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1章
25話 幸せな目覚めと妹の将来
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右足の指に違和感を感じて目が覚める。
適温を保つ天幕での目覚めは快適だった。
顔を左に向けると、僕の腕枕で眠るユリアーナ。
綺麗な寝顔を見てると、悪戯心がひょっこり顔を出す。
頬をツンツンしてみると、寝顔がフニャッと笑う。ヤバい。幸せすぎて死ぬかも。てか、寝たふりしてるよね?
ん? 左手の感覚がない。ユリアーナの頭越しに見える左手は、紫色に変色している。そっと頭をずらす。うん。痺れない。暫くすれば、感覚も戻るだろう。……大丈夫だよね?
さて、問題は足だ。さっきからピチャピチャ音がする足だ。うん。見なくても大体わかるからスルーしたいんだけど、そういうわけにもいかない。
昨晩は、理性さんが外宇宙に旅立ってから、ちょっとばかりはしゃぎすぎた。反省してる。後悔はしてないけど。
一番反省しなければいけないのは、マーヤに対してだろう。
やりすぎた。
具体的に言うと、性感強化が強すぎた。
みさくら語って、フィクションの中だけだと思ってたけど、実在したんだなぁ。
で、その結果が、今、足元にある。
そう。足から聞こえる水音だ。
顔を下に向ける。朝の生理現象の愚息越しに、全裸のマーヤが僕の足の指を丁寧に舐めているのが見える。くすぐったい。
童貞は捨てれたけど、大事なものも一緒に捨ててしまったかもしれない。マーヤの人間としての尊厳とか。
しっかし、昨日ははしゃぎすぎた。自家発電でもあんなには出な……ああ、なるほど。愚息を鑑定したわけではないんだけど、理由がわかった。〈精力絶倫〉と〈性技〉を取得してる。しかも、それぞれレベル9と8だ。どんだけ盛ったんだよ。ん? 〈毒無効〉と〈麻痺無効〉もある。寝てる間に毒を盛られた? 〈呪い無効〉? え? 〈隷属無効〉もある。どうやったの? クラスの変更はできないから、【奴隷】にはなれないんだよ? いや、そうでもないか。クラスに関係なく、〈契約魔法〉で隷属させれば、勇者でも奴隷にできるか。この二人のことだから、〈契約魔法〉で隷属化を弱めに使い続けたのだろう。首輪をされた感じもない。てか、隷属の首輪って、〈契約魔術〉では補助具として必要だけど、魔法になると不要になるらしい。
あ、ヤバい。外から気配が近づいてくる。今、天幕を開けると、ちょっと不味い。
入り口は僕の足の方向。天に向く愚息越しの、さらにマーヤ越しに入り口がある。
その入り口が開き。
「平賀君。そろそ……」
顔を覗かせた先生が固まる。目が合っちゃった。
「お兄ちゃん。朝な……」
「兄ちゃん。朝だ……」
由香と由希も続き固まる。
てことは、最後の気配は。
「兄さん。起き……てますね。兄さんの兄さんも起きてますね」
一瞬思考停止して、普通に下ネタを言われた。妹の下ネタって、心に来る。
「今から寝たふりって、できないかな?」
なかったことにできれば最上。
「できないわね」
耳元でユリアーナに囁かれて、愚息が反応する。落ち着きなさい。
「とりあえず、着替えるから、外に出てくれるかな?」
顔を赤くした先生が、興味津々の双子を引っ張り、出ていく。縁はまだ覗いて、って、入ってくるな。あ、先生に襟首捕まれて出ていった。妹の将来が心配。
ゆっくりと体を起こすユリアーナの裸体に、喉が鳴る。
「さすがに、今からはやめようね? マゴイチの耐性スキルで結構疲れてるの」
「私は、御主人様がお望みでしたら」
お望みではありません。
成長チートの最終日に、〈精力絶倫〉と〈性技〉を育てるような、アホなことはしません。まあ、あと少しでカンストするんだろうけど。
「あれ? 俺の服は……って下着、できたんだ」
僕に背を向けてブラを着ける姿に、「もう一回くらいなら」っと過った邪な考えを振り払う。てか、そのどっかのルーラーみたいな服はなに? それも作ったの? 聖女になりたいの? あ、【武神】だった。へぇ、これも神様じゃないんだ。
