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第四章【学園都市】

第五十六話 心配

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 2時間の空白時間を経て、魔法戦闘実技の授業に行く。ドキドキしてきた。
 グラウンドにはエリオネルが居て、そちらの方を見られない。あまりにドキドキしすぎて、アイオライトくんの後ろに隠れる。

「どうしたの?」

「や、何でもないんだけど」

「顔赤いよ?風邪?」

 アイオライトくんが額に手を当ててきた。アイオライトくん、顔近い。

「ちょっと熱いかな?でも、熱はなさそう」

「ホント、何でもないから行こっ」

 アイオライトくんをグイグイ押して、並んでる列まで来た。何かエリオネルにめっちゃ見られてる気がする。
 気がするんじゃない!こっち来てる!

「大丈夫?」

 スタスタとこちらに歩いてきたエリオネルに話しかけられる。

「はい、あの、大丈夫です」

 何か口から敬語が出た。

「大丈夫じゃなかったら、早めに保健室行くんだよ」

「ホント、大丈夫なんで!!」

 恥ずかしい。皆がこっち見てる。真っ赤になってしまった俺をからかうように、エリオネルが笑った。
 頭をポンポンされて、顔が更に熱くなる。

「マリヤくん……、あの先生危険だね」

 ホントだよ!しばらく火照りは治らなかった。パタパタと手で顔を煽ぐ。
 その時、隣でゴクリと生唾を飲む音が聞こえた。アーサーくんだ。

「マリヤ…何か、エロくない?」

「何が!?」

 エロいって何だよ。アーサーくんの頭にアイオライトくんのチョップが入った。ゴスッと音がする。

「ねえ、セクハラだよ。いい加減にしなよ」

「ったー!叩くことないだろ!」

 やっぱり漫才なのかな?クスクスと笑うと、またアイオライトくんが優しい顔をした。女子だったら絶対惚れてる。

 そのあとは、二人と居たからか、あまり考えることなく授業を受けられた。
 一人ずつ得意の攻撃魔法と防御魔法を使って、それをエリオネルがチェックしていく授業だった。もちろん、俺以外に無詠唱の人はいない。

 俺が無詠唱で水刃と土壁を使うと、おぉーという声が聞こえた。気持ちいい。

「マリヤくん、すごかったね、無詠唱なんだ」

「そう、何か詠唱要らないみたい」

「どうやってやるの?」

「わかんないんだよね、ごめん」

 そう、何故無詠唱で魔法が使えるのか謎なのである。そもそも魔法が使えること自体が不思議なんだけど。

 次はアイオライトくんの番で、アイオライトくんも水刃を使っていたが、威力が桁違いに強かった。防御魔法の方は業火だった。火属性の魔法は防御にも使えるらしい。
 あとは、魔法がまだ使えない人も多いらしく、その人たちは見学組になるとのことだった。

 無事に魔法戦闘実技が終わり、その後も何もなく無事に一日が終わった。
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