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12章 学園祭

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晴樹達のお陰で煎餅屋の売り上げもだいぶ上がり、一先ず目標を達成している。


そして休憩に入り一休みしているとまた、夏目の携帯がなった‥

「あっやべ、克也!俺達交代の時間だわ💧! じゃあな、苗!」


夏目達はそう言うと慌てて席を立ち自分達の教室に帰って行く。
その後ろ姿を見て晴樹は苗に尋ねた‥


「アイツんとこは何するんだ?」

「ん? 射的屋だって!」

苗から細かくゲームの説明を聞くと
晴樹は密かにニヤリとほくそ笑む。


「そうか…射的屋ね‥‥‥

じゃあ苗、せっかく夏目も手伝ってくれたんだから売り上げ協力してやんなきゃな!」

「うん、それもそだね!」


そして晴樹達はみんなで連れ立って夏目のクラスに向かった‥













――‥ゲっ!、来やがった…っ…


自分達の模擬店に現れた晴樹に夏目は焦る。


ニヤニヤと笑みを溢す晴樹に思わず背筋が凍った‥

‥こいつ!──
絶対仕返しに来やがった!!💧


夏目は晴樹の目的をとっさに感じとっていた。



「じゃあ的(マト)役の人は早く準備して並んでね!」

係に促され夏目は仕方なく的の位置に並ぶ



ダンボールで作られた台から顔をモグラのように出し、番号の書いてある旗を被っているヘルメットに差している──

そして顔にはゴーグルを装着していた‥



「頭についている旗を狙って下さい。

弾は1ゲーム5弾まで撃てます。
旗に当たったら書いてある番号の景品と引換で、それ以外はティッシュになります」


「ティッシュね💧わかったよ。じゃあ2ゲームやるから‥」


ゲームの説明を聞き晴樹は苗の分のゲーム料金を払うと先に苗にゲームを譲る。

「苗は何が欲しいんだ?」

消しゴムで作られた弾を手にしパチンコを構える苗に晴樹は構え方を教えながら聞く


「えっとね、DSとUFJ招待券!!」


「USJだろ💧
銀行に招待されてどうすんだよ!?」


「いーだよどっちでも!!💧
集中出来ないから兄さん離れててよ!!」


小うるさい晴樹を苗は追い払う💧

「何だよ人がせっかく💧‥」


晴樹はそうブツブツ言いながら苗から距離を置いて眺めていた‥


そして、DSとUSJ招待券と聞いて由美と克也は焦る!そしてやっちんも💧

苗の欲しい景品は二人の旗に書かれた番号だったのだ


その片隅で夏目はホッと息をついていた‥




ただ──

ホッとしたのもつかの間‥


苗の変化球はあり得ない方向へと炸裂している💧


―バシっ!‥「いてっ!」

―バシッ!‥「…つぁっ…」

―バシッッ!‥「痛いっ💧!」

―バシ!‥「イタっ💧」

―バシッッ!!‥「痛ェェ!!苗、お前っ!?」


最後の一発は夏目に命中していた💧


「あ~ぁ‥あっという間に弾、終わっちゃったよ‥」

一つもヒットが出せず苗は口を尖らせ、ふてくされている💧


そんな苗を見て晴樹は感心していた‥


‥ある意味すごいな💧


そう‥狙い通りではないにせよ、ある意味すごい‥

苗は確実に旗より小さい顔のゴーグルからでた僅かな肌の露出部分に弾を当てていた‥‥‥


よって、目的の克也とやっちんは無傷だったがそれ以外の的は、思わぬ犠牲をこうむっている💧


がっかりしながらティッシュを五個受け取る苗に晴樹は言う。


「DSとUSJのチケットが欲しいんだろ?

そこで座って待ってな。」

晴樹は弾を受け取りパチンコを構えた──


正当派の構えのせいか、苗とはぜんぜん威力の違う弾の音が空を切る!!


―ピシュ―ッッ!


一発目があっさりやっちんの頭の旗を射抜き風に泳がせていた。



「うわぁ!さすが‥っ」



いつの間にか廊下には晴樹の姿を見にきた女子生徒で埋めつくされ、構える晴樹の凛々しい姿にため息までもが聞こえてくる‥



苗は晴樹を眺め、悶える女子を見て‥むむ、これも姐さんがいう萌えショットってやつかな?‥そう思いカメラをこっそり構えた



パチンコを構え次の目的、USJの招待券に的が絞られ晴樹の二発目が克也に向けて放たれる!


―ピシュッッ―!


「おおーやっぱ恰好いいな結城先輩‥//」


二発目も難なくクリアする余裕の姿に、今度は後輩の男子生徒からも尊敬の声が聞こえてくる


して晴樹は言った‥


「あんまり当てちゃ品薄になるだろうからな‥


‥残りは遊び弾だな」


「───…っ…」

‥なにッッ!?💧



晴樹の言葉に夏目は焦る!


‥こいつ絶対に―――ッッ


・・・・💧

ほら、やっぱりな‥っ



晴樹は夏目に向けてパチンコを構えていた‥


「いやぁ、結城先輩が石鹸欲しいなんてあり得ないですよねっ」


「そんなことないぜ?
石鹸は使えば無くなるからな!
いくらあっても困らない!!な、苗、‥石鹸も欲しいだろ?」


「欲しい!!」



晴樹にそう聞かれ苗は即座に返事する!!


そう、苗の家は言わずと知れた10人家族‥石鹸なんて瞬く間に使いきってしまう💧


夏目の旗に書かれた景品は石鹸12個入りのセットだった。


‥ジャンケンであんまり狙われない景品をせっかく勝ちとったのに・・・💧


夏目は石鹸を楽しみに待つ苗を切な気に見つめていた💧
そして晴樹の言葉に目を見張る!!



「あーでも大丈夫かなぁ~

さっきので集中力だいぶ使ったからなぁ~‥クスッ‥

手元が狂うかもしんねぇ‥
苗、外したらごめんな!」


そう言う晴樹に苗は頷き返す

‥くぅっそッッ!💧こいつ💧


夏目に不敵な笑みを向け、晴樹はニヤニヤした顔をキュッと引き締めてパチンコを構える―――


焦点は確実に‥

ゴーグルから少しだけ見える生肌‥夏目の顔に絞られていた‥💧



―ピシュッッー!‥

‥ビシッ!!!
「いでぇ〰っ」


「あ、悪いな。」


晴樹は簡単に詫びると構わず4発目を構える!

―ピシュッッー!‥

‥ビシッ!!!「ぬぁ〰っ痛ぇ!!」

「あ、またまた悪いな。」


‥クソッまじ痛ぇっ💧


夏目は険しい表情を晴樹に向ける

そして、最後の五発目が空を切り夏目の旗を射抜いていた・・・

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