上 下
2 / 19
壱の巻 天誅でござる!

1

しおりを挟む

「ぁ…ン
カガヤっ‥──!‥ッ」


「‥ミナはココが一番弱いんだな……」


「ヤダッ……//‥」


「──…っ!…」


今日はどのクラスも使う予定のない第2化学室で、
千納寺 輝は同じクラスのマドンナ的存在のミナとお楽しみ中、これからって時に背後から人の気配を感じていた‥

「……悪い、ミナ‥ちょっとごめん」

‥アイツ──
一番いいとこで邪魔しやがってッ…


「…え?どうしたの、カガヤ‥」



セーラーの中に潜り込ませていた手をふいに止めたカガヤにミナは潤んだ瞳で不思議そうに尋ねる


「ミナ‥悪いね…

タダ見物のお客サンが居るみたいだ──

続きはまたにしよう」

「え?何それ?ちょ‥っと
‥‥ん‥ぁ‥ッ‥//」


何か言いたげなミナをカガヤは優しく見つめ返す‥

そして、ミナの首筋に顔を埋め柔らかく吸い付いた──

「アァ‥‥ハァッ‥‥やぁッ…」


細く白い肌に吸い付く音と、脈打ち痺れるような感覚にミナは少しづつ呼吸が乱れ始める‥

キレイな金髪に染め上げたラフなショートにグリーンのカラコンがすごく似合っていて、ミナはカガヤの妖しく微笑する綺麗な唇にうっとりと釘付けになっていた──



カガヤはミナの華奢な腰を両腕で引き寄せ首を傾げると、ミナも自然と交差するように顔を傾け瞼を伏せる‥


カガヤはミナを熱い眼差しで射るように見つめ、軽く何度も唇を重ねた――


「ぁっ‥‥‥カ‥ガヤッ‥」

もっと深いキスをして欲しいッ‥
言葉にする前に身体が求めてしまう――

ミナは自分からカガヤの首に腕を回す‥その途端カガヤは顔を放しクスッと笑んだ‥‥‥


半開きのまま物欲しそうに濡れた唇にカガヤは視線を落とすと、ミナの気持ちに答えるように今度は深くゆっくりとミナの唇をくわえ込む‥

熱を帯びたミナの口腔の中を弄ぶようにカガヤは熱い舌でねっとりと掻き乱した‥

「ハァ―――‥ッ‥ン‥」

離れ難いかのように唇を放すと互いの熱い吐息が漏れ交ざりあう‥‥

そして、カガヤはおねだりするように見つめてくるミナに優しく艶のある声で言い聞かせた…



「ミナ…」


耳元に唇をつけ吐息交じりに囁く‥


「お楽しみは後回しの方が燃えるだろ‥‥


欲しいんだったらまた放課後ココにおいで‥‥‥」

「あぁッ‥//‥」

一瞬、うっとりとしたミナの口から高い声が漏れる―――
カガヤはそう言葉を洩らすなりミナの耳たぶを甘く噛むと首筋に舌を這わしていた‥‥‥



「またね!」


後ろを振り返りながら立ち去るミナに愛想を振り撒き見送ると、教室に背中を向けたままカガヤは話かけた‥


「──イイとこ邪魔する程のネタなんだろうな‥‥

あぁ?‥魅月!?」



「よく言うな!?

気づいてからが長いんだよお前はっ!」


いつの間にか、化学室の机にドカッ!と腰掛け長い足を組みながらミツキが愚痴を溢す

そんなミツキにカガヤは悪びれることなくヘラヘラっと答えた


「まぁ、そぅ怒んなよ!

だって礼儀ってのもあるだろ?

あそこまでその気にさせて簡単にポイッ!とは出来ねぇって。
一応、まだ続きはあるって教えといてあげなきゃな!」


「‥‥バカじゃん、アレじゃ余計に中途半端だろ?」

カガヤと同じ様なヘアスタイル。そして漆黒の濃紺を帯びた髪をクシャっと掻き上げながら呆れ顔でミツキはカガヤをけなした。


そんなミツキにカガヤは余裕の笑みを浮かべ答えた──



「フフン‥中途半端?

だから、イイんだろ?

たぶん、今頃‥身体が疼いて疼いてジュルンジュルンっ‥て」


「‥ジュルンジュルンはやめろって…」

身振り手振りでくねくねしながら楽しそうに話すカガヤをミツキは牽制していた。



「んで、なんの話しなんだ?」

カガヤはミツキに聞き返す


「あぁ、親父から矢文が届いた。
中間報告を急げってジジイ(長老)がわめいてるらしい…
学園に潜入して二ヶ月になるがいったいどーなってんだ!?ってさ…」


ミツキは肩をすくめながら語っている


「二ヶ月か‥

いゃー実際、学園生活って楽しいんだよな!

