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53 紅色と漆黒の交わり・共鳴
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「そこそこやるようだな人間」
「まだまだこれからだ」
睨み合う両者。互いの殺気と闘争心が絶え間なくぶつかり合っている。
「これなら勝てそうだよフーリン」
「流石、シシガミ様に選ばれただけの事はありますね。ラウアーが攻撃を食らうなんて数百年ぶりに見ましたよ」
「フーリンの真価はこんなものじゃないわよ」
エミリアとハクとモロウがフーリンに期待を抱く中、俺はどうしてもまだ一抹の不安が残っていた。フーリンが強いのは知っている。だがラウアーは恐らくあのラグナレクよりも上の相手。ラグナレクが特殊な存在である事も確かだけど、俺達が全員でやっと相手にしていたアイツよりも上であるラウアーを倒せるのか……?
「連続攻撃で俺の魔法を防ぐのはいい考えであったが、お前にとってこの一撃が俺に届く最後の一撃となるだろう」
「やれるものならやってみろ」
超波動という一段階ギアを上げたフーリンに対し、ラウアーもまた一段階ギアを上げた。
「シシガミ様の力は俺が手にする。そして、俺がこの世界を新しくしてやろう――」
そう言い放ったラウアーは突如を雷を自身へと纏わせた。
「“雷獣装《トールアーマー》”」
次の瞬間、雷鳴の如き速さを纏ったラウアーは瞬く間にフーリンに攻撃を食らわせていた。
――ズドンッ!
「がはッ!?」
目に留まらぬ速さ。それは超波動で強化されたフーリンをも遥かに凌ぐスピードであった。気が付いたら吹っ飛ばされていたフーリンは近くに聳えていた大きな岩に勢いよく衝突すると、砕かれた岩の残骸と共に地面に落下した。
「フーリンッ!」
今のは誰が見てもヤバい一撃。
辛うじて防げた最初の攻撃と違って今のは諸に食らった。
「グハハハ! 俺にたかだか一撃食らわせたからといって調子に乗るからだ愚か者。もう数百年前とは違う。深淵の力などを手にした人間共に、俺は2度と敗北せぬわ!」
「「ウオォォォォォォォッ!!」」
ラウアーの圧倒的な強さに、周りにいた獣人族達が呼応する様に雄叫びを上げる。
「おいおい、幾ら何でも今のはヤバいぞ……。もう我慢出来ねぇ、俺も戦うぜ!」
「戦力にならないけど私もサポートするよグリム!」
「グリムもエミリアも待って!」
この期に及んで、戦いに加わろうとする俺とエミリアをまたしてもハクが止めにきた。
「なんだよ。もういいだろ。このままじゃフーリンが死ぬぞ」
「そうよハクちゃん! 相手はラグナレクよりも魔力が強い。だったら皆で戦わないとッ……「お願い! フーリンはまだ大丈夫! だからもう少しだけこの戦いを見守って!」
ハクはエミリアの言葉を遮る様にそう言った。
「見守ってって言われてもな、もう十分だろ! それにフーリンが仮に大丈夫だったとしても、もうまともに動けるかも定かじゃないぞ」
「グリム、私とフーリンを信じて。まだ彼の波動は消えていない。フーリンはまだ戦おうとしてるのよ」
ハクが視線をフーリンに移すと、そこには瓦礫をどかしながらフラフラと立ち上がるフーリンの姿が。
「フーリン……!」
全身から血を流しているフーリンは立っているのもやっとな状態。目は虚ろになり息遣いも荒くなっている事が分かる。
「まだ生きているのか人間。しぶとさだけは大したものだな」
「どう見てももう無理だろがハク。これでも手を出すなって言うのか?」
「うん。そうよ」
