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第八章【旅の果て】

第百三十二話 獰猛な動物

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 エリオネルが俺の膝を持って左右に開く。真っ赤になった顔で彼を見ると、すごく獰猛な目つきをしていた。
 脚を閉じようにも、エリオネルが掴んでいるため閉じられない。

「や、やだぁ、エリオネル」

「マリヤ、して」

 拒否できないように、強く言われた。

 ちゅ、と押さえられている右膝にキスされる。本当に嫌だと思ってないの、何でわかるんだろう。わかりやすいのかな。

 右手に液体を出して、窄まりに手をやる。多かったのか、手から液体が滑り落ちてシーツを汚してしまった。まあ、終わったらいつもぐちょぐちょになるから、気にしたら負けか。

「んっ……、なんか変」

 中指をぐぐっと入れると、指への圧迫感がすごくて、中が熱い。入り口がギュギュッと指を締めつけていた。中ほどまで入れた指を動かすのが怖い。
 でも、ここでウジウジしていても始まらない。いつもエリオネルがしてくれるように、指を出し入れしてみた。

「ん、……ぅ、はぁっ」

 変な感じだ。自分でするって本当に恥ずかしい。体がカッカッして熱かった。
 中指が根元まで入ると、中の様子がわかる。指をぎゅうぎゅうと締めつけていて、本当にここにいつもエリオネルを咥えているのか疑わしい。

 エリオネルを見ると、恍惚とした表情でこちらを見ていた。その表情にきゅうんと胸が疼く。

「マリヤ?手、ちゃんと動かして?」

 エリオネルを見つめながら、手を動かした。気持ちいいけど、もどかしい。中を探りながら指を出し入れしていたら、気づかないうちに前を扱いていた。

「すごく卑猥だね、マリヤ」

「言わな……で」

「後ろも前も気持ちいい?」

「うん、でも、……」

「ん?」

「エリオネルのおちんちんが1番気持ちいい」

 エリオネルが目を見張る。ストレートすぎただろうか?
 彼は苦しそうな顔をしたあと、自分の股間を握ってくずおれた。

「エリオネル?」

「勃起し過ぎて痛い」

 そんなに?ちょっとおかしくなって笑うと、ガバッと覆い被さられる。
 痛いくらいのキスをされて、与えられる快楽に飢えていた俺は、痺れたように動けなくなった。

 エリオネルの息が荒い。フーッフーッと獣のように呼吸していて、ちょっと怖いけど、すごく興奮した。
 彼の左手が、俺の中を割り開く。ぐちゅぐちゅいわせながら、すぐに2本目を入れられて、良い所を擦られると嬌声が止まらなかった。

「あ、んっ、は、……ああっ」

 性急な彼の指は、すぐに3本になる。余裕がないのか、その3本も早々に出ていった。

「マリヤ、本当、余裕ない」

 べちん、とお腹にペニスを叩きつけられ、その凶暴さに少し怖くなる。
 エリオネルの瞳に、何かが灯った。今まで見たことのない色に、腰が引けたが、強い力で腰を掴まれ逃げられない。

 ペロリと唇を舐めたエリオネルが色っぽすぎて、こちらはもう降参状態だ。

「逃げないで」

 ぴと、とエリオネルの剛直が、入り口を刺激する。久しぶりの感触に反射的に逃げそうになって、彼の言葉を思い出し、ぐっと堪えた。
 ぐぐっと挿入ってきた大きいモノは、もう何度も咥えてきたはずなのに、久しぶりだからか、はたまた慣らし足りていないのか異物感がすごかった。

「んんっ、おっきい」

「また、すぐ私の形にしてあげる」

 その言葉に、体がビクつくほどの快感を覚えて戸惑う。
 それに気づいたエリオネルが、優しく微笑んだ。その顔がとても好きで泣けてくる。

「して?」

 そう言うと、すぐにエリオネルが動き始めた。繋がった部分が痺れて、いやらしい音を立てている。

「は、あん、あっ、ああっ!」

 いきなり早くなったストロークについていけなかった。エリオネルは本当に余裕がないみたいだ。
 脚を抱えられて、思いっきり楔で突き上げられる。

「あっ!やっ、ああんっ」

 だから、久しぶりなのに手加減がなさすぎる。し、死ぬ!

「ま、まって、ああっ!」

「待たない」

 一方的なガン突きなのに、気持ちよくてたまらない。気持ちがよすぎて、意識が飛びそうだ。
 ほとんど何も考えられなくなって、エリオネルが与えてくる快感を逃すこともできず、翻弄される。

「ふ、……ぅ、あ、アン」

「最高に可愛い、マリヤ」

 しばらく突かれたあと、エリオネルは唐突に達した。熱いものが中でドクドクいってる。

「ごめん、我慢できなくて」

 はあはあと肩で息をした。返事をする元気がない。
 これはこれで、レアなエリオネルを見れたから良かったんだけど。でも、獰猛な動物みたいだった。
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