「マゴイチの服も作っといたから」
そう言って収納空間から出したのは、高そうなスーツ。
「マゴイチの記憶にあった、某高級ブランドのスーツを再現してみた」
「革靴と時計も作っておきました」
一瞬で着替え終わったメイド服のマーヤが、僕の着替えを手伝おうとする。
「このスーツ、素材はなに? 肌触りはシルクっぽいけど、なにか違うよね?」
ちょっと引っ張ってみると、伸縮性も高い。指で押してみても伸びるだけ。離すと元に戻る。形状記憶? シルクより触り心地がいい。あ、ワイシャツとネクタイもか。
「シルクベースに、ミスリル糸を編み込んでみた。人蜘蛛族の糸もあれば、もっと柔軟で丈夫な服ができるんだけどね」
人蜘蛛族とは、日本でいうアラクネのことだ。
「このボクサーパンツも?」
「ええ。そっちは、マーヤが特に丈夫にしたいって、ミスリルが多めに使われてるわ」
股間より心臓を守ってくれ。
こっちの触り心地は少し固いけど、布の範疇に収まる固さだ。
愚息も鎮まったからパンツを穿く。
マーヤが穿かせようとするけど、必死に抵抗した。またオッキしちゃうじゃないか。
「おう? これは……思った以上にいいな」
日本で買ったボクサーパンツより、しっくりくる。
僕の必死の抵抗で気落ちしてしまったマーヤにお願いして、残りはマーヤに着せてもらう。なんか照れるな。
てか、ネクタイを締める時って、こんなに顔が近づくの? 顔が熱い。仮面……近くにないな。あー、もう、なんでそんなに嬉しそうなんだよ。
「はい。新しい仮面。王樹製よ」
差し出された仮面は、日本から持ち込んだ仮面と同じデザインの、蛙の仮面だ。ただ、のっぺりして……ああ、穴がないのか。目のとこに穴がないけど、大丈夫なの? まあ、それはともかく。
「古いヤツは?」
あれはあれで、いつか【斧の勇者】に返したい。
僕の中では、あの仮面を返すことで、イジメられた過去と決別できるような気がして、「どうしても」というわけではないけれど、必要な儀式みたいなものになっている。だから、大事にしているわけじゃあないが、捨てられたくはない。
「そのスーツとこのコートのポケットには、収納空間を付与しておいたから、コートの方に入れてあるわよ。必要な物でしょ?」
理解のある妻で嬉しいよ。
ユリアーナから受け取ったコートを着てみようとして、マーヤに奪われ、着させられた。僕の世話は、義務じゃないよ。てか、コート軽っ!
ポケットに手を入れると、ニュルっとした感覚と共に、頭の中にポケットの中の情報が流れ込む。これは……容量は決まっているのか。それでも大きいな。自動車くらいは入るか?
右のポケットの収納空間に、一つだけポツンと古い仮面がある。それを手繰り寄せるようにイメージすると、仮面がスッと手に収まる。触り慣れたプラスチックの感触になぜかホッとした。
とりあえず出して、目で確認したら、そのままポケットの収納空間に仕舞う。
ユリアーナから新しい仮面を受け取る。重さを感じないくらい軽いし、触るまで木でできてるとはわからなかった。あれ? ゴム紐がついてないけど、このまま被るの?
仮面を顔に当てると、吸い付くように顔に張り付く。やっぱり重さを感じない。息苦しさもない。それと、仮面が視界を妨げない。目の穴が開いてないのに。どうなってるの? あ、これ、口の所が外れるようになってる。食事用?
「王樹製だから、ミスリルの剣で切られた程度じゃ傷つかないわよ」
王樹の無駄使いだな。
「私も仮面を被ることにしました。これです」
マーヤが狐の仮面を被る。見た感じ、これも王樹製か。これも目の部分に穴がないから、オッドアイを見られずに済むだろう。
「ユカちゃんとユキちゃんも顔を隠さないと双子ってバレるから、マゴイチとお揃いの仮面にしといたわ」
「マーヤは、同じじゃなくて良かったの?」
「御主人様と同じだなんて、畏れ多いです」
大袈裟な。
着替え終わったし、忘れ物はない、よね?
「ハンカチをお忘れです」
綺麗に折り畳まれた白いハンカチをマーヤから受け取り、ポケットに突っ込む。これも作ったのか。寝る時間、足りた?
