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第四章【学園都市】

第五十二話 学食

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 そのあとは、火属性の授業を受けた。全員赤系の髪の毛ばかりかと思ったらそうでもなかった。

 火属性は、攻撃と強化に特化しているらしく、魔道具で他属性の魔法を使うことが可能なんだそうだ。
 そういえば、着火の魔道具は7属性全部のマークが付いていて、土の単属性であるアイシャさんも使えてたなと思い出す。

 難しいけど、ノートはちゃんと取れてる。因みにノートと筆記用具と教科書は、エリオネルがちゃんと持たせてくれた。


 思ったより簡単な数学が終わり、ランチにやってきた。
 アイオライトくんとアーサーくんと一緒だ。

「マリヤくんは何食べる?」

「アイオライトくんと一緒のにしようかな」

 何とここの学食はタダである。授業料に含まれているのであろう。

「マリヤ、離れんなよ」

 アーサーくんに肩を掴まれて引き寄せられる。離れんなってどういうこと?

「ファーソン君、紹介してくれないか?」

「体験入学の特別生徒ですので、辞めておいた方がよいかと」

「へぇー、君は王族か貴族なのかい?」

 明らかに俺に向けて喋りかけてきたのは、やたらキラキラした深緑色の髪をした人だった。
 何か答えない方が良さそうな雰囲気を察する。

「ラベット先輩、学院長に言いますよ」

「何だい、喋りかけてるだけじゃないか」

 何だか全然引かないな、この人。あと、喋り方がキモい。

「紹介しませんので、諦めてください」

「まあ、ファーソン君もオルテガ君も引かなさそうだし、今度二人でね、子猫ちゃん」

 ウインクされて、鳥肌が立ってゾワッてした。子猫ちゃんなんて言う人マジで居るんだ、ドン引き。
 あまりのドン引き振りに、アーサーくんに寄り添うと、ギュッと抱きつかれた。

「あ!アーサー!駄目だって言っただろ」

「ごめん、つい可愛すぎて」

「いいから離してくれる?」

 こんなとこエリオネルに見つかったら困る。と思って、離してもらって周りを見回すと、先生らしき人たちは一人も居なかった。

「あの人誰だったの?変な人だったね」

「あー、あの人は遊び人で有名だから、一人に絶対ならないで。マリヤくん綺麗すぎるから、絶対危ない」

「遊び人なんだ…、わかった。アイオライトくんかアーサーくんと居ればいいんだよね?」

「アーサーも危なそうだから気をつけて」

「何でだよ、手は出さん!」

「抱きついてたじゃん」

「それはホントごめん」

 漫才かな?クスクスっと笑うと、アイオライトくんの顔が優しく崩れた。

「まあ、アーサーは抱きつく以上はできないと思うから、嫌わないであげて」

「うん、守ってくれてありがとう、二人とも」

 二人が良い人だっていうのは、今日一緒に居ただけでわかった。
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