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2章
24話 三日間の成果
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予定した最短の三日間で三人が帰還した。
一番早かったのは、一番遠くて一番深いダンジョンのはずのユリアーナ。
昼過ぎに帰ってきた。
なんでも、愛馬のザビーネを全力で走らせ続けたらしい。三日間も。
冗談かと思ったけど、拠点に到着した途端、ザビーネが崩れ落ちて眠ってしまったのを見たから、本当だろう。ん? ユリアーナも寝てないの?
「私はザビーネの背中で細々と寝てたわよ」
……動物愛護協会を、異世界に作ろうかな。
マーヤとロジーネ姉さんは、一緒に帰ってきた。
姉さんはのんびり帰っていたのだけど、帰り道の途中でやたらと速く動く気配があったから見に行ったらマーヤだった。
一秒でも早く僕に会いたいマーヤに急かされて一緒に帰ったのだそうだ。ペガちゃんはグッタリしていた。
そういえば、最近、マーヤの愛馬のスルメが、僕をキラキラした目で見てるんだけど、あれってなんなんだろう。
神獣って知能が高いから、狂信者に洗脳された?
……有り得るな。有り得るか? 仮にも神獣だぞ。
*
全員揃ったので情報交換をする。
ゲストとして、生徒会長と書記の先輩を拉致、もとい、招待した。
まず、二人には、僕らが計画している異世界送還計画の進捗を教える。
魔法自体は完成した。
けど、それを起動させる魔力が不足していること。
僕の魔力だけでは足りないこと。
地脈のマナを消費し尽くすと土地が死んでしまうこと。
代用品として魔石を使用すること。
普通の魔石ではなく、ダンジョンマスターの魔石か、ダンジョンコアを使用すること。
それでも沢山必要で、王都周辺のダンジョンではこれ以上を望めないので、西に移動すること。
それらを、御影さんが時間をかけて丁寧に説明していたら、夕食時になったので、二人にもうちで食事してもらうことになった。
夕食は、これぞ異世界飯のドラゴンステーキ。
城での食事は質素だったらしく、二人とも感動していた。
食い物の恨みは怖いから、城で二人の帰りを待ってる連中に、知られないようにしないとね。
と、思ってたら、由香と由希が大量のキャラメルや金平糖などのお菓子をお土産に持たせた。
なんでも、縁が作った農場魔道具の実験で、大量のサトウキビを育てて黒糖を作ったそうだ。それを縁が作った遠心分離機で白砂糖にしたので、これからはデザートも期待してほしいと言われた。
食の充実は有難い。
食後は、御影さんが空間転移で二人を送る。
あの城、空間転移を防げないんだ。
大国の王がいる城にしては、セキュリティがザルだな。
御影さんが戻ると、ユリアーナたちの成果を聞く。ザビーネは、まだ寝たまま。
リビングに行くと、テーブルに大量のポテチと炭酸飲料が用意されていた。
ポテチは何度か食べたけど、芋の味が美味しくなかったはず。そう思いながら一つ摘まんでみると、日本のあのポテチだった。
これも農場魔道具で品種改良して育てたのだそうだ。次は海苔塩も作ってください。
炭酸は……いまいち。
炭酸水に砂糖とレモンを混ぜただけ。由香が言うには、嗜好品は後回しにしたいのだそうだ。
ポテチは? ポテチも嗜好品だよね? あれ? 君たち炭酸飲めないの? 目を逸らすなよ。それ、オレンジジュースだよね? 無炭酸だよね? ほれ、これ飲んでみ? ……うん。派手にむせたね。
炭酸飲料の研究もお願いします。
まず、ユリアーナから成果を発表する。
ユリアーナが向かったダンジョンの最下層は、地下九十七階。
ダンジョンマスターはオリハルコンゴーレム。王都のダンマスより苦戦したそうだ。
と言っても、一発目を弾かれただけで、二発目で表面を砕き、三発目はコアを素手で抉り取ったので、ザビーネの休む時間には足りなかった。
