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10章 バカンス
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しおりを挟む「あれは‥
あれは、‥っ‥あんたにッあんたに敵わないって思ったから‥っ‥でも、別れてからゆっくり考えてみたら間違えてたって‥
好きなのに何諦めてんだって思ったから‥」
夏目は晴樹をまっすぐ見据える
「俺、苗のこと諦めない‥諦めることできなかったからっ‥だから諦めないっ!」
「──‥っ」
二度目の宣戦布告をする夏目に晴樹は睨みをきかし、絞り出すように言葉を吐いた
「‥っ苗に‥近づくな‥」
‥近づいてほしくないッ
誰にも―――ッ
苗の傍にいるのは俺だっ
「あんたに言われる筋合いはない!!
‥‥‥どっちにしても今日一緒に遊ぶ約束してるから」
‥‥―――なに!?
「はっ!バカ言ってんなよ
お前、女連れじゃねぇかよっ!?」
夏目に絡みつくアキを見ながら晴樹は言った
「‥‥っ
こいつはなんも関係ねぇよ!!」
「ムッ…ひどい!
キスしたじゃん!?」
「あれはっ…」
夏目の否定に怒りながらアキはわめく
「フン‥やることやっといて何言ってんだお前?いちゃつくなら他でやれよな‥‥
陸、空!そんな奴らほっといて行くぞ。」
晴樹はその一言だけを残し立ち去っていった‥
・
‥くそムカつく!!
『苗と遊ぶ約束してるから!!』
‥何が遊ぶ約束だ!!
なんであいつは―――ッ
苗はいつも俺をこんな気持ちにさせる!?
晴樹は自分の髪をくしゃっと鷲掴んだ
‥一緒に田舎で過ごしてせっかくいい雰囲気になれたと思ったのにッ
「兄ちゃん大丈夫か?具合悪そうだぜ?」
悲痛な表情のまま無言で歩く晴樹に陸達は声をかけた
「あぁ!兄さん!!
もう海に出てたの早いね」
「――!‥あぁ‥苗…」
丁度、更衣室の方から歩いて来た苗に出くわした
「兄さんちょっと待ってて。由美が仕込みに時間かかっちゃってるみたいでさ」
「仕込み?」
苗の言葉に疑問符を浮かべながら晴樹は苗を見つめた
苗は大判のバスタオルを肩にかけ、すっぽりと全身を覆っている。
「苗ごめんっ…
ちょっと時間かかちゃっ‥──!!‥//
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由美は苗と待っていた晴樹を見つけ真っ赤になった。
「うゎ、由美ねぇちゃんビキニだ!」
「あっ!
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無理に笑顔を作り由美に微笑む。そして更衣室の前で二人を待っていた海は興奮していた💧
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