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第2章 神の大地と自由への解放
勇者、厄介事に巻き込まれそうです。
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…………どうしてこうなった。
色とりどりの布を持って迫り来る人垣に、こっそりと溜め息を吐きながら、早く帰りたい…と切実に思った。
◇
遡ること数日、私は単独でラウルスに行くことを決めた。
理由は2つ。
1つは、アルビオンを始めとした人間が統治する国々に未だ根強く残る奴隷制度の最大の被害者が、ラウルスを含むエウロス大陸の亜人達であること。当然彼等は人間に対して良い感情を持っていない為、異世界人とはいえ人間である秋ちゃん達をラウルスに連れて行くのは難しい。
もう1つは、精霊を敬う彼等にとって精霊が避ける瘴気を纏う魔族は忌避する対象である事。その為、半魔とはいえシリウスとレオニスも連れては行けない。
そう説明し、渋るシリウスとレオニスにはルークスの補助を最小限に抑えて残りの上級ダンジョンを任せることにした。強くなってもらわなくては困る、と今一度言って聞かせるとやってみせる、と元気な返事が返ってきた。
ネイサンさんとオリヴァーさんには取り敢えず軍資金を渡し、ヴォルフさんとラディウス様に仲介を、秋ちゃんに通訳と引き続き先生役を頼んで、早速依頼を進めてもらうことにした。
ルークスにシリウスとレオニスを任せ、ラウルスに行く前にルシオラ様の元へ向かった。勿論、眷属精霊化の一応の許可と可能かどうかの確認である。
「うん、大丈夫じゃないかしら?」
「本当?しても良い?」
「構わないわよ。」
「良かったー。」
ほっと息を吐いて隣に座るルシオラ様の肩に凭れる。
「安心するのはまだ早いわよ?神獣達と交渉するんでしょう?」
「うん、でもルシオラ様の許可を貰ってるかいないかで大分違うもの。」
「まぁね。」
ぽんぽん、と私の頭を撫でながらルシオラ様は笑う。
「しかし、魔族を精霊にねぇ…」
「やっぱり嫌?」
「魔王がなってるのに今更じゃないかしら?」
「えっと、ごめんなさい…?」
疑問系で謝ると、ルシオラ様はくすくすと笑った。
「魔族なんて、瘴気に適応した生存本能が逞しい者達の呼び名でしかないわよ。」
祖先を辿れば、魔族とは神に遣えた者達の末裔であり、突如溢れ出した瘴気の最も多い場所で、適応して瘴気を魔力に変換することに成功した事で大きな力を手に入れた者達を指すのだ。神々の怨みや憎悪に適応したのだから、性格が荒くなったのは仕方がない…と思う。
「瘴気さえ漂ってなければ、魔族にも近付くもんね…精霊さん達。」
「好奇心旺盛だもの…あの子達。」
時々困るのよねぇ、と笑いながら言うルシオラ様は優しい。
「それはそうと、ラウルスの王城とか行くのよね?」
「うん?あー…うん、ザイン様に挨拶とかいくけど…」
じっと見つめてくるルシオラ様の視線に、微妙に嫌な気配を感じる。
「…じゃあオシャレ、しないとぉ…ダメじゃなぁい?」
うなじの辺りをぬるりと何かが這う感覚に飛び上がるように振り返ると、真っ白いニシキヘビサイズの大蛇が鎌首をもたげてチロチロと赤い舌を出していた。
「あら、良く分かってるじゃない?ユトゥルナ。」
「ぜ~んぶレースってのも、良いんじゃないかしらぁ…?」
ふふっと笑いながら水の大精霊…ユトゥルナ様は私の身体を伝ってするするとソファーの上へ滑り降りる。
