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3年目 オルデキア西部・マトゥオーソ編
【閑話】マトゥオーソ王国クリニエ冒険者ギルド長
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クリニエは、マトゥオーソ王国の王都と隣国オルデキア王国の王都を結ぶ街道上にある、それなりに栄えた街だ。このあたりはカリスタの森からの魔物もあまり現れず、街には街道を行き来する商人や旅人を相手にする宿屋や食堂が多く立ち並ぶ。冒険者ギルドの依頼は、草原での採取や商会の護衛が多い。
大きな事件もないクリニエでギルド長を務めて四年、王都に用事があって、初めての王都への出張があった。冒険者時代を思い出しながら馬車で移動したが、書類に囲まれているより、こういうほうが楽しい。
不在中は副長と事務長がうまくやっていてくれるはずなので、心配していない。俺よりも仕事のできる二人がいれば、何も問題は起きないだろう。
そう思って、王都出張を終わらせて街に戻ると、問題が起きていた。
王都へ向かっているオルデキアの商会が、護衛依頼を受けた冒険者に縛られて放置された伯爵子息を保護したそうだ。依頼主を縛って逃亡するなど、ましてやその相手が貴族では、大問題だ。
私が王都から戻ってきている間に、伯爵家と連絡を取り、商会が王都まで連れ帰ることに決まっていた。
「冒険者の不始末で、迷惑をかけて申し訳ない。伯爵子息の同行、感謝する。新たに護衛の冒険者は必要か?」
「不要です。この先は我々の商会の護衛だけでも十分でしょう」
「分かった。王都の冒険者ギルドには連絡をしておくので、王都についたら顔を出してほしい」
冒険者の尻拭いをしてもらうのだから、冒険者ギルドからも謝礼が出る。そこは護衛依頼を仲介した王都のギルドに任せよう。
これでこの問題は終わったと思ったのだが、商人は最後に警告を残していった。
「ギルド長、副長が上級ランクの冒険者に『貴族が使役獣を欲しがるなら渡せ』と言ったそうです。当の冒険者は、早々にこの街を離れました」
「はあ? 使役獣を渡せって、そんなことが……。あ、いや、情報感謝する」
どういうことだ。そんな愚かなことはしていないと信じたいが、信用を重視する商人が根拠もなくこんなことを言うわけがない。
確認してみると、本当に言っていた。しかも、事の重大さに本人がまったく気づいていない。
「お前、なんてことをしてくれたんだ」
「ですが、あの使役獣は、薬草探ししかできないようですから、上級ランクには釣り合いません。あの程度の能力であれば、また見つけることも出来るでしょう」
「そういうことじゃない! ギルドが冒険者の味方にならなくてどうするんだ。冒険者がこの街から逃げ出すぞ」
「貴族ともめるほうが、ギルドには痛手です」
使役獣が有用かどうかなんて、問題じゃないんだ。冒険者ギルドの仕事は、ならず者として煙たがられる存在でもある冒険者を統率し、地域の住民との間を取り持つことだ。冒険者が暴動を起こせば力では抑えきれないのだから、支配するのではなく、住民に迷惑をかけないように決めたルールに納得して従ってもらうのだ。そのためには、ギルドは冒険者の味方であり、冒険者から信頼される組織でなければならない。
上級ランクを敵に回せば、冒険者全体を敵に回したも同じだ。上級ランクが、あのギルドは信用ならないと言えば、それに追従する冒険者が出てもおかしくないのだ。その危険性を説明しても、ピンとこないようだ。
どうして分からないんだ。貴族からの依頼は実入りはいいかもしれないが、受ける冒険者がいなければ、依頼を受けることもできない。冒険者は活動場所を自由に選べる。このギルドが信用ならないと別の街に移動する冒険者が続出すれば、ギルドが立ち行かなくなるぞ。
それに、あの上級ランクはオルデキアの元貴族だ。可能性は低いが、外交問題に発展しないとも限らない。だがそれも、気に留めていなかった。
「他国の元貴族と自国の貴族、どちらが重要かは明白です」
「……お前はしばらく表には出ずに、裏で書類仕事をしていろ」
副長は降格だ。優秀だが、融通が利かないと思ってはいたが、こんな形でトラブルになるとは思っていなかった。判断が甘かったな。
副長は俺の決定に納得がいかない顔をしているが、今回ばかりは甘い顔はできない。冒険者の信頼を失うわけにはいかないのだ。
「事務方出身だと冒険者の気持ちが分からないのか? 仕事はできるやつだが」
「まあ副長、じゃなくて、元副長の言いたいことも分かりますよ。他国を拠点にしている冒険者よりも、自国の貴族ともめないことを優先したいというのは。ただ、それはギルドの方針に反しますし、何より上級ランクという影響力を持つ相手、しかも商会護衛中の冒険者に対しては悪手でしかありませんね」
「俺は王都のギルド長に謝罪をお願いする。ギルドには、副長の降格と俺の減俸を知らせる張り紙をしてくれ」
「分かりました」
