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学園編
閑話 たぬたぬの冒険 2
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「騎士団第三部隊小隊長のヴィンセントだ。王都まで同行してもらおう」
「騎士様、なぜですか!」
「では聞くが、なぜ神獣の眷属とうそをついている?」
「うそではありません! 本当に神獣様の眷属です」
騒がしくて目が覚めた。出発するからと起こされたけど、眠くてまた寝てしまっていたらしい。たくさんのニンゲンに取り囲まれていて、みんな怒っていて怖い。でも、とってもいい匂いがする。どこからだろう。くんくん。
『狸って、どういうことー!?』
『くぅーん』
見つけた。あのギンイロだ。近くに行きたい。なのに身体が動かないよ。助けて。
近づきたいのに身体が動かなくて焦っていたら、ギンイロと同じ毛色のニンゲンに抱き上げられた。
「よく似ている。このお腹は、病気か?」
『食べ過ぎなだけだよ。ぽんぽこりんになってるよ』
『きゅーん』
『大丈夫? 嫌なことはされてない?』
ギンイロにすごく心配されているけど、嫌なことってなんだろう。美味しいご飯をたくさんもらって、楽しいよ。ニンゲンやマモノに襲われることもないし。
でも、お昼寝をもっとしたいな。そうしたらもっともっと幸せなのに。
『契約は切ったから。好きなところに行けるよ』
『くーん?』
契約とは何か分からないでいたら、教えてくれた。あの身体が勝手に動いちゃったり、動きたくても動けなくなったりするのが、契約らしい。
それはもう切れたというから動いてみたら、自由に動けた。うれしい。うれしくてギンイロに体当たりしたら、一緒にころころ転がっちゃった。楽しいな。
『これからどうしたい?』
ギンイロと一緒にいたいけど、それはダメだと言われてしまった。だったら、今のままがいいな。毎日見る景色が変わって、いろんなご飯をもらえて、楽しい。
『子どもたちがたくさんいるところで、可愛がられるのがいいと思うんだけど』
でもそれだと、毎日同じ景色で、同じご飯でしょう。それに小さいニンゲンは乱暴だからいやだ。だったら今のほうがいいよ。
だけどこのままはダメらしくて、いちどオウトに行くことになった。そこで新しい契約主を探すらしい。
勝手に身体が動く契約は嫌だと言ったけど、してないと危険だからしないといけないと言われてしまった。
『嫌な命令はしない、美味しいご飯をくれる人を探してもらうからね』
『きゅぅ』
仕方がない。またあの森に返されて、へんなニンゲンに捕まるといけないから、我慢しよう。
オウトのギルドという大きなニンゲンがたくさんいるところが、次の巣穴になった。ここで新しい契約主を探すらしい。
「これ、たぬたぬの首輪がわりに。最近毛が増えてきて、リボンが埋まっているでしょう」
「冬毛になってるのかしらね。ありがとう」
「氷の騎士様の狐くんを参考に、母に縫ってもらったの」
「たぬたぬ、首輪を換えようね」
契約の証には、こうして首に飾りをつけるそうだ。動くのに邪魔にならなければ、なんでもいい。
「きゃあ、可愛い。たぬたぬ、よく似合ってるよ」
「白いからどんな色でも似あうわね。今度は別の色を縫ってもらってくるわ」
ここのニンゲンたちは、よく僕をなでる。通りがかりにさらっとなでていく。優しくなでてくれるから、心地いい。ここで、こうして、みんなに癒しを提供するのが、僕のお仕事らしい。
お仕事を頑張ると、ご飯をもらえる。
「たぬたぬー。今日は何が食べたい?」
『んー、きゃん』
このニンゲンは、新しい契約主を探す間の、仮の契約主だ。美味しいご飯をくれるから、気に入っている。
いつも、こうしてたくさんの食べものを並べて、僕に好きなものを選ばせてくれるのだ。
今日は干し肉にしよう。前にもらったときに美味しかったから、きっとこのお肉も美味しいはずだ。
「よっしゃー! 俺の干し肉を選んだぞ!」
「どこで買ったんだ? 教えろよ」
「秘密だ秘密。たぬきー、その干し肉は俺が買ったんだ。新しい飼い主にしてくれよな」
「一回くらいで調子に乗るな!」
「この干し魚をやってもらえないか? 狐が気に入っているやつだから、きっと狸も気に入るだろう」