「べ、別にっ!夜会に参加する訳じゃないし…っ!」
「あら、そろそろ王妃の誕生日じゃなかったかしら?」
「う、ぐぅ…」
「「さ、お着替えしましょう?」」
◇
そうして、現在絶賛着せ替え人形中である。
「ルシオラ様、まだ?」
「ま・だ・よ!あなた、折角可愛いんだからもっとオシャレに興味を持ちなさい。」
「えぇー…美人が身近に多過ぎて無理ー。」
「あらぁ…?誰のことぉ?」
いつの間にか姿を変えたユトゥルナ様がレースを手にこてんっと首を傾げると、白く長いストレートの髪がさらさらと白い肌を滑った。コバルトスピネルの瞳はとろんとして潤み、肉感的なスタイルと相まって妖艶な雰囲気を醸し出していた。深く大胆なスリットの入った淡いアクアブルーのベアトップのマーメイドラインドレスは、溜め息が出るほどユトゥルナ様に良く似合う。
「ルシオラ様とユトゥルナ様はもちろん、大精霊の方々はタイプは違うけど皆様美人ですし、ルーも美人だし…王様達も美形ばっかりだしー…」
指折り数えてみると、自分の顔面偏差値の低さを改めて実感する。
「そもそも、動きやすい服の方が好きだもん。」
「それでもオシャレのしようなんて、いくらでもあるじゃない。」
「ルシオラ様?夜宵ちゃんはぁ…こうやって、構ってもらうのが…好きなんじゃないかしらぁ?」
「それは……否定しないです。」
うふふ、と笑って私を後ろから抱き締めるユトゥルナ様からは花の香りの混じるお酒の匂いがした。
「ユトゥルナ様、今日はバラのお酒?」
「そうよぉ…ふふ、今年のは出来がいいのぉ。」
ユトゥルナ様は、大のお酒好きで素面でいることの方が少ない。
「まったくもぅ…」
腰に手を当てて呆れたように溜息を吐くルシオラ様に誤魔化すように笑みを向ける。
「だって、ルシオラ様の方がセンス良いんだもん。」
「仕方がない子ねぇ。」
そう言いつつ嬉しそうにユトゥルナ様と服選びに戻っていった。
「うーん…いつになったら出発出来るかなぁ…」
2人の服選びはまだ掛かりそうだ。
「夜宵ちゃん、ラウルスに行くですかぁ?」
「オリヴィン様。」
ちょこんと、少し困った様子の緑の大精霊オリヴィン様がいつの間にか足下に居た。
「ラウルスには行きますけど…どうしたんですか?」
「夜宵ちゃん、僕も連れてって欲しいのです。」
「え、ラウルスにですか?」
オリヴィン様を抱き上げ、首を傾げる。
「………ダフネの調子が悪いみたいなのです。」
ダフネさんは、ラウルスの象徴とも言える月桂樹の精霊さんだ。
「様子を見に行きたいですが…行くと騒ぎになるです。」
「あー…」
精霊信仰が強いラウルスにおいて、単独で大精霊が顕現すると大騒ぎになる。ダフネさんの調子が悪いとなれば、余計に騒ぎは大きくなるだろう。
「つまり…私にラウルスとの調整役と、いざと言う時の盾役をやれと言うんですね?」
「はいです!」
ぱあぁっと瞳を輝かせてオリヴィン様は見上げてくる。
「………正直すぎるお口はこれですか。」
むにぃーっと頬を引っ張る。
「ひゃめへくらはいぃ~っ!」
「はぁ……」
「あ、私もぉ…一緒に行くわ~。」
数枚のドレスを手にユトゥルナ様はおっとりと笑う。
「大精霊様を2人も連れてけと…?」
「悪いけど、私からもお願いするわ。」
ダフネの不調はラウルスと周辺の生態系に関わる、埋め合わせはするから…とルシオラ様は言った。
こうして……私は、ユトゥルナ様とオリヴィン様を連れてラウルスに向かうことになった。
………………厄介事に巻き込まれる気しかしない!!
