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42 急に世界を救うと言われても
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「フフフフ。やっと気持ちが固まった様ですね。いいでしょう。ここで今一度、貴方達に今起きている事を――私の知る事をお教えします。
いえ、貴方達は知らなければなりません。自分達の運命や、ハクが何故辺境の森に姿を現し、国王から狙われる様になってしまったかを全てね。
事の始まりは他でもない、今世界を脅かしている“終焉”が原因となっています。この終焉の影響は貴方達もご存じの通り、あの触手のノーバディやラグナレクの事です。終焉の影響が世界中に起こり始めたのは今から“13年前”。
ある日、私は自身の力でこの終焉の未来を視たのです。そして当時私が視た時、終焉が訪れるのはまだ少し先の未来の事だったのですが、13年前から突如終焉の影響が現れ始め、瞬く間に今に至るまでに広がってしまいました。
既にこの世界でも大国である筈の我がリューティス王国でさえ、終焉の影響の対処に膨大な時間と人手を要しております。
ですがこのノーバディやラグナレクといった影響も、全てはこの先起こる“最後の終焉”の前段階でしかありません――」
静かに淡々と語るユリマ。次第に神妙な面持ちになっていく彼女の表情を見て、俺達は事の重大さを感じ取っていた。
「私の視る未来予知は必ずしも100%ではありません。今回の様に多少のズレはどうしても生じてしまいます。
ですが逆を言わせて頂きますと、その多少のズレだけが生じるだけで、これまでにも実際視た事が全て起きているのです。
私が視たこの終焉の未来は本当に恐ろしく……王国を滅ぼすどころか、このままではこの世界全てが滅びてしまいます。
人間、動物、モンスターが絶滅し、草木は枯れ果て水や空気も汚染。
魔力や生命そのものが生まれる事の出来ない最悪な環境へと世界が変わってしまうのです。それがこの終焉の最後、世界の果ての姿……。
そして、そんな世界の終焉を救える唯一の存在が、呪われた世代と蔑まれていた貴方達なのですよ――」
俺達は思いがけないユリマの言葉に驚いた。
俺は当然の事だが、何故か経緯を既に聞いているであろうエミリアとフーリンも同じように驚いている。
「私達が終焉を救う……?」
「今のは初耳だな」
「それはそうですよ。この話は今初めて言いましたからね。グリムが目を覚ましてから3人一緒に聞いた方が良いかと」
「ちょっと待て。話が飛躍し過ぎて気持ちが追い付かないが……何で世界を救うのが俺達なんだ?」
余りに理解不能。そんな事出来る訳がない。
「それは、貴方達が選ばれた者だからです」
「選ばれた者? こんな欠陥スキル覚醒者となって、呪われた世代に選ばれた俺達が? 有り得ないだろ」
「いいえ違います。そもそも貴方達に与えられたそのスキルは、そもそも女神から与えられたものではありません」
女神から与えられたものじゃない……?
そんな事言われたって、俺達に限らず、もう何百年も前から王国中の人間が当たり前の様に女神からスキルを与えられているじゃないか。
じゃあ一体、俺達のこの力は“誰から”与えられたんだ……。
「グリム・レオハート、エミリア・シールベス、フーリン・イデント。
貴方達3人に与えられたそのスキルは、リューティス王国の民ならば誰もが与えられる女神からのスキルではなく、それとはまた別の存在である“神”から与えられたもの」
「別の存在の神……。話が全く見えないな。女神じゃないとして、だったら何でその別の神とやらは俺達にこんな力を与えたんだ。まともに戦えない俺達が世界なんて救える訳がないだろ」
「確かに、そう思うのが普通でしょう。貴方達の“今”の力では到底世界など救えません。それどころかグリム、このままなら貴方は王都や国王に辿り着く以前に騎士魔法団や七聖天に敗れるでしょう。
ヴィル・レオハートと直に対峙した貴方なら分かると思いますがね」
余計なお世話だ。
……と言いたくなったが、ユリマの言った事はこの上ない正論。急に言われて世界を救おうなどとは思っていないが、ヴィルとの力の差は歴然だ。このままでは俺は勝てない。
「だったらどうする。アンタの言う通り、今の俺ではヴィルの足元にも及ばない。他の七聖天もあのレベルならもうお手上げだ。だがアンタが視た未来とやらで俺達が世界を救っているなら少なからずそれ相応の実力が伴っている筈。
まさか……これから強くなる為の修行をするとかなんとか言い出すんじゃないよな?」
「フフフフ。それも面白そうですが、残念ながらそんな悠長な事している暇はありません。この話の肝はそこではなく、貴方達に与えられた“本当の力”の真実。
貴方達が今手にしているその力は仮の力。貴方達3人のその力を完全に覚醒させるには、“3神柱の神器”が必要となるのです――」
「「……!」」
ユリマの話には終始驚かされっぱなしであったが、最後にまた頭が混乱する様な事を言ってきた。
俺達の力は仮の力……?
3神柱の神器が必要……?
さっきから驚き困惑しているのは俺だけじゃない。勿論エミリアとフーリンもだ。話がどんどん思いがけない方向に進んでいるから全員直ぐには言葉が出てこなかった。
「3神柱の神器とはその名の通り、大昔にこの世界を守っていたとされている3神柱の武器の事です」
「さ、3神柱って……古来に伝わっていた『精霊王イヴ』『獣天シシガミ』『竜神王ドラドムート』の事ですよね?」
「よく知っているわねエミリア。そう、3神柱はこの世界の本来の神達の事。そしてその神々の力を宿した3神柱の神器。
『恵杖イェルメス』
『天槍ゲインヴォルグ』
『双樹剣セフィロト』
これらの神器が貴方達の真の力を目覚めさせる、世界を救う為の力となるのです――」
いえ、貴方達は知らなければなりません。自分達の運命や、ハクが何故辺境の森に姿を現し、国王から狙われる様になってしまったかを全てね。
事の始まりは他でもない、今世界を脅かしている“終焉”が原因となっています。この終焉の影響は貴方達もご存じの通り、あの触手のノーバディやラグナレクの事です。終焉の影響が世界中に起こり始めたのは今から“13年前”。
ある日、私は自身の力でこの終焉の未来を視たのです。そして当時私が視た時、終焉が訪れるのはまだ少し先の未来の事だったのですが、13年前から突如終焉の影響が現れ始め、瞬く間に今に至るまでに広がってしまいました。
既にこの世界でも大国である筈の我がリューティス王国でさえ、終焉の影響の対処に膨大な時間と人手を要しております。
ですがこのノーバディやラグナレクといった影響も、全てはこの先起こる“最後の終焉”の前段階でしかありません――」
静かに淡々と語るユリマ。次第に神妙な面持ちになっていく彼女の表情を見て、俺達は事の重大さを感じ取っていた。
「私の視る未来予知は必ずしも100%ではありません。今回の様に多少のズレはどうしても生じてしまいます。
ですが逆を言わせて頂きますと、その多少のズレだけが生じるだけで、これまでにも実際視た事が全て起きているのです。
私が視たこの終焉の未来は本当に恐ろしく……王国を滅ぼすどころか、このままではこの世界全てが滅びてしまいます。
人間、動物、モンスターが絶滅し、草木は枯れ果て水や空気も汚染。
魔力や生命そのものが生まれる事の出来ない最悪な環境へと世界が変わってしまうのです。それがこの終焉の最後、世界の果ての姿……。
そして、そんな世界の終焉を救える唯一の存在が、呪われた世代と蔑まれていた貴方達なのですよ――」
俺達は思いがけないユリマの言葉に驚いた。
俺は当然の事だが、何故か経緯を既に聞いているであろうエミリアとフーリンも同じように驚いている。
「私達が終焉を救う……?」
「今のは初耳だな」
「それはそうですよ。この話は今初めて言いましたからね。グリムが目を覚ましてから3人一緒に聞いた方が良いかと」
「ちょっと待て。話が飛躍し過ぎて気持ちが追い付かないが……何で世界を救うのが俺達なんだ?」
余りに理解不能。そんな事出来る訳がない。
「それは、貴方達が選ばれた者だからです」
「選ばれた者? こんな欠陥スキル覚醒者となって、呪われた世代に選ばれた俺達が? 有り得ないだろ」
「いいえ違います。そもそも貴方達に与えられたそのスキルは、そもそも女神から与えられたものではありません」
女神から与えられたものじゃない……?
そんな事言われたって、俺達に限らず、もう何百年も前から王国中の人間が当たり前の様に女神からスキルを与えられているじゃないか。
じゃあ一体、俺達のこの力は“誰から”与えられたんだ……。
「グリム・レオハート、エミリア・シールベス、フーリン・イデント。
貴方達3人に与えられたそのスキルは、リューティス王国の民ならば誰もが与えられる女神からのスキルではなく、それとはまた別の存在である“神”から与えられたもの」
「別の存在の神……。話が全く見えないな。女神じゃないとして、だったら何でその別の神とやらは俺達にこんな力を与えたんだ。まともに戦えない俺達が世界なんて救える訳がないだろ」
「確かに、そう思うのが普通でしょう。貴方達の“今”の力では到底世界など救えません。それどころかグリム、このままなら貴方は王都や国王に辿り着く以前に騎士魔法団や七聖天に敗れるでしょう。
ヴィル・レオハートと直に対峙した貴方なら分かると思いますがね」
余計なお世話だ。
……と言いたくなったが、ユリマの言った事はこの上ない正論。急に言われて世界を救おうなどとは思っていないが、ヴィルとの力の差は歴然だ。このままでは俺は勝てない。
「だったらどうする。アンタの言う通り、今の俺ではヴィルの足元にも及ばない。他の七聖天もあのレベルならもうお手上げだ。だがアンタが視た未来とやらで俺達が世界を救っているなら少なからずそれ相応の実力が伴っている筈。
まさか……これから強くなる為の修行をするとかなんとか言い出すんじゃないよな?」
「フフフフ。それも面白そうですが、残念ながらそんな悠長な事している暇はありません。この話の肝はそこではなく、貴方達に与えられた“本当の力”の真実。
貴方達が今手にしているその力は仮の力。貴方達3人のその力を完全に覚醒させるには、“3神柱の神器”が必要となるのです――」
「「……!」」
ユリマの話には終始驚かされっぱなしであったが、最後にまた頭が混乱する様な事を言ってきた。
俺達の力は仮の力……?
3神柱の神器が必要……?
さっきから驚き困惑しているのは俺だけじゃない。勿論エミリアとフーリンもだ。話がどんどん思いがけない方向に進んでいるから全員直ぐには言葉が出てこなかった。
「3神柱の神器とはその名の通り、大昔にこの世界を守っていたとされている3神柱の武器の事です」
「さ、3神柱って……古来に伝わっていた『精霊王イヴ』『獣天シシガミ』『竜神王ドラドムート』の事ですよね?」
「よく知っているわねエミリア。そう、3神柱はこの世界の本来の神達の事。そしてその神々の力を宿した3神柱の神器。
『恵杖イェルメス』
『天槍ゲインヴォルグ』
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