「特別扱いはなし。ご飯はそこのかごに入れておいて」
もぐもぐ。美味しい。もっと食べたいけど、ギンイロに食べすぎだと言われたから、いまはこれくらいにしておこう。
干し肉を食べたら、眠くなった。ここに来て一番うれしいのは、お昼に寝ても起こされないことだ。
寝床として用意されたかごの中に入って、布の下に隠れれば、寝る準備が整う。襲われないように、全身を隠すのだ。
「たぬたぬのお昼寝の時間だから、みんな静かに」
「起きたら触らせてくれよ」
「それは、たぬたぬの気分次第」
ここのニンゲンはいつも騒がしい。寝る邪魔をしないでほしいな。
「狸は寝たのか」
「ギルド長。さっきご飯を食べて、いま寝たところです」
「しばらく世話をしてみてどうだ? 冒険者の使役獣としてやっていけそうか?」
「無理だと思います。警戒心が全くありません」
「そんな感じだな」
もう、うるさくて寝られないじゃないか。静かにしてよ。
「ラーク村の調査はどうだったんですか?」
「やはり、あそこにいた狸だった。連れていかれた時期と冒険者の特徴が一致した」
「そうでしたか」
「飢えているのを見かねて、村の人間が野菜や残りもののご飯をやっていたらしいから、おそらく狩りをしたこともないんだろう」
「あー、そんな感じですね。ネズミを見て逃げましたから」
「隠れていたつもりらしいが、尻と尻尾が丸見えだったそうだ。神の使いかもしれないからと世話してもらえていなかったら、生き残れなかっただろう」
「今も尻尾が出ちゃってるの、多分気づいてないですよねえ」
そんな哀れな狸がいるのか。僕はしっかり狩りも穴掘りもできるから、もし会うことがあったら、先輩としてやり方を教えてあげよう。
でもまずは、お昼寝だ。
起きたらきっとまた美味しいものが食べられる。
冒険、楽しいな。幸せだな。
――――――――――――
いつも「いいね」「エール」「コメント」で応援してくれてありがとう。
尻尾を振ってお礼を伝えるよ。ありがとふりふりキャン!
気温が安定しない五月、大型連休も終わってメンタルも不安定になりがちな五月。
ちょっとしんどいなって思ったら、お気に入りのもふもふを眺めて、心を落ち着けてね。そして、大福くんのように、美味しいご飯を食べて、ゆっくり寝よう。
みんなが笑顔で過ごせますように。
「騎士様、なぜですか!」
「では聞くが、なぜ神獣の眷属とうそをついている?」
「うそではありません! 本当に神獣様の眷属です」
騒がしくて目が覚めた。出発するからと起こされたけど、眠くてまた寝てしまっていたらしい。たくさんのニンゲンに取り囲まれていて、みんな怒っていて怖い。でも、とってもいい匂いがする。どこからだろう。くんくん。
『狸って、どういうことー!?』
『くぅーん』
見つけた。あのギンイロだ。近くに行きたい。なのに身体が動かないよ。助けて。
近づきたいのに身体が動かなくて焦っていたら、ギンイロと同じ毛色のニンゲンに抱き上げられた。
「よく似ている。このお腹は、病気か?」
『食べ過ぎなだけだよ。ぽんぽこりんになってるよ』
『きゅーん』
『大丈夫? 嫌なことはされてない?』
ギンイロにすごく心配されているけど、嫌なことってなんだろう。美味しいご飯をたくさんもらって、楽しいよ。ニンゲンやマモノに襲われることもないし。
でも、お昼寝をもっとしたいな。そうしたらもっともっと幸せなのに。
『契約は切ったから。好きなところに行けるよ』
『くーん?』
契約とは何か分からないでいたら、教えてくれた。あの身体が勝手に動いちゃったり、動きたくても動けなくなったりするのが、契約らしい。
それはもう切れたというから動いてみたら、自由に動けた。うれしい。うれしくてギンイロに体当たりしたら、一緒にころころ転がっちゃった。楽しいな。
『これからどうしたい?』
ギンイロと一緒にいたいけど、それはダメだと言われてしまった。だったら、今のままがいいな。毎日見る景色が変わって、いろんなご飯をもらえて、楽しい。
『子どもたちがたくさんいるところで、可愛がられるのがいいと思うんだけど』
でもそれだと、毎日同じ景色で、同じご飯でしょう。それに小さいニンゲンは乱暴だからいやだ。だったら今のほうがいいよ。
だけどこのままはダメらしくて、いちどオウトに行くことになった。そこで新しい契約主を探すらしい。
