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最終章 最強部長はロードレースでも最強を目指す
第91話 レース後の雑談
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レースを終え、東尾師匠と一緒に仲間の所に向う。
「お疲れ様です! スプリントカッコ良かったです!」
「お疲れ様。予想より速かったじゃない。結構終盤まで先頭集団に残ってたでしょ?」
勇也くんと綾乃が労ってくれた。
「ありがとう。勇也くん、綾乃。北見さんと利男は?」
「二人なら、帰り支度で積み込みに行ってるわよ。ほら、戻って来た」
綾乃の指差す方向を見ると、北見さんと利男が私服で歩いて来ている。
レースジャージを着替えたという事は、二人共優勝を逃したのだな。
「おっ、無事にゴール出来たみたいだな」
「そんなに遅れなかったみたいだな。あと少し速く走れる様になれば、先頭集団に残れたな」
「二人共表彰台は逃したみたいだな」
「俺の5位が最高位だぜ」
利男が5本の指を広げ、自慢げに手のひらを突き出す。
彼は先頭集団のスプリントで勝負出来たのだな。
羨ましいな。
「パパは後ろでツーリングしてたけどね」
「一応先頭集団でゴールしただろ。パパは憧れの中杉君より速かったんだぞ」
「でも無難にゴールしただけでカッコよくなかった」
「仕事あるんだから、無理にスプリントで順位を上げる必要はないんだって。優勝出来る見込みがあるなら別だけどさぁ」
「そうですよね。北見さんは私より前にゴールしてる凄いレーサーだよ」
北見さんフォローする。
彼は私より凄い先輩レーサーだし、親子で仲良くして欲しいからね。
「でも、順位は22位と23位だから、たったの一つ違いなのよね。凄い差だわ」
私の気遣いを速攻で綾乃が台無しにした……
「パパ、一位違いで自慢していたの? カッコ悪い」
「おいっ、余計な事を言わんでくれよ」
「でも、順位の差は一つだけど、実力的には大きな差があるな」
東尾師匠、ナイスアシスト!
一緒に走ってアシストを続けてくれていた師匠は、私の実力を的確に把握している。
ヒルクライム能力の弱さ故に、あと一歩実力が及ばないのだ。
「分かってるじゃねえか、東尾君は」
「そうですよね。ヒルクライムの度に遅れる様じゃ勝負にならないって思い知りましたから」
「そうだな。スプリンターも上れないと勝負出来ないからな。猛士さんと正は特訓する必要があるよな」
正? そうだ! 木野さんがまだゴールしていない!
利男のお陰で木野さんが中盤で遅れて、追いついていない事を思い出した。
「木野さんがまだゴールしていない。皆で木野さんを出迎えよう」
皆でゴール付近に向かう。
暫くして、木野さんがゴールした。
良かった。木野さんも途中棄権せず、無事にゴール出来た。
「お待たせしましたぁー。今回は苦戦しましたねぇ。遅れて面目ない」
「そんな事ないですよ。私も最後の山岳地帯で遅れましたから」
「中杉君と木野君の二人が実力不足なんだよなぁ。今のままだと年末のレース負けるだろうなぁ」
「大丈夫さ! 猛士と正のファイティングスピリットなら間に合わせてくるさ」
「利男は楽観的だな。でも俺も大丈夫だと思うよ。猛士さんには最高のトレーニングパートナーがいるからね」
「私にお任せって事ね。キッチリ仕上げておくわよ。でも、木野さんはどうするの?」
お任せしてくれるのは有り難いけどキツそうだな。
トーニングがキツ過ぎて仕事に影響が出なければ良いが……
「大丈夫ですよぉ。実は苦手な平地区間で速く走れるよう、師匠を見つけてるんですよぉ」
「おいおい、誰に頼むか分からないが大丈夫なのか? 代わりに俺がトレーニングに付き合ってもいいんだぜ」
「大丈夫ですよ。僕の師匠は秘密ですけど凄い人ですから」
秘密の師匠……誰だろう?
私達の仲間で平地の高速巡行が得意なのは南原さんだ。
だが、彼はレースを引退している。
ひまりちゃんとツーリングは楽しんでいるから、完全に走るのを止めた訳ではない。
でも、レースで通用するだろうか?
木野さんは元々個人でレース活動をしていたから、その時の知り合いだろうか?
あえて教えてくれないのが気になる。
そのうち教えてくれるのだろうか。
「なんでぇ。誰も俺を必要としてくんねぇのかよ」
北見さんが拗ねた振りをする。
「北見さん、俺と利男が一緒に走りますよ」
「おう、俺も練習相手が欲しいからな。大賛成だ!」
東尾師匠と利男が挟み込むように北見さんの両脇に立った。
「待てよ! お前ら俺より速ぇじゃねぇか! 俺が引きずり回されるだけだろ!」
「お願いしますよ北見師匠」
「頼むぜ北見師匠」
「頑張ってね北見師匠!」
「良かったですねぇ北見師匠!」
東尾師匠と利男だけではなく、綾乃と木野さんも悪乗りして北見さんをからかう。
「止めてくれよぉ。何とかしてくれよ中杉くーん」
「全員のレベルアップは大事だから、二人の特訓をお願いします! 頑張って下さい!」
私に助けを求める北見さんを激励する。
頑張ってくれ北見さん。私も頑張るからさ!