天幕から出ると、妹が待ち構えていた。
僕の姿をジッと見つめる。
「好きです」
妹に告白された。
「凄く似合ってます」
そう言って写メる妹の目は、ストーカーのそれだった。そろそろ、バッテリー切れになると思うよ。
見上げると、太陽は完全に昇っていた。大体、八時か九時くらいか? あ、時計があるんだった。マーヤのことだから、時間も合わせてるんだろう。見ると、九時過ぎだった。
「ストーカーは放置して、朝御飯、作ろっか」
ユリアーナがテーブルに出した食材からメニューを考える。
ユリアーナとマーヤは料理を作れるけど作らせない。少なくとも今日は。
僕の〈調理〉スキルをカンストさせるのが目的だけど、それ以外にも理由がある。
この二人の料理は、普通なんだ。昨日、一昨日の探索で二人の料理を食べた感想は、"普通"だ。しかも、【料理人】クラスと〈調理〉スキルをカンストさせたのに、"普通"なんだ。僕とおっちゃんが作った料理の方が美味かった。
僕としては、好きな女の子の手料理を食べれる感動で舞い上がっていたのに、一気に地べたへ叩き落とされた気分になった。なにが楽しくて、四十手前のおっちゃんの手料理を食べにゃあならんの?
それなら僕が作るよ、と作ったので、スキルレベルがカンスト間際なんだ。
そんなわけで、先生や双子には期待している。僕のスキルがカンストしなくても、三人には明日から、早ければ今日から料理を任せたい。やっぱ、女性の手料理を食べたいじゃん?
縁? ストーカーが作った料理は怖いな。なにが入ってるやら。
そんなこんなで、朝御飯を作りながら、今日の予定を話す。
本日から十日ほどダンジョンに籠ろうと思う。
目的の一つは、僕が武器系のスキルか、支援以外の魔法系スキルを取得する。
二つ目は、四人を鍛える。これは強制はしない。けど、自衛できる程度の強さか、お金を稼げるだけのスキルの取得が、最低ラインだ。
三つ目は資金集め。現在、手持ちのお金は、中金貨二枚と小金貨一枚。それと、大銀貨五枚と中銀貨四枚。あと、銅貨以下が数十枚。
七人でしばらく暮らすには充分だけど、僕はこの国を出たいから、旅費として見たらちょっと少ない。
「マゴイチ。冒険者登録の前に、【奴隷】と【解放奴隷】をカンストさせたいから、今から強化をよろしく」
「食事ができるまでの時間で、〈剣術〉とかの武器系スキルも取得させといて」
贅沢を言えば、〈気配察知〉とか〈魔力感知〉とかも取得しといてもらえると、楽になる。まあ、食事が出来上がる方が早いと思うけど。
「あと、身体強化にも慣れてほしいから、身体強化1もお願いね」
使う食材だけ分けながら、「あいよ」と軽く返事して、四人にパスを伸ばす。
プラーナが多めなので、僕の感情の色が見えたのだろう、四人が僕をジッと見つめる。なんか言ってほしい。
使わない食材を、収納空間に戻してもらいながら〈支援魔法〉を使う。
調理しながら四人の反応を横目で見る。先生と双子は普通に驚いているが、一人、ちょっと違う反応をしている。
「これは……厨二病が喜びそうですね。"こ、これが俺の本当の力か"とか、言いたくなるんじゃないですか?」
妹よ。それを言ったのは、お前が初めてだ。
「縁は、ラノベとか、そういうの好きなの?」
同じ家に住んでいても、話す機会があんまりなかったから、妹の趣味を全く知らない。真面目そうに見えるから、てっきり、純文学しか読まないんだと思ってた。
「兄さんの家に不法侵入して、兄さんが読んでる本を読んだだけですよ」
「お巡りさん、こいつです」
妹の将来が心配です。
「私の将来が心配なら、兄さんが貰ってくれればいいんですよ。全て解決です」
「異世界自分ルールってのを作ってね。"第三条、十八才未満には手を出さない"って決めたんだよ」
納得いかないようだったけど、ユリアーナに呼ばれて離れていった。
*
朝食はパパっと作れるメニュー。サラダとベーコンエッグとフライパンで暖めたパンだ。胡椒がほしいな。
「これはワインですか?」
先生が、木製のコップの中を嗅いで聞く。
「水の代わりですね。ワイン以外だと、果実水がありますけど、今は冬ですから、果実水を飲もうと思ったら銀貨が飛んでいきます」
王都の井戸水は汚いから、湯冷ましも嫌。〈水魔術〉では、効率が悪すぎる。〈水魔法〉で出すって手もあるけど、魔法が一般的ではない。お金の節約のためには、ユリアーナかマーヤにお願いするのが正解なんだろうな。
それにしても、新しい仮面の使い心地を知りたくて仮面を被って食事してるけど、口の部分を着脱できるギミックは便利だ。
「縁? どうかした?」
ぼんやり僕を見つめている縁に気づいて、声をかけてみた。
「ん。兄さん、夜はオラオラ系になるんだなって」
妹に性癖を知られるのって、精神的なダメージが凄いな。
「ユリアーナ姉さんが、あんなに甘えるなんて思わなかったし」
やめたげて。首まで赤くなって悶えてるよ。
「マーヤ姉さんは……ノーコメントで」
うん。俺もコメントしたくない。
「あれなら、私が加わっても大丈夫そうですよ? どうしてもダメですか?」
「んー。年上がいい」
って、わけじゃないけど、ユリアーナとマーヤは年上だから、この言い訳が使えるんじゃないかな?
