなに弱いとは思わなかったよ。アビスどころか七聖天なんてふざけた名前の連中と張り合ってる様じゃ終わりだねぇ。
特にアンタ! 私の力を託すものがそんなに弱くちゃ話にならんぞエミリア――」
イヴはエミリアに視線を移してそう言った。
確かに口調は少しキツイかもしれないが、イヴの言っている事は正論だ。もっと強くならなくては他の七聖天にもヴィルにも勝てない。更に深淵神アビスを倒すなんて到底不可能だろう。
イヴに面と向かって弱いと言われたエミリアは、見るからに元気をなくしている。
「そうだよね……。やっぱり私は弱い」
「そんな事ないわよエミリア。貴方は強い。神器で本来の力を覚醒させれば、エミリアはもっと強くなれるわ」
「ヒッヒッヒッ。相変わらずの綺麗事だねぇシシガミや。確かに我らの神器を与えれば今よりも強くなるだろう。だがねぇ、それはあくまで与えられた力。
どれだけ優れた神器を使おうと、強力な力を得ようと、最終的には全てその力を扱う者の実力次第なのさ。同じ剣を与えたとしても、元の剣術レベルが高い奴の方がより強くなるのは当然の事。だから私はそれを踏まえて言っているのさ。
エミリア、アンタの根本の実力が足りなくて弱いとね――」
真っ直ぐとエミリアを見て言い切ったイヴ。一方のエミリアは言葉が出ずに俯いてしまった。少なからずエミリア自身もまた心の何処かで思っていたんだろう。
俺が心配そうにエミリアを見ていると、なんとイヴの怒りの火の粉が俺達にも飛んできたのだった。
「弱いのはエミリアだけじゃないよグリム、フーリン! アンタ達もその程度の実力じゃあアビスに辿り着く前に死ぬよ。人の心配している暇があったら強くなりな。アンタ達には私ら3神柱よりも遥かに強くなってもらわなくちゃ意味がないんだからねぇ」
「それは自分でも分かってる……。このままじゃ俺はまたヴィルに負けちまう」
「俺もまだまだ強くなるつもりだ。もっと強い強者と手合わせをしなくてはいかんからな」
「ヒッヒッヒッ、そうかいそうかい。最低限やる気があるだけ良かったよ。アンタはどうなんだい? エミリアよ」
イヴは再びエミリアに向かってそう尋ねた。
「私も強くなりたい……。だけど、私はどれだけ特訓しても防御壁しか出せない。仮にフーリンみたいに神器を与えられたからと言って、イヴの言う通り、元から弱い私に世界なんて救えるのかな……」
イヴのストレートな言葉によって、エミリアは思い抱いていたであろう自分の不安が溢れ出ていた。
俺も気持ちはよく分かる。幼少の頃には満ち溢れていた自信が、自分の実力の無さに気付かされどんどんと無くなっていってしまう。エミリアはまだ自分に自信が持てないんだ。
エミリアの本音が零れ、僅かにしんみりとした空気が漂いかけた次の瞬間、その空気を一掃したのはやはりイヴだった。
「馬鹿者! 弱い奴が弱いと悩んで何の解決になる! 自分が弱いと分かっているなら、もう強くなるという一択しか残っていないだろうが。それなのに何をグダグダ弱音を吐いてしんみりさせようとしているんだいアンタは。
こっちはアンタのお悩み相談聞く為にわざわざ出てきたんじゃないよ。分かったら顔を上げて堂々と生きな! 辛気臭いのは嫌いだよ」
怒涛のイヴの“口撃”。
ここまでハッキリ言われるとやっぱりキツイだろうが、逆にここまでハッキリ言われると妙に説得力があると思い頷いてしまう。
直ぐ隣で聞いていた俺とフーリンもまるで自分に言われたかの如く、無意識の内に身が引き締まっていた。
そしてそれはエミリアも同様らしい――。
強引な展開ではあったが、イヴの飾らないストレートな言葉はエミリアに少なからず届いていた。さっきまで俯いて今にも泣き出しそうだったエミリアの顔付が明らかに変わっていた。
勿論イヴの単刀直入な物言いに驚いたというのもあるが、エミリアの瞳からは確かに強い決意が感じられたのだった。
無理もない。
見上げていた先にあったデイアナの巨大な風の矢。あろう事か大地丸ごと貫こうとしていたその矢が撃たれたと同時に、突如忽然と矢の姿が消えてしまったのだから。
予想外過ぎる状況に、デイアナもただた呆然と矢のあった空を見つめる事しか出来ていない。場が静寂に包まれた中、またもこの静寂を破ったのはイヴの特徴ある笑い声だった。
「ヒッヒッヒッヒッ。私に何度そのマヌケ面を拝ませるんだい、弓の小娘よ」
静寂なラドット渓谷にイヴの声が響いた次の瞬間、遂に『精霊王イヴ』がその姿を露にした。
――ボワン!
