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第七章【鬼の国】

第百十五話 目隠し

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 他の湯船に浸かるのもはばかられて、そっと隣に浸かった。
 エリオネルは、俺が浸かる時にチラリとこちらを見たものの、以降目線がこちらに向くことはなかった。
 寂しい。裸で居るのに興味のない態度を取られて、すごく寂しかった。

「エリオネル」

「マリヤ?魔力酔いになるから、早めに上がりなよ?」

 そう言って、エリオネルはお風呂から上がってしまった。

 追いかけて抱きつく。

「エリオネル、行かないで」

 返事がない。怖くて心臓がドキドキする。

 もう、興味がなくなった?

 朝は触ってくれたのに?

 その時、エリオネルがこちらに体を向けた。はー、と大きなため息を吐かれ、体がビクッとする。

「我慢してたのに」

「え?」

「マリヤが、私とお風呂に入るのが嫌にならないよう、必死で我慢してたのに、可愛いことするから」

 ぎゅっと抱きしめられて、喜びに体が浮いた気がした。

「エリオネル?俺、エリオネルになら何されても嫌にならないよ?」

 エリオネルの腕の中から、彼を見上げると、エリオネルは勢いよく上をむいた。片手で顔を覆った彼は、次に下を向いて俺を見ると、またため息を吐く。

「そんなこと言って……、後悔しても知らないよ?」

「しないよ?」

「待って、ここじゃあマリヤが痛いから寝室に行こう」

 確かに、次入る人に迷惑もかかるし、移動した方が良さそうだ。手早く甚平を着て部屋まで移動する。

 部屋に入ると布団が敷いてあって、それをみて期待に胸がはち切れそうだった。エリオネルを見ると、手に手拭いを持っている。

「マリヤ、目隠ししてもいい?」

「……どこでそんなの覚えてくるの」

 地球にはインターネットがあり、沢山の色々な本がある。情報社会と言ってもいい。それに比べ、こちらの世界にはインターネットももちろんないし、王族であるエリオネルはお上品なことしかしないイメージがある。コスプレエッチの時点でそんなことはないのだが、なんだか腑に落ちない。

 何されてもいいと言った手前、断る選択肢はなくて困る。
 目隠しはちょっと怖い。でも、エリオネルなら大丈夫かな。

 エリオネルの方を向いて、ぎゅっと目を瞑った。

「怖かったら、すぐ辞めるから」

 エリオネルが俺の目に手拭いを充てる。後ろで強く結ばれて、少し圧迫感があった。痛いほどではない。
 その時、ふわっと体が持ち上がり、浮遊感に心許ない思いをする。

「わっ」

「大丈夫、布団に降ろすだけだからね」

「う、うん」

 エリオネルの優しい声が近くで聞こえて、ほっとした。背中と膝裏に逞しい腕が回り、安定しているのもほっとした一因だ。
 ゆっくりとお尻から降ろされたので、引力に逆らわず横たわる。

「マリヤ」

 耳の側でエリオネルが囁いた。体がビクンッと跳ねて、恥ずかしい思いをする。

「今から触るね」

 どこを触るんだろうか?見えない分、神経が過敏になっている気がした。
 左の肩に手が置かれ、また体がビクッと跳ねる。そのまま二の腕、肘、手首、指先へと刺激が行く。
 急に両脚をガバッと広げられてビックリした。その脚の間に、エリオネルが入ってくる気配がする。

 する、と甚平の紐が外された。一々ビクビクしてしまうのも嫌なので、何とかビクつかないように我慢する。

「あぁっ!!」

 ぬる、っと突起を舐められて、大きな声が出た。左の尖りを口に含まれ、舌でぐりぐりと攻められる。

「あっ、エリオネルっ、んんっ」

「可愛い」

 愛撫の合間に囁かれた。吐息が突起に当たってビクビクなる。何されてもダメかもしれない。
 今度は右側を口に含まれた。唾液のついた左側はぬるぬると塗られるように指で撫でられている。
 ぐりっと扱くように摘まれて、精液が上がってきた。もうちょっとでイキそうになった時、エリオネルが離れていった。

「………え?」

 ずるっと下履きを脱がされる。多分、パンツも一緒に脱がされたんだと思う。熱くなった性器が外気に触れて涼しく感じた。
 全部脱がされてから、しばらく経ってもエリオネルが触れてこない。

「エリオネル?」

 返事がなくて、だんだん怖くなってくる。居なくなったりはしてないんだろうけど……

「ねぇ、こわいから何か言って」

 それでも何も言ってくれなくて、目尻に水分が集まってきた。
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