「え? じゃあ、先生は?」
なぜ、ここで先生が出てくるの? あと、先生、構えないで。ちょっと傷つきますよ。
「人妻はちょっと……」
あからさまにホッとしないでください。普通に傷つきましたよ。
「正直、ハーレムはフィクションだからいいんだと思うよ」
マーヤにまで手を出した僕が言うことじゃないけどね。
「能動的にハーレムを作る気はないけど、受動的にできてしまったら受け入れる、と?」
まあ、そんな感じかな。
僕は、ユリアーナさえいればいい。
マーヤは狂信者にしてしまった責任を少しだけ感じているし、オッドアイが一人で生きるには辛い世界だから、一緒にいてほしいと思う。ぶっちゃけ、マーヤに関しては僕の傲慢というか我儘だな。僕ならマーヤを救えるという、自惚れだ。
「まあ、その辺りは、外堀から埋めて、駒を射れば、自分ルールも改正するでしょう」
「縁は可愛いんだから、積極的に動かれると困る」
「だから、やめてほしい」と続けようとしたら、食い気味に「頑張ります」と言われた。
妹の将来が心配です。
「ところで、避妊してなかったようですけど、大丈夫ですか?」
そんなとこまで? 覗いてたのは知ってたけど、ユリアーナとマーヤに夢中で気にしなかった。がっつり覗いてたんだな。
「異種族間では、子供ができにくいのよ」
「子供って、どっちの種族が産まれるんですか?」
「母親の種族が産まれるそうよ」
「私の子供は、妖眼になるのでしょうか」
マーヤが不安そうに呟く。
俯くマーヤの頭に、軽くチョップ。
「自分で妖眼って言わない。俺はその目、神秘的で綺麗だと思ってるんだよ」
チョップした手で、そのまま頭を撫でる。
マーヤは小さく「有難う御座います」と言った。ワッサワッサと、尻尾が感情を出しすぎてるよ。
あと、縁のサムズアップがなんかウザい。
「さすが兄さんです。そうやって、私たちも攻略するんですね?」
なぜそうなる? あ、先生そんなに警戒しないで。双子は、なんで期待に満ちた目で見てんの?
「由香と由希は、帰りたいと思わないの?」
先生は、日本に旦那さんがいるから帰りたいだろう。けど、双子はどうなんだろうか。聞いてなかったので、この機会に聞いてみた。
「私たちは、お兄ちゃんと一緒で育児放棄されてたから、帰りたいとは思わないの」
「昔、母親に"二人もいらないのに"って言われたんだよ」
重い過去を明るく言っても、軽くはならないし、暗くなる。
「ああ、兄ちゃんがそんな気を使う必要はないんだよ」
「うんうん。気を使うのなら、私たちも貰ってほしいの」
なぜ、そこまで僕に好意を向けられるの?
ん? ちょっと待て。
「由香。今、"お兄ちゃんと一緒で"って、言ったよな」
おい。「しまった」って顔したら、自供してるようなもんだぞ。
「マゴイチは酷いことする人じゃない、って証明するには、記憶を見せるのが手っ取り早いから」
「御主人様の偉大さを知るには、良い方法かと」
その結果、お前みたいな狂信者が生まれたら、どうするんだ。
「まあ、見ちゃったものはしょうがない」
だから先生、そんな申し訳なさそうな顔しないでもいいですよ。
「次は、私の全てを見せる番ですね」
「脱ぐな、愚妹」
妹の将来が心配です。
適温を保つ天幕での目覚めは快適だった。
顔を左に向けると、僕の腕枕で眠るユリアーナ。
綺麗な寝顔を見てると、悪戯心がひょっこり顔を出す。
頬をツンツンしてみると、寝顔がフニャッと笑う。ヤバい。幸せすぎて死ぬかも。てか、寝たふりしてるよね?