ハクは滅茶苦茶な事を言う程馬鹿ではない。それは分かっている。寧ろ誰よりも博識で冷静だ。神だからな。だけど……。
「ふざけるなよハク! フーリン殺す気か!」
気が付くと、俺はハクに怒鳴っていた。
「待つのだ。何か考えあっての事だろう。シシガミ様を信じよ」
「考えだと? 殺されそうになってる奴を見捨てて、ここで黙って見てるのが神の考えなのか! あぁ?」
「ハクちゃん。確かにフーリンは強いけど、ラウアーの強さはそれ以上だよ」
「それは分かってるわよ。私は“全部”分かってる上で貴方達に言ってるの。大丈夫、フーリンはここからよ――」
そう言うと、ハクは走ってフーリンの元へと駆け寄った。
「フーリン、大丈夫?」
「ハァ……ハァ……ああ、問題ない……ハァ……ハァ……」
「フーリン。貴方はずっと強者を追い求めて1人でここまで強くなった。貴方が知らず知らずのうちに身に着けたその超波動はね、まだまだ人間の強さを引き出せるものなのよ」
「……」
「本来なら、スキルを使ったからといって武器が壊れるなんて有り得ない。貴方達呪われた世代が特定の武器しか使えず毎度壊れてしまうのは、貴方達の真の力は私達が与えたものだから。
でもね、例え私達3神柱の力を与えたからと言って、それだけじゃ深淵神アビスを倒しきるのは難しい。だから私達は深淵神アビスの力でさえも彼女を倒す為の力として利用したの。
波動の力は元々人間が持っている力でもあり、深淵神アビスによって施された力でもある。
いい、フーリン? 波動の力は一般的に使用者の身体能力を強化するもの。だけど、波動は人間だけでなく“武器”にも存在するのよ――」
「……波動が……武器に……」
「うん。人間の波動は武器に伝える事が出来るし、その逆もまた然り。説明すると長くなるから簡単に言うわ……つまり、フーリンはまだまだ強くなれるって事。
自分自身が強くなれば、貴方はこの先ラウアーよりももっともっと強い強者と手合わせする事が出来るわよ。
難しい話は苦手よね? だったら考えずに感じてみて。武器の波動を。
貴方とその槍が“共鳴”すれば、必ずラウアーを倒せるから――」
フーリンにそう告げると、ハクは最後に残された魔力を振り絞り、雀の涙程の魔力でフーリンの傷を癒した。ハクが治癒出来たのは本当にごく僅か。見た感じでは全く分からない。
しかし、ついさっきまで朦朧としていたフーリンの瞳は、確実に生気を取り戻していた――。
「まだまだこれからだ」
睨み合う両者。互いの殺気と闘争心が絶え間なくぶつかり合っている。
「これなら勝てそうだよフーリン」
「流石、シシガミ様に選ばれただけの事はありますね。ラウアーが攻撃を食らうなんて数百年ぶりに見ましたよ」
「フーリンの真価はこんなものじゃないわよ」
エミリアとハクとモロウがフーリンに期待を抱く中、俺はどうしてもまだ一抹の不安が残っていた。フーリンが強いのは知っている。だがラウアーは恐らくあのラグナレクよりも上の相手。ラグナレクが特殊な存在である事も確かだけど、俺達が全員でやっと相手にしていたアイツよりも上であるラウアーを倒せるのか……?
「連続攻撃で俺の魔法を防ぐのはいい考えであったが、お前にとってこの一撃が俺に届く最後の一撃となるだろう」
「やれるものならやってみろ」
超波動という一段階ギアを上げたフーリンに対し、ラウアーもまた一段階ギアを上げた。
「シシガミ様の力は俺が手にする。そして、俺がこの世界を新しくしてやろう――」
そう言い放ったラウアーは突如を雷を自身へと纏わせた。
「“雷獣装《トールアーマー》”」
次の瞬間、雷鳴の如き速さを纏ったラウアーは瞬く間にフーリンに攻撃を食らわせていた。
――ズドンッ!
