122 / 255
5章 田舎町
9
しおりを挟むなんだ‥叔母さんとこか…
晴樹はホッと息をついた。そして、思いつめた表情を浮かべる‥
「苗‥お前さ…」
『うん?』
「俺に会いたいって‥
‥思わない?」
『‥‥んん?』
「全然、思わない?」
苗‥はっきりいって…
もう辛い‥
一方通行は辛すぎる‥ッ
『‥‥せっかく、こっち来てるんなら会いたいだけど‥兄さん用事があって来てるだょね💧?』
「‥‥‥
用はもう済んだよ。」
『え、じゃぁもう帰るだかね?』
「いや‥まだいる…
苗は明日は旅館の手伝い何時までするんだ?」
『夕方には終わるょ』
「夕方?
‥じゃぁ、夜は一緒に食事するか?ホテルのディナーご馳走するから‥」
『なぬ?ディナー!?
わかったょ!ところで兄さんどこのホテルに泊まってんの?‥‥‥うん‥‥何!?めちゃ高級ホテルじゃん!‥‥‥うん手伝いすんだら電話するから、じゃね!』――プツ
―ツ――‥
‥コイツは…っ
晴樹は相変わらず切れ方の早い苗からの電話を呆れながら眺めた‥それでも、嬉しさについつい顔がほころぶ‥
・
やっと苗に会える――
胸がドキドキしてしょうがなかった…
「叔母ちゃんっ
この茄子は焼いたら剥いておく?」
「うん、全部、剥いたらもう仕事上がってえぇからっあんた、約束あるでしょ」
苗は次の日、民宿の夕飯の焼き茄子を炭火で焼きながら叔母ちゃんに話しかけていた
そして鼻歌を歌いながら焼けた茄子を剥いていると合宿を終えた悟がやってくる―――
「苗!手伝うぞ
茄子剥くだけだろ?」
「あ、悟ちゃん
ありがと!」
悟は苗の隣で茄子の皮を剥きながら話す
「早いとこ終わらせて遊びに行くぞ♪」
「遊びに?
ごみん。苗、今から兄さんとディナーに行くだょ‥」
「兄さん?誰だそいつ‥」
苗は悟に足なが兄さんの説明をした
「‥‥んで‥田中家がとってもお世話になってるお方なんだょ!」
「へぇ‥
で、その人がこっちに用事があって来てんのか?」
「うん。」
悟は少し考え込みそして口を開いた‥
「会ってみたいな…その兄さんに!
だって俺の代わりに苗を助けてくれてんだろ?やっぱ俺からもお礼を言わなきゃなっ!」
「わかったょ!」
0
お気に入りに追加
526
あなたにおすすめの小説
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる