上 下
45 / 112

39 ヴィルの強さ

しおりを挟む
「ヴィル……」

 俺は無意識のうちに弟の名を零していた。
 そして、突然の状況にそれ以上の言葉が出てこない。

 俺が辺境の森に飛ばされて8年余り。偶然森を訪れた冒険者達の会話で、父と弟のその後の経緯は僅かに知っていた。

 父であるグリードは当時、騎士団創設以来の最年少の記録を打ち立てて大団長となった。だがヴィルはそんな父よりも早く騎士団の大団長となったらしい。あくまで聞いただけの風の噂であったが、堂々とそこに君臨するヴィルの姿を見て確信に変わった。

 コイツは“本物”だと――。

 目の前の弟はもう幼き頃の弟ではない。面影がしっかりと残っているが、ヴィルは立派な剣聖として成長していた。

 気品ある輝きを纏った神剣ジークフリードをしかと握り締めて。
  
「え、もしかしてこの人がグリムの弟?」
「お前弟がいたのか。しかもかなりの“強者”じゃないか」

 場に漂った僅かな緩み。
 リリアンと団員達による絶体絶命の包囲網が解かれ、最大の脅威であったラグナレクも倒された。助けてくれたのかは定かではないが実際に助かっている。そしてそんな俺達のピンチを救ったのが俺の実の弟。

 その全てが重なり合い、もう体力も残っていなかったエミリアやフーリンは無意識のうちに安堵感を抱いていた。それは2人だけでなく、逃げ惑っていた団員や冒険者達もまた然り。

 ヴィルがラグナレクを倒した事により、全員が“全て終わった”という雰囲気に包まれている。

 だが皆とは相反するかの如く、終わりの雰囲気に包まれていたこの場で、俺だけが、俺の体の全細胞だけが、目の前のヴィルに“危険”を感じていた。

「ヤバい。逃げるぞお前らッ……『――シュパン』

 俺がエミリアとフーリンに向けそう言った刹那、エミリアとフーリンは突如真っ赤な血飛沫を散らしながらゆっくりと地面に倒れていった。

「エ、エミリア!? フーリンッ!」
「バウッ!」

 全く見えなかった。 

「君達も邪魔なんだよね。俺が用あるのは兄さんとそっちの犬だけだから」

 ヴィルはニコリと笑いながらとても冷酷な目で俺達を見て言った。手にする神剣ジークフリードからは鮮血が滴り落ちている。

「大丈夫か2人共ッ! いきなり何しやがるんだテメェ、ヴィルッ!」 

 エミリアもフーリンも完全に気を失っているが辛うじて呼吸が確認出来た。ハクも瞬時に斬られた2人の傷口を治癒しようとしているがこのままじゃヤバい。

「何しやがるって言われても、俺は国王の命で動いているだけだよ。兄さんと犬は勿論その仲間達も始末しろとね」
「ふざけんじゃねぇ!」

 ヴィルのした事と癇に障る態度にイラついた俺は、気が付けば拳を握りしめ殴りかかっていた。

 思い切り振り抜いた最初の拳は躱され、続け様に2撃3撃と拳や蹴りを放ったが、それも全て簡単に躱されてしまう。

 俺の攻撃を面倒くさそうに躱したヴィルはまるで虫を払うかの如く剣を軽く振り、俺はその強い風圧で体ごと吹っ飛ばされた。

「ぐッ!」
「兄さんの方こそ何してるんだよ。そんながむしゃらに出した拳や蹴りが本当に俺に当たると思ってるの? 有り得ないでしょ」

 そんな事は分かってる。だがエミリアとフーリンが傷付けられ、もう武器もない俺にはこうする他ない。

「黙れヴィル……!」
「ハハハハ、相変わらず無様な姿晒してるよね兄さん。昔と全く変わっていない。レオハート家や騎士団、そしてリューティス王国の恥さらしとしてのその姿がさ! ハッハッハッ!
兄さんが犬と一緒に手配されていると知った時、“あーこれはもう絶対俺が動かないと”って思ったんだよね。

だってそうでしょ?
兄さんがレオハート家に残した一族最大の汚点と不名誉はもう一生消える事はない。恥さらしの遺産を俺は背負い、またこれからの世代にも引き継がれてしまう。一族の問題は一族である者が清算しないとダメだよね。

だからさ、俺がその負の遺産と共にお前を殺してやるよ。兄さん――」

 ヴィルは間違ってもラグナレクから俺達を守った訳ではない。
 ただただ自らの決意の元、直接己の手で俺を殺したかったに過ぎなかったのだ。

 見下しながら高笑いするヴィルに対し、俺は抵抗する手段が何も残っていない。辺境の森で過ごし身体能力も人並み以上ではあったが、こんなお粗末なパンチでは神器を使いこなす今のヴィルには到底相手にならない。

 さっきからただ向かい合っているだけなのに体が小刻みに震えてやがる。実の弟と話しているだけなのに、全身から危険信号が発せられているみたいだ。本当に俺は無様で情けない。

 今のラグナレクですら倒せなかった俺には、当然ヴィルに勝てる見込みなど1%もないだろう。

「この状況じゃ流石につまらな過ぎるからさ、コレ使いなよ」

 ――カランカラァン。
 ヴィルはそう言いながら、何処からともなく取り出した剣を俺に放り投げてきた。

「俺は別に何を言われようと何をされようが構わない。だが、エミリアとフーリンを傷付けた事は絶対に許さねぇぞッ!」
「言葉より行動で示しなよ」

 次の瞬間、双剣を手に取った俺は自身最速のスピードでヴィルに斬りかかった。

 俺はヴィルという圧倒的な力を前にしていつの間にか弱気になっていた。
 
 だが俺だって、あの辺境の森で死に物狂いで8年以上剣を振り続け強くなった。ラグナレクだって後一押しで倒せただろう。言い訳ではないが、この呪われた世代というハンデがなければ、手にする剣がもっと強ければ、俺はもっと、ヴィルよりもっともっと強い。

 今手にしている剣は恐らくAランク。
 図らずも、俺が今まで使った双剣の中で1番ランクが高く強い武器だ。これならイケる。

 最速のスピードでヴィルの背後を取った俺は、既にヴィルのうなじ目掛けて双剣を振り下ろしている。肝心のヴィルはまだ前を向いたままだ。

 もらった。









 ――スパァン。

「ッ!?」

 次の刹那、俺の視界は突如スローモーションに変わった。

 そこに映るのは粉々に砕かれた双剣の刃がゆっくり飛び散っていく瞬間と、その奥で静かに微笑んでいるヴィルの姿。

 俺の視界全てが、赤い鮮血に染められてゆく――。

 何が起きたのかも分からない。俺は全身の力が抜け、溢れ出す鮮血と共にその場に倒れたのだった。

「はい、俺の勝ち。ハッハッハッ! 弱ッ! ……ん?」

 双剣と共にヴィルに斬られたであろう俺は、力が抜け今まさににその場に倒れる寸前だったが、本能がギリギリの意識を保ち反射的に倒れるのを堪えていた。

「ハァ……ハァ……」
「あれ、まだ生きてるの? っていうか兄さん、ちゃんと意識ある?」
「ハァ……ハァ……」

 ぼんやりと視界に映るヴィル。
 
 心臓の音がかなりデカく聞こえる。

 耳鳴りも酷い。

 全身が焼ける様に熱いし。

 今にも倒れそう。

 眠い。

 寒い。

 怠い。

 痛い。

 指1本動かす気力もない。

 俺は何をしている?

「しぶとさだけは尊敬するよ。その程度の実力にも関わらず、今日まで辺境の森で生きていたんだからね。ホント、兄さんには色々驚かされるよ。色んな意味で」

 ヴィルが何を言っているのかしっかり聞き取れない。
 だが俺は朦朧とする意識の中で、折れた剣をヴィルに向けていた。

「ハハハハ。そんな状態で何する気? 全然面白くもないから、もう死になよ兄さッ……『――ゾク』

 ヴィルは突如、振り下ろそうとしていた剣の動きを止めた。何故だかヴィルは俺を見て固まっている。

「な、何だよ“コレ”は……。
(殺そうとした瞬間、何故か兄さんから凄まじい殺気を感じた。こんな死にかけの状態で有り得ない。
いや、でもあのまま斬りかかっていたら、間違いなく“殺されていたのは俺”――。

何故だ? もう指で押すだけで倒れる状態なのに、何故俺は間合いに飛び込めずにいる? まさかビビってるのか。この俺が? 俺より確実に弱いこんな死にかけの兄さんに?
しかも、兄さんから発せられているこの悍ましい“波動”は何なんだ)」

 理由は分からないが、ヴィルはまだ止まったまま動かない。相変わらず体は怠いし痛いし熱いし重い。でも何故かな、今残された体力を全て振り絞って攻撃すれば、何故かヴィルを倒せそうな気がする。

 次の瞬間、俺の体は無意識のうちに剣を振りかぶっていた。

「……! コレで終わりだよ兄さんッ!」

 俺が動いたのを見て、ヴィルも神剣ジークフリードを振りかぶった。

 攻撃はほぼ同じタイミング。
 しかし俺の剣は既に折れていてヴィルに届かないかもしれない。だが、もうこの最後の一振りを止める事も出来ない。




――ガキィィン!!






「「……!?」」
しおりを挟む
感想 73

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。 だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。 一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい

桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

処理中です...