ん? 左手の感覚がない。ユリアーナの頭越しに見える左手は、紫色に変色している。そっと頭をずらす。うん。痺れない。暫くすれば、感覚も戻るだろう。……大丈夫だよね?
さて、問題は足だ。さっきからピチャピチャ音がする足だ。うん。見なくても大体わかるからスルーしたいんだけど、そういうわけにもいかない。
昨晩は、理性さんが外宇宙に旅立ってから、ちょっとばかりはしゃぎすぎた。反省してる。後悔はしてないけど。
一番反省しなければいけないのは、マーヤに対してだろう。
やりすぎた。
具体的に言うと、性感強化が強すぎた。
みさくら語って、フィクションの中だけだと思ってたけど、実在したんだなぁ。
で、その結果が、今、足元にある。
そう。足から聞こえる水音だ。
顔を下に向ける。朝の生理現象の愚息越しに、全裸のマーヤが僕の足の指を丁寧に舐めているのが見える。くすぐったい。
童貞は捨てれたけど、大事なものも一緒に捨ててしまったかもしれない。マーヤの人間としての尊厳とか。
しっかし、昨日ははしゃぎすぎた。自家発電でもあんなには出な……ああ、なるほど。愚息を鑑定したわけではないんだけど、理由がわかった。〈精力絶倫〉と〈性技〉を取得してる。しかも、それぞれレベル9と8だ。どんだけ盛ったんだよ。ん? 〈毒無効〉と〈麻痺無効〉もある。寝てる間に毒を盛られた? 〈呪い無効〉? え? 〈隷属無効〉もある。どうやったの? クラスの変更はできないから、【奴隷】にはなれないんだよ? いや、そうでもないか。クラスに関係なく、〈契約魔法〉で隷属させれば、勇者でも奴隷にできるか。この二人のことだから、〈契約魔法〉で隷属化を弱めに使い続けたのだろう。首輪をされた感じもない。てか、隷属の首輪って、〈契約魔術〉では補助具として必要だけど、魔法になると不要になるらしい。
あ、ヤバい。外から気配が近づいてくる。今、天幕を開けると、ちょっと不味い。
入り口は僕の足の方向。天に向く愚息越しの、さらにマーヤ越しに入り口がある。
その入り口が開き。
「平賀君。そろそ……」
顔を覗かせた先生が固まる。目が合っちゃった。
「お兄ちゃん。朝な……」
「兄ちゃん。朝だ……」
由香と由希も続き固まる。
てことは、最後の気配は。
「兄さん。起き……てますね。兄さんの兄さんも起きてますね」
一瞬思考停止して、普通に下ネタを言われた。妹の下ネタって、心に来る。
「今から寝たふりって、できないかな?」
なかったことにできれば最上。
「できないわね」
耳元でユリアーナに囁かれて、愚息が反応する。落ち着きなさい。
「とりあえず、着替えるから、外に出てくれるかな?」
顔を赤くした先生が、興味津々の双子を引っ張り、出ていく。縁はまだ覗いて、って、入ってくるな。あ、先生に襟首捕まれて出ていった。妹の将来が心配。
ゆっくりと体を起こすユリアーナの裸体に、喉が鳴る。
「さすがに、今からはやめようね? マゴイチの耐性スキルで結構疲れてるの」
「私は、御主人様がお望みでしたら」
お望みではありません。
成長チートの最終日に、〈精力絶倫〉と〈性技〉を育てるような、アホなことはしません。まあ、あと少しでカンストするんだろうけど。
「あれ? 俺の服は……って下着、できたんだ」
僕に背を向けてブラを着ける姿に、「もう一回くらいなら」っと過った邪な考えを振り払う。てか、そのどっかのルーラーみたいな服はなに? それも作ったの? 聖女になりたいの? あ、【武神】だった。へぇ、これも神様じゃないんだ。
「マゴイチの服も作っといたから」
そう言って収納空間から出したのは、高そうなスーツ。
「マゴイチの記憶にあった、某高級ブランドのスーツを再現してみた」
「革靴と時計も作っておきました」
一瞬で着替え終わったメイド服のマーヤが、僕の着替えを手伝おうとする。