「「……!?」」
「ヒッヒッヒッ。もうこの勝負は終わりだよ。勿論アンタの負けでねぇ」
突如現れた精霊王イヴ。
イヴは笑いながらデイアナに話し掛けたが、デイアナも俺達も目の前に現れたイヴにただただ驚いていた。
「やっと出てこれたみたいね。久しぶりイヴ」
「情けないわい。ここまで魔力が弱っているとは」
「お前がイヴ……。“妖精”だったのか」
俺達の前に突如姿を現した精霊王イヴ。その見た目は一般的に皆が知っているであろう妖精そのものだった。緑の髪を靡かせ、背中からは透き通った神秘的な羽を生やして宙を飛んでいる老女の妖精。大きさは幼児程。大体80~90㎝といったところだろうか。
神にこんな言い方をしていいのか定かじゃないが、シンプルに言うなら空飛ぶ小さな妖精お婆さんと言ったところか。俺達から見れば確かに幼児程のサイズであるが、一般的な手のひらサイズ妖精と比べると遥かにイヴは大きい。
ハクの様にコレが本当の姿なのかはまだ分からないが、目の前にいるイヴの存在感は神秘的で圧倒的。ハクの獣天シシガミの姿を見た時と同じ様な雰囲気を纏っている。
「あれが邪神……イヴの姿」
呆然と立ち尽くす中、イヴを見たデイアナは誰にも聞こえない程小さな声でそう呟いていた。
「確かに見た目は妖精族に最も近いが、私はあくまで3神柱の神。正確に言えばアンタ達が思う妖精っぽい見た目に近いだけの偉い老人だねぇ。ヒッヒッヒッ。まぁ見た目なんてどうでも良いわ」
イヴは俺達にそう言うと、今度は再びデイアナの方を向いて口を開いた。
「弓の小娘、もう勝負は着いた。さっさと倒れてる連中拾って家に帰りな。さもなくば――」
「……!?」
次の瞬間、イヴはとてつもない神の魔力でデイアナを威圧した。ハクとはまた違う魔力の圧力だが、その強大さはやはり人間とは桁違い。イヴのこの威圧によって完全にデイアナは意気消沈。彼女はそのまま地面にへたり込んでしまった。
「さて、これで一先ず落ち着いた様だねぇ」
「ここ来ると何時も騎士魔法団に狙われるよな」
「ハハハ、確かに。でも何はともあれ、イヴが目覚めてくれて良かったわ」
「本当だよ。霊玉割っても何も起きないから心配になっちゃった」
七聖天と騎士魔法団に狙われるというハプニングはあったものの、無事にイヴを見つけて呼び起こせた俺達は安堵の声を漏らしていた。だが、ここで急にイヴが俺達に一喝入れるのだった。
「何を呑気に話しているんだい! アンタ達もアンタ達だよ!」
突然の事に驚くしかない俺達。
「全く。これからアビスとやり合って世界を救う者達がこんな弱くちゃ世界は本当に終焉だねぇ。やる気あるのかいアンタ達」
「ちょっとイヴ。そんな言い方しなくてもグリム達はちゃんとやってくれるわ」
「どうかねぇ。私ら3神柱が力を託した者達とは言え、まさかこんなに弱いとは思わなかったよ。アビスどころか七聖天なんてふざけた名前の連中と張り合ってる様じゃ終わりだねぇ。
特にアンタ! 私の力を託すものがそんなに弱くちゃ話にならんぞエミリア――」
イヴはエミリアに視線を移してそう言った。
確かに口調は少しキツイかもしれないが、イヴの言っている事は正論だ。もっと強くならなくては他の七聖天にもヴィルにも勝てない。更に深淵神アビスを倒すなんて到底不可能だろう。
イヴに面と向かって弱いと言われたエミリアは、見るからに元気をなくしている。
「そうだよね……。やっぱり私は弱い」