勝手に身体が動く契約は嫌だと言ったけど、してないと危険だからしないといけないと言われてしまった。
『嫌な命令はしない、美味しいご飯をくれる人を探してもらうからね』
『きゅぅ』
仕方がない。またあの森に返されて、へんなニンゲンに捕まるといけないから、我慢しよう。
オウトのギルドという大きなニンゲンがたくさんいるところが、次の巣穴になった。ここで新しい契約主を探すらしい。
「これ、たぬたぬの首輪がわりに。最近毛が増えてきて、リボンが埋まっているでしょう」
「冬毛になってるのかしらね。ありがとう」
「氷の騎士様の狐くんを参考に、母に縫ってもらったの」
「たぬたぬ、首輪を換えようね」
契約の証には、こうして首に飾りをつけるそうだ。動くのに邪魔にならなければ、なんでもいい。
「きゃあ、可愛い。たぬたぬ、よく似合ってるよ」
「白いからどんな色でも似あうわね。今度は別の色を縫ってもらってくるわ」
ここのニンゲンたちは、よく僕をなでる。通りがかりにさらっとなでていく。優しくなでてくれるから、心地いい。ここで、こうして、みんなに癒しを提供するのが、僕のお仕事らしい。
お仕事を頑張ると、ご飯をもらえる。
「たぬたぬー。今日は何が食べたい?」
『んー、きゃん』
このニンゲンは、新しい契約主を探す間の、仮の契約主だ。美味しいご飯をくれるから、気に入っている。
いつも、こうしてたくさんの食べものを並べて、僕に好きなものを選ばせてくれるのだ。
今日は干し肉にしよう。前にもらったときに美味しかったから、きっとこのお肉も美味しいはずだ。
「よっしゃー! 俺の干し肉を選んだぞ!」
「どこで買ったんだ? 教えろよ」
「秘密だ秘密。たぬきー、その干し肉は俺が買ったんだ。新しい飼い主にしてくれよな」
「一回くらいで調子に乗るな!」
「この干し魚をやってもらえないか? 狐が気に入っているやつだから、きっと狸も気に入るだろう」
「特別扱いはなし。ご飯はそこのかごに入れておいて」
もぐもぐ。美味しい。もっと食べたいけど、ギンイロに食べすぎだと言われたから、いまはこれくらいにしておこう。
干し肉を食べたら、眠くなった。ここに来て一番うれしいのは、お昼に寝ても起こされないことだ。
寝床として用意されたかごの中に入って、布の下に隠れれば、寝る準備が整う。襲われないように、全身を隠すのだ。
「たぬたぬのお昼寝の時間だから、みんな静かに」
「起きたら触らせてくれよ」
「それは、たぬたぬの気分次第」
ここのニンゲンはいつも騒がしい。寝る邪魔をしないでほしいな。
「狸は寝たのか」
「ギルド長。さっきご飯を食べて、いま寝たところです」
「しばらく世話をしてみてどうだ? 冒険者の使役獣としてやっていけそうか?」
「無理だと思います。警戒心が全くありません」
「そんな感じだな」
もう、うるさくて寝られないじゃないか。静かにしてよ。
「ラーク村の調査はどうだったんですか?」
「やはり、あそこにいた狸だった。連れていかれた時期と冒険者の特徴が一致した」
「そうでしたか」
「飢えているのを見かねて、村の人間が野菜や残りもののご飯をやっていたらしいから、おそらく狩りをしたこともないんだろう」
「あー、そんな感じですね。ネズミを見て逃げましたから」
「隠れていたつもりらしいが、尻と尻尾が丸見えだったそうだ。神の使いかもしれないからと世話してもらえていなかったら、生き残れなかっただろう」
「今も尻尾が出ちゃってるの、多分気づいてないですよねえ」
そんな哀れな狸がいるのか。僕はしっかり狩りも穴掘りもできるから、もし会うことがあったら、先輩としてやり方を教えてあげよう。
でもまずは、お昼寝だ。
起きたらきっとまた美味しいものが食べられる。
冒険、楽しいな。幸せだな。
――――――――――――
いつも「いいね」「エール」「コメント」で応援してくれてありがとう。
尻尾を振ってお礼を伝えるよ。ありがとふりふりキャン!
気温が安定しない五月、大型連休も終わってメンタルも不安定になりがちな五月。
ちょっとしんどいなって思ったら、お気に入りのもふもふを眺めて、心を落ち着けてね。そして、大福くんのように、美味しいご飯を食べて、ゆっくり寝よう。
みんなが笑顔で過ごせますように。
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