一族の女達よりこっちの方が女もサバけてっから俺から誘わなくても向こうから寄ってくるし」


「お前、本来の目的忘れてるだろ?」


「あぁ?忘れてねぇよ!

てか、お前はどうなんだ?一応、標的と同じ部活に入って接近出来てんだろ?

しかし、ダセーよな‥
今時、新聞部なんてよ‥」


カガヤはそう言いながら乱れたブレザーのネクタイを締め直し、シャツを正すと上着のポケットから一枚の写真を取り出した。


「この写真なら何回でもイケるんだけどなぁ~
なんでこの人からあんなのが生まれてきたんだ?」


「‥‥親父似だよ‥完全な‥」


カガヤのボヤキにミツキはそう答える。そしてある方向へ視線を向けた‥

「見てみろよ‥ターゲットがコッチに向かって来るぜ」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

満員電車でうばわれて、はじまる 

丹戸尾
恋愛
女子高生、茉莉花は毎朝乗る電車で気になる他校の男子生徒がいた。 毎日遠くから見ただけで満足する日々だったが、ある日からその車両で痴漢されるようになってしまった。 優しく嬲る指に翻弄される茉莉花。 いつしか茉莉花は快感の虜となり、痴漢される度に彼のことを思い浮かべて彼に愛撫されることを願うようになっていた。 痴漢の正体が判明し、茉莉花は秀俊という名前だった彼と付き合うようになる。 映画館の暗がりで触れてくる秀俊に茉莉花は煽られて、自ら彼を誘って快楽に酔いしれる。 秀俊に開発されていく茉莉花の身体は、彼と共にインモラルなシチュエーションを愉しむようになっていくのだった。 ※実際の痴漢は犯罪です。フィクションの官能小説として愉しんでください。

【R18】二度抱かれる(短編集)

白波瀬 綾音
恋愛
ワンナイトは好きじゃないよ お好きなセフレを見つけてください ※表紙にAI生成画像を使っています

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R-18】残業後の上司が甘すぎて困る

熊野
恋愛
マイペースでつかみどころのない上司とその部下の話。【R18】

【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。

猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。 『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』 一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。

10のベッドシーン【R18】

日下奈緒
恋愛
男女の数だけベッドシーンがある。 この短編集は、ベッドシーンだけ切り取ったラブストーリーです。

【女性向けR18】性なる教師と溺れる

タチバナ
恋愛
教師が性に溺れる物語。 恋愛要素やエロに至るまでの話多めの女性向け官能小説です。 教師がやらしいことをしても罪に問われづらい世界線の話です。 オムニバス形式になると思います。 全て未発表作品です。 エロのお供になりますと幸いです。 しばらく学校に出入りしていないので学校の設定はでたらめです。 完全架空の学校と先生をどうぞ温かく見守りくださいませ。 完全に趣味&自己満小説です。←重要です。

【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜

船橋ひろみ
恋愛
【エロシーンには※印がついています】 お急ぎの方や濃厚なエロシーンが見たい方はタイトルに「※」がついている話をどうぞ。読者の皆様のお気に入りのお楽しみシーンを見つけてくださいね。 表紙、挿絵はAIイラストをベースに私が加工しています。著作権は私に帰属します。 【ストーリー】 見覚えのあるレインコート。鎌ヶ谷翔太の胸が高鳴る。 会社を半休で抜け出した平日午後。雨がそぼ降る駅で待ち合わせたのは、従姉の人妻、藤沢あかねだった。 手をつないで歩きだす二人には、翔太は恋人と、あかねは夫との、それぞれ愛の暮らしと違う『もう一つの愛の暮らし』がある。 親族同士の結ばれないが離れがたい、二人だけのひそやかな関係。そして、会うたびにさらけだす『むき出しの欲望』は、お互いをますます離れがたくする。 いつまで二人だけの関係を続けられるか、という不安と、従姉への抑えきれない愛情を抱えながら、翔太はあかねを抱き寄せる…… 托卵人妻と従弟の青年の、抜け出すことができない愛の関係を描いた物語。 ◆登場人物 ・ 鎌ヶ谷翔太(26) パルサーソリューションズ勤務の営業マン ・ 藤沢あかね(29) 三和ケミカル勤務の経営企画員 ・ 八幡栞  (28) パルサーソリューションズ勤務の業務管理部員。翔太の彼女 ・ 藤沢茂  (34) シャインメディカル医療機器勤務の経理マン。あかねの夫。

処理中です...