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6章 ベイロール編
5. 親子喧嘩
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理沙の恋愛に私が口を出すことを理沙が望んでないことは分かっている。
だけど、あの人と理沙が幸せになれるとは思えないのだ。
婚約解消は聞いていると言っていたけど、それは裏を返せば愛人のことは聞いていない。それがこの世界では許されることなのかは分からないけれど、私たちにとっては不誠実な行いだ。
「ターシャちゃん、ちょっといいかしら」
「政子さん、理沙さんと口論をされたと聞きましたが」
どうやら理沙の声が扉の外まで聞こえていたらしい。
それがすでにターシャちゃんにも知らされていて、今から理沙の部屋に向かおうとしていたそうだ。
「マー君王子の愛人のことを聞かせたら怒っちゃって」
「それは……」
「仕方ないと思うわ。それでね、ターシャちゃんにお願いなんだけど、理沙のそばにいてやってほしいの」
「政子さんは?」
「私は今はそばにいないほうがいいと思うからロニアのところにいるわ。ターシャちゃんの立場上難しいのかもしれないけど、何があってもあの子の味方でいてあげて」
「もちろんです」
理沙のことはターシャちゃんに任せよう。
人間関係に冷めてそうなターシャちゃんだけど、フォローはしてくれるでしょう。むしろすごく冷静に状況を分析してくれそう。
「ロニア、ちょっといい?」
「マサコ様、どうされました?」
「理沙と喧嘩しちゃったから、今日はここに泊めて」
ロニアにも部屋が割り当てられていて、ベッドとソファがあるので、ソファを使わせてほしい。
ベイロール王国に言えば部屋をもう一つ用意してもらえるそうだけど、あんまり大事にしたくないので今日だけこの部屋に居候させて。
それで、明日以降のことは明日考えましょう。
「マサコ様、大丈夫ですか?」
「ちょっと無理かも」
祐也が大学を卒業して家を出てから、お互いぶつかりそうになったら距離を置くようになり、喧嘩をすることもなくなった。
だから久しぶりすぎてどうやって気持ちを立て直していたのか思い出せない。
「私でよければ伺いますよ」
「そうね。聞いてちょうだい。私たちが本当の親子じゃないこと知ってる?」
「え?」
どうやらロニアには知らされていないらしい。
というか、私たちが親子じゃないことは誰が知っているんだろう。クインスでは乳母と思われていたので、その情報はトルゴードもベイロールも掴んでいるはずだけど。
「召喚される時にたまたまその場に居合わせて、理沙が私に助けを求めたから手を取ったら一緒に召喚されちゃったのよ」
召喚されてから、理沙とどんな話をして、どんな風に仲良くなって親子になったのか説明しているうちに、私の気持ちも落ち着いてきた。
もともと私たちは他人で、でもこの世界ではお互いが唯一の同郷の人で、だから手を取り合って生きてきた。
自分の気持ちを保つために、理沙のためと言って自分を奮い立たせることもあった。それが理沙には重荷だったのだろう。
理沙が私のことをどう思っていたかは分からないけど、でもずっと迷惑に感じていたとは思いたくない。
「私から見れば、お二人の間の絆はとても強いものに見えます。今聖女様は、その……」
「恋は思案の外ってこっちでも言うのかしら」
「愛と理性は両立しない、と同じ意味でしょうか」
それがこちらのことわざなのね。どこの世界も同じね。
まあなるようにしかならないから、今日は考えるのをやめて、もう不貞寝しよう。
理沙のことはターシャちゃんに任せて、理沙とは会わずに過ごしていた5日目、ターシャちゃんが私を呼びに来た。
毎日ターシャちゃんから理沙の様子は聞いていたから、理沙の気持ちが落ち着くまでは顔を出さないと伝えてもらっていた。
