一人では戦えない勇者

高橋

文字の大きさ
上 下
102 / 285
3章

13話 王軍の偵察結果

しおりを挟む
 朝食を食べ終わってマッタリしている間に、暇を持て余した妻たちが、夜営地に城壁を造ってしまった。
 それほど高いわけでもないし、分厚いわけでもない。けど、この中に籠った傭兵団を攻めるには、攻城兵器なしでは厳しいだろう。そのレベルの城壁を、子供たちに〈土魔術〉を教えるついでに造ってしまった。

 城壁の上から外を見下ろすと、結構深い空堀まで掘ってある。城壁を見渡すと、縁が暇潰しに作った連弩をエミーリエさんが設置していた。
 これ、『他力本願』が守ってる限り、落ちないんじゃない?

「俺としては、長期戦をやる気はないよ」

 すぐに終わらせたいし、すぐに終わると思う。

「わかってはいるんですけど、みんなさん暇なんです」

 気配はないけど、後ろのマーヤが教えてくれた。
 斥候のロジーネ姉さん以外はみんな暇だから、それぞれ暇潰しに夜営地を拠点化してしまったのか。

 後ろを向くと、メイド服の女性が三人並んで立っている。
 右からマーヤ、暗崎さん、姫宮先輩の順だ。
 見えているのにマーヤだけ気配を感じない。

「で、先輩はなぜメイド服?」
「昨晩、ユリアーナさんに、どうしたいか聞かれて、"平賀君と結婚したい"と答えたら、マーヤさんがこの服を……」

 いろいろ言いたいことはあるけど、まずはメイド服から解決しよう。
 マーヤに視線を向けると、彼女の尻尾がユラユラ揺れる。

「御主人様にお仕えする者の正装です」

 マーヤの言い分は、"僕に嫁ぐ=僕に仕える"らしい。理解したくないけど理解はした。

「姫宮先輩はそれでいいんですか?」
「はい」

 いい笑顔。

「それと、私のことは瞳子、とお呼びください」
「あ、私も理子でお願いします」
「二人とも日本に帰りたくないの? 理子は? あちらに未練はない?」
「BL同人誌の新刊くらいしか……両親と仲が悪いわけではないんですけど、いずれは親元を離れるわけですし、それが早まっただけです。あ、こっちでBLを広めれば……まずは支援×光で……御主人様にはやっぱ強気攻めが合うか? 好みはヘタレ攻めなんだけど……御主人様、一度実践してみてくだ」
「断る!」

 真面目な話から一転、ブツブツ言い始めた理子が口にした迷案を、食い気味に断る。全力で。

「ダメですか? イルムヒルデさんのお尻は執拗に攻めたのに?」

 はい。攻めました。攻めましたねぇ。てか、なんで知ってんの? それと、イルムヒルデのお尻と結城君のお尻を一緒にするなよ。BLならヤオイ穴に、って違う! 問題はそこじゃない。

 ともかく、話題を変えよう。

「瞳子はどう?」
「私はお尻はちょっと……あ、でも、お望みなら、が、頑張ります」

 お願い。尻の話から離れて。

「未練の話だよ」

 僕の指摘に、恥ずかしそうにしながら「失礼しました」と頭を下げる。

「その、日本に帰っても、親に決められた大学に進学して、会ったことのない婚約者と結婚させられるだけですから、自分で人生を選べる孫一様の側がいいです」

 まあ、僕は、妻が選ぶクラスにも不干渉だしね。興味がないわけではないんだけど、僕があれこれ指示を出すのは過干渉かなって思うんだ。なので、最近はマーヤのクラスも好きにさせている。
 ただ、疑問なのは、全員【娼婦】をカンストさせてるのはなぜ? マストなの?

「そうか。自分で決めたんならしょうがない。あらためて、これからよろしく」

 理子と瞳子を一人ずつ抱き締める。
 マーヤも期待が籠った目で見つめてきたので、ついでに抱き締めた。尻尾がワッサワッサと嬉しそうだった。



 すっかり要塞化してしまった夜営地の真ん中で、偵察から戻ったロジーネ姉さんの報告を聞く。
 周囲には日本人も集まっている。
 目の前のテーブルの真ん中に、犬のご飯皿みたいな物を縁が置く。ん? マーヤにペットプレイ? 嫌いじゃないけど、今やることじゃあないよ。