事務長は事態のまずさに気づいていたから、あいつの問題なのか。
もう商人の間にこのギルドの悪評は広まっているだろうから、元副長は自分のしたことを思い知ることになる。商会のうわさの広がる速さと恐ろしさを。ベテラン冒険者が流出しないといいんだが。
俺の小遣いがなくなるが、ギルドが反省しているという態度を冒険者に示して引き留められるなら、安いものだろう。
張り紙をしてすぐ、件の上級ランクから話を聞かれた冒険者がいることが分かった。この街出身で、長く活動しているベテランだ。
「カール、上級ランクはどんな様子だった?」
「ギルドの前で、ここのギルドの評判を聞かれましたよ。あれって副長がやらかしたからだったんですねえ」
「それで、どう答えたんだ?」
「悪い話は聞かないし、俺たちは困ってないと答えました。兄さんは納得してましたけど」
怒っている様子はなかったというから、副長の独断か、このギルドが貴族と癒着しているのか、どちらなのかを知りたかったのかもしれない。
「使役獣の様子はどうだった?」
「兄さんの肩に乗って、あたりをうかがっていましたけど、警戒してる様子もありませんでしたよ。あの使役獣、何ができるんですか?」
「薬草探しだ。匂いで貴重な薬草をたくさん見つけている評判の狐らしい」
「なるほど。だから屋台の方向を向いて、鼻をひくひくしていたんですね。貴族に目を付けられるのも納得の可愛い狐でしたよ」
カールは「なでさせてもらえばよかった」とのん気なことを言っているが、食べ物につられるような単純な使役獣で、本当によかった。ギルド内で暴れられて怪我人が出たら、目も当てられなかった。
上級ランクと使役獣がこの地を離れてしまった以上、俺たちにできることはない。王都のギルド長が上手くとりなしてくれることを期待しよう。
すでに王都側からこの街に寄る商会がわずかながら減っている気がする。
ただ、カールをはじめ、地元で長く活躍する冒険者には、元副長が対応に失敗しただけで、このギルド自体へ不信感を持っているようには感じられないから、一時的な影響で終わりそうだ。
街中でもうわさが広がっていて、特に宿の関係者からの視線は厳しいが、しばらく踏ん張ればなんとかなるだろう。
そう安心していたときに、王都から連絡が入った。
「ギルド長、統括長から今回のことを至急報告するようにとのことです」
「統括長だと?!」
未遂なのに、なんで統括長が出てくるんだ。
やっぱり他国の上級ランク相手にやらかしたのがまずかったのか……?
頭を抱える俺の前に、統括長からの連絡を伝えてくれた職員が、甘いクッキーをそっと置いてくれた。小遣いが減ったせいでおやつが買えなくて甘いものに飢えていたから、ありがたいやら、情けないやら。
内部調査が入ったら、減俸が長引くかもしれない。このクッキーは大事に食べよう。
大きな事件もないクリニエでギルド長を務めて四年、王都に用事があって、初めての王都への出張があった。冒険者時代を思い出しながら馬車で移動したが、書類に囲まれているより、こういうほうが楽しい。
不在中は副長と事務長がうまくやっていてくれるはずなので、心配していない。俺よりも仕事のできる二人がいれば、何も問題は起きないだろう。
そう思って、王都出張を終わらせて街に戻ると、問題が起きていた。
王都へ向かっているオルデキアの商会が、護衛依頼を受けた冒険者に縛られて放置された伯爵子息を保護したそうだ。依頼主を縛って逃亡するなど、ましてやその相手が貴族では、大問題だ。
私が王都から戻ってきている間に、伯爵家と連絡を取り、商会が王都まで連れ帰ることに決まっていた。
「冒険者の不始末で、迷惑をかけて申し訳ない。伯爵子息の同行、感謝する。新たに護衛の冒険者は必要か?」
「不要です。この先は我々の商会の護衛だけでも十分でしょう」
「分かった。王都の冒険者ギルドには連絡をしておくので、王都についたら顔を出してほしい」
冒険者の尻拭いをしてもらうのだから、冒険者ギルドからも謝礼が出る。そこは護衛依頼を仲介した王都のギルドに任せよう。
これでこの問題は終わったと思ったのだが、商人は最後に警告を残していった。
「ギルド長、副長が上級ランクの冒険者に『貴族が使役獣を欲しがるなら渡せ』と言ったそうです。当の冒険者は、早々にこの街を離れました」
「はあ? 使役獣を渡せって、そんなことが……。あ、いや、情報感謝する」
どういうことだ。そんな愚かなことはしていないと信じたいが、信用を重視する商人が根拠もなくこんなことを言うわけがない。
確認してみると、本当に言っていた。しかも、事の重大さに本人がまったく気づいていない。
「お前、なんてことをしてくれたんだ」
「ですが、あの使役獣は、薬草探ししかできないようですから、上級ランクには釣り合いません。あの程度の能力であれば、また見つけることも出来るでしょう」
「そういうことじゃない! ギルドが冒険者の味方にならなくてどうするんだ。冒険者がこの街から逃げ出すぞ」
「貴族ともめるほうが、ギルドには痛手です」