――――――――――――――――――――――――――
ほろ酔い大精霊様ことユトゥルナ様登場しましたー。
ルシオラ様同様、夜宵にオシャレさすのとお酒を何より愛する蛇様です。もっと妖艶系にするつもりが…表現力が足りませんでしたΣ(ノд<)
色とりどりの布を持って迫り来る人垣に、こっそりと溜め息を吐きながら、早く帰りたい…と切実に思った。
◇
遡ること数日、私は単独でラウルスに行くことを決めた。
理由は2つ。
1つは、アルビオンを始めとした人間が統治する国々に未だ根強く残る奴隷制度の最大の被害者が、ラウルスを含むエウロス大陸の亜人達であること。当然彼等は人間に対して良い感情を持っていない為、異世界人とはいえ人間である秋ちゃん達をラウルスに連れて行くのは難しい。
もう1つは、精霊を敬う彼等にとって精霊が避ける瘴気を纏う魔族は忌避する対象である事。その為、半魔とはいえシリウスとレオニスも連れては行けない。
そう説明し、渋るシリウスとレオニスにはルークスの補助を最小限に抑えて残りの上級ダンジョンを任せることにした。強くなってもらわなくては困る、と今一度言って聞かせるとやってみせる、と元気な返事が返ってきた。
ネイサンさんとオリヴァーさんには取り敢えず軍資金を渡し、ヴォルフさんとラディウス様に仲介を、秋ちゃんに通訳と引き続き先生役を頼んで、早速依頼を進めてもらうことにした。
ルークスにシリウスとレオニスを任せ、ラウルスに行く前にルシオラ様の元へ向かった。勿論、眷属精霊化の一応の許可と可能かどうかの確認である。
「うん、大丈夫じゃないかしら?」
「本当?しても良い?」
「構わないわよ。」
「良かったー。」
ほっと息を吐いて隣に座るルシオラ様の肩に凭れる。
「安心するのはまだ早いわよ?神獣達と交渉するんでしょう?」
「うん、でもルシオラ様の許可を貰ってるかいないかで大分違うもの。」
「まぁね。」
ぽんぽん、と私の頭を撫でながらルシオラ様は笑う。
「しかし、魔族を精霊にねぇ…」
「やっぱり嫌?」
「魔王がなってるのに今更じゃないかしら?」
「えっと、ごめんなさい…?」
疑問系で謝ると、ルシオラ様はくすくすと笑った。
「魔族なんて、瘴気に適応した生存本能が逞しい者達の呼び名でしかないわよ。」
祖先を辿れば、魔族とは神に遣えた者達の末裔であり、突如溢れ出した瘴気の最も多い場所で、適応して瘴気を魔力に変換することに成功した事で大きな力を手に入れた者達を指すのだ。神々の怨みや憎悪に適応したのだから、性格が荒くなったのは仕方がない…と思う。
「瘴気さえ漂ってなければ、魔族にも近付くもんね…精霊さん達。」
「好奇心旺盛だもの…あの子達。」
時々困るのよねぇ、と笑いながら言うルシオラ様は優しい。
「それはそうと、ラウルスの王城とか行くのよね?」
「うん?あー…うん、ザイン様に挨拶とかいくけど…」
じっと見つめてくるルシオラ様の視線に、微妙に嫌な気配を感じる。
「…じゃあオシャレ、しないとぉ…ダメじゃなぁい?」
うなじの辺りをぬるりと何かが這う感覚に飛び上がるように振り返ると、真っ白いニシキヘビサイズの大蛇が鎌首をもたげてチロチロと赤い舌を出していた。
「あら、良く分かってるじゃない?ユトゥルナ。」
「ぜ~んぶレースってのも、良いんじゃないかしらぁ…?」
ふふっと笑いながら水の大精霊…ユトゥルナ様は私の身体を伝ってするするとソファーの上へ滑り降りる。
「べ、別にっ!夜会に参加する訳じゃないし…っ!」
「あら、そろそろ王妃の誕生日じゃなかったかしら?」
「う、ぐぅ…」
「「さ、お着替えしましょう?」」
◇
そうして、現在絶賛着せ替え人形中である。
「ルシオラ様、まだ?」