お土産のオリハルコンゴーレムの残骸に、縁が大喜び。「これでティーガーⅢが。いや、あえて一号戦車から……」とブツブツ呟いていたので、無視してユリアーナに報告の続きを促す。
ダンマスの魔石は、やはり王都のダンマスの物より大きかったけど、魔力量が僅かに少なかった。
期待はしていなかったけど、予想通りでちょっと残念。
放置したダンジョンコアも同様で、王都の物より少し小さく、魔力量も少なかった。
次はマーヤ。
マーヤが担当したダンジョンの最下層は、地下七十九階。
国の調査によると、九十くらいと予想されていたけど、予想より浅かった。
このダンジョンは、あまり探索が進んでいなかったようで、下層は宝箱だらけだったそうだ。といっても、数が多いだけで珍しい魔道具はなく、一番有り難かったのは、なんの変哲もない金塊だった。
ダンジョンマスターは、三つ首のヒュドラ。
首ではなく、最初から心臓を狙ったので瞬殺。それぞれの首がどんな攻撃をするのか聞きたかったのに。
魔石は、オリハルコンゴーレムより大きく、魔力量は少ない。
ダンジョンコアもユリアーナが担当したのと同様だった。
このダンジョンは、中層にミノタウロスの巣があるらしい。探索の邪魔になっているし、生息する他の魔物の素材も旨味がないので冒険者の人気がないようだ。
なので、下層は魔物が溢れていて、近々氾濫していたかもしれない状態だったようだ。
ミノタウロスの巣は面倒なので放置したそうだけど、それくらいは国軍がなんとかするだろう。もしくは勇者が?
ロジーネ姉さんのダンジョンは地下六十二階まで。
浅かったけど、途中に有毒ガスで満たされたフロアがあって、少し足止めされたらしい。ほんの十分ほど。……それ、"足止め"って言わないよ。
ダンマスはでっかいトカゲ。
ノッソリ動き出したところで、ペガちゃんが頭を踏み潰して絶命したそうだ。
魔石は、大きさの割りに魔力量が少なく、球体には程遠い歪な形だった。
ダンジョンコアも予想通り、一番魔力量が少なかった。
で、結論は、今回の三つの魔石を使っても、送還魔法に必要な魔力量に遠く及ばない。
しかし、オリハルコンゴーレムの魔石は、僕の防具に使いたいと、縁が確保してしまった。
防具ねぇ。鎧は重いから着たくないよ。防具は、このスーツだけで充分でしょ。
「自動防御兵装です」
なにそれ、かっけぇ。響きがかっけぇ。
是非、お願いします。
*
本日最後は、僕からの報告。
先日ギルマスから聞いた、傭兵団の作り方だ。
旗だらけでうんざりしていたけど、ミアとシュェだけは「作り甲斐がある」と、楽しそうに聞いていた。
とりあえず、他の傭兵団に挨拶してから申請するのが無難だろうということになり、団旗ができたら、御影さんとユリアーナを連れて挨拶に行くことになった。
「ミア。団旗のデザインだけど、いくつかデザイン案を作って、みんなで決めよう。俺からの案は、蛙と狼と狐と猫を入れてほしい」
『他力本願』の最初の四人だ。それがわかったのか、ロジーネ姉さんが嬉しそうに微笑んだ。
他に相応しいのがあれば、そちらを選ぶけどね。
この後の話し合いにより、帥旗のデザインは、案が蛙一択だったのですぐに決まった。
僕の案である、漢字の"帥"一文字は、マーヤ以外から却下された。今夜はマーヤを徹底的に可愛がろう。
指揮官旗に関しては、とりあえずユリアーナとマーヤだけ作ることになった。
そんなわけで、三日後くらいを目安に、団旗を決める話し合いをすることになり、この日は解散となった。
ちなみに、ザビーネは翌日の朝まで起きなかった。
一番早かったのは、一番遠くて一番深いダンジョンのはずのユリアーナ。
昼過ぎに帰ってきた。
なんでも、愛馬のザビーネを全力で走らせ続けたらしい。三日間も。
冗談かと思ったけど、拠点に到着した途端、ザビーネが崩れ落ちて眠ってしまったのを見たから、本当だろう。ん? ユリアーナも寝てないの?