「理沙さんはマートル王子殿下とは今後会わないと決められました」
「そう……」
「もし許されるなら、政子さんに謝りたいと」
許さないわけないでしょう。
日にちがたって落ち着いてくると、あれは理沙の本心ではなくて、売り言葉に買い言葉だったのだと思えるようになった。
多少うっとおしいとは思っているかもしれないけど、それは祐也にも思い込みで先走りすぎると怒られていたし。
「政子さん、理沙さんは政子さんを巻き込んでしまったことをとても後悔しています」
「……バカな子ね」
理沙が気にすることじゃないのに。
それで見捨てるくらいなら、とっくに一人でこの世界での生活を始めているわよ。
理沙の部屋まで行くと、扉の前でカーラちゃんが警護をしていた。
「迷惑をかけてごめんなさいね」
「いいえ。リサ様がお待ちですよ」
「ありがとう」
入るわよ、と声をかけて部屋に入ると、理沙がソファに座っていた。
5日ぶりに見る理沙は、泣きはらしたのか目が赤い。
「お母さん、ごめんなさい」
まだお母さんと呼んでくれるのね。
向かいのソファに座って、理沙に話しかける。
「ねえ理沙、私たちは他人だわ」
「お母さん……」
「だから、言いたいことはお互いちゃんと言いましょう。血のつながりは何があっても切れないけど、私たちはそうじゃない」
それがいいか悪いかは別にして、血のつながりはどうあっても切れない。だからこそ大変なこともあるけど、そこに繋がりは残る。
けれどそういう関係がない私たちは、喧嘩別れをしてしまったらそこで繋がりが切れてしまう。
この世界に来て、二人だけになってしまって、私が言いくるめるような形で理沙と親子になった。
ただ親子と言っているだけで証明するものは何もない、いわば親子ごっこだ。
「私は理沙が娘になってくれて嬉しかった。理沙は嫌だった?」
「そんなことない!ごめんなさい、ごめんなさい」
責めてるんじゃないから、謝らなくていいのよ。ただ、お互いにちゃんと思っていること、考えていることを確認しましょう。
ロニアを紹介された時、私は祐也のことを思い出して少し落ち込んでしまった。その時に理沙は私を心配してくれたのに、私はそれを取り合わず、話を変えて流してしまった。
あの時ちゃんと理沙に向き合うべきだったのだ。私に対して責任を感じてしまっている理沙の後悔に、ちゃんと向き合わないといけなかったのだ。
「私はこの世界に来てしまったこと、後悔はしてないわ」
「でも……」
「祐也に二度と会えないのは辛い。もしかしたら孫が生まれているのかもしれないけど知ることもできないのは悲しい。でもそれを理沙のせいだとは思ってない」
憎むならあの召喚を実行すると決めた人たちだ。
そして、あの時理沙に手を伸ばした自分自身だ。でも、また同じ状況になっても、きっと私は理沙に手を伸ばす。だから後悔はしないと決めた。
「私が理沙のためにあれこれするのが重かった?」
「……」
「正直に言って。そうじゃないとまた繰り返すでしょう」
「……ちょっとだけ。こんなにいろいろしてもらっていいのかなって」
そうだったのね。これからはやり過ぎないように気を付けるわ。
「私は理沙の浄化の恩恵に預かって、こうして不自由なく生活できている。私自身はこの世界で何もしていないのに。それが理沙の能力に集っているみたいで、何とかその恩を返したいって思ってたの」
「そんことないのに。お母さんがいなかったら私は今頃クインスで泣いてたよ」
負い目を持っているのは、理沙だけじゃないのよ。
お互い、相手から貰っているもののほうが多いと思っていたのね。
理沙の隣に移動して、仲直りしましょうと言うと、理沙から抱き着いてきた。
これからは拗れる前に、思っていることは口に出して言おう。エスパーじゃないから言ってくれないと分からない。
「でも、あの言い方はダメよ」
「ごめんなさい」
一度口から出た言葉は取り返せない。後悔しても遅いのだ。