使役獣が有用かどうかなんて、問題じゃないんだ。冒険者ギルドの仕事は、ならず者として煙たがられる存在でもある冒険者を統率し、地域の住民との間を取り持つことだ。冒険者が暴動を起こせば力では抑えきれないのだから、支配するのではなく、住民に迷惑をかけないように決めたルールに納得して従ってもらうのだ。そのためには、ギルドは冒険者の味方であり、冒険者から信頼される組織でなければならない。
上級ランクを敵に回せば、冒険者全体を敵に回したも同じだ。上級ランクが、あのギルドは信用ならないと言えば、それに追従する冒険者が出てもおかしくないのだ。その危険性を説明しても、ピンとこないようだ。
どうして分からないんだ。貴族からの依頼は実入りはいいかもしれないが、受ける冒険者がいなければ、依頼を受けることもできない。冒険者は活動場所を自由に選べる。このギルドが信用ならないと別の街に移動する冒険者が続出すれば、ギルドが立ち行かなくなるぞ。
それに、あの上級ランクはオルデキアの元貴族だ。可能性は低いが、外交問題に発展しないとも限らない。だがそれも、気に留めていなかった。
「他国の元貴族と自国の貴族、どちらが重要かは明白です」
「……お前はしばらく表には出ずに、裏で書類仕事をしていろ」
副長は降格だ。優秀だが、融通が利かないと思ってはいたが、こんな形でトラブルになるとは思っていなかった。判断が甘かったな。
副長は俺の決定に納得がいかない顔をしているが、今回ばかりは甘い顔はできない。冒険者の信頼を失うわけにはいかないのだ。
「事務方出身だと冒険者の気持ちが分からないのか? 仕事はできるやつだが」
「まあ副長、じゃなくて、元副長の言いたいことも分かりますよ。他国を拠点にしている冒険者よりも、自国の貴族ともめないことを優先したいというのは。ただ、それはギルドの方針に反しますし、何より上級ランクという影響力を持つ相手、しかも商会護衛中の冒険者に対しては悪手でしかありませんね」
「俺は王都のギルド長に謝罪をお願いする。ギルドには、副長の降格と俺の減俸を知らせる張り紙をしてくれ」
「分かりました」
事務長は事態のまずさに気づいていたから、あいつの問題なのか。
もう商人の間にこのギルドの悪評は広まっているだろうから、元副長は自分のしたことを思い知ることになる。商会のうわさの広がる速さと恐ろしさを。ベテラン冒険者が流出しないといいんだが。
俺の小遣いがなくなるが、ギルドが反省しているという態度を冒険者に示して引き留められるなら、安いものだろう。
張り紙をしてすぐ、件の上級ランクから話を聞かれた冒険者がいることが分かった。この街出身で、長く活動しているベテランだ。
「カール、上級ランクはどんな様子だった?」
「ギルドの前で、ここのギルドの評判を聞かれましたよ。あれって副長がやらかしたからだったんですねえ」
「それで、どう答えたんだ?」
「悪い話は聞かないし、俺たちは困ってないと答えました。兄さんは納得してましたけど」
怒っている様子はなかったというから、副長の独断か、このギルドが貴族と癒着しているのか、どちらなのかを知りたかったのかもしれない。
「使役獣の様子はどうだった?」
「兄さんの肩に乗って、あたりをうかがっていましたけど、警戒してる様子もありませんでしたよ。あの使役獣、何ができるんですか?」
「薬草探しだ。匂いで貴重な薬草をたくさん見つけている評判の狐らしい」
「なるほど。だから屋台の方向を向いて、鼻をひくひくしていたんですね。貴族に目を付けられるのも納得の可愛い狐でしたよ」
カールは「なでさせてもらえばよかった」とのん気なことを言っているが、食べ物につられるような単純な使役獣で、本当によかった。ギルド内で暴れられて怪我人が出たら、目も当てられなかった。
上級ランクと使役獣がこの地を離れてしまった以上、俺たちにできることはない。王都のギルド長が上手くとりなしてくれることを期待しよう。
すでに王都側からこの街に寄る商会がわずかながら減っている気がする。
ただ、カールをはじめ、地元で長く活躍する冒険者には、元副長が対応に失敗しただけで、このギルド自体へ不信感を持っているようには感じられないから、一時的な影響で終わりそうだ。
街中でもうわさが広がっていて、特に宿の関係者からの視線は厳しいが、しばらく踏ん張ればなんとかなるだろう。
そう安心していたときに、王都から連絡が入った。
「ギルド長、統括長から今回のことを至急報告するようにとのことです」
「統括長だと?!」
未遂なのに、なんで統括長が出てくるんだ。
やっぱり他国の上級ランク相手にやらかしたのがまずかったのか……?
頭を抱える俺の前に、統括長からの連絡を伝えてくれた職員が、甘いクッキーをそっと置いてくれた。小遣いが減ったせいでおやつが買えなくて甘いものに飢えていたから、ありがたいやら、情けないやら。
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