知識0から創る異世界辞典(ストラペディア)~チャラ駄神を添えて~

「【なろうぜ系】って分かる?」
「分かりません」
「ラノベ読んだ事無い?」
「ありません」
「ラノベって分かる?」
「ライトノベルの略です」
「漫画は?」
「読みません」
「ゲーム」
「しません」
「テレビ」
「見ません」
「ざけんなおらあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 サブカル0知識の私が死んだ先で背負わされたのは、
 異世界情報を詰め込んだ【異世界辞典】の編纂作業でした。


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 利己的な人間に歪まされた自分の居場所を守る為に、私は私の正しさを貫く事で歪みを利己的な人間ごと排斥しようとした。
 結果、利己的な人間により私の人生は幕を下ろした。
 …違う。本当に利己的であったのは、紛まぎれも無く、私だ。間違えてしまったのだ。私は。その事実だけは間違えてはならない。

「……私は確かに、正しさという物を間違えました」
「そうだよなァ!? 綺麗事はやめようよ、ねェ! キミは正義の味方でも何でもないでしょォ!?」

 我が意を得たり、と言わんばかりに醜くく歪んだ笑顔を見せる創造主。
 そんな主に作られた、弄れるかわいそうな命。
 違う…、違う!! その命達を憐れむ権利など私には無い!

「───だから?」
「……へっ?」
「だから、それがどうかしたんですか。私は今度こそ私の正しさを貫き通します。あなたが生み出したこの星の命へ、そしてあなたへ」

 
 
 彼等のその手にそれぞれ強制的に渡されたとある本。それは目の前に浮かぶ地球によく似た星そのものであり、これから歩む人生でもある。二人の未熟なカミサマに与えられた使命、それはその本を完成させる事。

 誰の思惑なのか、何故選ばれたのか、それすらも分からず。

 一人は自らの正しさを証明する為に。
 一人は自らの人生を否定し自由に生きる為に。

 ───これは、意図せず『カミサマ』の役目を負わされてしまった不完全な者達が、自ら傷付きながらも気付き立ち上がり、繰り返しては進んでいく天地創造の軌跡である。
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