理沙の頬を両手でぺちっと叩いてそのまま潰すと、唇がアヒルみたいになって可愛い。
今回はこれで許してあげましょう。でも2回目はげんこつよ。
だけど、あの人と理沙が幸せになれるとは思えないのだ。
婚約解消は聞いていると言っていたけど、それは裏を返せば愛人のことは聞いていない。それがこの世界では許されることなのかは分からないけれど、私たちにとっては不誠実な行いだ。
「ターシャちゃん、ちょっといいかしら」
「政子さん、理沙さんと口論をされたと聞きましたが」
どうやら理沙の声が扉の外まで聞こえていたらしい。
それがすでにターシャちゃんにも知らされていて、今から理沙の部屋に向かおうとしていたそうだ。
「マー君王子の愛人のことを聞かせたら怒っちゃって」
「それは……」
「仕方ないと思うわ。それでね、ターシャちゃんにお願いなんだけど、理沙のそばにいてやってほしいの」
「政子さんは?」
「私は今はそばにいないほうがいいと思うからロニアのところにいるわ。ターシャちゃんの立場上難しいのかもしれないけど、何があってもあの子の味方でいてあげて」
「もちろんです」
理沙のことはターシャちゃんに任せよう。
人間関係に冷めてそうなターシャちゃんだけど、フォローはしてくれるでしょう。むしろすごく冷静に状況を分析してくれそう。
「ロニア、ちょっといい?」
「マサコ様、どうされました?」
「理沙と喧嘩しちゃったから、今日はここに泊めて」
ロニアにも部屋が割り当てられていて、ベッドとソファがあるので、ソファを使わせてほしい。
ベイロール王国に言えば部屋をもう一つ用意してもらえるそうだけど、あんまり大事にしたくないので今日だけこの部屋に居候させて。
それで、明日以降のことは明日考えましょう。
「マサコ様、大丈夫ですか?」
「ちょっと無理かも」
祐也が大学を卒業して家を出てから、お互いぶつかりそうになったら距離を置くようになり、喧嘩をすることもなくなった。
だから久しぶりすぎてどうやって気持ちを立て直していたのか思い出せない。
「私でよければ伺いますよ」
「そうね。聞いてちょうだい。私たちが本当の親子じゃないこと知ってる?」
「え?」
どうやらロニアには知らされていないらしい。
というか、私たちが親子じゃないことは誰が知っているんだろう。クインスでは乳母と思われていたので、その情報はトルゴードもベイロールも掴んでいるはずだけど。
「召喚される時にたまたまその場に居合わせて、理沙が私に助けを求めたから手を取ったら一緒に召喚されちゃったのよ」
召喚されてから、理沙とどんな話をして、どんな風に仲良くなって親子になったのか説明しているうちに、私の気持ちも落ち着いてきた。
もともと私たちは他人で、でもこの世界ではお互いが唯一の同郷の人で、だから手を取り合って生きてきた。
自分の気持ちを保つために、理沙のためと言って自分を奮い立たせることもあった。それが理沙には重荷だったのだろう。
理沙が私のことをどう思っていたかは分からないけど、でもずっと迷惑に感じていたとは思いたくない。
「私から見れば、お二人の間の絆はとても強いものに見えます。今聖女様は、その……」
「恋は思案の外ってこっちでも言うのかしら」
「愛と理性は両立しない、と同じ意味でしょうか」
それがこちらのことわざなのね。どこの世界も同じね。
まあなるようにしかならないから、今日は考えるのをやめて、もう不貞寝しよう。
理沙のことはターシャちゃんに任せて、理沙とは会わずに過ごしていた5日目、ターシャちゃんが私を呼びに来た。
毎日ターシャちゃんから理沙の様子は聞いていたから、理沙の気持ちが落ち着くまでは顔を出さないと伝えてもらっていた。
「理沙さんはマートル王子殿下とは今後会わないと決められました」
「そう……」
「もし許されるなら、政子さんに謝りたいと」
許さないわけないでしょう。