「このスーツ、素材はなに? 肌触りはシルクっぽいけど、なにか違うよね?」
ちょっと引っ張ってみると、伸縮性も高い。指で押してみても伸びるだけ。離すと元に戻る。形状記憶? シルクより触り心地がいい。あ、ワイシャツとネクタイもか。
「シルクベースに、ミスリル糸を編み込んでみた。人蜘蛛族の糸もあれば、もっと柔軟で丈夫な服ができるんだけどね」
人蜘蛛族とは、日本でいうアラクネのことだ。
「このボクサーパンツも?」
「ええ。そっちは、マーヤが特に丈夫にしたいって、ミスリルが多めに使われてるわ」
股間より心臓を守ってくれ。
こっちの触り心地は少し固いけど、布の範疇に収まる固さだ。
愚息も鎮まったからパンツを穿く。
マーヤが穿かせようとするけど、必死に抵抗した。またオッキしちゃうじゃないか。
「おう? これは……思った以上にいいな」
日本で買ったボクサーパンツより、しっくりくる。
僕の必死の抵抗で気落ちしてしまったマーヤにお願いして、残りはマーヤに着せてもらう。なんか照れるな。
てか、ネクタイを締める時って、こんなに顔が近づくの? 顔が熱い。仮面……近くにないな。あー、もう、なんでそんなに嬉しそうなんだよ。
「はい。新しい仮面。王樹製よ」
差し出された仮面は、日本から持ち込んだ仮面と同じデザインの、蛙の仮面だ。ただ、のっぺりして……ああ、穴がないのか。目のとこに穴がないけど、大丈夫なの? まあ、それはともかく。
「古いヤツは?」
あれはあれで、いつか【斧の勇者】に返したい。
僕の中では、あの仮面を返すことで、イジメられた過去と決別できるような気がして、「どうしても」というわけではないけれど、必要な儀式みたいなものになっている。だから、大事にしているわけじゃあないが、捨てられたくはない。
「そのスーツとこのコートのポケットには、収納空間を付与しておいたから、コートの方に入れてあるわよ。必要な物でしょ?」
理解のある妻で嬉しいよ。
ユリアーナから受け取ったコートを着てみようとして、マーヤに奪われ、着させられた。僕の世話は、義務じゃないよ。てか、コート軽っ!
ポケットに手を入れると、ニュルっとした感覚と共に、頭の中にポケットの中の情報が流れ込む。これは……容量は決まっているのか。それでも大きいな。自動車くらいは入るか?
右のポケットの収納空間に、一つだけポツンと古い仮面がある。それを手繰り寄せるようにイメージすると、仮面がスッと手に収まる。触り慣れたプラスチックの感触になぜかホッとした。
とりあえず出して、目で確認したら、そのままポケットの収納空間に仕舞う。
ユリアーナから新しい仮面を受け取る。重さを感じないくらい軽いし、触るまで木でできてるとはわからなかった。あれ? ゴム紐がついてないけど、このまま被るの?
仮面を顔に当てると、吸い付くように顔に張り付く。やっぱり重さを感じない。息苦しさもない。それと、仮面が視界を妨げない。目の穴が開いてないのに。どうなってるの? あ、これ、口の所が外れるようになってる。食事用?
「王樹製だから、ミスリルの剣で切られた程度じゃ傷つかないわよ」
王樹の無駄使いだな。
「私も仮面を被ることにしました。これです」
マーヤが狐の仮面を被る。見た感じ、これも王樹製か。これも目の部分に穴がないから、オッドアイを見られずに済むだろう。
「ユカちゃんとユキちゃんも顔を隠さないと双子ってバレるから、マゴイチとお揃いの仮面にしといたわ」
「マーヤは、同じじゃなくて良かったの?」
「御主人様と同じだなんて、畏れ多いです」
大袈裟な。
着替え終わったし、忘れ物はない、よね?
「ハンカチをお忘れです」
綺麗に折り畳まれた白いハンカチをマーヤから受け取り、ポケットに突っ込む。これも作ったのか。寝る時間、足りた?
