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脳は処理を停止する
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歩き始めて数時間、ようやくヒラソルであろう場所にたどり着いた。事前に聞いていた通り色とりどりの花畑が一面に広がっており、あまりの綺麗さに思わず息を飲む。
リンドブルムのような緑豊かな土地ならともかく、カラッカラに乾いた大地しかないアゲートでどうやって存在しているのか不思議なくらいだ。何か特殊な土や肥料を使ったりしているのだろうか。
腰の高さまである花はどれも風でユラユラと揺れており、水滴がついているのか太陽でキラキラと輝いても見える。
「すげーキレイだけど、場所が場所だけに異質で怖ぇな。」
「アゲートで十年くらい過ごしたけど、シンティアもこんな場所があるなんて知らなかったなぁ。お花も見たことがないものばっかり!」
「俺もこんな花は知らないな。見た目はラベンダーとかに似てるが、なんか違和感を感じるというか……。」
気になって花に顔を近づけて観察してみると、甘ったるいバニラのような、どこか甘美的とも言える香りに少しクラクラした。
これでハチミツを作っているわけだし危険な花というわけではないのだろうが、長時間嗅いでいたら自我を保てなくなりそうだ。
それはルキも同じだったようで、手で顔を覆い天を仰いで声にならない声をあげている。
「大丈夫かルキ……?」
「ダメだわオレ……。何この香り凄い意識が持ってかれる……。今アドラーに会ったら即死する自信あるもん……。」
「フラグはやめろ!」
アドラーなら来ちゃったとか言っていつの間にか後ろにいたりしてもおかしくはない。ここまで行くところ全てに現れているし、何より今俺の後ろに人の気配を感じる。
これで後ろに立っている人物がアドラーなら俺死んだな、と思いながら俺はゆっくりと振り返った。
「え……。誰……? てか蜂……?」
後ろにいたそれは大量の蜂の集合体だった。ざっと見て100匹以上はいるだろう。しかも敵意がありますとばかりに針をこちらに向けて威嚇している。
アドラーではなかったがこれはこれでピンチだ。
「おいルキしっかりしろって! 後ろ! 蜂!」
「うーん……。ちょっと……、ムリ……。キミは……逃げ……。」
それだけ言うとルキはついにしゃがみ込んだ。顔をあげているのも辛いのか、目を閉じて項垂れている。
「無理とか言ってる場合じゃないって! そうだ、ソフィアなら何か治療できそうな薬を……え?」
急いでソフィアがいた方を見るが、ソフィアもグッタリと地面に座り込んでいた。それどころかそばにいたシンティアやリーナも同じで、みんな目を閉じて何かをブツブツと呟いている。
前には座り込んだ仲間、後ろには大量の蜂。おまけに俺も意識が遠のいていきそうなのを必死に誤魔化している始末。この状態で戦えるとはとても思えない。
それでも逃げ出すわけにもいかず、限界だとフラつく体から目を背けて武器を構えた。双剣より水魔法の方がいいかもしれないが、せっかくの綺麗な花を水で台無しにしたくはない。
というのは建前でただ魔法を使うことだけの精神力が残っていないだけだ。
「くらえっ!」
働かない頭と身体を必死に動かして俺は蜂へと攻撃を繰り出した。ただ斬るように上から下へと振りおろしたそれは数匹の蜂を刻んだが、少なく見ても100匹はいるだろう蜂の優勢さは全くもって変わらない。それどころか何匹かは群れから離れていつの間にかみんなを囲むようにして飛び回っている。
なんとかこの危機を脱しなければと思う気持ちとは裏腹に、体はすでに腕を上げることも怠く長時間持ちそうになかった。
「駄目だ、目が霞む……。でも、みんなを、俺が、守らないと……!」
「はい頭下げてください死にますよ。それ!」
「え何危なっ!」
突如聞こえてきた声に混乱しながらも急いで頭を下げると、頭上を何かが通り次の瞬間には目の前にいた大量の蜂が跡形もなく消えていた。しゃがんでいなかったら俺がこうなっていただろう。
一体誰が何をしたんだと後ろを見ると、そこにはバズーカを下ろしてやりきった感を出しているガスマスクの男が立っていた。
「大丈夫でした? すっかり伝え忘れてたのでこうなってるだろうと思いまして。間に合ったようで何よりです。」
「えっと……? その声は、もしかしてマクシムか?」
そう聞くとガスマスクの男は一瞬だけガスマスクを外してこちらに素顔を見せた。その顔はどう見てもマクシムであり、見知った仲間の存在に緊張を解く。
「ガスマスクをつけないとこちらの世界の人にはキツイんですよここの花。別に寝てしまうだけなので体に害はないんですけど。」