「ま・だ・よ!あなた、折角可愛いんだからもっとオシャレに興味を持ちなさい。」
「えぇー…美人が身近に多過ぎて無理ー。」
「あらぁ…?誰のことぉ?」
いつの間にか姿を変えたユトゥルナ様がレースを手にこてんっと首を傾げると、白く長いストレートの髪がさらさらと白い肌を滑った。コバルトスピネルの瞳はとろんとして潤み、肉感的なスタイルと相まって妖艶な雰囲気を醸し出していた。深く大胆なスリットの入った淡いアクアブルーのベアトップのマーメイドラインドレスは、溜め息が出るほどユトゥルナ様に良く似合う。
「ルシオラ様とユトゥルナ様はもちろん、大精霊の方々はタイプは違うけど皆様美人ですし、ルーも美人だし…王様達も美形ばっかりだしー…」
指折り数えてみると、自分の顔面偏差値の低さを改めて実感する。
「そもそも、動きやすい服の方が好きだもん。」
「それでもオシャレのしようなんて、いくらでもあるじゃない。」
「ルシオラ様?夜宵ちゃんはぁ…こうやって、構ってもらうのが…好きなんじゃないかしらぁ?」
「それは……否定しないです。」
うふふ、と笑って私を後ろから抱き締めるユトゥルナ様からは花の香りの混じるお酒の匂いがした。
「ユトゥルナ様、今日はバラのお酒?」
「そうよぉ…ふふ、今年のは出来がいいのぉ。」
ユトゥルナ様は、大のお酒好きで素面でいることの方が少ない。
「まったくもぅ…」
腰に手を当てて呆れたように溜息を吐くルシオラ様に誤魔化すように笑みを向ける。
「だって、ルシオラ様の方がセンス良いんだもん。」
「仕方がない子ねぇ。」
そう言いつつ嬉しそうにユトゥルナ様と服選びに戻っていった。
「うーん…いつになったら出発出来るかなぁ…」
2人の服選びはまだ掛かりそうだ。
「夜宵ちゃん、ラウルスに行くですかぁ?」
「オリヴィン様。」
ちょこんと、少し困った様子の緑の大精霊オリヴィン様がいつの間にか足下に居た。
「ラウルスには行きますけど…どうしたんですか?」
「夜宵ちゃん、僕も連れてって欲しいのです。」
「え、ラウルスにですか?」
オリヴィン様を抱き上げ、首を傾げる。
「………ダフネの調子が悪いみたいなのです。」
ダフネさんは、ラウルスの象徴とも言える月桂樹の精霊さんだ。
「様子を見に行きたいですが…行くと騒ぎになるです。」
「あー…」
精霊信仰が強いラウルスにおいて、単独で大精霊が顕現すると大騒ぎになる。ダフネさんの調子が悪いとなれば、余計に騒ぎは大きくなるだろう。
「つまり…私にラウルスとの調整役と、いざと言う時の盾役をやれと言うんですね?」
「はいです!」
ぱあぁっと瞳を輝かせてオリヴィン様は見上げてくる。
「………正直すぎるお口はこれですか。」
むにぃーっと頬を引っ張る。
「ひゃめへくらはいぃ~っ!」
「はぁ……」
「あ、私もぉ…一緒に行くわ~。」
数枚のドレスを手にユトゥルナ様はおっとりと笑う。
「大精霊様を2人も連れてけと…?」
「悪いけど、私からもお願いするわ。」
ダフネの不調はラウルスと周辺の生態系に関わる、埋め合わせはするから…とルシオラ様は言った。
こうして……私は、ユトゥルナ様とオリヴィン様を連れてラウルスに向かうことになった。
………………厄介事に巻き込まれる気しかしない!!
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ほろ酔い大精霊様ことユトゥルナ様登場しましたー。
ルシオラ様同様、夜宵にオシャレさすのとお酒を何より愛する蛇様です。もっと妖艶系にするつもりが…表現力が足りませんでしたΣ(ノд<)
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