「勘弁してくれよぉー」
「パパもスプリント頑張ってね」
「分かったよ。頑張りゃいいんだろ。更に速くなった姿を見て驚くなよ」
「楽しみにしてるよ。それじゃ、帰ろうか」
私達は解散して、レース会場を後にしたーー
「お疲れ様です! スプリントカッコ良かったです!」
「お疲れ様。予想より速かったじゃない。結構終盤まで先頭集団に残ってたでしょ?」
勇也くんと綾乃が労ってくれた。
「ありがとう。勇也くん、綾乃。北見さんと利男は?」
「二人なら、帰り支度で積み込みに行ってるわよ。ほら、戻って来た」
綾乃の指差す方向を見ると、北見さんと利男が私服で歩いて来ている。
レースジャージを着替えたという事は、二人共優勝を逃したのだな。
「おっ、無事にゴール出来たみたいだな」
「そんなに遅れなかったみたいだな。あと少し速く走れる様になれば、先頭集団に残れたな」
「二人共表彰台は逃したみたいだな」
「俺の5位が最高位だぜ」
利男が5本の指を広げ、自慢げに手のひらを突き出す。
彼は先頭集団のスプリントで勝負出来たのだな。
羨ましいな。
「パパは後ろでツーリングしてたけどね」
「一応先頭集団でゴールしただろ。パパは憧れの中杉君より速かったんだぞ」
「でも無難にゴールしただけでカッコよくなかった」
「仕事あるんだから、無理にスプリントで順位を上げる必要はないんだって。優勝出来る見込みがあるなら別だけどさぁ」
「そうですよね。北見さんは私より前にゴールしてる凄いレーサーだよ」
北見さんフォローする。
彼は私より凄い先輩レーサーだし、親子で仲良くして欲しいからね。
「でも、順位は22位と23位だから、たったの一つ違いなのよね。凄い差だわ」
私の気遣いを速攻で綾乃が台無しにした……
「パパ、一位違いで自慢していたの? カッコ悪い」
「おいっ、余計な事を言わんでくれよ」
「でも、順位の差は一つだけど、実力的には大きな差があるな」
東尾師匠、ナイスアシスト!
一緒に走ってアシストを続けてくれていた師匠は、私の実力を的確に把握している。
ヒルクライム能力の弱さ故に、あと一歩実力が及ばないのだ。
「分かってるじゃねえか、東尾君は」
「そうですよね。ヒルクライムの度に遅れる様じゃ勝負にならないって思い知りましたから」
「そうだな。スプリンターも上れないと勝負出来ないからな。猛士さんと正は特訓する必要があるよな」
正? そうだ! 木野さんがまだゴールしていない!
利男のお陰で木野さんが中盤で遅れて、追いついていない事を思い出した。
「木野さんがまだゴールしていない。皆で木野さんを出迎えよう」
皆でゴール付近に向かう。
暫くして、木野さんがゴールした。
良かった。木野さんも途中棄権せず、無事にゴール出来た。
「お待たせしましたぁー。今回は苦戦しましたねぇ。遅れて面目ない」
「そんな事ないですよ。私も最後の山岳地帯で遅れましたから」
「中杉君と木野君の二人が実力不足なんだよなぁ。今のままだと年末のレース負けるだろうなぁ」
「大丈夫さ! 猛士と正のファイティングスピリットなら間に合わせてくるさ」
「利男は楽観的だな。でも俺も大丈夫だと思うよ。猛士さんには最高のトレーニングパートナーがいるからね」
「私にお任せって事ね。キッチリ仕上げておくわよ。でも、木野さんはどうするの?」
お任せしてくれるのは有り難いけどキツそうだな。
トーニングがキツ過ぎて仕事に影響が出なければ良いが……
「大丈夫ですよぉ。実は苦手な平地区間で速く走れるよう、師匠を見つけてるんですよぉ」
「おいおい、誰に頼むか分からないが大丈夫なのか? 代わりに俺がトレーニングに付き合ってもいいんだぜ」
「大丈夫ですよ。僕の師匠は秘密ですけど凄い人ですから」
秘密の師匠……誰だろう?
私達の仲間で平地の高速巡行が得意なのは南原さんだ。
だが、彼はレースを引退している。
ひまりちゃんとツーリングは楽しんでいるから、完全に走るのを止めた訳ではない。
でも、レースで通用するだろうか?
木野さんは元々個人でレース活動をしていたから、その時の知り合いだろうか?
あえて教えてくれないのが気になる。
そのうち教えてくれるのだろうか。
「なんでぇ。誰も俺を必要としてくんねぇのかよ」
北見さんが拗ねた振りをする。
「北見さん、俺と利男が一緒に走りますよ」
「おう、俺も練習相手が欲しいからな。大賛成だ!」
東尾師匠と利男が挟み込むように北見さんの両脇に立った。
「待てよ! お前ら俺より速ぇじゃねぇか! 俺が引きずり回されるだけだろ!」
「お願いしますよ北見師匠」
「頼むぜ北見師匠」
「頑張ってね北見師匠!」
「良かったですねぇ北見師匠!」
東尾師匠と利男だけではなく、綾乃と木野さんも悪乗りして北見さんをからかう。
「止めてくれよぉ。何とかしてくれよ中杉くーん」
「全員のレベルアップは大事だから、二人の特訓をお願いします! 頑張って下さい!」
私に助けを求める北見さんを激励する。
頑張ってくれ北見さん。私も頑張るからさ!
「勘弁してくれよぉー」
「パパもスプリント頑張ってね」
「分かったよ。頑張りゃいいんだろ。更に速くなった姿を見て驚くなよ」
「楽しみにしてるよ。それじゃ、帰ろうか」
私達は解散して、レース会場を後にしたーー
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