「私はザビーネの背中で細々と寝てたわよ」
……動物愛護協会を、異世界に作ろうかな。
マーヤとロジーネ姉さんは、一緒に帰ってきた。
姉さんはのんびり帰っていたのだけど、帰り道の途中でやたらと速く動く気配があったから見に行ったらマーヤだった。
一秒でも早く僕に会いたいマーヤに急かされて一緒に帰ったのだそうだ。ペガちゃんはグッタリしていた。
そういえば、最近、マーヤの愛馬のスルメが、僕をキラキラした目で見てるんだけど、あれってなんなんだろう。
神獣って知能が高いから、狂信者に洗脳された?
……有り得るな。有り得るか? 仮にも神獣だぞ。
*
全員揃ったので情報交換をする。
ゲストとして、生徒会長と書記の先輩を拉致、もとい、招待した。
まず、二人には、僕らが計画している異世界送還計画の進捗を教える。
魔法自体は完成した。
けど、それを起動させる魔力が不足していること。
僕の魔力だけでは足りないこと。
地脈のマナを消費し尽くすと土地が死んでしまうこと。
代用品として魔石を使用すること。
普通の魔石ではなく、ダンジョンマスターの魔石か、ダンジョンコアを使用すること。
それでも沢山必要で、王都周辺のダンジョンではこれ以上を望めないので、西に移動すること。
それらを、御影さんが時間をかけて丁寧に説明していたら、夕食時になったので、二人にもうちで食事してもらうことになった。
夕食は、これぞ異世界飯のドラゴンステーキ。
城での食事は質素だったらしく、二人とも感動していた。
食い物の恨みは怖いから、城で二人の帰りを待ってる連中に、知られないようにしないとね。
と、思ってたら、由香と由希が大量のキャラメルや金平糖などのお菓子をお土産に持たせた。
なんでも、縁が作った農場魔道具の実験で、大量のサトウキビを育てて黒糖を作ったそうだ。それを縁が作った遠心分離機で白砂糖にしたので、これからはデザートも期待してほしいと言われた。
食の充実は有難い。
食後は、御影さんが空間転移で二人を送る。
あの城、空間転移を防げないんだ。
大国の王がいる城にしては、セキュリティがザルだな。
御影さんが戻ると、ユリアーナたちの成果を聞く。ザビーネは、まだ寝たまま。
リビングに行くと、テーブルに大量のポテチと炭酸飲料が用意されていた。
ポテチは何度か食べたけど、芋の味が美味しくなかったはず。そう思いながら一つ摘まんでみると、日本のあのポテチだった。
これも農場魔道具で品種改良して育てたのだそうだ。次は海苔塩も作ってください。
炭酸は……いまいち。
炭酸水に砂糖とレモンを混ぜただけ。由香が言うには、嗜好品は後回しにしたいのだそうだ。
ポテチは? ポテチも嗜好品だよね? あれ? 君たち炭酸飲めないの? 目を逸らすなよ。それ、オレンジジュースだよね? 無炭酸だよね? ほれ、これ飲んでみ? ……うん。派手にむせたね。
炭酸飲料の研究もお願いします。
まず、ユリアーナから成果を発表する。
ユリアーナが向かったダンジョンの最下層は、地下九十七階。
ダンジョンマスターはオリハルコンゴーレム。王都のダンマスより苦戦したそうだ。
と言っても、一発目を弾かれただけで、二発目で表面を砕き、三発目はコアを素手で抉り取ったので、ザビーネの休む時間には足りなかった。
お土産のオリハルコンゴーレムの残骸に、縁が大喜び。「これでティーガーⅢが。いや、あえて一号戦車から……」とブツブツ呟いていたので、無視してユリアーナに報告の続きを促す。