日にちがたって落ち着いてくると、あれは理沙の本心ではなくて、売り言葉に買い言葉だったのだと思えるようになった。
多少うっとおしいとは思っているかもしれないけど、それは祐也にも思い込みで先走りすぎると怒られていたし。
「政子さん、理沙さんは政子さんを巻き込んでしまったことをとても後悔しています」
「……バカな子ね」
理沙が気にすることじゃないのに。
それで見捨てるくらいなら、とっくに一人でこの世界での生活を始めているわよ。
理沙の部屋まで行くと、扉の前でカーラちゃんが警護をしていた。
「迷惑をかけてごめんなさいね」
「いいえ。リサ様がお待ちですよ」
「ありがとう」
入るわよ、と声をかけて部屋に入ると、理沙がソファに座っていた。
5日ぶりに見る理沙は、泣きはらしたのか目が赤い。
「お母さん、ごめんなさい」
まだお母さんと呼んでくれるのね。
向かいのソファに座って、理沙に話しかける。
「ねえ理沙、私たちは他人だわ」
「お母さん……」
「だから、言いたいことはお互いちゃんと言いましょう。血のつながりは何があっても切れないけど、私たちはそうじゃない」
それがいいか悪いかは別にして、血のつながりはどうあっても切れない。だからこそ大変なこともあるけど、そこに繋がりは残る。
けれどそういう関係がない私たちは、喧嘩別れをしてしまったらそこで繋がりが切れてしまう。
この世界に来て、二人だけになってしまって、私が言いくるめるような形で理沙と親子になった。
ただ親子と言っているだけで証明するものは何もない、いわば親子ごっこだ。
「私は理沙が娘になってくれて嬉しかった。理沙は嫌だった?」
「そんなことない!ごめんなさい、ごめんなさい」
責めてるんじゃないから、謝らなくていいのよ。ただ、お互いにちゃんと思っていること、考えていることを確認しましょう。
ロニアを紹介された時、私は祐也のことを思い出して少し落ち込んでしまった。その時に理沙は私を心配してくれたのに、私はそれを取り合わず、話を変えて流してしまった。
あの時ちゃんと理沙に向き合うべきだったのだ。私に対して責任を感じてしまっている理沙の後悔に、ちゃんと向き合わないといけなかったのだ。
「私はこの世界に来てしまったこと、後悔はしてないわ」
「でも……」
「祐也に二度と会えないのは辛い。もしかしたら孫が生まれているのかもしれないけど知ることもできないのは悲しい。でもそれを理沙のせいだとは思ってない」
憎むならあの召喚を実行すると決めた人たちだ。
そして、あの時理沙に手を伸ばした自分自身だ。でも、また同じ状況になっても、きっと私は理沙に手を伸ばす。だから後悔はしないと決めた。
「私が理沙のためにあれこれするのが重かった?」
「……」
「正直に言って。そうじゃないとまた繰り返すでしょう」
「……ちょっとだけ。こんなにいろいろしてもらっていいのかなって」
そうだったのね。これからはやり過ぎないように気を付けるわ。
「私は理沙の浄化の恩恵に預かって、こうして不自由なく生活できている。私自身はこの世界で何もしていないのに。それが理沙の能力に集っているみたいで、何とかその恩を返したいって思ってたの」
「そんことないのに。お母さんがいなかったら私は今頃クインスで泣いてたよ」
負い目を持っているのは、理沙だけじゃないのよ。
お互い、相手から貰っているもののほうが多いと思っていたのね。
理沙の隣に移動して、仲直りしましょうと言うと、理沙から抱き着いてきた。
これからは拗れる前に、思っていることは口に出して言おう。エスパーじゃないから言ってくれないと分からない。
「でも、あの言い方はダメよ」
「ごめんなさい」
一度口から出た言葉は取り返せない。後悔しても遅いのだ。
理沙の頬を両手でぺちっと叩いてそのまま潰すと、唇がアヒルみたいになって可愛い。
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