「いや出るときに言って欲しかったんだがそれ。でもまぁ助かったよ、その、バズーカ……。」
「拠点では使わないんですけどね。拠点外は壊してもいいかなって思っているのでよくぶっ放してます。」
よくぶっ放していいものとは思えないが、どこか満足そうにしているマクシムに突っ込むことはできなかった。もしかしたら日頃のストレス発散がこれなのかもしれない。
それにしても似合わない組み合わせだな、と思わずジッと見てしまう。ナイフを投げたり短剣で戦ったり、そういう繊細な動きをしますという見た目をしているのにバズーカ。
人は見かけによらない趣向があるものかもしれないが、ここまでかけ離れていると少し脳が混乱する。
「まぁおそらく今の蜂が討伐対象だと思うので、一度帰りましょうか。依頼人も今日はこちらの世界に来ないみたいですし。」
そう言うとマクシムは胸ポケットから石を取り出して手を翳した。一瞬強い光に包まれたかと思うと体が空に向かって飛び出し、すぐさま見慣れたリベラシオンのレストラン内に移動していた。
リーナたちは、と周りを見ると移動の衝撃で目が覚めたのか眠そうにしながらも立ち上がって不思議そうな顔をしている。花畑にいたと思ったらレストランにいたのだから何が起きたのかわかっていないのだろう。
「私たち、あれ、花畑で……。」
「香りにやられて寝ちゃってたんだよおまえら。そんでまぁ、いろいろあって……。マクシムが助けてくれて依頼の蜂も倒して石で帰ってきた。」
「あー、よくわからねーけどなんかまだ頭がボーッとするわオレ……。」
「今説明してもダメでしょうし、今日はこのまま休んで明日朝説明しますよ。ほらお礼のハチミツもこんなに届きましたし! 明日の朝食はハチミツたっぷりのパンケーキとハチミツ入りのホットミルクに……!」
興奮しながらマクシムはハチミツが入った瓶を眺めている。その後ろに次々と積み重なっていくカゴの中身は全部ハチミツなのだろうか。
どんどん積み重なっていくな、と見ていたがそれは誰かが積み重ねているわけではなく、何もない空間から急に現れて積み重なっていた。普通に考えてありえないその光景に俺の思考は停止しそうだ。
「お姉さん幻覚が見えるわ~……。」
「シンティアも……。今日はもう休む……。」
脳の処理能力を完全に超えたそれにみんながレストランから退出しようとしたとき、マクシムが何もない宙に向かって話し出した。
「へぇ、品種改良したんですか! なるほど、この箱が従来のものでこっちが新しく作ってみた物……!」
俺はもう本当にダメだと思った。
リンドブルムのような緑豊かな土地ならともかく、カラッカラに乾いた大地しかないアゲートでどうやって存在しているのか不思議なくらいだ。何か特殊な土や肥料を使ったりしているのだろうか。
腰の高さまである花はどれも風でユラユラと揺れており、水滴がついているのか太陽でキラキラと輝いても見える。
「すげーキレイだけど、場所が場所だけに異質で怖ぇな。」
「アゲートで十年くらい過ごしたけど、シンティアもこんな場所があるなんて知らなかったなぁ。お花も見たことがないものばっかり!」
「俺もこんな花は知らないな。見た目はラベンダーとかに似てるが、なんか違和感を感じるというか……。」
気になって花に顔を近づけて観察してみると、甘ったるいバニラのような、どこか甘美的とも言える香りに少しクラクラした。
これでハチミツを作っているわけだし危険な花というわけではないのだろうが、長時間嗅いでいたら自我を保てなくなりそうだ。
それはルキも同じだったようで、手で顔を覆い天を仰いで声にならない声をあげている。
「大丈夫かルキ……?」
「ダメだわオレ……。何この香り凄い意識が持ってかれる……。今アドラーに会ったら即死する自信あるもん……。」
「フラグはやめろ!」
アドラーなら来ちゃったとか言っていつの間にか後ろにいたりしてもおかしくはない。ここまで行くところ全てに現れているし、何より今俺の後ろに人の気配を感じる。
これで後ろに立っている人物がアドラーなら俺死んだな、と思いながら俺はゆっくりと振り返った。
「え……。誰……? てか蜂……?」
後ろにいたそれは大量の蜂の集合体だった。ざっと見て100匹以上はいるだろう。しかも敵意がありますとばかりに針をこちらに向けて威嚇している。
アドラーではなかったがこれはこれでピンチだ。
「おいルキしっかりしろって! 後ろ! 蜂!」
「うーん……。ちょっと……、ムリ……。キミは……逃げ……。」
それだけ言うとルキはついにしゃがみ込んだ。顔をあげているのも辛いのか、目を閉じて項垂れている。
「無理とか言ってる場合じゃないって! そうだ、ソフィアなら何か治療できそうな薬を……え?」