天幕から出ると、妹が待ち構えていた。
僕の姿をジッと見つめる。
「好きです」
妹に告白された。
「凄く似合ってます」
そう言って写メる妹の目は、ストーカーのそれだった。そろそろ、バッテリー切れになると思うよ。
見上げると、太陽は完全に昇っていた。大体、八時か九時くらいか? あ、時計があるんだった。マーヤのことだから、時間も合わせてるんだろう。見ると、九時過ぎだった。
「ストーカーは放置して、朝御飯、作ろっか」
ユリアーナがテーブルに出した食材からメニューを考える。
ユリアーナとマーヤは料理を作れるけど作らせない。少なくとも今日は。
僕の〈調理〉スキルをカンストさせるのが目的だけど、それ以外にも理由がある。
この二人の料理は、普通なんだ。昨日、一昨日の探索で二人の料理を食べた感想は、"普通"だ。しかも、【料理人】クラスと〈調理〉スキルをカンストさせたのに、"普通"なんだ。僕とおっちゃんが作った料理の方が美味かった。
僕としては、好きな女の子の手料理を食べれる感動で舞い上がっていたのに、一気に地べたへ叩き落とされた気分になった。なにが楽しくて、四十手前のおっちゃんの手料理を食べにゃあならんの?
それなら僕が作るよ、と作ったので、スキルレベルがカンスト間際なんだ。
そんなわけで、先生や双子には期待している。僕のスキルがカンストしなくても、三人には明日から、早ければ今日から料理を任せたい。やっぱ、女性の手料理を食べたいじゃん?
縁? ストーカーが作った料理は怖いな。なにが入ってるやら。
そんなこんなで、朝御飯を作りながら、今日の予定を話す。
本日から十日ほどダンジョンに籠ろうと思う。
目的の一つは、僕が武器系のスキルか、支援以外の魔法系スキルを取得する。
二つ目は、四人を鍛える。これは強制はしない。けど、自衛できる程度の強さか、お金を稼げるだけのスキルの取得が、最低ラインだ。
三つ目は資金集め。現在、手持ちのお金は、中金貨二枚と小金貨一枚。それと、大銀貨五枚と中銀貨四枚。あと、銅貨以下が数十枚。
七人でしばらく暮らすには充分だけど、僕はこの国を出たいから、旅費として見たらちょっと少ない。
「マゴイチ。冒険者登録の前に、【奴隷】と【解放奴隷】をカンストさせたいから、今から強化をよろしく」
「食事ができるまでの時間で、〈剣術〉とかの武器系スキルも取得させといて」
贅沢を言えば、〈気配察知〉とか〈魔力感知〉とかも取得しといてもらえると、楽になる。まあ、食事が出来上がる方が早いと思うけど。
「あと、身体強化にも慣れてほしいから、身体強化1もお願いね」
使う食材だけ分けながら、「あいよ」と軽く返事して、四人にパスを伸ばす。
プラーナが多めなので、僕の感情の色が見えたのだろう、四人が僕をジッと見つめる。なんか言ってほしい。
使わない食材を、収納空間に戻してもらいながら〈支援魔法〉を使う。
調理しながら四人の反応を横目で見る。先生と双子は普通に驚いているが、一人、ちょっと違う反応をしている。
「これは……厨二病が喜びそうですね。"こ、これが俺の本当の力か"とか、言いたくなるんじゃないですか?」
妹よ。それを言ったのは、お前が初めてだ。
「縁は、ラノベとか、そういうの好きなの?」
同じ家に住んでいても、話す機会があんまりなかったから、妹の趣味を全く知らない。真面目そうに見えるから、てっきり、純文学しか読まないんだと思ってた。
「兄さんの家に不法侵入して、兄さんが読んでる本を読んだだけですよ」
「お巡りさん、こいつです」
妹の将来が心配です。
「私の将来が心配なら、兄さんが貰ってくれればいいんですよ。全て解決です」
「異世界自分ルールってのを作ってね。"第三条、十八才未満には手を出さない"って決めたんだよ」
納得いかないようだったけど、ユリアーナに呼ばれて離れていった。
*
朝食はパパっと作れるメニュー。サラダとベーコンエッグとフライパンで暖めたパンだ。胡椒がほしいな。
「これはワインですか?」
先生が、木製のコップの中を嗅いで聞く。
「水の代わりですね。ワイン以外だと、果実水がありますけど、今は冬ですから、果実水を飲もうと思ったら銀貨が飛んでいきます」
王都の井戸水は汚いから、湯冷ましも嫌。〈水魔術〉では、効率が悪すぎる。〈水魔法〉で出すって手もあるけど、魔法が一般的ではない。お金の節約のためには、ユリアーナかマーヤにお願いするのが正解なんだろうな。
それにしても、新しい仮面の使い心地を知りたくて仮面を被って食事してるけど、口の部分を着脱できるギミックは便利だ。
「縁? どうかした?」
ぼんやり僕を見つめている縁に気づいて、声をかけてみた。
「ん。兄さん、夜はオラオラ系になるんだなって」
妹に性癖を知られるのって、精神的なダメージが凄いな。
「ユリアーナ姉さんが、あんなに甘えるなんて思わなかったし」
やめたげて。首まで赤くなって悶えてるよ。
「マーヤ姉さんは……ノーコメントで」
うん。俺もコメントしたくない。
「あれなら、私が加わっても大丈夫そうですよ? どうしてもダメですか?」
「んー。年上がいい」
って、わけじゃないけど、ユリアーナとマーヤは年上だから、この言い訳が使えるんじゃないかな?