ダンマスの魔石は、やはり王都のダンマスの物より大きかったけど、魔力量が僅かに少なかった。
期待はしていなかったけど、予想通りでちょっと残念。
放置したダンジョンコアも同様で、王都の物より少し小さく、魔力量も少なかった。
次はマーヤ。
マーヤが担当したダンジョンの最下層は、地下七十九階。
国の調査によると、九十くらいと予想されていたけど、予想より浅かった。
このダンジョンは、あまり探索が進んでいなかったようで、下層は宝箱だらけだったそうだ。といっても、数が多いだけで珍しい魔道具はなく、一番有り難かったのは、なんの変哲もない金塊だった。
ダンジョンマスターは、三つ首のヒュドラ。
首ではなく、最初から心臓を狙ったので瞬殺。それぞれの首がどんな攻撃をするのか聞きたかったのに。
魔石は、オリハルコンゴーレムより大きく、魔力量は少ない。
ダンジョンコアもユリアーナが担当したのと同様だった。
このダンジョンは、中層にミノタウロスの巣があるらしい。探索の邪魔になっているし、生息する他の魔物の素材も旨味がないので冒険者の人気がないようだ。
なので、下層は魔物が溢れていて、近々氾濫していたかもしれない状態だったようだ。
ミノタウロスの巣は面倒なので放置したそうだけど、それくらいは国軍がなんとかするだろう。もしくは勇者が?
ロジーネ姉さんのダンジョンは地下六十二階まで。
浅かったけど、途中に有毒ガスで満たされたフロアがあって、少し足止めされたらしい。ほんの十分ほど。……それ、"足止め"って言わないよ。
ダンマスはでっかいトカゲ。
ノッソリ動き出したところで、ペガちゃんが頭を踏み潰して絶命したそうだ。
魔石は、大きさの割りに魔力量が少なく、球体には程遠い歪な形だった。
ダンジョンコアも予想通り、一番魔力量が少なかった。
で、結論は、今回の三つの魔石を使っても、送還魔法に必要な魔力量に遠く及ばない。
しかし、オリハルコンゴーレムの魔石は、僕の防具に使いたいと、縁が確保してしまった。
防具ねぇ。鎧は重いから着たくないよ。防具は、このスーツだけで充分でしょ。
「自動防御兵装です」
なにそれ、かっけぇ。響きがかっけぇ。
是非、お願いします。
*
本日最後は、僕からの報告。
先日ギルマスから聞いた、傭兵団の作り方だ。
旗だらけでうんざりしていたけど、ミアとシュェだけは「作り甲斐がある」と、楽しそうに聞いていた。
とりあえず、他の傭兵団に挨拶してから申請するのが無難だろうということになり、団旗ができたら、御影さんとユリアーナを連れて挨拶に行くことになった。
「ミア。団旗のデザインだけど、いくつかデザイン案を作って、みんなで決めよう。俺からの案は、蛙と狼と狐と猫を入れてほしい」
『他力本願』の最初の四人だ。それがわかったのか、ロジーネ姉さんが嬉しそうに微笑んだ。
他に相応しいのがあれば、そちらを選ぶけどね。
この後の話し合いにより、帥旗のデザインは、案が蛙一択だったのですぐに決まった。
僕の案である、漢字の"帥"一文字は、マーヤ以外から却下された。今夜はマーヤを徹底的に可愛がろう。
指揮官旗に関しては、とりあえずユリアーナとマーヤだけ作ることになった。
そんなわけで、三日後くらいを目安に、団旗を決める話し合いをすることになり、この日は解散となった。
ちなみに、ザビーネは翌日の朝まで起きなかった。
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