「先日完成した魔道具、『偽はりだん』です」

 はりだん? ……ああ、あのラノベの?
 縁がその魔道具にプラーナを流すと、立体映像が投影される。……僕の等身大映像が。

「あ、間違えた。こっち」
「おい、待て。今のはなんだ?」

 なかったことにして魔道具を操作しようとする愚妹を止める。

「大丈夫です。全裸バージョンじゃないのでセーフです」
「アウトだよ。それと両方消しとけよ。てか、いつ、こんなデータを取ったんだよ」

 どちらかと言うと"盗った"か。

「……なぜ?」

 あれ? 僕、おかしなこと言った?
 なんでそんな不思議そうな顔してんの?
 というか、一旦消してくれ。晒しもんだよ。優しく微笑んでる蛙さんが晒されてるよ。

「お兄様? 格好いいですよ。クーも欲しいです」

 隣に立つクラリッサちゃんが、曇り無き眼で見上げてくる。やめて。義妹の歪んだ劣情を幼女にこれ以上見せないで。

「クーちゃんにも後で見せてあげますね」

 お願い。クラリッサちゃんを穢さないで。

「クーは、毎晩覗いてる魔王バージョンがいい」

 穢れてた。そして、穢したのは僕だった。
 みなさん。ザワザワしないで。あ、そこ、通報しなくても大丈夫だよ。

「勿論、ありますよ」

 あるんかい!

「ユカリ様。今見たいです」

 僕の後ろからマーヤが口を出す。
 マーヤは黙ってような。
 縁が魔道具に手を伸ばそうとしたので、ポケットから抜き撃ち気味に『偽パイ』を撃つ。勿論、狙いは『偽はりだん』だ。
 しかし、魔力弾は『偽はりだん』に届かなかった。
 縁の〈結界魔法〉だ。
 結界に阻まれた魔力弾が拡散する。

「やらせません。兄さんのデータが入ってる『偽はりだん』はこれだけなんです」

 ならばそれを破壊すれば解決だ。撃鉄を引いて弾倉を回し、通常弾から貫通弾に変更。
 少し多めにプラーナを籠めて。

「「「ダメです!」」」

 後ろから誰かが抱きつく。
 誰かが左腕を抱え込むように拘束する。
 右手首をマーヤが掴んで、『偽パイ』の銃口を上へ向ける。
 マーヤが僕の意に沿わないことをした驚きに、『偽パイ』へのプラーナ供給が中途半端なものになって、せっかく籠めたプラーナが拡散してしまった。
 左腕に目を向けると、瞳子が申し訳なさそうな顔で僕の左腕を抱えている。……結構胸あるな。着痩せするタイプ?
 さっきの声からすると、背中は理子か。
 三人とも、そんなに魔王バージョンが見たいのか? てか、マーヤは間近で見たことあるだろ。

「兄さん。私の勝ちですね」

 不敵な笑みで愚妹が勝ち誇る。
 いや、勝敗の話ではなく。僕の羞恥の話だ。

「さあ! みなさんも兄さんの勇姿を拝んでくグゲッ!」

 愚妹の暴走はユリアーナの拳骨で止まった。
 ……拳骨だったのかな? ドゴンって音がしたけど、拳骨ってあんな音がするの?

「四人とも、お仕置きとマゴイチへの接近禁止とどっちがいい?」

 周囲の日本人への気遣いか、軽めの〈威圧〉を撒き散らしながら正妻様が仰る。

「「「「お仕置きで!」」」」

 四人の必死な声が重なった。



 ユリアーナ立ち合いの元、急遽設置した小型の天幕の中で、データは無事削除された。
 ちなみに、魔王バージョンを見た僕は赤面した。通常バージョンと同じ立ち姿なんだけど、全裸で熱り勃ったアレもばっちりサンプリングされている。それと、どうでもいいことだが、右臀部に黒子があるのを初めて知った。

 天幕から出て、元の位置に戻り、改めてロジーネ姉さんの報告を聞く。
 縁がもう一度『偽はりだん』を設置して起動する。

 今度は僕の立体映像ではなく、周辺の地形だ。
 偵察ドローンで撮影ついでに測量したデータを投影しているから、この要塞もそのまま再現されている。
 『偽はりだん』を操作して、見やすい縮尺に変更してからロジーネ姉さんが報告を始める。
 同時に、仮面に王国軍の詳しい数字が表示される。あれ? 馬車が多くない?

「まず、王軍の総数は約千ってとこ。その編成は、"王軍"と言っても実際の王国軍は百前後で、残りは貴族の私兵と傭兵ね」

 普通に考えたら、百人に満たない集団を追いかけるには大袈裟な戦力だな。

「残りは、貴族の私兵が百で、二つの傭兵団が四百ずつ」

 貴族の私兵は寄せ集めだから、それほど驚異にはならない。主を守るのが主任務だし、主が最前線に出るのを止めるだろうから、彼らが戦闘の矢面に立つことはないだろう。

 傭兵団の方は、王都にいた傭兵団は三つあった。その内の一つは依頼を断ったのか声がかからなかったのか知らないけど、二つか……。
 団の名前からすると、以前ユリアーナと御影さんが予想した通り、挨拶回りの初日と三日目の傭兵団だった。侮ってくれたのかな?