「え? じゃあ、先生は?」
なぜ、ここで先生が出てくるの? あと、先生、構えないで。ちょっと傷つきますよ。
「人妻はちょっと……」
あからさまにホッとしないでください。普通に傷つきましたよ。
「正直、ハーレムはフィクションだからいいんだと思うよ」
マーヤにまで手を出した僕が言うことじゃないけどね。
「能動的にハーレムを作る気はないけど、受動的にできてしまったら受け入れる、と?」
まあ、そんな感じかな。
僕は、ユリアーナさえいればいい。
マーヤは狂信者にしてしまった責任を少しだけ感じているし、オッドアイが一人で生きるには辛い世界だから、一緒にいてほしいと思う。ぶっちゃけ、マーヤに関しては僕の傲慢というか我儘だな。僕ならマーヤを救えるという、自惚れだ。
「まあ、その辺りは、外堀から埋めて、駒を射れば、自分ルールも改正するでしょう」
「縁は可愛いんだから、積極的に動かれると困る」
「だから、やめてほしい」と続けようとしたら、食い気味に「頑張ります」と言われた。
妹の将来が心配です。
「ところで、避妊してなかったようですけど、大丈夫ですか?」
そんなとこまで? 覗いてたのは知ってたけど、ユリアーナとマーヤに夢中で気にしなかった。がっつり覗いてたんだな。
「異種族間では、子供ができにくいのよ」
「子供って、どっちの種族が産まれるんですか?」
「母親の種族が産まれるそうよ」
「私の子供は、妖眼になるのでしょうか」
マーヤが不安そうに呟く。
俯くマーヤの頭に、軽くチョップ。
「自分で妖眼って言わない。俺はその目、神秘的で綺麗だと思ってるんだよ」
チョップした手で、そのまま頭を撫でる。
マーヤは小さく「有難う御座います」と言った。ワッサワッサと、尻尾が感情を出しすぎてるよ。
あと、縁のサムズアップがなんかウザい。
「さすが兄さんです。そうやって、私たちも攻略するんですね?」
なぜそうなる? あ、先生そんなに警戒しないで。双子は、なんで期待に満ちた目で見てんの?
「由香と由希は、帰りたいと思わないの?」
先生は、日本に旦那さんがいるから帰りたいだろう。けど、双子はどうなんだろうか。聞いてなかったので、この機会に聞いてみた。
「私たちは、お兄ちゃんと一緒で育児放棄されてたから、帰りたいとは思わないの」
「昔、母親に"二人もいらないのに"って言われたんだよ」
重い過去を明るく言っても、軽くはならないし、暗くなる。
「ああ、兄ちゃんがそんな気を使う必要はないんだよ」
「うんうん。気を使うのなら、私たちも貰ってほしいの」
なぜ、そこまで僕に好意を向けられるの?
ん? ちょっと待て。
「由香。今、"お兄ちゃんと一緒で"って、言ったよな」
おい。「しまった」って顔したら、自供してるようなもんだぞ。
「マゴイチは酷いことする人じゃない、って証明するには、記憶を見せるのが手っ取り早いから」
「御主人様の偉大さを知るには、良い方法かと」
その結果、お前みたいな狂信者が生まれたら、どうするんだ。
「まあ、見ちゃったものはしょうがない」
だから先生、そんな申し訳なさそうな顔しないでもいいですよ。
「次は、私の全てを見せる番ですね」
「脱ぐな、愚妹」
妹の将来が心配です。
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