急いでソフィアがいた方を見るが、ソフィアもグッタリと地面に座り込んでいた。それどころかそばにいたシンティアやリーナも同じで、みんな目を閉じて何かをブツブツと呟いている。
前には座り込んだ仲間、後ろには大量の蜂。おまけに俺も意識が遠のいていきそうなのを必死に誤魔化している始末。この状態で戦えるとはとても思えない。
それでも逃げ出すわけにもいかず、限界だとフラつく体から目を背けて武器を構えた。双剣より水魔法の方がいいかもしれないが、せっかくの綺麗な花を水で台無しにしたくはない。
というのは建前でただ魔法を使うことだけの精神力が残っていないだけだ。
「くらえっ!」
働かない頭と身体を必死に動かして俺は蜂へと攻撃を繰り出した。ただ斬るように上から下へと振りおろしたそれは数匹の蜂を刻んだが、少なく見ても100匹はいるだろう蜂の優勢さは全くもって変わらない。それどころか何匹かは群れから離れていつの間にかみんなを囲むようにして飛び回っている。
なんとかこの危機を脱しなければと思う気持ちとは裏腹に、体はすでに腕を上げることも怠く長時間持ちそうになかった。
「駄目だ、目が霞む……。でも、みんなを、俺が、守らないと……!」
「はい頭下げてください死にますよ。それ!」
「え何危なっ!」
突如聞こえてきた声に混乱しながらも急いで頭を下げると、頭上を何かが通り次の瞬間には目の前にいた大量の蜂が跡形もなく消えていた。しゃがんでいなかったら俺がこうなっていただろう。
一体誰が何をしたんだと後ろを見ると、そこにはバズーカを下ろしてやりきった感を出しているガスマスクの男が立っていた。
「大丈夫でした? すっかり伝え忘れてたのでこうなってるだろうと思いまして。間に合ったようで何よりです。」
「えっと……? その声は、もしかしてマクシムか?」
そう聞くとガスマスクの男は一瞬だけガスマスクを外してこちらに素顔を見せた。その顔はどう見てもマクシムであり、見知った仲間の存在に緊張を解く。
「ガスマスクをつけないとこちらの世界の人にはキツイんですよここの花。別に寝てしまうだけなので体に害はないんですけど。」
「いや出るときに言って欲しかったんだがそれ。でもまぁ助かったよ、その、バズーカ……。」
「拠点では使わないんですけどね。拠点外は壊してもいいかなって思っているのでよくぶっ放してます。」
よくぶっ放していいものとは思えないが、どこか満足そうにしているマクシムに突っ込むことはできなかった。もしかしたら日頃のストレス発散がこれなのかもしれない。
それにしても似合わない組み合わせだな、と思わずジッと見てしまう。ナイフを投げたり短剣で戦ったり、そういう繊細な動きをしますという見た目をしているのにバズーカ。
人は見かけによらない趣向があるものかもしれないが、ここまでかけ離れていると少し脳が混乱する。
「まぁおそらく今の蜂が討伐対象だと思うので、一度帰りましょうか。依頼人も今日はこちらの世界に来ないみたいですし。」
そう言うとマクシムは胸ポケットから石を取り出して手を翳した。一瞬強い光に包まれたかと思うと体が空に向かって飛び出し、すぐさま見慣れたリベラシオンのレストラン内に移動していた。
リーナたちは、と周りを見ると移動の衝撃で目が覚めたのか眠そうにしながらも立ち上がって不思議そうな顔をしている。花畑にいたと思ったらレストランにいたのだから何が起きたのかわかっていないのだろう。
「私たち、あれ、花畑で……。」
「香りにやられて寝ちゃってたんだよおまえら。そんでまぁ、いろいろあって……。マクシムが助けてくれて依頼の蜂も倒して石で帰ってきた。」
「あー、よくわからねーけどなんかまだ頭がボーッとするわオレ……。」
「今説明してもダメでしょうし、今日はこのまま休んで明日朝説明しますよ。ほらお礼のハチミツもこんなに届きましたし! 明日の朝食はハチミツたっぷりのパンケーキとハチミツ入りのホットミルクに……!」
興奮しながらマクシムはハチミツが入った瓶を眺めている。その後ろに次々と積み重なっていくカゴの中身は全部ハチミツなのだろうか。
どんどん積み重なっていくな、と見ていたがそれは誰かが積み重ねているわけではなく、何もない空間から急に現れて積み重なっていた。普通に考えてありえないその光景に俺の思考は停止しそうだ。
「お姉さん幻覚が見えるわ~……。」
「シンティアも……。今日はもう休む……。」
脳の処理能力を完全に超えたそれにみんながレストランから退出しようとしたとき、マクシムが何もない宙に向かって話し出した。
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俺はもう本当にダメだと思った。
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