「そんな事ないわよエミリア。貴方は強い。神器で本来の力を覚醒させれば、エミリアはもっと強くなれるわ」
「ヒッヒッヒッ。相変わらずの綺麗事だねぇシシガミや。確かに我らの神器を与えれば今よりも強くなるだろう。だがねぇ、それはあくまで与えられた力。
どれだけ優れた神器を使おうと、強力な力を得ようと、最終的には全てその力を扱う者の実力次第なのさ。同じ剣を与えたとしても、元の剣術レベルが高い奴の方がより強くなるのは当然の事。だから私はそれを踏まえて言っているのさ。
エミリア、アンタの根本の実力が足りなくて弱いとね――」
真っ直ぐとエミリアを見て言い切ったイヴ。一方のエミリアは言葉が出ずに俯いてしまった。少なからずエミリア自身もまた心の何処かで思っていたんだろう。
俺が心配そうにエミリアを見ていると、なんとイヴの怒りの火の粉が俺達にも飛んできたのだった。
「弱いのはエミリアだけじゃないよグリム、フーリン! アンタ達もその程度の実力じゃあアビスに辿り着く前に死ぬよ。人の心配している暇があったら強くなりな。アンタ達には私ら3神柱よりも遥かに強くなってもらわなくちゃ意味がないんだからねぇ」
「それは自分でも分かってる……。このままじゃ俺はまたヴィルに負けちまう」
「俺もまだまだ強くなるつもりだ。もっと強い強者と手合わせをしなくてはいかんからな」
「ヒッヒッヒッ、そうかいそうかい。最低限やる気があるだけ良かったよ。アンタはどうなんだい? エミリアよ」
イヴは再びエミリアに向かってそう尋ねた。
「私も強くなりたい……。だけど、私はどれだけ特訓しても防御壁しか出せない。仮にフーリンみたいに神器を与えられたからと言って、イヴの言う通り、元から弱い私に世界なんて救えるのかな……」
イヴのストレートな言葉によって、エミリアは思い抱いていたであろう自分の不安が溢れ出ていた。
俺も気持ちはよく分かる。幼少の頃には満ち溢れていた自信が、自分の実力の無さに気付かされどんどんと無くなっていってしまう。エミリアはまだ自分に自信が持てないんだ。
エミリアの本音が零れ、僅かにしんみりとした空気が漂いかけた次の瞬間、その空気を一掃したのはやはりイヴだった。
「馬鹿者! 弱い奴が弱いと悩んで何の解決になる! 自分が弱いと分かっているなら、もう強くなるという一択しか残っていないだろうが。それなのに何をグダグダ弱音を吐いてしんみりさせようとしているんだいアンタは。
こっちはアンタのお悩み相談聞く為にわざわざ出てきたんじゃないよ。分かったら顔を上げて堂々と生きな! 辛気臭いのは嫌いだよ」
怒涛のイヴの“口撃”。
ここまでハッキリ言われるとやっぱりキツイだろうが、逆にここまでハッキリ言われると妙に説得力があると思い頷いてしまう。
直ぐ隣で聞いていた俺とフーリンもまるで自分に言われたかの如く、無意識の内に身が引き締まっていた。
そしてそれはエミリアも同様らしい――。
強引な展開ではあったが、イヴの飾らないストレートな言葉はエミリアに少なからず届いていた。さっきまで俯いて今にも泣き出しそうだったエミリアの顔付が明らかに変わっていた。
勿論イヴの単刀直入な物言いに驚いたというのもあるが、エミリアの瞳からは確かに強い決意が感じられたのだった。
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