章くんの憂鬱【BL】

水月 花音

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「あき」


 ご飯も食べず出て行こうとした僕を見越していたのだろうか……

 昨日あんなに僕を蹂躙した人は、何故か吹っ切れたような顔をしていた。

「ご飯は?」

 すっと近づいてきて、廊下の壁に押し付けられる。
 質問に対して首を振ると、少し困ったように笑った。


 その顔に何故か胸がキュンと疼く。


(何……?)


「あき……」

「え……」

 抱きしめてきたと思ったら、お尻を揉んできた。

 大きな手で揉みしだかれて、声が出る。

「は、ちょ…、アン」

「声可愛すぎだから」

 ズル、とズボンと一緒にパンツまで下げられて焦る。

「やだ!」

「大丈夫、大丈夫。コレ入れるだけだから」

 グッとお尻に何か当てられて、それがまだ柔らかかった中ににゅるんと入った。

「な、何…?」

「秘密。良い子で入れたまま帰ってきたら、動画は消してあげる」

 動画……?

 動画って、昨日の?いつ撮ってたの?

「や、やだぁ…」

「出来なかったら、抜かずに七発な」

「なな……?」

「俺のコレ、入れたまま七回ヤるってこと」

 グッと下半身をお腹の辺りに押しつけられる。
 固かったような気がするのは、気のせいだと思いたい……





「章~、珍しいな」

「うん……」

 腰が痛かったので、お兄ちゃんに車で学校まで送ってもらった。


 憂鬱すぎてどこか遠くに行きたい。


「はあ……」

「朝からどうしたんだよ?」

「何でもない」

 そう言うと、高斗が心配してくれた。そういえば、昨日お兄ちゃんが何か言っていた気がする。

「あ、そうだ!高斗!何でお兄ちゃんが、高斗が僕のち、乳首触ったの知ってるの!?」

「は?俺言ってないけど」

「え?じゃあ、なんで……」

「お前盗聴器でもつけられてんじゃね?」

「そんなまさか……」

 無いとは言い切れなくて怖くなる。

「冗談ってわかってるけど、もうしないでよ!大変だったんだから!」

「何が?どう大変だったんだよ」

 高斗が訝しげな表情をする。お兄ちゃんに犯されましたとはさすがに言えなくて沈黙した。



 お尻に違和感はあったが、椅子に座るとその違和感はすごくなった。
 中に入ってるって変な感じ。

 昨日散々挿れられたからか、中がぎゅうぎゅう異物を押しつけている。
 でも、ただそれだけだ。これなら帰りまで楽勝そうだった。
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