「貴族はどれくらい参戦してるの?」
「旗の数は三十七家。その内、私兵を率いてるのは七家。残りは、寄親の私兵として参戦してるみたい」
「エミーリエさんの実家の旗はあった?」

 ザウアー男爵家の旗があったらやりにくい。

「確認してもらったけどなかったわ。ザウアー男爵家の寄親の侯爵家が実質の総大将としてあったけど」

 名目上の総大将は【火の勇者】だ。けど、彼に軍事がわかるとは思えないから、実質の総大将はその侯爵家の者だろう。
 あ、ちなみに、すぐそこの伯爵家を乗っ取ろうとしてた侯爵家とは別の侯爵家だ。どちらも家名を聞いたけど、興味がないので記憶に残っていない。

「なら、その侯爵が総大将なの?」
「侯爵公子ね。侯爵家の跡取りに手柄を立てさせようってことかしら」
「その公子は、軍事に詳しいのかな?」
「どうかしら? そうは見えなかったわよ。ただ、お供の騎士は、私が見ても強そうだったわ」

 それなら、その騎士が本命の総大将か。
 というか、姉さんが「強そう」って言うのは珍しいな。気を引き締めた方が良さそうだ。

「兵科に関しては、王軍は魔術兵。私兵はほぼ騎兵。傭兵団はほぼ歩兵ね。弓兵は必要ないって思ったのか、弓を持ってる兵は殆どいなかったわ。馬車の積み荷も調べたけど、そちらは夜営具と食料だけだった」
「後から物資を届けに来るような動きは?」

 僕の質問に、ロジーネ姉さんが首を横に振る。

「そもそも、進軍速度と位置からして、戦うつもりがあるのか疑わしいのよ」

 そう言って立体映像を示した場所は、連中が夜営するだろうと予想した場所を越えて、こちらの近くだった。

「しかも、今現在も移動中」
「待って。それって」
「うん。夜通しの行軍で私たちとの距離を詰めるつもりみたい」

 やっぱり夜通しで進軍するのか。
 そうだよな。普通なら、ヴィンケルマン士族とフーベルトゥス士族の連合軍が先に接敵するはずだ。それが王軍の方が先だなんておかしいとは思った。けど、もしかしたら、昨日も強行軍だったんじゃないかな。それなら、この進軍速度にも説明がつく。
 でも、それなら。

「なら、尚更、休息が必要だろう?」
「侮ってるのかねぇ? まあ、貴族たちは馬車で移動しながら寝れてるから、疲れてないでしょうね」

 ああ、それで馬車が多いのか。

「もしかして、今日中に仕掛けてくる?」

 今日は予想した夜営地で休息して、明日の昼前後くらいに対峙することになると思ってたんだけど……。

「それはない。と言いたいけど、現在地からすると、あり得る」

 城壁の上から〈遠見〉を使えば見えるはずだ。

「このペースなら、昼過ぎくらいに対峙することになりそうだな」

 今はまだ、昼前だ。
 周辺の立体図に配置された王軍を表す三角形の上の数値は速度だろうか。
 んー? 速いか?

 孫子の軍争編にもあるけど、軍が一日で進む距離を一舎という。
 約三十里だ。
 単純計算だけど、一里を五百メートルとして三十里は十五キロ。
 ちょっとブラックだけど、一日八時間歩き続けるとして、これを時速にすると二キロ弱。成人男性の歩く速度が四キロちょっとだから、ゆっくりだ。いや、鎧を着てたらそんなもんか。
 けど、三角形の上の数字は三キロちょっと。速すぎる。
 クラスとかスキルがある世界だからこそ可能なのか?