「がはッ!?」
目に留まらぬ速さ。それは超波動で強化されたフーリンをも遥かに凌ぐスピードであった。気が付いたら吹っ飛ばされていたフーリンは近くに聳えていた大きな岩に勢いよく衝突すると、砕かれた岩の残骸と共に地面に落下した。
「フーリンッ!」
今のは誰が見てもヤバい一撃。
辛うじて防げた最初の攻撃と違って今のは諸に食らった。
「グハハハ! 俺にたかだか一撃食らわせたからといって調子に乗るからだ愚か者。もう数百年前とは違う。深淵の力などを手にした人間共に、俺は2度と敗北せぬわ!」
「「ウオォォォォォォォッ!!」」
ラウアーの圧倒的な強さに、周りにいた獣人族達が呼応する様に雄叫びを上げる。
「おいおい、幾ら何でも今のはヤバいぞ……。もう我慢出来ねぇ、俺も戦うぜ!」
「戦力にならないけど私もサポートするよグリム!」
「グリムもエミリアも待って!」
この期に及んで、戦いに加わろうとする俺とエミリアをまたしてもハクが止めにきた。
「なんだよ。もういいだろ。このままじゃフーリンが死ぬぞ」
「そうよハクちゃん! 相手はラグナレクよりも魔力が強い。だったら皆で戦わないとッ……「お願い! フーリンはまだ大丈夫! だからもう少しだけこの戦いを見守って!」
ハクはエミリアの言葉を遮る様にそう言った。
「見守ってって言われてもな、もう十分だろ! それにフーリンが仮に大丈夫だったとしても、もうまともに動けるかも定かじゃないぞ」
「グリム、私とフーリンを信じて。まだ彼の波動は消えていない。フーリンはまだ戦おうとしてるのよ」
ハクが視線をフーリンに移すと、そこには瓦礫をどかしながらフラフラと立ち上がるフーリンの姿が。
「フーリン……!」
全身から血を流しているフーリンは立っているのもやっとな状態。目は虚ろになり息遣いも荒くなっている事が分かる。
「まだ生きているのか人間。しぶとさだけは大したものだな」
「どう見てももう無理だろがハク。これでも手を出すなって言うのか?」
「うん。そうよ」
ハクは滅茶苦茶な事を言う程馬鹿ではない。それは分かっている。寧ろ誰よりも博識で冷静だ。神だからな。だけど……。
「ふざけるなよハク! フーリン殺す気か!」
気が付くと、俺はハクに怒鳴っていた。
「待つのだ。何か考えあっての事だろう。シシガミ様を信じよ」
「考えだと? 殺されそうになってる奴を見捨てて、ここで黙って見てるのが神の考えなのか! あぁ?」
「ハクちゃん。確かにフーリンは強いけど、ラウアーの強さはそれ以上だよ」
「それは分かってるわよ。私は“全部”分かってる上で貴方達に言ってるの。大丈夫、フーリンはここからよ――」
そう言うと、ハクは走ってフーリンの元へと駆け寄った。
「フーリン、大丈夫?」
「ハァ……ハァ……ああ、問題ない……ハァ……ハァ……」
「フーリン。貴方はずっと強者を追い求めて1人でここまで強くなった。貴方が知らず知らずのうちに身に着けたその超波動はね、まだまだ人間の強さを引き出せるものなのよ」
「……」
「本来なら、スキルを使ったからといって武器が壊れるなんて有り得ない。貴方達呪われた世代が特定の武器しか使えず毎度壊れてしまうのは、貴方達の真の力は私達が与えたものだから。
でもね、例え私達3神柱の力を与えたからと言って、それだけじゃ深淵神アビスを倒しきるのは難しい。だから私達は深淵神アビスの力でさえも彼女を倒す為の力として利用したの。
波動の力は元々人間が持っている力でもあり、深淵神アビスによって施された力でもある。
いい、フーリン? 波動の力は一般的に使用者の身体能力を強化するもの。だけど、波動は人間だけでなく“武器”にも存在するのよ――」
「……波動が……武器に……」
「うん。人間の波動は武器に伝える事が出来るし、その逆もまた然り。説明すると長くなるから簡単に言うわ……つまり、フーリンはまだまだ強くなれるって事。
自分自身が強くなれば、貴方はこの先ラウアーよりももっともっと強い強者と手合わせする事が出来るわよ。
難しい話は苦手よね? だったら考えずに感じてみて。武器の波動を。
貴方とその槍が“共鳴”すれば、必ずラウアーを倒せるから――」
フーリンにそう告げると、ハクは最後に残された魔力を振り絞り、雀の涙程の魔力でフーリンの傷を癒した。ハクが治癒出来たのは本当にごく僅か。見た感じでは全く分からない。
しかし、ついさっきまで朦朧としていたフーリンの瞳は、確実に生気を取り戻していた――。
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