「縁。偵察ドローンの、リアルタイム映像は出せる?」

 周辺の立体映像が消えて、王軍を上空から写したドローンの映像が映し出される。

「……なんで戦旗を揚げてんだ?」

 なぜか、所々で交戦意思を示す戦旗がはためいている。
 気が早いよ。

「それと……どことなく疲れてるような印象だな」
「それは、歩き続けてるからでしょうね。クラスやスキルがあっても、疲労がなくなるわけじゃないからね」

 そんなことを言う割りに、あちこち飛び回ってるロジーネ姉さんは疲れた顔を見せないよね。あ、ベッドでは……いや、あれは疲れた顔じゃないか。

「兄さん。そろそろ見える頃でしょうから、方針を決めましょう」
「ん。そうだな。……うん。殲滅で」

 悩む必要もなく、彼我の戦力差からそうなってしまうだろう。なんせ、【軍神】とか【戦神】とかが沢山いるんだもん。

「ただし、逃げる敵は放置で。あと、迫撃砲の実戦テストをしたいな」
「一応、注文通りの二十門だけ作りました」
「ほんじゃあ、陣形は中央に狐部隊と俺。狐の指揮はマーヤ。補佐にエミーリエさん」

 従軍経験のないマーヤより、元騎士のエミーリエさんの方がいいだろうけど、狐部隊の指揮官はマーヤだ。

「狼部隊は二手に分けて左右両翼に。右翼の指揮はユリアーナ。左翼はエルフリーデ。迫撃砲は左右それぞれ十門ずつ配備。蛙部隊はここでお留守番」

 一度区切って意見がないか見渡す。
 特になさそうだ。
 いや、縁が手を挙げてる。

「迫撃砲の運用で一つ。各砲のコリメータとか射程照準は、仮面にリンクできるようにしてあります。基準点と着弾散布範囲を決めれば、後は引き金を引くだけで大丈夫です。弾は榴弾しか用意してませんが、各砲に十発ずつ行き渡ります」
「そんなに要らないだろう。最初の一斉射で充分だと思うよ」
「え? 弾幕で黙らせるつもりでいました」

 死人は黙るしかないけど、二十門、それぞれ一発ずつで充分な戦果になると思うよ。
 ところで、仮面に送られてきたスペックシートを見て思ったんだけど、これって火薬を使ってないのか? 魔法で榴弾を再現したのか?

「最後に、安全装置が間に合いませんでしたので、プラーナを込めたら、三秒以内に発射しないと暴発します」

 不良品じゃないか。

「安全性より、兄さんの思い付きを再現する方を優先しました」

 違った。不良品なのは、義妹の頭だった。

 あっ! 前に45口径三連装レールガンを搭載した扶桑の話で盛り上がったけど、造ってないよな?
 そうだ! フルオリハルコン装甲のロマン戦車の話もしたな。

 戦車なら使い道があるから、作って良し。けど、航空戦艦はあっても困る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

異世界営生物語

田島久護
ファンタジー
相良仁は高卒でおもちゃ会社に就職し営業部一筋一五年。 ある日出勤すべく向かっていた途中で事故に遭う。 目覚めた先の森から始まる異世界生活。 戸惑いながらも仁は異世界で生き延びる為に営生していきます。 出会う人々と絆を紡いでいく幸せへの物語。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

半分異世界

月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。 ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。 いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。 そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。 「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界

異世界隠密冒険記

リュース
ファンタジー
ごく普通の人間だと自認している高校生の少年、御影黒斗。 人と違うところといえばほんの少し影が薄いことと、頭の回転が少し速いことくらい。 ある日、唐突に真っ白な空間に飛ばされる。そこにいた老人の管理者が言うには、この空間は世界の狭間であり、元の世界に戻るための路は、すでに閉じているとのこと。 黒斗は老人から色々説明を受けた後、現在開いている路から続いている世界へ旅立つことを決める。 その世界はステータスというものが存在しており、黒斗は自らのステータスを確認するのだが、そこには、とんでもない隠密系の才能が表示されており・・・。 冷静沈着で中性的な容姿を持つ主人公の、バトルあり、恋愛ありの、気ままな異世界隠密生活が、今、始まる。 現在、1日に2回は投稿します。それ以外の投稿は適当に。 改稿を始めました。 以前より読みやすくなっているはずです。 第一部完結しました。第二部完結しました。

チャリに乗ったデブスが勇者パーティの一員として召喚されましたが、捨てられました

鳴澤うた
ファンタジー
私、及川実里はざっくりと言うと、「勇者を助ける仲間の一人として異世界に呼ばれましたが、デブスが原因で捨てられて、しかも元の世界へ帰れません」な身の上になりました。 そこへ定食屋兼宿屋のウェスタンなおじさま拾っていただき、お手伝いをしながら帰れるその日を心待ちにして過ごしている日々です。 「国の危機を救ったら帰れる」というのですが、私を放りなげた勇者のやろー共は、なかなか討伐に行かないで城で遊んでいるようです。 ちょっと腰を据えてやつらと話し合う必要あるんじゃね? という「誰が勇者だ?」的な物語。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

処理中です...